アンフォーゲタブル

unforgettable

アンフォーゲタブル
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神78
  • 萌×237
  • 萌14
  • 中立9
  • しゅみじゃない11

--

レビュー数
19
得点
589
評価数
149
平均
4.1 / 5
神率
52.3%
著者
一穂ミチ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
青石ももこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
is in you
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784344830615

あらすじ

新聞社勤務の冬梧。製薬会社勤務の望と出会いやがて惹かれ始めるが、思いがけなく身体を重ねることになった後、望の電話は繋がらなくなり……

表題作アンフォーゲタブル

和久井冬梧、明光新聞社勤務、25歳~
有村望、真秀製薬勤務、25歳~

その他の収録作品

  • アンスピーカブル
  • アンタッチャブル(とあとがき)

レビュー投稿数19

再会ものが好きな方におすすめ

新聞社シリーズ、どれもいいのですがこれも再会もの。

25歳の時に知り合った二人が企業の内部告発者とスクープした新聞記者という立場になり、会ったことさえ隠さなくてはならなくなり、本当に連絡が途切れます。

そのまま時間が経って気にかかったまま、互いの仕事を続けて、17年後に再会することになるのですが、大人の男たちのお仕事小説でもあり恋愛小説でもあり。

現代もの社会人BLが好きな方に刺さる、とても萌えるストーリーでした。

0

これから読んじゃった

シリーズものというのを知らず(ここを見てたら良かったんですが)、図書館にあったのを手に取りました。

期待せずに読み始めたのですが、イイ!
なんとも25歳からその17年後という時間の流れがイイ!
42歳になっているわけですよ。ちゃんと結ばれるまで。

それだけの間、お互いの思いをちゃんと確かめた訳でもなく、理由があって離てしまう、離ざるを得ない、そんな二人の気持ちが切なくて。
オヤジンスキーなのでたまらないですね。

新聞社の人たちの立ち位置が前作を読んでないので読みきれないところがありましたが、この作品だけ読んでも大きな問題はありませんでした。きっと読んでいたら、冬悟の周辺に深みが出たのかもなって思うので、これから読み始めたいと思います。

1

硬派な事件で目が覚めました

明光新聞社のシリーズ4冊目。
今回のメインキャラは読みながらどうも二人とも掴み所がなくて、入り込めないなあイマイチかもなあとぼんやり思っていたのですが、中盤の事件が大変な事態で、(私の)目が一気に覚め、そこから貪るように読みました。

再会物とはいえ、こんなに間が開くのもすごい。17年です。
「is in you」の再会も13年で長期と思ったけれど、「アンフォーゲタブル」の方は事情も事情だし、わくわくという感情とは無縁の状態で二人を見守りました。
やはり、ここまで拗れてしまうと、(本人達の感情ではなく事態の大きさが拗れた原因) 普通にはまとまらず、ここでは未帆ちゃんという無垢な存在がキューピッド的な役割を果たしているのですが、そういうキャラを登場させないと難しかったのかと。
個人的にはそこが残念なポイントでした。

0

キャラ萌えできず

新聞社シリーズ第4作目。

3作目で予想していたカプは大外れ。まだまだ修行が足りませんね笑

ぐいぐいと引き込まれるストーリー展開だったし、文章もとても好みなんですが…、BL的にはもう、笑えるくらいわたしには向いてないみたいです、このシリーズ。

明光新聞の社員、和久井視点です。
和久井がスピード証明写真の撮影中、酔っ払ってブースに乱入してきた有村と出会い、離れ、17年後に再会する長尺ラブストーリー。

二人が出会った時、和久井も有村も25才の同い年。前作『ステノグラフィカ』のメイン、西口の3年後輩にあたるので、西口たちもまだ20代だった頃に遡ります。

正直、ここまでストーリーが面白いと、BL要素はなくても…と思いました。BLにキャラ萌えとエロを求めている読者としては、受け攻めにハマれなかったら、ストーリーやエロがどんなに素晴らしくても読後は微妙なんですよね。

有村はシリーズの中で最も苦手な受けでした。思春期にゲイだと自覚して、初恋の先輩を追って同じ製薬会社に入社。和久井のことを利用して内部告発を成功させ、一度だけ和久井とセックスして姿を消します。

