条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
gesu to abazure
『刑事×ヤクザな社長』、『ゲイビカメラマン×ノンケ男優』、『大学の先輩×後輩』、『執事×お坊ちゃま』の4作品。ものすごいツボを突かれた所でスパンと終わって次の作品に移ってしまう、焦らし上手な短編集でした。
読み終わった後にこうなったらいいな、ああなったらいいな、と妄想が止まらなくなる寸止めぶりに屈して「萌×2」です。
◆『下衆とあばずれ』
大学時代の先輩×後輩。現在は刑事×ヤクザな会社の社長という関係の2人。学生時代から切れない下衆とあばずれの、SMな関係。甘い関係ではないと2人は言いますが、互いにどっぷり浸かっている様子は見ていて何だか甘々。「先輩」という呼び方に愛を感じます。
【→妄想】昼は敵同士、夜は恋人同士な同居二重生活~という妄想が止まりません!
◆『やさしい月』
妥協して生きてきたおっさん(まだ30だけど!)カメラマンと、借金返済のためゲイビ出演し大学を中退した若者の話。流されるなと説教したら、流されていたのは自分だけだったオッサンの悲哀。でもまだ枯れていなかった悦び。夢中になれるものが欲しい男達。
【→妄想】同居を始めたけどまだ本名教えてもらってない、不憫なオッサンを妄想中。若くもなく成熟してもいない30~40代には不憫がよく似合う、と思います。むしろ武器。
◆『どうしようもない』
優しい先輩×控えめワンコな後輩。優しくなりきれない先輩の戸惑いにきゅきゅん。作品に気持ちが表れてしまう美大生。嘘がつけないから切なくて甘い、優しい恋の話。
【→妄想】優しい先輩が豹変して長髪パーマが乱れる所を妄想☆2人の作品が突然エロくなって目のやり場に困るクラスメイト達とか!
◆『彼のための執事』
年上執事×我儘だけど執事には頭が上がらないお坊ちゃま。言葉や仕草は丁寧ながらも目は全く仕える気のない下剋上臭プンプンな執事に萌え。
【→妄想】「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」的な言葉攻めの毎日を妄想。
タイトル通りの性格の2人でした(いいよね)。 学生時代からの腐れ縁みたいだけど、下衆の方の葛藤が何とも言えないいい感じです。 あばずれに、もっともっと振り回されてしまえばいいんだ。 この下衆もさっさと自分の気持ちを認めればいいのになぁ… もう少し読みたかったな。 芸大のお話は可愛くて好き~っ。 面倒見のいいこういう攻め大好き。 執事のお話も歳の差で、最後まで丁寧口調が良かったです。「無色透明」の中の方にこっちのペーパーが入ってたので… ははは、四ツ目さんストーカーですか(笑) 確かにこのペーパーも攻めは下衆野郎でしたが本編に比べると少しは甘いのかなぁ。 もう、素直にお持ち帰りしちゃいなよ!!
この表紙に引かれて購入。
表題作は2話分のみ。
楽しめたけど、もっとあったらもっと楽しめたのに。
残念。
最終的に遊馬が大怪我して働けなくなって四ッ目と一緒に暮らすことになって世話してもらうとか、妄想していたのに。
遊馬が四ッ目に優しくするときは「先輩が俺を殺す時だろうな」みたいなことを四ッ目が言ってます。
(先輩は遊馬)
私は遊馬が死ぬときか死にかけのときに四ッ目に優しくするんじゃないかと思います。
殴ったりするのは四ッ目にだけで、付き合ってた恋人にはそういうことない感じで謝りにも言ってるし。
表題作よりも「どうしようもない」が好きです。
本丸が可愛いわ。こっちの方が楽しめた。
GUSHは好きなレーベルの一つ。今回もまた実に私のツボに来る一冊でした。
この表題作、「病みBL」収録作品だったんですね。
ヤンデレビッチ受けをこよなく愛する私にうってつけのタイトル&表紙!
