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fubin bl
切ないものが好きなのと、くもはる先生目当てで購入。
どのお話も胸をぎゅっと掴まれるような切ない物語ばかりで私好みでした。
ラストは切ないながらも心があったまるようなお話が多いです。
萌えたのはやっぱり、くもはる先生。猫っ毛のスピンオフだと知らずに読んでました。一緒に住んでイチャイチャしてるの、可愛すぎます。
御景先生のお話が凄く好きでした。れいの健気さとか孤独の身とか、こういう設定弱いです。バットエンドかと思いきや、幸せになって嬉しい。
ほんと健気で愛おしいと思えるような作品ばかりでした。
河井英槻さんの「2丁目の小さな魚」。ひとつまえのアンソロ「泣けるBL]に載ってた「君だけに愛を。」の続編です。「泣ける」で泣けたのがこの作品だけだったので、2本併せてここでレビューします。
高校卒業後、6年ぶりに再会した地元の後輩は「女」になっていたー
化粧品会社に勤める春信は、ある日上司につれて行かれた2丁目のニューハーフパブで、音信不通だった後輩憲二と偶然出会う。昔からイケメンで女の子にももててたけど、ガタイがよくてやんちゃだった彼は、なんと「茜ちゃん」へと変貌を遂げていた。
春信にとても懐いていた彼が黙って姿を消したのは、春信と同棲中の彼女がいよいよゴールインしそうな気配を察したから。夜の街で、女の姿で働いていたのは、春信に愛されてみたかったから。でもそれはあくまで憲二のはかない夢にすぎなくて、現実に会いにゆくつもりなんてなかった。いくら女装しても自分は本物の女にはなれないから・・・
先日、某映画のプロモーションで、岡田将生クンの花嫁姿を見ました。顔立ちは甘く整っているし、背は高いけどさほどゴツくはない(180センチ、65キロだそう)。普段のスーツ姿とかだとむしろ華奢にみえるくらいなのに、その彼にしてやっぱりウエディングドレス姿はあくまで「男の女装」にしか見えませんでした。顎とか、肩のラインとか、やっぱ骨格から違うんですね。本作の憲二も、自分の女装に限界のあることは自分が一番よくわかっている。ほの暗いお店の明かりの下で座っているときはなんとかごまかせても、太陽の下では到底無理だ。
春信の歴代の彼女はみなちっちゃくて、かわいくて、それなりに胸もあって、いかにも女の子らしい女の子だった。それが先輩の好み。並ぶと頭ひとつデカくて、しかも男の自分にはどうやってもかなわない。
せっかく再会したのに、引け目ばかりで素直に喜べない憲二。でも春信先輩はその後もせっせと通ってくる。誕生日のお祝いだと言って、デートに誘ってもくれる。出勤前のメイクを春信の手で施される憲二。近過ぎる吐息とその繊細な指遣いにドキドキが止まらない。最後の仕上げに欲しがっていた花の髪飾りをそっと耳元に挿してくれる先輩。う~ん、私は根が貧乏性なせいか、セレブな攻めが金に糸目をつけず機銃掃射のごとく投下してくるゴージャスなプレゼントの数々よりも、こういうピンポイントで本当に受けの欲しいものを、しかも絶妙のタイミングでさりげなく贈ってくれる攻めに弱い。手先が器用でいろいろと受けのお世話をしてあげちゃうのもポイント高い。
その優しさについ、墓場まで持ってくつもりだった憲二の本心が口を衝いて出る。「もう先輩後輩でもいられなくなってしまう・・・」泣きじゃくる憲二をちゃんと受け止め、受け入れてくれる先輩。なんて懐深いオトコマエなんでしょう。
一応お付き合いらしきものを始めてからも、ちょっと油断するとすぐぐるぐる迷走しだす憲二に対し、春信先輩は全く揺るがない。元ノンケだったのが信じられないほど、きわめてナチュラルに男の身体のままの憲二を求め、愛してくれます。そう、ここまで書いてやっと気がつきました。憲二、ちっとも不憫じゃないじゃん!この果報者!
桜日梯子さま目当てで購入。
不憫っていうより、やりきれない。全体的に不憫さは少なくて、続きを読みたい!ってものが多かったです。
「雪色待ちぼうけ」
れいが可愛い。これは不憫じゃない、ハピエンだ。
「2丁目の小さな魚」
男の体のままであること、それをみてしまって失望されることが怖い賢二。春信先輩男前!
