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茶屋町さんの絵が当時大好きでビーボーイコミックスを持っていましたが、現在は手元にないので新しくコチラを電子で購入。
茶屋町さんの本はやっぱりコレが一番大好きです。
デビュー前後はトーンを使って丸ペンで描かれた繊細な絵で、私はこの描き方が大好きでした。
途中からトーンを使わずモノクロのみでだんだん感情が読み取りにくい絵柄になっていき、咎狗の血で絵がガラリと変わってそこから全く読まなくなってしまいました。
お話はナチ時代のお話でなんてことないストーリーなので、お話重視の方向きではないです。ただこの人の作品の中では一番読みやすく、また少しせつないです。ほとんどBLではないです。
私は茶屋町さんのイラストを観たくて買ったといった感じです。
多分初めて読んだBL作品
時代背景もあり薄暗い印象を受けます。ナチスに関しては第三者の目で見たような淡々とした事実を描いてるように感じる。
オットーのゲオルクに対する執着はエスターのためなのか、それとも違うものなのか。改めて読んで見ても複雑だなと。オットーからするとエスターは同期以外の何者でもないそうですが。同性愛が収容所送りの時代ではそう言うしかなかったのか。
エスター事件のせいでゲオルクは視力のせいでエリートから逸れます。
個人的にはゲオルクの髪を乱して懇願おねだり見てえ!って思います
でも実際はキス止まり。
旧版とこちらの違いはあとがきと表紙のみ。旧版あとがきの制服特集で米軍ばかりでナチがいない、と編集さんに言われてじゃあナチにしましょう。と決めたけれど資料探しが大変だという内容。作者は当時大学生らしく、ドイツ語の論文と間違われていたエピソードにくすりときます
大昔にビーボーイ版で一気に読んだ思い出。
新装版もやっぱり買っちゃった、という訳です。
この時代の他所の国の政治にどうこう言うつもりは毛頭ございません。
ただ、軍服のセンスは素晴らしいぞ!と。
ストイックをカタチにすればきっとあんなお召し物になるのね、と当時小娘だった私は妙に感動したものでございます。
物語はすっきりさっぱりいちゃいちゃとは程遠いむしろ少し薄暗い印象。
仕方がない、時代ですもの。
個人的にこの作者さんの絵柄ですと甘々よりはこういう少し辛いお話がぴったりマッチしていると思いますが、ハッピーエンド至上主義!なお嬢様方には決しておすすめいたしません。
淡々と、ヨーロッパの映画を見ているような、そんなお話。
もう一本、ガラリと変わって近未来が舞台のお話「ビショップ」は猫好きには辛いような最後ちょっと救われたような。
どちらのお話もBL!って感じではなく淡白な印象。
えろいシーンは皆無です、身内にみつかってもギリギリセーフなラインかと。
『理想という大儀の下、潔癖に純粋であろうとするアーリア人
体制への忠誠は血に勝り、死にゆく者にも祈りは与えられない
完全なる純粋を求める故に生まれる孤独、衝動、愛情、罪
ナチス政権下、時代に翻弄される少年、そして若き将校へのレクイエム』
…と、表紙の裏に書いてあります。
もともとはビブロスから出ていたものの新装版。
読み比べていないので、中身の違いは分かりません。
表紙は変わっているんですが、この大洋図書版の赤い表紙は大変美しいと思います。
ある冬の休暇、エスターは士官学校の友人オットーを家に招く。
家には、両親と士官学校を主席で卒業した若きSS士官ゲオルグがいる。
ゲオルグを慕うポーランド人の小間使いの少女の無惨な死をきっかけに
エスターとゲオルグは決定的な破局を迎え、エスターは姿を消す…
残されたオットーがゲオルグに抱く、愛であり憎しみである執着。
「追いつかず… 追い越さず一生あんたより優れた忠実な部下だ。
自分の足にかかった影を… 見続けろゲオルグ!」
ナチの将校である彼らの軍服姿が、非常にカッコいい。
決してナチ賛美にもナチ批判にもならずに、
突き放した眼と無駄のないストーリーで描かれた、虚しさと切なさ。
もう一人の登場人物は、自分の両親を告発してヒトラーユーゲントに入った少年ヨアヒム。
彼の最後には切なさと共に、希望が見えます。
「赤の原遊戯」「1939 盲目のカイン」「泣かない人形」の三編がナチの連作。
最後の「ビッショップ」は生体脳を持ったバイオビスクドールの話。
巻末に6ページ程のスタイリッシュな後書きがついています。
好き嫌いは分かれるかなー、と思うのですが、私は好き。