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二代目成宮組の狂犬×意地っ張りなライター。闇社会を生きる男たちのドラマティックラブ。全面改稿&描き下ろしも収録!
kiken yuugi
ヤクザの家に生まれながらヤクザを以上に毛嫌いする雑誌社のライター紅。
そんな紅がある目的のために乗り込んだヤクザの屋敷で出会うのが成宮組の若頭桐生。
桐生は紅の何か訳ありの様子とヤクザにも怯えない度胸に興味を覚える。
そして紅を捕まえたと思ったとき油断した隙に逃げられるが、
紅がある男を探していて、さらに自分の組の人間がその男と関わりがあると知り
紅にその件を任せろと告げるが紅は桐生の銃を盗み消える。
実は紅にはもうひとつの顔があって実家がヤクザで幼い時に自分の守役まで努めた
人間に裏切られ陵辱され、背中に一生消えない墨まで入れられた過去があり、
憎しみが大きくなりすぎ執着になり、憎むべき相手と刺し違えても過去の呪縛に囚われた
自分を解放するために必死になっている。
それを知った桐生が紅を過去の呪縛から解き放つために、そしてすっかり紅が
気になって仕方ない桐生が紅を過去の亡霊から奪い取るような話です。
紅の憎むべき相手である本城がもっと色々絡んできたら深みがあったと思いました。
ヤクザのハードボイルドタッチでまるっと1冊って、アンソロや短編では見ても、最近珍しいような気がしています。
たしか、コミックは2年前のコミカルな吸血鬼モノ以来なので、ガラっと変わったトーンのこの作品愉しませてもらいました。
あれ?絵がちょっと違う・・・と思ったら07、08年の作品だったのですね!
ヤクザの桜葉一家の会合の場所に紛れ込んで来たのは出版社のライターをしている紅。
彼は何かを追っているようです。
とても強気で捨て身の態度に出る半面、銃に怯えたり、何よりも背中に龍の彫モノを背負っている紅に狂犬と呼ばる若頭の桐生は惹きつけられます。
同じ組の相田が裏で汚い取引をしているのを抑えようとする現場に再び現れる紅。
紅は相田と関係のある ”本城” を探しているのでした。
実は紅は逸真会の若頭の腹違いの弟で組長の息子。
彼から、紅の過去と背負ったトラウマを聞かされ紅の目的を知るのです。
亡くなった親の復讐で入り込んだ逸真会で紅の世話役になったことで本城の復讐は中途半端に終わり、結局本城に懐いて慕っていた彼の気持ちを裏切り傷つけて逃げた本城。
本城に墨を入れられ監禁され犯されながらも、彼に囚われて行った紅に生まれた憎しみと恋情とが混じった複雑な心境。
本城の暗闇に引きずり込まれた紅を引っ張り上げる役割が桐生。
そうしたキャラクターの役割分担が明確になっているため大変にわかりやすいです。
桐生がスーパー攻め様じゃなくて、狂犬と呼ばれる割に紅に対しての執着も見せながら男前な番犬風味も見せているところが、クサくなってない一因かと。
それに結構怪我してますしねw
描き下ろしはシリアスな本編と違って甘いラブラブ。
カバー下にはうなされる紅を心配した桐生が起こすと、せっかくケーキバイキングで全メニュー制覇寸前だったところを起こされたと怒る紅にケーキバイキングに付き合わされるハメになる桐生という、紅が実は甘党だったというギャップをみせてくれていました。
このコミカルな部分の絵を見ると、今の絵だなって本編との違いがありありとわかります。
結構この作家さんの作品、好きです。