snowblack
island
浜辺で出会う若い男と島の娘、という
まるで映画の一シーンのような場面から幕が開く。
え?これは一体誰?……嵐……じゃないよね?と思いながら
ページをめくると改めてタイトル、そして話が始まる。
ある日嵐が家から持ってきた砂時計が一つ、前触れもなく壊れる。
落とした訳でもぶつけた訳でもなく、まるで勝手に破裂したかのように。
不思議なことだと、製作者の父親に訊ねてみようと思っているところに
当の父親から電話が入る。
お前の祖母が危篤だ、と。
没交渉だった母親の実家は、五島列島の小さな島。
今まで存在すら知らなかった死にかけた祖母に会いに出向いた嵐だが
そこで待っていたのは……
本編からしてそういう要素があったので、そうなるんだろうけれど
「meet,again」の同人誌は前作「please,Mr.Lostman」もそうだったけれど
なんとも不思議な世界だ。
嵐の出自の曰くもあるし、栫に至っては存在自体が不思議だしね。
この世界の背景を作っている、一穂さんの蘊蓄にも相変わらず脱帽。
なんだかんだいいながら、栫は白馬に乗った王子さまじゃない?(笑)
と思ってしまった一冊でした。