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aizen kagura
待ってましたァァ!!
これぞ私の好きな方向性の日の出ハイムさん作品!!
御本人もお好きだという戦国もの、天地合わせて表紙も美しい!!
素っ気ない色合いに見えますが実は複雑な色の重ね方が大好きです。
ガッツリ濡れ場もあり、久々に艶っぽいカラダのラインを拝みました♪
※天の巻、地の巻2冊合わせてのレビューとなります。
幼い頃、人買いに買われ伊賀百地の下忍として育てられた風間刃之介(カザハ)は百地の惣領息子:百地小平左に言われるまま『命令』として体を繋ぐ日々。
しかし何かと自分を構う小平左に反発しながらも、いつしか惹かれていきます。
それまで忍としてしか生きられないことに苛立ちを見せなかったカザハが『生きる』目的を意味を知ってしまった。
そんな彼を心配する兄弟弟子の斬蔵。
そんなある夜、百地屋敷が襲撃され濡れ衣を着せられたカザハは追われる身となります。
斬蔵を中心とした、いづな、ダキニら兄弟弟子はカザハの潔白を信じ真相を探ろうとしますが彼らもまた次々と襲われます。
登場人物(CP)は伊賀の里:百地を中心とする忍たち。
◆上忍:百地小平左×下忍:風間刃之介(カザハ)
俺様で不器用な小平左は口数が足りず、鈍いカザハに想いが届くまでに時間がかかっていたようです(笑)
カザハは愛されることに慣れていないうえに彼らの主従関係がハッキリしすぎているからしょうがないですよね。
百地襲撃以降の流れは読めるし、キャラも王道テンプレです。
でも上忍である小平左が下忍であるカザハに生きろ!!と言う新しいタイプの上司であることがポイントでした。
次々に新たな局面を迎えつつ主従の繋がりを越えた情愛を交わすふたりは魅力的です。
天の巻では女性らしい容姿で儚げな印象のカザハが小平左を護る決意で前を見据える瞳はとても漢らしかった~。
◆刀工:蘇芳×下忍:鳶ノ斬蔵
忍たちが恋しい人への想いを遂げられることはまずない。
物心つく前に公卿屋敷からさらわれた斬蔵の初任務は自分の身内を討つもので、それ以来、彼は幸せになってはいけないという思いに囚われています。
心を殺して生き延びるなか、刀工の蘇芳と出逢い笑顔の明るさに惹かれた斬蔵は忍としての尊厳と人としての自由の間で揺れます。
斬蔵が暗とするなら一般人らしく健全な蘇芳は究極の明。
死に面し最後に求めたのは蘇芳で、その明かりに照らされ忍の尊厳か溶かされ『愛』が露出した斬蔵の満ち足りて穏やかな表情に泪が出ます。
◆下忍:いづな×下忍:ダキニ
とても元気で可愛い二人でした。
忍を『商売』として工夫をこらしながら日常としての日々を積み上げる彼らは眩しい!!