一目見た瞬間、迷わず予約ボタンをぽちってました。
そういうわけなので、収録4作品の中では、やっぱりダントツに「下衆とあばずれ」が好きです。
ドS刑事(「先輩」こと遊馬)×ドMでビッチな経済ヤクザ(四ツ目)という組み合わせ。
「ドMでビッチな経済ヤクザ@受け」というと、あの有名作品が思い浮かぶのですが、話の方向性は全く違います。
この作品では、SMこそが2人の絆であって、愛情確認そのもの。
暴力=攻めの愛情表現と知った上で攻めを煽る受けと、愛情という自覚はないのに、受けの魔性にドSの本性を呼び覚まされ、暴力とセックスを繰り返してしまう攻め・・・
そうそう、まさにこれが読みたかったんですよ。
刑事とヤクザという究極の対立関係にあるSとMの、永遠に実らない、それでいて離れられない関係・・・この構図自体が、私にとってのこの作品の魅力です。
しかし、大学の剣道部員時代の二人のしごき愛は、不意打ちでしたね。
刑事とヤクザの話から剣道部に飛び火するとは予想してなかっただけに、剣道着姿の二人の絡みは萌えました。
剣道って、一対一だし、(竹)刀を使うという面でも、すごくBL向きのスポーツですよね。
剣道と警察っていうのがまた馴染みのいい要素でもあって、何だかストーリーにぐっとリアリティーが加わった気がします。
個人的には、この回想シーンが一番好きでした。
ただ、SMカップルって、受け=Mは魔性の持ち主としてとても魅力的に描写される一方で、攻め=Sは相対的に影が薄くなってしまうものが多い気がします。
SM愛が成立するってこと自体、Mにイニシアティブがあるということだからでしょうか。
なんだかんだ言って、実際の行為の側面では、ほかのどんなケースよりも攻め(責め)が暴走してると思うんですが・・・
この作品もしかり。個人的には「先輩」の狂気と理性の間の振れ幅を、もっと読みたかったなと。
「先輩」に狂気を、もうひと匙。
クライマックスで、感じまくっている四ツ目を前に、「先輩」は途中でやめてしまうんですが、彼の手を止めさせたものは何だったんでしょうか?
その答えは、多分次のコマで四ツ目が言い当てている通り、四ツ目への愛情に気づいてしまったということなのでしょうが、そこを四ツ目に説明させちゃうのはもったいなかったような・・・これも好みの問題ですが。
描き下ろしの四ツ目と側近の会話、短いけれど笑えました!
しかし、刑事との恋仲(傍目には単に暴行されてるだけですがw)を組の連中にオープンにしてて大丈夫なんですかね?四ツ目さん♪
同時収録作品↓も、人気のシチュエーションが揃っています。
「やさしい月」:ゲイビの監督兼カメラマン(?)×ゲイビ俳優
「どうしようもない」:美大の先輩×後輩
「彼のための執事」:日本に華族制度があったレトロな時代の、美しい執事×若きご主人様
yoshiakiさま
はじめまして、クリボウと申します。
コメントありがとうございました~!
私はわりと感覚的にリバれ~と思って、それをそのまま書いてしまったのですが彼らの関係性について書かれたyoshiakiさまのレビューを読んで納得しました~。
>刑事とヤクザという究極の対立関係にあるSとMの、永遠に実らない、それでいて離れられない関係・・・この構図自体
このくだりにも『うんうん(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)』とヘドバンのごとく頷いてしまいました!!
どちらもアドバンテージを握っているようで対等。
エンドレスゲームですよね。
続編(番外編)読みたいです~。
連動小冊子、あざとぉ…と思いつつ買ってしまいそうです(笑)
あ、剣道部エピですが私は胴着萌え(袴萌え)に目がくらんで関係性までつきつめられませんでした←未熟者ww
yoshiakiさん こんばんは~!
剣道部のエピソードは良かったですよね!
