OPERA vol.42 冬(アンソロジー著者等複数)

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OPERA vol.42 冬(アンソロジー著者等複数)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×23
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
4
得点
42
評価数
10
平均
4.3 / 5
神率
60%
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
価格
¥933(税抜)  
ISBN
9784863494077

あらすじ

2014年2月開催、中村明日美子先生の原画展【卒業式】トークイベント応募券付き!
OPERA(41)に付いている応募券と2枚1口で応募できます。


テーマは"冬"

巻頭カラーでは、中村明日美子先生の『同級生』シリーズ【卒業式】開催のてびき。をご紹介します!
参加方法、会場紹介、グッズの画像を大公開!
『OPERA』vol.41と組み合わせてのトークイベント応募券がついてますので、ふるってご応募ください!
そして、とうとう中村明日美子先生の『O.B.』も最終回。
もちろん最後を締めくくるのは、あの2人?

そして、今話題のビッグゲスト!
ハヤカワノジコ先生が表紙・漫画で登場です!
ついに大団円を迎えた(?)柊のぞむ先生『おやじな! 』にも注目です。

今号も初登場の新人作家さんが目白押し。
おふろ先生、村上キャンプ先生もチェックしてください!


【収録作品】
「O.B.」 中村明日美子
「東京心中」 トウテムポール
「ぼんくら日記」 語シスコ
「あめいろの棘」 ハヤカワノジコ
「アラウンド」 新井煮干し子
「CANIS-Dear Hatter-」 ZAKK
「おやじな! 」 柊のぞむ
「Nightmare Catalog」 雪路凹子
「雪や、こんこ」 おふろ
「やさしくおしえて」 井戸ぎほう
「バビルサの角」 夏糖
「部長はオネエ」 ながべ
「こんな事になるのなら」 三崎汐
「来週は結婚式」 村上キャンプ
「Kareidoscopic」 ともさくら

表題作OPERA vol.42 冬(アンソロジー著者等複数)

その他の収録作品

  • 中村明日美子「O.B.」
  • トウテムポール「東京心中」
  • 語シスコ「ぼんくら日記エボリューション」
  • ハヤカワノジコ「あめいろの棘」
  • 新井煮干し子「アラウンド」
  • ZAKK「CANIS -Dear Hatter-」
  • 柊のぞむ「おやじな!」
  • 雪路凹子「Nightmare Catalog 宣伝漫画」
  • おふろ「雪や、こんこ」
  • 井戸ぎほう「やさしくおしえて」
  • 夏糖「バビルサの角」
  • ながべ「部長はオネエ」
  • 三崎 汐「こんな事になるのなら」
  • 村上キャンプ「来週は結婚式」
  • ともさくら「kaleidoscopic」

レビュー投稿数4

『同級生』シリーズ、完結。

何でもない日常が、今振り返れば特別だったんだと思ったり。
何でもない情景が、相手の将来を霞ませているのではと改めて思ってみたり。
7年に渡る中村明日美子さん『同級生』シリーズの最終回。
その「何でもない」であろう二人の空気や、でも実は特別なものなんだと噛み締める二人の時間の流れ方に、ただただ目頭が熱くなりました。

OPERA、Vol.42。テーマは【冬】。
表紙は、繊細な色使いのハヤカワノジコさんです。
たくさんある作品の中から、特に好きな作品のお話を。


◆中村明日美子さん【O.B. #7】(最終回)
最後を飾るのは、勿論草壁くんと佐条くんの二人。
#1から、彼らの回はずーっと繋がっています。
高校を卒業して数ヶ月後、京都に来ていた草壁くんが帰る日の朝。
外から聞こえる子どもとお父さんの声に耳を傾ける佐条くん。
2階で眠る彼を起こしに行く佐条くんが思うのは――と続いていきます。
よくある日常の声が、時折ふと佐条くんを考えさせる。
けれど、べーやんの心はしっかりしたもので。
 「なにもかもは無理でしょ 佐条は欲張りだなぁ」
この言葉が全てを語っている気がします。
男同士での恋。それによって失い、叶えられないことがある。
しかしそれは”男同士”に限った話じゃないよ、と言っている気がして。
そんな言葉を聞いて、きっと絶対佐条くんもストンと来たんじゃないかと思う。
だからこその、あの言葉と共に出た笑顔!べーやんだけに向けられたあの笑顔に涙が出ました。
お互い将来的にアレだから、ゆくゆくは…なんて言ったのに、咄嗟にその第一声を実現したのは意外にも佐条くん。驚きながらも返したべーやん。
今は二人とも別々の道に向かって背を向けるけれど。
約束した2年後、帰る家は同じであって欲しいと思ってやまない最終回。
最後、空に浮かぶ二人の学生時代の姿に、涙腺が崩壊しました。

