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腹が減っては、妄想ができぬ。
テーマアンソロが好きなのでこの時もなにげなく購入したのですが、以来1年近くキッチンの料理本コーナーに紛らすように置いてある(笑)。これがナチュラルに紛れてしまうほど淡めでセンスのよいカバーなので、大変気に入っています。
各作家1~2ページですが、締切間近の"勝負飯"が自由に描かれています。
イケメンを登場させているページもあれば、あとがきなどで出てくる作者のキャラ&作業机+食べ物というページも。美男子が口を開けて食べている絵だけでも読者は満足なページもあり...盛りだくさんで、もうこれは"妄想お楽しみ袋"みたいな一冊です。コミックの中の絵柄とは違う印象を持てる作家もいて、面白い!
私はキッチンで煮込み料理中や数分待ちの間にときどきペラペラとめくっているのですが、初回以降は毎回たまたま開いたページから読み始めるので、飽きないんですよ。意外にこの本から新たなお気に入り作家を見つけていたなぁと、今読み返して思いました。
ー少しだけピックアップー
【日塔てい】修羅場中にもっともテンションをあげてくれるのが、定食屋の出前で配達にくる男の子たち。ちょっと失礼があっても可愛いければ許しちゃう。このやんちゃそうなメンズがいいです!4人もいるんだもの、このまま続きを書いてください。
【神楽坂はん子】切羽詰ってくるとバナナ。この絵がステキにエロかった。追いつめられると食事はどうでもよくなり、スペシャルドリンクだそうです。心配です...けれど、なぜか最初から最後まで爆笑、流石。
【斑まだ】どんな修羅場でも、朝晩は必ず家族で食卓を囲むそう。「母作ピザパン」は、わかるわ~こういうのが一番おいしいよね、この味食べたい!と思い、私はさっそく食パンを買いに出かけました。どのご飯も、ご家族の愛情たっぷり、おいしそうでした。
家族や友人の登場する日常風景を想像したり、作家のセンスゆえ楽しくてたまらない仕上がりになっている修羅場中の食事にも、私はものすごく癒されました。人柄も感じられるしね。読めばどの作家も好きになるのではないかしら。私はそうでした。本当、みなさんすごくカッコイイ!オリジナリティと読者を楽しませる才能、すばらしい表現力を感じます。
毛魂一直線のカバーイラストが、こんな状況下ほのぼのしてて、もうなんとも可愛い!この中でカップルを作って一冊ほしいところです。
三角関係×2でもいいから。
勝負メシというと、ここ一番のときのおもてなし料理と思ってしまった自分…。
違いましたよ。
「死ぬか生きるか」の勝負のときのメシ。
つまりは修羅場のときに何を食べるかという本でした。
目次を挙げてみますと、
スイーツ/ご飯/パン/麺/豆腐/スープ/コーヒー/ドーピング/ファーストフード/作り置き/家族メシ/時短メシ/家事/忘れられない一品
という感じで、各項目につき2〜5人の作家さんの漫画エッセイが読めました。
新井煮干し子さん、羽生山へび子さん、箱石タミィさん、かつらぎさん辺りがツボでした。
ただ…、漫画家さんって本当に少食な方が多い。
以前、中村明日美子さんと宝井理人さんの作業中の腕が映った写真を見て、その細さに驚愕したものですが、動かないから食べない、時間がないから食べないという選択をする方の多いこと!
時間がなくても食べる!動かなくても時間になればたべずにはいられない自分…。猛省しました。
一番衝撃だったのはイノセさんの味覚です。大丈夫なのでしょうか…。
美味しそうな食べ物のイラストがズラリと並んでいるのに全くといっていいほど食欲をそそられないグルメ本(?)の登場です。お題が「修羅場時のご飯」なので、それもそのはず。凄惨を極める締め切り間際(もしくは過ぎている)現場の描写とセットで紹介される食品には、どうしても負のオーラがまとわりつきます。
極限状態になると食欲は低下するそうで、「食べたら寝てしまう=死ぬ」という強迫観念も相まって皆さん修羅場時にはガツガツ食べたりしないそう。しかし食べないともっと死ぬので、効率よく最低限の栄養素を摂取するための工夫が編み出されているのでしょう。
ということは、これを真似したらダイエットになるのでは! と思いましたが皆さん口をそろえて「痩せないんですけどね!」と締めくくってらっしゃいます。
簡単レシピ本として使えそう♪と気楽な気持ちで読み始めましたが、命を削って創作活動をされている作家様方が闘う姿に思わず合掌したくなりました。
数え間違えがなければ62名の作家さんによる、1人1~2ページずつの修羅場飯漫画。
勝負飯もそれぞれ個性が出ていて楽しかったのですが、お仕事現場のイラストや修羅場をいかに乗り越えるかといった内容が面白かったです。結局神技や裏技などというものはなく、死に物狂いで頑張るしかないという、一番ためになる結論に達しました。
以下、これは便利! と思った勝負飯ベスト5です。
◆1位:お料理男子が美味しいご飯を作ってくれる。
【小嶋ララ子】さんの「美少年が泣きながらごはん作ってくれる」という妄想。何故泣きながらなのか分かりませんが萌えました。
【みつこ】さんのお料理男子メニュー「白米+唐揚げ+チャーハン」という組み合わせに萌え(笑)
◆2位:お母さんが美味しいご飯を作ってくれる。
◆3位:お料理男子がいないので、ご飯の上にマヨネーズ等色々乗せてみる。
◆4位:お母さんもいないので、パンの上に色々乗せてみる。マヨ万能説。
◆5位:たまには贅沢して、デリバリー(配達男子の汗&制服萌え付き)。
そしてBL的な萌えを提供してくださったのは【羽生山へび子】さん! リーゼントな兄貴が睡魔と闘うため、午前2時にインテリチンピラ風な友人へTEL。「なんでもいいからしゃべ…」言い終わらぬうちに電話は切られてしまいますが、優しいメールが届きます。
飯その1.「カフェイン」 飯その2.「ニコチン」 飯その3.「ダチの優しさ」
そんなアニキの物語。
創作業の方への尊敬と、食べ物への感謝の気持ちがわいてくる1冊でした。
自分もハッキリ言って家事が得意とは言えません。
それこそドリカムの「あなたにサラダ以外も」レベル
安売り野菜を買って、切って混ぜて炊いただけ クラス。
ビストロSMAPとか、モコズキッチンとか見ると溜息が出ます。
でも、職場の女子と話すと「立派」とか言うんですよ。
洗脳してんのか?と思ってました。
でも、この本を見て女子だから料理はやるだろとか、やはりそんなこたねー事を痛感しました。
何かを切りさえしない人が、大半。
ひどいときには空気が食事ってΣ(゚д゚lll)
先生っ!体大丈夫ですかっ!
物凄く不安になりました!
ご飯作ってあげたい(T ^ T)