和久井も有村もお互いが忘れられなくて、17年後に偶然再会。有村の方から会いに行ったようなものですが…、その後は二人で幸せになることを許される…。

有村の望みが全て叶えられているのは、ひとえに和久井が彼に惚れていたからだけれど、わたしには有村の魅力が全くわかりませんでした。

有村が好きだった生駒先輩の妻もしたたかな女性で、逞しすぎて少しだけ引きました。有村と妻の感覚は頭では理解はできても、気持ちがついていかなくて。けれど皮肉にもラブストーリーを成就させるためには必要な過程だったんですよね。有村って悲劇のヒロインに見えながら、しっかりと地に足をつけて強く生きていたんだなぁと思いました。

最後の方、和久井が有村の好きなところを告げるセリフがあるけれど、このシーンはなんだかずるいです。有村の方が先に自分はずるい人間だと言っちゃうんですよね。その、そんなことないよ〜待ちのスタンス、相手のツッコミを封じるための女子の必殺技ですから笑

なにはともあれ、和久井は有村にメロメロなのでした。彼の方は17年間、海外の国々でどんな生活を送っていたのか知りたかったな。それに伴う作家様のオタク並み知識を読んでみたかったです。

新聞社シリーズでキャラにハマったのは2作目の佐伯密だけでした。他は受けが男性を装った大和撫子みたいで…。エロも毎回ブレるというか安定感がなくて、作者独自のクセがあるわけでもないので、個人的にBLとしての満足度は低めでした。

ですが、しっかりとしたストーリーや素敵なエピソード、豊富な比喩表現を楽しませてもらっているので、両者のバランスが好みだったらなァと、読後は毎回モヤモヤします。

1

新聞の存在感が大きかった

一穂さんの新聞社シリーズ4作目。社会の巨悪に立ち向かったために、受けと攻めが長い年月にわたり引き離されてしまうところが、これまでの3作と大きく異なっています。恋よりも人としての正義を選ばなくてはならなかった二人。その葛藤に胸を揺さぶられました。

新聞社勤めの冬梧(攻)と製薬会社の社員・望(受)。
二人が知り合った場所が、証明写真ボックスというのは、ちょっとファンタジー過ぎない?と思いましたが、その後の内部告発に巻き込まれた二人がたどった道が過酷で、ファンタジー感は吹き飛んでしまいました。

新聞の影響力というのは、とてつもなく大きい。そして、会社の犯人探しもまた強烈で、個人の力は本当に小さい。
望が、自死した先輩が遺した内部告発資料を冬梧に託す前に、抱いてほしいと頼んだ気持ちが分かるような気がします。好きだと告げずに抱いてもらうのはずるいけれど、記事が書かれれば、もう会えない。勇気が出るような思い出が欲しかったのでしょう。恋よりも会社の不正を告発する道を選んだ望が切なくて、でもその生き方に感動してしまいました。

覚悟を決めて関係を絶った望よりも、冬梧の方が気持ちの行き場がなくて、辛かっただろうと思います。社会部に復帰して一面記事を書きたいという夢を、望と引き換えにかなえて、心と体は疲れ切って海外に異動。仕事の合間、かりそめの女性関係を重ねますが、望のことを忘れることはできなくて。

17年の後、二人は再会します。望は、毎日、新聞に冬梧の署名記事を探し、消息を追い続けていました。彼等を引き離したのも、細くつなぎ続けたのも、新聞だったことが、とても印象に残りました。

私は新聞が好きで、一面記事だけでなく、読者の投稿欄や家庭欄をよく読みます。市井の人の声に、励ましや慰めをもらうこともあります。新聞社シリーズを読んでいると、社会部が花形で、その中でも一面記事を署名入りで書くのがトップ、と感じられるのが、少し残念でした。社会への影響力から考えれば、仕方ないのかもしれないですが。
この作品を読んで以来、記事の署名に目がいくようになりました。署名は責任と覚悟の証なのですね。
物語はとても面白かったのですが、男同士の恋愛のドキドキより、新聞の存在感の方が大きくて、萌え×1になりました。