◆おふろさん『雪や、こんこ』
生臭い”恋人”みよ子を背負って功(こう)の元へと泣きながらやってきた幼馴染の夕(ゆう)のお話。
……いやもうこういうお話大ッッッ好きです(笑)
この夕が心底バカなんですが、まず普通、同棲してた恋人に追い出されたからってダッチワイフ背負ってくるか、と(笑)
そしてそんなバカに”積年の秘密”を抱えていたバカが功で。
何とも言えない、時折織り込まれるジョークがツボでした!
功のお姉ちゃんの子供にアテレコとか最低すぎるよ夕ww

◆村上キャンプさん『来週は結婚式』
安定な道しか選んで来ていない三島の、たった一度の危険な夜のお話。
こちらも中々のシュールさで相当好きなお話でした!
今まで感情が動かなさ過ぎてソレが悩みになっていた筈が、ゆいとと過ごしたほんの数時間が彼を動かしかけたという。
しかもそのゆいとが悪すぎて良かった!
ラストのあの写真撮り。
嫁の横で『アナルセックス一体どんなんだったんだろ…』と思う三島の姿が何とも言えません。


今思えば、私がOPERAを買い続けたのは、この【O.B.】が読みたいからでした。
草壁×佐条、ハラセン+ソラノ、響×有坂先生、これらのCPのその後が見たい!とただひたすら思っていました。
これが終わればもう読まないかな、なんて思いつつ、やはりOPERAは素敵な作品が多いので買い続ける事になりそうです♪

そして【O.B.】のドラマCD化も決定しているそうで、今から楽しみです!

最後に。
中村明日美子先生、今までファンの為にこうして続けて下さって有難う御座いました。
終わるのは寂しいですが、先生の次回作がまたOPERAに掲載される事を願っています♪

7

『同級生』シリーズのファンの方は必見!

つい最近すっかり魅せられた、ハヤカワノジコさん。
彼女の書く「冬」のイメージにピッタリの美しい表紙の本号。
「このBLがやばい」のNo1に輝く トウテムポールさんの「東京心中」をはじめ、
今年印象的だったZAKKさんや新井煮干し子さん、と言った充実の連載陣だが、
なんと言っても目玉は、中村明日美子さんの『O.B.』の最終回だろう。


この連載が始まった時には、正直ちょっと斜めな気分だった。
『同級生』『卒業生』があまりに好き過ぎたため、
あの美しい終わりからさらに引っ張るというのが承服できなかったのだが、
でも終わってみると、これは決してオマケでも蛇足でもなく
彼らの未来につながる、読んで良かったと思える連載だった。

最終話を飾った草壁と佐条に関しては、遠距離恋愛になったとはいえ
揺るぎなくまとまった二人だけに、大きなドラマがある訳ではない。
卒業後の日々、主に京都の家を舞台にして、
一人暮らしを始めた佐条のところに草壁が訪ねてきた時の
日常の断片が描かれている。
それに相変わらずキュンキュンして萌え死にしそうになるんだけれど……

そんなちょっと洒落た、ちょっと可愛く、萌える話の最後は、
静かにドラマチックな、そして本編の最後から繋がる話だった。
やはり、思わず涙!

草壁光、佐条利人、彼らの名前の意味するのは共に「ひかり」。
彼らの未来にひかりあれ!!


明日美子さんの原画展指南書とトークイベント応募券付もついており、
他の作品に興味がなくても、『同級生』ファンには必見の一冊だと思います。
欲張りなファンである私は、もっとその後も見たいと思ってしまう……
きっと何年経っても彼らは、私を読者をキュンキュンさせてくれるだろうから!

2

寒空に射す光

7年間に渡る『同級生』シリーズ、とうとう完結です。
看板作品の一つが終わるのは寂しいですが、
ハヤカワノジコさんの新連載にも期待が高まり、
なかなかに満足度の高い号でした☆


■中村明日美子【O.B.】最終回
草壁が、佐条のいる京都から東京へ帰る日。
おはようのキスに赤くなったり、別れ際名前で呼び合ったり…。
あーーーもうどこまで可愛いんだこの二人!!

