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レンズ越しに捕まえた、きみ。
futouka portrait
WEB掲載されていた漫画を単行本化されたという作者さんの初コミックス。
同時収録の「恋」という作品は初めて描いた漫画だそうです(!)。
とても好きな作風で絵が不安定でも楽しく読めたのですが、未完成原稿に見えてしまうページがあったのが残念でした。
新人作家さんを積極的に発掘してくださるのは嬉しいですが、ファーストコミックスはもう少し丁寧に送り出してあげて欲しいと思いました。
話の流れはとても丁寧で優しくて、甘くもどかしい雰囲気にきゅん×2でした!
◆『portrait』
モデル×フォトグラファー。高校時代の同級生が5年ぶりに再会するお話です。
両想いだったのに想いを告げられなかった高校時代。
気持ちをうまく口にできない攻めの不器用さ、傷つくことを恐れて逆に相手を傷つけてしまう受けの臆病さ。恐れながらも期待してしまう甘酸っぱさ。
大人になった今も2人は相変わらずで。ぎこちなく探り合い、淡い期待を抱きながらも一歩が踏み出せないもどかしさ! ずーっともだもだしていて欲しい、初心に帰ってきゅんきゅんできる作品でした。
◆『恋』
高校生×高校生。こちらも恋する気持ち満載のきゅん×2ラブでした。
受けから攻めへの熱視線。
俺の事見てる? 見てないよ。
そんなやり取りとは裏腹に自然に距離を縮めて行く2人。さり気ない動作や台詞に「好き」の気持ちが溢れていて、見ているだけで嬉しくなってしまう2人です。
もうお互いに分かっている事を確認するように告げ合う告白シーンも素敵でした!
◆『繋がる想い』
昭和初期の幼馴染み、医者×病弱な青年の愛。
永遠の愛を誓うのではなく、愛を繋げて行こうと言う前向きさが強く切なく。
竜胆の花言葉に涙があふれました。
表題作は高校時代にすれ違って以来、疎遠になっていたイケメンモデルの攻めとフォトグラファーの受けが再会してというお話。
攻めが現在モデルで実際イケメンな絵だと思うのですが、受けと髪型以外見分けがつかないコマがあったのでちょっと分かりにくかったです。
受けがモデルの攻めをカッコイイと言っているけど自分も同じ様なイケメンじゃんと思ってしまいましたw
2人が高校時代、受けの撮る写真を通して仲良くなっていく過程が良かったです。
攻めは受けにとって被写体として魅力があったようで、クールな攻めも心を開いていくのですが、攻めの母が登場して母子仲が上手くいっていないことが分かり(ちゃんと子供を愛していても色々な親子の形?があるのかな)
そんな時、攻めを拒絶してしまったことで2人は離れてしまいます。
攻めが淡々としていてストーリが進んでいく印象だったので、描き下ろしでやっと2人が結ばれたんだなと実感できました。
表題作の他に入っていた時代物の短編が、短いながらグッと胸を掴まれるものがあってこの本の中で一番心に残りました。