意外性もあるし、あれで二人の関係に対する萌え度がグンと上がった気がします(*´ω`*)
yoshiakiさんの超的確なレビューのおかげで、
「病みBL」でこの話を初めて読んだときのゾクゾク感が甦ってきましたよ☆
この話、もっと続きを読んでみたいですよね~
「無色透明」の方の特典が、下衆カプの話だったらいいな~とほんのり期待してるんですが(ないかな~)
アンソロ『病みBL』で好きだった
タクミユウさんの「下衆とあばずれ」がコミックスに♪
ドS刑事とドMヤクザの、大学からの腐れ縁を描いた短編です。
大学の剣道部で後輩だった四ツ目(受・現ヤクザ)は
わざと遊馬(攻・現刑事)を挑発し怒らせたり
更衣室で殴られ犯されて悦ぶような変態であった。
しかし、四ツ目を暴力的に扱うことで
遊馬もまた快感を覚えていて
そんな関係が今でも続いている。
二人の間にあるのは
本能的に求め合う欲望に近いもので
優しさや恋人関係は互いに求めていない。
それでも互いに離れられない、
誰より縁の深い関係であることは確かで
この関係は今後もずっと続いていくんだろうと思います。
アブノーマルを強調するのではなく、
破れ鍋に閉じ蓋なちょっと屈折した愛の形が
ナチュラルに自然体に描かれています。
そこに独特のユーモアや人間味が感じられ好きな話です♪
描き下ろしでは
遊馬以外には結構S?な四ツ目の一面が。
丁重に当て馬を辞退する部下クンに笑いましたww
遊馬は嫉妬…したとしても無表情なままだろうな~
カバー下マンガは
俺たちの関係をリークしちゃうよ~と冗談言うけど
ガサ入れるぞと冷静に言い返され
「あっ♥」と悶絶してる四ツ目w
もう君らはずっとそんな感じでいいよと思える
ちょっと和みエピでしたv
ほかには
ゲイビのカメラマン×男優、
美大の先輩後輩(全2話)、
執事×坊っちゃん
という三つのお話を収録。
表題作ほどのインパクトはないですが
ほのぼの優しい空気感が心地よかったです。
ヤクザとかSMとか興味ないわ~って人でも
表題作以外は読みやすいんじゃないでしょうか☆
7月発売の、先生生徒モノの『無色透明』も
ほのぼの路線かな?(※)
特典小冊子に宣伝のようなマンガが載っていました
(でも、できれば本書からのエピが読みたかったな~)
―――――――――――――――――――――
【※追記】
『無色透明』は既刊『恋っていうのは』の関連作で
受の過去編のようです、失礼しました!
既刊や『GUSH peche』掲載分を調べてみたところ
もしかして結構ダウナー系(=自分好み)?
俄然楽しみになってきましたw
krovopizzaさま
コメントありがとうございます!
krovopizzaさんのレビューがなければ、私はきっとまだ祐仁を探し続けてたところです(笑)
>「無色透明」の方の特典が、下衆カプの話だったらいいな~とほんのり期待してるんですが
あ!それいいですね~(*'ω'*) もしそうなら「無色透明」購入即決です♪
「下衆とあばずれ」って、まさにkrovopizzaさんのレビューにある「破れ鍋にとじ蓋」そのものですよね。
最悪同士だからこそ最高のコンビ! SとMって奥深いです☆彡
リバれ~。
短編集ですが全作品リバればいいのに~と思いました!
【下衆とアバズレ】
大学時代の先輩で刑事:遊馬×後輩でヤクザ:四ツ目。
探さないと見つからない、ひょっとしたら探しても見つからないLOVEを探そうともしない間柄の話を久々に読みました。
手ひどいセックスでしか愛情(‥なのか?)を表現できない遊馬が自分の気持ちを整理できないままに四ツ目にぶつける姿がリアルです。
腰の打ちつけっぷりが、そのままジレンマに繋がっている感じでした。
乱暴としか呼びようのないセックスで満たされるふたりの愛情は目に見えた形では表現されません。
セックスという行為は誰もに認められた明るい間柄のみならず相反する世界で生きていく者同士が繋がる手だてであることを再認識させられます。
仕掛けているの四ツ目の影から遊馬の執着が浮き上がるトリッキーな作品でした。
遊馬が自分の本心を認めようとしない意地っ張りぶりにニヤリとしました。
描き下ろしで当て馬にして見せつけようと部下にしなだれかかる四ツ目が部下に呆れられてるやりとりが可愛いです。
部下目線の話やリバッてる話が読みたいです。
【やさしい月】
AV現場のカメラマン:村上×俳優:ワタル。
ワタルというキャラの感情の底が見えなくて面白かったです。
村上はファインダーの外から見たワタルに楽しい、悲しい、嬉しい、寂しい、愛しい、、そういう感情の上澄みだけを感じ、惰性で生きている今の自分とシンパシーを感じているようです。
酔いにまかせたふりをして体を重ねるなか、あられもなく乱れ『ひとりで興奮する』ワタルにイラつく村上。
自己完結のセックスは自慰と同じですもんね…でもワタルは自分を求める村上に今までとは違う何かを見つけたようです。
先を予感させるようでいて、ワタルがこのまま姿を消してしまうような不思議な終わり方でした。
騎乗位であんあん乱れるワタルの体の線がエロい~。
【どうしようもない】
同じ美大の先輩:熊田×後輩:本丸。
人見知りで、そのくせ一途に見つめる無遠慮な視線の本丸の危なっかしくて放っておけない感じは庇護欲をかきたてます。
熊田は優しくておおらか。
ノンケなのに本丸のいじらしさにほだされてました。
でも誰に対しても優しい人って想いを口にしてくれないとお相手は不安になりますよね。
過去の恋心をひきずったクロッキー帳のためにケガをしかけた本丸を見て、キッチリ決着をつける姿はかっこよかったです!