1

ある意味メルヘン。

前に読んだ時も「好きだな」と思ったけど、読み返してみたらやっぱり好きだったシリーズ4作目。

起きている事件や出来事はリアリティや緊迫感があるのに、登場人物(メインのカップル)の心持ちや行動がファンタジー…というかある意味メルヘンめいている、ちょっと捉えどころのない手触りの一冊です。

硬派なようでふわふわしていて、評価も分かれるだろうなぁ…とも思うのですが、ロマンスを描いた小説であるわけですから、こんな風に17年越しの想いを成就……なんてことが本当にあると良いよね、という気持ちになります。

この本の場合、硬派な事件の上に甘さのあるラブ成分が切なく乗っている危ういバランスが、独特の読後感につながるのかな…と思います。

1

友情じゃダメなのか

シリーズものの一作だと知らずに読みましたが、その点は別に苦はありませんでした。

このお話って別にBLじゃなくていいんじゃないかなー。いや、受が女性でもいいって意味じゃなく、二人の間にあるのは純粋で特別な男の友情のほうがしっくりくる気がして、キスやセックスがなんだか取って付けたようで最後まで萌えることができませんでした。

会えるかどうかも分からない同性(たった数ヶ月間しか知り合いじゃなかった相手)を恋人として17年も待つ、というところに感動できるかどうかで評価が分かれると思います。私はできなかった。だって17年て…17年て、さ。

友情に恋愛をプラスして妄想することで萌えが生まれるのは重々分かっているのですが、友情で事足りる関係性が無理やり肉体関係で上書きされたようで、なーんか唐突感が拭えませんでした。友人として再会する、じゃダメだったのかな。

変な評価ですが、二人の恋愛感情を抜きにすると読み応えがありました。特に手紙のくだりは胸にグッときました。

うーむ…一穂ミチ作品を新しく読むたびに「一穂ミチさん…好きなはずなのに…おかしいな」と思うのが辛くなってきました。ちょっと認識を改めます。

5

切なさを拾い上げる

一穂先生の作品の中でも特に好きなお話です。
運命的な出会いと別れが二人の人生を変え、再び巡り逢わせる原動力にもなっている。一穂先生の綴られる物語が、BL小説の枠にとらわれない、切なさと苦さを含んでいるのだと再確認できた作品でした。

とにかく切ない描写が多いです。和久井(攻め)視点で進む物語だからこそ、結末を知っていくにつれて、あの時の有村さん(受け)の気持ちって……と馳せる苦さがあります。主役二人は長い間離れ離れになるのですが、再会を見届けることができて本当に良かったです。

お互いが想い合っていた分だけ、相手を優しさで包み込める関係って素敵ですよね。どうしてもこの人でなくてはならなかったのだと、読む度にじんわりきてしまいます。
切なさを拾い上げて、それが痛みであってもあたたかさであっても、パートナーと共有していける姿に感動しました。「好きだ」と伝えられるきっかけとして、再会した二人には思い返せることがたくさんあるのでしょうね。ぜひ続きが読みたいです。

3

大好きな攻め視点なのに、攻めが苦手でどうにも…

一穂さんの新聞社シリーズ四作目(is in you、off you go、ステノグラフィカ)。
ゲイだらけの新聞社…(苦笑
時間軸はまだ20世紀(多分'97年くらい?)ということで、携帯もまだまだ普及しておりません。
シリーズの他の作品より前ですね。
視点は攻めです。

**********************
攻めは新聞社整理記者の冬梧、25歳。
思ったことをすぐに口に出す直球な性格で、社会部からは問題を起こし左遷されました。

受けの望は製薬会社勤務の25歳。
尊敬し好意を持っていた先輩を追いかけて今の会社へ就職したものの、彼は亡くなってしまいます。
**********************

二人の最初の出会いで冬梧が望を慰めながらも、この偶然がもしかしたら何か記事に繋がるかもと打算を働かせたわけですが、職業柄あるのでしょうがなんとも嫌な気持ちになりました。
このシリーズでは何人か記者がメインになっていますから、キャラが被らないようにという配慮もあるのかもしれませんが。
やー、25歳の社会人てこんなに子供だっけ?と思ってしまうシーンもかなりあって、申し訳ないのですが一穂さんの書かれた攻めで一番苦手でした。
自分の言葉に頷いたり笑ったりしてくれるだけで落ち着くって…
望の立ち位置、完全に女性(または奥さんや母親)になってますから!

