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ikusen no toki wo koete
跨越数千时刻
不思議な物語です。
ヴァンパイアの様に不死身で美しく、才能豊かで、成人した姿から少しも歳をとらない春人。
ピアノを弾く姿も美しい。
産まれた時に桐谷父に預けられた春人は、桐谷夫妻の子供である圭と兄弟の様に育てられた。
いつしか春人は圭を愛し、異常なまでに執着するようになる。
圭が高校の教師というのも意味がありそうです。
「高校を卒業していく彼ら。俺はこの場所で彼らを見送る。だがすぐに新入生を迎える。若い彼らを毎年迎えるのだ。俺だけが年を重ねるー。」
春人だけが変わらず、圭は老いていく。
けれど二人は誓います、限りある時間を共に生きることを。
とても切なくて美しい愛の物語です。
お堅い高校教師の圭を学校に迎えに来るハーフで長髪の超絶美形・春人。
圭は素っ気なくて迷惑そう。
実は春人は赤ちゃんの時に圭の両親に預けられ、ずっと一緒に育ってきた義兄弟。
今は両親が田舎に引っ越して二人暮らしだが、春人は激しく圭に執着し、肉体関係も持っていた。
圭は受け入れてはいたけれど、度を越している春人に困惑気味で…
…という展開で、兄弟ものの執着、春人の後輩モデルが当て馬的に出現して、これは3P展開か?と思いきや!
思いがけない流れに。
ここから物語は春人の謎、春人の苦しみ、春人の圭への想いの謎解き的に進み、切なく展開していきます。
何もかもを持っているような美しい春人。でも春人が欲しいのは圭だけ、圭さえいてくれれば他に何もいらない…そんな執着がどこから来るのかがわかってからまた冒頭から読むと、切なさが募ります。
描き下ろしの「ASHES TO ASHES」が深い。
この後2人がどうなるのか。いや、春人がどうなるのか。記憶だけで大いなる孤独をどう過ごすのか、それとも。
久しぶりに水名瀬さんの漫画を読みました。
相変わらず綺麗な絵で、主人公達以外にも綺麗なキャラが登場します。
タイトルを読んだ時にはそういう設定とは思っていなかったんですが、このテーマは私は結構好きで、読後の切なさがいいんです。
そのテーマは作品の終盤に明かされるのですが、それまでは普通の義兄弟の恋愛モノとばかり思ってました。
少し意表をつかれましたね。
弟が他人のことは無関心なのに、兄だけに抱く非常に強い執着心。
秘密が明かされてから、すっと納得しました。それだから一人だけに拘るのか、と。
恋愛モノとしても楽しめましたが、ただのハッピーエンドとしては扱っていないラストが印象的でした。
水名瀬さんの漫画は絵が綺麗で、強く印象には残らないけれど
読み易いものが多いと思うが、これもそんな一冊。
テーマとしては、もっと心揺すぶられる作品になったと思うけれど
よくも悪くもサラリと綺麗に(無難に?)まとまっている。
人目を引く華やかな容姿を持ち、何をやっても優れたスーパーマンのような春人は、
血の繋がらない平凡な兄・圭に執着と言える程心酔している。
圭の両親は田舎に引退し、残された家に共に暮す二人は肉体関係を持っている。
圭はイヤイヤ受け入れていると
実は自分も春人以外の人は考えられないということに、気がついていく……
と、ありがちなストーリーなのだけれど、実はここからがシリアスな展開。
人外……とは言わないが、長い時を生き続ける特別な春人。
圭は年々年老いていくが、一方の春人は若さを保ち続けるという、
老いの違い寿命の違いという、吸血鬼モノなのにもみられる深遠なテーマ。
最後のシーンの演出や、セリフなど、カッコ良いんだけれど
ちょっとステレオタイプというか……
心の波立ちやそれぞれの心理は深まらずに、物語が進むのが
物足りないところだが、ある種形式美というか安定感はある。
人よりも生きる時間が長く、成人すると見た目もそのまま。
そんな春人が普通の人間の圭と最終的にはどう迎えるのか。
春人が吸血鬼みたいな存在で、圭の血を吸えば同じ時を生きられる。
なんていう確実にハッピーエンドな設定でもなく、
着実に年齢を重ねていく圭の方。
勿論、圭が先に亡くなるのは絶対として
その後、春人がどうするのか…
圭自身も春人に対して「自分が死んでも生き続けて欲しい」と、思っていても
一人ぼっちで残される春人を思うと…
その結末は結局描かれずじまいなのですが
やはり私としては、後を追って欲しいかなぁ。
ある種のファンタジーで、一方が特殊な血筋で若いまま長寿を生きる一族で
もう一方が義理の兄でこちらは普通の人間です。
そんな義兄弟の二人が愛し合うラブストーリーですが、片方が不自然に歳を取らない
そうなんです、ある意味ハッピーエンドからは離れているような作品なのです。
ファンタジーが好きでもこの結果的には死が二人を別つまでと言う、
結婚式の聖書の言葉にある様なラブストーリーは切なくて苦手です。
必ず一人残されるだろう男、不運と呼んでも良いような一族に生まれた男、
自分だけを心のよりどころにしている義弟をいつかは置いて逝かなければならない、
そんな切なさを命一杯感じてしまう作品でした。
内容の良しあしは関係なく、この手のファンタジーは個人的にダメなのでの評価。
それでも心惹かれる内容ではあるのです。
何となく、いつもの水名瀬路線の作品の雰囲気を持った作品だなと。
作者さんの作風の特徴でもあるのでしょう。
特に強く印象に残る作品かというと、読み終えた後はそうではないのだが、でも時間がたっても記憶に残る作品、そんな1冊であるかもしれません。
そんな結末がこの作品には用意されていましたから。
私立高校の英語教師をする圭には、人気モデルの弟春人がいる。
二人は、血のつながらない兄弟。
父親の大学の先輩が、母親の身体が弱く子供を育てられないからこの子を引き取って欲しいと桐谷の夫婦に預けたのが春人だったのです。
そして、春人は圭に強い執着を示し、そして二人は身体の関係がある。
小さい頃から何をやらせても優秀で、圭にとって自慢の弟であり、そんな弟は平凡な自分と違い神に選ばれた天才だと思っていたと。
春人の執着が前面に出ているようでいて、実は圭も春人を好きなのです。
血はつながらないとはいえ、兄弟であるという禁忌がこの物語の焦点ではなく、春人が一体何ものであるのか、それが後半判明することによって、この本の題名である【幾千の刻を超えて】の意味に繋がるのです。
そこにあるテーマは ”寿命”=”死が二人を分かつまで”でした。
その理由を書いてしまうと盛大なネタバレになってしまうので、触れないでおきましょう。
彼等の選んだ運命、番外に当たる【Ashes to Ashes】に置いてその意味が描かれます。
この番外の題名にデヴィッド・ボウイの80年発表の曲をイメージしてしまったのですが、それは全く関係なく、キリスト教葬儀の祈りの言葉「土は土に、灰は灰に、塵は塵に~」の一節の引用でありました。
結婚の時の誓いの言葉「死が二人を分かつまで」そして別れの言葉「灰は灰に」彼等は自然の摂理を選ぶのでしょう。
キャラクターに大きな特徴は特にはないのですが、淡々として綴られる中、圭が意外にも男前を発揮するのは、やはり春人への愛であるでしょうし、兄らしいと思えますし、
完璧な弟である春人が圭に執着を持つのは、弟っぽい特徴ではないかな?と思われます。