【彼のための執事】
主人:清比古×執事:小沢。
ピッタリ撫でつけた黒髪執事萌え~!!と叫んでみる。
執事たるもの立場をわきまえ主人に尽くすべし!なので清比古の想いをしりつつ応えようとしなかった小沢を動かしたキッカケが少々、弱いかな?
それでもページ数のわりに巧くまとまっていると思います。
自分への想いを抱えた清比古が見合いを承諾するように、立場を超えてしまいたくなる自分を戒めるように、これまで粛々と仕えた執事を辞すまでの決意が揺らいだのは涙のせいでしょうか…。
ちょっとワガママで子どもなご主人様の口(上も下も♪)をふさぐ時に見せた挑むような目線にゾクゾクしました~。
‐‐‐‐‐
艶なジャケ絵!
カバー外して1枚絵で観ると裏表紙に広がる紅色の背景に映える裸足と百合の構図に惚れ惚れします。
カバー下の裏表紙の四ツ目のSと見せかけたMの誘い文句に吹きました(笑)
クリボウさま
はじめまして。yoshiakiと申します。
クリボウさんの「全作品リバればいいのに~」発言、とっても新鮮でした(*'ω'*)
そう言われてみれば表題作にしても、肉体的には四ツ目のほうが一方的にダメージをくらってる反面、精神的には遊馬のほうが四ツ目に引きずられていて、或る意味すごく対等な関係。突き詰めればリバに行き着きそうな気もします。
「やさしい月」も、気持ちよければ何でもアリのあんあんワタルは、たしかに攻めもイケそうですね。
>先を予感させるようでいて、ワタルがこのまま姿を消してしまうような不思議な終わり方でした。
ここも同意です!
その後、村上はすっかりワタルにおぼれた挙句に金目のものを持ち逃げされて無一文に…みたいなしょっぱい後日談が待ち受けていそうな2人(笑)
余白が多い分、余韻で遊べる作品ですよね。
ネタバレ有です
表題作
思っていたほどダークではありませんでした。
デカである遊馬に、大学の後輩、
現在、東郷組の四ツ目に近づき、情報を聞き出すようにと上からの指示が。
遊馬は、早く彼と縁を切りたかったようですが…
初っ端から濡れ場なんですが、個人的に、遊馬の無表情ぶりにニヤニヤが止まらず。
体勢もまたなんか、笑えるわ。かなり私のツボだったみたいです。
なんか名前からも連想して、馬の上に乗っているような感じというか。
そのまま前進してもおかしくないというか。
頭の中は、最初のページで変な妄想だらけになり、なかなか前に進みませんでした。
しかも、四ツ目と四ツ目の部下の間でちょっとしたシーンもありかけたりして、
続きが気になる作品でした。この部下、受けがいいわ。
やさしい月
同性愛者のAVビデオ撮影の仕事をする村上とAV俳優わたるの物語
この物語の特徴の一つは、わたるは同性愛者ではないこと。
気持ちよくお酒を飲んだ後にくる、空虚感。
そんな事を思わせる、村上の言動。
全体を通して、夜の町に出たら、リアルにあってもおかしくない話かも。
そんなことを感じるお話でした。
どうしようもない
美術大学のお話です。
どうやら本丸は、先輩、熊田に一目惚れしている様子。
二人の関係は、色んな場所で深まっていきます。
トラックの移動を使った演出も少し出てきます。
コマ割り以外で、時間の流れを表現する方法の一つ。
ドラマの演出では、当たり前のように出てきますが、
動画ではない、コミックになると、より効果的な感じがしました。
彼のための執事
執事という職業に対し、理解できない部分のある清比古。
そんなことを思いつつも、彼は、執事、小沢をこき使っているご様子で。
執事という一見、主人からみると弱い立場の人間が、
ある言葉の表現で、下克上的な展開を見せる作品です。
この執事、人の揚げ足を取るのがうまいかもとふと思いました。
普通に楽しめたので、萌で。
表題作「下衆とアバズレ」と「やさしい月」「どうしようもない」「彼のための執事」の4作品収録されています。
読んだ印象では、この中で「どうしようもない」だけ、普通というか…S要素がない感じ? 私は「下衆とアバズレ」「やさしい月」が気に入ったので、「どうしようもない」を外して、この2作品の続きを入れて欲しかったなぁと思いました。先輩が俺を殺す時だっていう優しいシーンが読みたいです!