時が流れて、二人が40代になってはじめてシリーズの他の作品と時間軸が重なります。
西口(ステノグラフィカ)も静(off you go)も離婚してますし。←この二人の登場はかなり嬉しかった!です。
二人の関係が始まったのかと思った瞬間に終わったという辺りはすごく良かったのですが、なにせ冬梧がやたら子供過ぎるのに扱った事件が大き過ぎてすごく空々しくて…
子供の登場や演出はじーんとして、なぜ彼女が顔だけ知っていたのかなんて辺りは『おお!』となったのに、その後の再会の海があまりに出来過ぎで。
望が冬梧を『情が深い』と評しますが、それもこちらには伝わってきませんでしたし。

この本は発売日に買ったわりに、ずっとしまいこんでおりました。
原因は眼鏡。
望の眼鏡です。
青石さんの描かれた眼鏡のフレームがひじょうに太くて、しかもカラーはともかく挿絵ですと真っ黒に塗られた眼鏡は、望の顔の中でやたらに主張していて挿絵が出るとそこで急に現実に引き戻されるんですよ。
評価も高くお好きな方も多いと思いますので心苦しいですが、趣味じゃないよりの中立で。

4

思い続ければいつか夢はかなうと信じたくなる作品

明光新聞社シリーズ4冊をまとめて読みました。
話題だったし高評価なのでずっと読みたいと思っていました。
シリーズ4冊目は、新聞記者と製薬会社社員の恋物語です。

このシリーズは3冊目以外は出会いから成就までが長いです。
今回は別れから再会まで17年目かかります。
生まれた子が高校生になるくらいの時間です。
インターネットも携帯も誰もが当たり前に使えるわけではない時代の恋ですね。

事件記者だった和久井は問題をおこし、整理部(2作目の静の居る部署)に異動されらたばかりのころ、製薬勤務の有村に出会います。
これが、証明写真撮影用ボックスで撮影中に酔った有村が乱入してくるという考えられないような出会い方。
喪服を着て泣く有村に何か役に立てるかもしれないと名刺を渡し別れても何故か気になるのです。
数日後、電話で謝罪されお詫びに食事でも、ということから二人の付き合いが始まります。
気の合う二人がたまに会って食事や話をするいい関係を続けるうち友情以上の感情が生まれてくるのですが、別れは唐突にやってきます。
出逢いは偶然だったのですが、有村は勤務先の薬事問題の情報を記者である和久井に託し姿を消すことになります。
消える前日に最後と決めて想いを告げ1度だけの身体の関係を持ち、忘れないと告げて会えなくなります。
このときの有村の心情を思うと泣けてきます。

製薬会社の社員の家族に逆恨みされた和久井が殴られて軽傷を負った時、新聞社宛に送られてきたお見舞いの手紙に交じっていた差出人のない封筒の中は、いつか有村と一緒に見た思い出のある銀杏の葉でした。
心身ともに疲れ傷つきもう記者はやめたいと弱音を吐いた時、それが有村からの励ましの手紙であることが分かり持って来てくれた先輩(静)の前にもかかわらず大泣きしてしまうのです。
心からの悲痛な叫びのようで読んでいて一番辛いシーンでした。

その直後、外報部に異動になった和久井は海外支局を転々とし、社会部デスクとして帰国するのはそれから17年の年月を必要としました。

有村が幼い少女に和久井と映った小さな証明写真を見せて大切な宝物だから誰にも秘密で預かっていてほしいと渡すのです。それを見た少女がやがて成長し自分も恋する年頃になったとき、その写真の知らない男性が有村の大切に思う相手なのではないかとわかるというエピソードが好きです。

前作では速記者が消えゆく職業と紹介されていましたが、この作品では霧笛が消えゆくものとして描かれていました。
とてもロマンチックで情緒的な背景を演出していました。

再会してすぐのエッチシーンは思いのたけをぶつけるようでとても情熱的でした。

再会を約束して別れたわけではなく「忘れない」という気持ちだけで17年もの間想い続け恋が成就するという物語に萌えました。

3

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