東雲月虹
“創造的破壊”究極のボーダレスBLコミック誌
すみません、普段雑誌は殆ど買わないのですが
渚さんのオリジナルBLが載っていると今更ながら知り、
勢い余ってポチりました!!
(田舎の本屋を延々とハシゴするより手っ取り早いし確実!!良い時代だ…!)
なんとなくスタイリッシュすぎて(死語?)
ついていけるかしら…といくらか不安がありましたが
それを吹き消してくれた3作品!!
◆秀良子さん『STAYGOLD』第四話
1~3話まで私は未読だというのに、
中学生の甥っ子に好きだと告げられキスまでされてしまった叔父の葛藤が
これでもか!と胸にせまりました!!
若干余裕めいた中学生の甥っ子も、
表面で繕いながらも内心めちゃくちゃ動揺していて
それを隠し通そうとする姿がたまらなくかわいかったです…。
早く一気に読みたいので、コミックスまで時間よ早送りしてくれ!
(この年になるとある程度自動的に早送りになってしまいますが…)
出逢った頃、ファミレスでストローの包紙で作ってあげた花を
大事そうに箱にしまってあったものや
失くしたと思っていた自分のシャツや、
自分の写真を机の裏から見つけて
甥の気持ちは本当なんだと逡巡する叔父さん……。どっちも可愛い……。
28頁でぐっとわし掴まれる感じは、さすが秀さんだと思いました!!
◆ムノさん『終電エレジー』
“鮮烈デビュー”だそうです!!デビューっぽくなくて驚きました!!!
絵柄はほんわり素朴な感じで好印象でした!
お話の内容は駅のホームで振られて泣いている男の子を見掛け
声をかけたのがきっかけで
部屋に来られるようになり恋心をお互い募らせていく…という
派手なものではありませんが
それゆえ表情の柔らかさとお互いを思いやり大事にしたい気持ちが
ゆっくり伝わってきたのでした。
なかなか描き込まれた背景も私的にポイントが高くて
今後要チェックの作家さんです!!
◆古谷渚さん『ナンバーコール』
こ、こちらですぅぅぅ!!!!!
渚さん(PLUG)と言えば銀土業界(?)で
結構有名な作家さんだと思いますが
このお方のオリジナルBLが読めるだなんて、
ハマった頃は思いもしませんでした!!!!!
あの頃の自分に教えてやりたい……っ!
橘映人という名の、平凡な文系の高校3年生。
小さいころから“エイト”と呼ばれ、からかわれ続け
今では否定するのも面倒になっていた。
88点のテストの答案用紙を拾われた見知らぬ男に
「勝手に親近感沸いてさ」と言われ、なぜか気になる存在に…。
無駄に行動を起こしてくれたクラスメイト(悪友?w)情報では
彼は理系の3年“八田智也”のあだ名は“ハチ”。
ここが親近感を持たれた理由でした。
科が違うし生徒数も多い為、関わることはないはずなのに
どうしても気になってしまう“エイト”です。
ある雨の日に、“ハチ”が傘に強引に入って来て駅まで一緒に歩く道すがら、
妙に意識してしまいぎくしゃくしてしまいます。
なんて事のない話をしているのに、落ち着かない。
傘が強風で壊れ、制服を摘ままれ「エイト、走ろ」と促されます。
駅に着き、線が違うため別れたものの、
「またね、エイト」“ハチ”の笑顔が胸に焼き付き、
言いそびれた否定の言葉もどうでもよくなるエイト。
実は“映人”は“エイト”ではなく………。
今まで嫌だと思い続けた読み間違え、勘違い、そんなことは問題じゃない。
それがきっかけで“ハチ”と知り合えたのだから。
キスシーンもHUGもHもありません!!!
渚さんらしいと言えばらしい、らし過ぎるこのじわじわ感!!!
表面上はわからない体温と感情の上昇が
たまらんのですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
ずっと同人誌を描いていらっしゃっただけあって
紙面とタッチの安定感も流石です!!
脇キャラの横井もいい味を出していて和みましたw
自分的に余韻ハンパないです!!!(会陰じゃないですwww…をい!!)
あ────…、渚さんのオリジナルコミックスを読める時が
もしかしたら近い将来、あるのかもしれないだなんて……。
健康で長生きが一番の目標です(地味!!)