あと、「やさしい月」のワタル(受け)は、同じ作者の描かれた「恋っていうのは」に出ていた千洋を思い出しました。こういう強がりじゃなく諦めて生きているようなキャラを描くのが、本当に上手だと思います。
ちょっと殴られる場面もありますが、後味は悪くない作品です。
表題作はMなヤクザとSな刑事の腐れ縁物。
タイトル通りの下衆な刑事と、あばずれヤクザが、愛があるんだかないんだかの痛いセックスをするお話で、雰囲気はたっぷりなんだけど、如何せん短すぎ。
次の「やさしい月」もゲイビ男優と監督がなんとなく話しの流れでついセックスして、、、で、それから?だし。
「どうしようもない」はちょっと長めの芸大生の話で、ぐずぐずっと一緒にるうちに体の関係もできて、それで最後に「好きでなくて男なんか抱けるか」って、、、
最後が秘書と主人の話。
どのお話も雰囲気は萌たっぷりなんだけど、ただでさえ繊細で動きの少ない絵の短編が、このコミックスのサイズにあれこれ押し込まれていると、どれもインパクトに欠けるというか、
なんかもったいない感じだった。
ちるちるではあまり取り上げられることのない先生ですが、私は好きな作者さんです。
本作は2014年発表の短編集。
「下衆とあばずれ」
インパクトのあるタイトル、内容も印象が強い。
読んでみればそれほど長くない短編なのに、いつまでもこの2人のその後が気になる。
攻めは刑事の遊馬(あすま)、受けは暴力団フロント企業社長の四ツ目。
2人は大学の剣道部の先輩と後輩の間柄だったが…
この2人の関係性は奇妙で、作品説明では「ドS刑事とドMヤクザ」とあるけど私はちょっと違う印象を受けた。
大学時代から四ツ目は遊馬の心のどこかを煽るように振る舞い、そしてキツいシゴきを受け入れる。そんな四ツ目に暴力をエスカレートさせていく遊馬。
だけど、四ツ目は他の人には逆にサディスティックだし、遊馬は恋人を殴るような男ではないようで。
彼らは彼らだけの言語を突き詰めてこんなことになってしまったよう。四ツ目の複雑さはわかるとして、遊馬はちょっと不思議。本心から四ツ目を疎んじているようには思えないし、でもいくら何でもタバコを胸に押しつけるのは余りにも…
2人が2人でいる時、病み/闇が具現化してくるのでしょうね…正に初出の「病みBL」にふさわしい作品。
「やさしい月」
ゲイビ監督・村上とゲイビ俳優・ワタル。
ワタルは初めは金のためだったけど、今は何も考えずに流されている。そんなワタルが危なっかしくて、ゲイでもない村上に魔がさすような。
この後2人はどうなるのかな。村上が本気になって、ワタルはすり抜けていく…そんな気がする。
「どうしようもない」
美大の先輩と1年。
1年の本丸は人見知りであまり喋らないのに、3年の熊田のいる所に来ては入り浸るようになる。周りも噂するくらいに。気のいい熊田は本丸にも優しいが…
本丸のナイーブさが何とも可愛らしくて好ましい。
熊田のビジュアルがもうちょっとクール系のイケメンだったらもっと良かったなー。
「彼のための執事」
これ、時代設定はいつなんだろう?名家韮澤家の若当主・清比古と、彼の執事・小沢の主従もの。
清比古はずっと小沢が好きなのに、小沢は家のために見合いをして後継ぎを、と勧めてくる…
感情などないかのような小沢が、実は情熱的な攻めなのはお約束の下剋上。
スリーピースにオールバックの小沢はカッコイイ!
「下衆とあばずれ」をもう少し長く読みたかったかな…複雑で先の見えないCPというのも面白い。