「卒業」しても未だ「過渡期」にある二人だけど、
一緒に暮らす「2年後」をしっかり思い描き、
今は別の場所でそれぞれの日常を生きていく。
佐条の溢れんばかりの笑顔、空に浮かぶ学生時代の二人に
目頭が熱くなり…もうもう、すごく感無量の最終回でした!

でも欲を言えば、前回までのハラセン&ソラノの話を
あと一話くらい読みたかったかもしれません!!


■トウテムポール【東京心中】(23)東京ひとり
矢野さん、そんな素敵な笑顔で「ただいま」って…。
ま、まさか一話にして遠恋終了ですかっ?
この作品、そんな展開もありえそうだから困るw
次回の矢野さんの説明が待たれます。


■ハヤカワノジコ【あめいろの刺】新連載
話題の作家さんですが、じつは私は今回が初読み。
人との関わりを避ける主人公の、豊かな感性がとても印象的。
絵の具の「色」で表現される心象風景や、
同級生にもらった「あめ」を、甘いけどピリピリする
「トゲ」のようだと厭うシーンなど、
五感をフル動員した繊細な心情描写に惹きつけられます。


■おふろ【雪や、こんこ】
主人公の姉に片思いし、姉そっくりの空気嫁「みよ子」を
肌身離さず持ち歩く幼馴染。
そんな幼馴染に片思いし、寝顔を盗撮する主人公。
おバカで変態、それでいて一途な二人が面白すぎる!!
主人公が告白してんのに、ベランダから落ちた空気嫁の
心配してる幼馴染がアホでアホでもうww
可笑しくも切ない、かなり好きなお話でした☆


■雪路凹子【『Nightmare Catalog』宣伝漫画】
もうのっけから飛ばしてて大好き。
ナルシストっぽくポーズを決める吸血鬼アシュリーの横で、
ドレスアップした人形ノエル(いつもにも増して麗しい!)が
「なんとこの変態の悪の所業が一冊にまとまります」w
たった3Pだけど、人狼テッドくんとマナティも登場して
すごく楽しく麗しい宣伝漫画でした。
やはりこの無駄に美麗な絵とギャグセンスの組み合わせが最高。
またいつか続編が読めたらいいなぁ…。


■ZAKK【CANIS --Dear Hatter-】
リョウに支えられスランプを脱却し、
『働く男』をテーマに新作帽子を作り上げる沓名。
真剣な表情に職人魂を感じました☆
今回は、リョウに肋骨をまさぐられ沓名が赤くなる
という珍しく色っぽいシーンがあって良かったですv
次回、舞台はとうとうNYへ…。


さて次回のテーマは『あやまち』
松尾マアタさんのポール&ジョナサンシリーズが連載再開!!
カバーイラスト&ページ数も増量とのこと、今からワクワクが止まりませんv

4

ハヤカワノジコ先生の読切

ハヤカワノジコ先生の『あめいろの棘』がどうしても読みたくて探し回り、ようやく手にすることができました。
先生の描かれている読切りでぜひ短篇集を作ってほしい...完結した作品しか紙の本になっていなくて残念です。ハヤカワノジコ先生が大好きなので、過去作で本になっていない話は収集してしまいます。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー

今回もさすがハヤカワノジコ先生という感じで、コマ割りから表現の仕方まで世界観が最高でした。高校生の恋未満なお話です。

谷沢は同じクラスの森山が咳をしていることに気づき、のど飴をきっかけに接点を持ちます。
森山は美術部(?)で絵を描き、放課後はとあるアトリエを外から密かに眺めるのが日課。
2人とも対照的な性格で、谷沢は社交的、森山は人と接点を持たない学校生活を送っていました。
森山の静かな日常は、谷沢の登場によりかき乱されることになります。

谷沢が森山に関わろうと思ったのは、彼がゲイだという噂を聞いたから。放課後、アトリエを眺めていた森山の表情をみて、それが確信に変わった谷沢は”森山のほうが綺麗なのに”と告げます。
その言葉に惑わされ、おまけにアトリエの外で騒いでしまったために中の人に見つかり逃げ出す森山。もうあのアトリエにはいけないし、ゲイな自分にそんな言葉を告げる谷沢が悪く言われてしまうかもしれない、と彼の頭の中はぐちゃぐちゃです。

ここの森山の心理描写が絵に絡められた”色”に例えられていて、ぐちゃぐちゃ具合がよくわかります。
読みきりなこともあり、最後でくっつくようなことはなく、森山が悩む描写で物語は終了です。

短い話の中で、いろいろな要素が散りばめられていてとても切ない読後感でした。
やっぱりハヤカワノジコ先生が大好きです。

1

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