ふたりだから強いのではなく、相手を死なせたくない、死にたくない、そんな想いを抱えた身ひとつで貫く恋だからこそ強いという事実を見せつけられた気がします。
◆下忍:梟ノ散次(呑天坊)×新堂ノ小太郎
それぞれ闇を抱える複雑な想いが対峙し交錯します。
散次と小太郎が執着する『家』はおよそ忍とはかけ離れたものです。
復讐という呪縛を越えて新しく生きることができるのか、抗えないのか、散次の心情の変化が読みどころのひとつだと思います。
散次の一族を破滅させ、自らのも滅んだ一族の慚愧の念を散次への想いに重ねて昇華させようとする一途な小太郎の姿が痛々しくも切ない。
このふたりが一番好きです。
忍者同士の決着はついても、忍の世界全般には当然ながらハッピーエンドという結論は出ていません。
彼ら忍は死を約束された職業のまま。
しかし、ラストで彼らは笑っています。
いつまた闇にに落ちるやも知れない時代ですが、彼は笑っている。
それは自由のなかった彼らが自分で決めたことだから意味があると思います。
ーーーーー
タイトルモチーフに使われている【愛染明王】は『恋愛・縁結び・家庭円満』などをつかさどる仏として知られ、忍者とは一見、かけ離れているように感じます。
でも「煩悩と愛欲は人間の本能であり、これを断ずることは出来ない。むしろこの本能そのものを向上心に変換して仏道を歩ませる」と愛欲を否定しない仏です。
その欲(本能)すら持つことを許されないながらも糧として生きる忍者に残された、ささやかな信仰としてはふさわしい気もします。
1番気になっていた攻めキャラがしっかり復活していてカザハへの気持ちが見えるのも
忍びの頭領としてはどうなのかと思うのですが、新しい忍、死ぬことが定めだとは
絶対思えないような忍びとしては甘ちゃんな考えなのかもと思うけど
ラストの展開は希望に満ちた終わりのハッピーエンドで面白かったです。
もって生まれた定めに飲み込まれてしまう、闇に囚われ復讐することだけが意味の命。
そんな相手にある血族の者が必死で寄り添う。
愛するものの為に決して心安らかな愛にはなりえないと知りつつ影になる。
忍びも人の子、幸せになる権利は絶対にある、なかなか素敵な忍びものでよかった。
あいぜんかぐら<下巻>にあたる「地の巻」。天の巻<上巻>のレビューがキャラクター紹介だけで終わってしまったので(8人もいたので!)、こちらで2冊分のストーリー等についてレビューしようと思います。
小難しい説明や台詞は一切なしで読みやすいストーリーでした。戦国時代の知識はなくても萌える心があれば楽しめる内容が嬉しいです。知識があったらもっと楽しいのかもしれませんが無いのでその辺は分かりませんでした。
忍びの世界はもっと過酷なのでしょうが、物語を盛り上げる程度の厳しさを取り入れつつ基本甘々ファンタジーな仕上がりなので、「時代物苦手。ラブが見たい!」という方も満足できると思います。
ある事件を境に消えたカザハを追う6人。それぞれのパートナーとHしたりHしたりHしたりしているうちに事件の真相が明らかになっていく美味しい展開。たった2冊の間でこれだけのキャラがこれだけ絡みあえるなんて素敵すぎます。
ラブ&エロが充実していながら軽い印象もなく、難しい時代背景や忍びの何たらについてはあまり触れられませんが、忍びとしての生き様、それぞれの価値観みたいなものはしっかり語られていて、現代とは違う考え方、生き方に惹かれます。
今でいえば俺様上司×ツンデレ部下、クール×やんちゃな幼なじみ、職人×美人、俺様×ワンコのような感じの関係性が、戦国の厳しい世の中では一層萌えが引き立って大変でした。
「素人がワシを護る…」(フンッ)
「本気でございます」
等々、攻を守るために受が奮起するエピソードが多かったのも、芯と気が強い男前受け好きにはたまりませんでした。
さて、梗概から天の巻を経た謎解きへと
集約される巻ですが…色々と重いですね。
それも痛みを伴う重さならどうにかしようが
あるのですが、それ以前の所から伏線を
引かれた重さなので何処をどう避けようと
回避が出来ない。精々まともに当たるか
傍杖を喰うかと言うかの二択しか出来ない。
含まれ描かれている想いが濃いから
当たって損は無い訳ですが、読むタイミングに
よっては理不尽な想いを抱く事もあろうかと
想定される重さが含有されております。
とりあえずは大団円であります。
そう、物語としては、大団円。
そしてこの巻でも評者は受け攻めの情報に
ついては秘する側へ。
書いてしまえば伏線を七割八割明かす様な
ものですので。
地の巻でやっと、ストーリーがなんとなく読み込めて
きました(私の読解能力が低いせいかもしれないけど)
梟ノ散次の解説をもうちょっと詳しくしてあったら、もっと
楽しめた気もします。梟ノ散次なかなか癖のある渋いイイキャラなだけに
残念。
最後の船のシーンは結構好きなシーンでした!