「校舎裏の夏」
お目当てです。先輩の正体が分かった時は衝撃でしたが、ちゃんと親友に気持ちが伝わっていたと信じたい。
「せなか。」
一番切なかった。切ないなー、ノンケへの恋心。尚、いい子や…。
「愛し逢えない恋ならば」
一番好き。兄弟だっだのかー。呼び方で幼馴染くらいと踏んでいたのだが、兄弟かー。大好きです。「拓海とおれが兄弟だから おれは竜二の恋人なんだもん」ってシーンで涙です。互いに思いあっているのに、兄弟だからダメ。切ない…。
「カワイソウだからこそ愛おしい」
全作品その趣旨は貫かれていました。
ともすると「不憫」っていうと報われないとかBADエンド系の片想いを想像しがちですが、各作家さんがそれぞれの視点で描く物語はどれ一つとして同じでなく、この「不憫」というテーマは前回の「泣ける」よりはより具体的テーマであったと思われます。
◆多分志村貴子さんがかなり注目されているこの本の中でも目玉なのだと思われます。
【起きて最初にすることは】
それぞれに中学3年、1年同士で兄弟になった二人。
ひきこもりになった兄の朝起きて最初にすることは弟の寝顔を見ること。
兄の弟への片想いが切なくもカラっと描かれている。
兄のホモシーンを見てした弟の仕打ちも、兄にとっては弟が悪いのではなく、周囲にあると考える。
あくまでも弟が好きな兄の想いは切ないというよりどんな形であれ弟がいればいいという、兄で居させてほしいと言う、彼の譲歩の形。
弟が兄でいてほしいと願う限り、彼はそうあらざるを得ないし、自分の中で折り合いをつけるよりほかはないのだ。
兄視点ではあるが、結構突き放した第三者目線の話しのような感じでもあり、BLがファンタジーであると真っ向から現実を突きつけてきたような作品でもあるな~とリアルを感じる。
同じ兄弟モノだがこちらの報われない系はBLらしい作り
◆きよみず光【愛し逢えない恋ならば】
高校1年の拓巳は3年の智くんに恋をしている。
下校も一緒に帰るほどの仲の良さ。DVDを見て寝てしまった智くんにこっそりキスをする拓巳。
この作品は、そうした展開をさせておいてどうしてダメなの?という疑問を抱かせトラップを仕掛けながら最後にネタばらしをして意表をつくという変化球で見せている。
友達で切ない片想いを描いたのは
◆津田ユキ【せなか。】
ずっと一緒だった親友に好きな子が出来たと聞かされた時に気がついた親友を好きという気持ち。
親友がはなれていってしまう、不安を感じる主人公がとった手段は親友が童貞であることから自分で練習をしないかと持ちかける事。
最初で最後の不本意な触れ合いだが親友は主人公の気持ちに気が付いただろうか?
思わず死ネタなのか!?と意表をついたハッピーエンドを用意したのは
◆御景椿【雪色待ちぼうけ】
たまたま往診を電車でした時駅でヤクザに捨てられたボロボロの少年を放っておけずに保護してしまった医者の主人公。
平穏に何事もなく過ごしたい主人公は、少年と関わりあいたくなくてお礼をしたいという少年を置いて出て行ってしまうのだが、少年は主人公と逢った駅で来る日も来る日も待っていて・・・
戸籍もない教育も受けてないという人から見れば不憫な境遇を少年が理解していないのがより憐れでした。
人でない人外モノもありました。
◆桜日梯子【校舎裏の夏】
生まれて初めての告白をして振られた日校舎裏で出会った上級生。
主人公は上級生は告白しただけ偉かったじゃんと褒められて、それから校舎裏に通うようになったのだが、ある日その上級生の正体を知る。
それは主人公が二度目の失恋をした日となった…
話題で注目の作家さんだが、とてもよかったデス!
◆懐十歩【村を出たからくり】
小さな村の山奥に住む人の身体をした二体のからくり。彼等は村人達に嫌われていました。
『泣いた赤鬼』をモチーフにしています。
◆雨季野【パセリとミニトマト】
これはまさに不憫!!
もう言うもがなですね~♪「おいしくなって一緒にたべてもらおう」二人の願いも虚しくいつもいつも取り残されるパセリ・・・身に覚え・・・ありますよね(汗)
◆鈴木ツタ【やさしいだけの】
血液の病気で入院している主人公。彼の隣のベッドに寝ている老女には学生服姿の息子だという男子が訪れる。
実は彼の正体は・・・
作者さんの『この世異聞』にとても似た感じの異形モノです。
過去のこだわりものもありました
◆河井英槻【2丁目の小さな魚】
先輩を慕う後輩が、先輩に結婚するつもりの彼女がいると知り突然失踪する。
数年後、後輩との再会は2丁目のニューハーフパブで、彼女と別れた先輩はこの女装している後輩と付き合う仲になる。
女性でない事にこだわり続ける、超ヘタレな後輩が不憫である。が、しかし!先輩は全然そんな事こだわってなかったというオチでよけいに後輩が不備に思えた。
◆糸井のぞ【STAKEOUT】
糸井作品にはノスタルジーがよく合う。昭和設定。
元相棒を殉職で亡くし心に傷を負う刑事と二人張り込みを続ける相棒刑事。
弱さと強さの対比があって、相棒が心の傷を和らげた形のエンドを迎えるのだが、実はこの二人ともに、それぞれ背負う辛さがある。刑事って大変だ(涙)
◆雲田はるこ【Love in motion】
自分でも向いてないと思うのに成り行きで教師になったヘタレな主人公が、学校でも問題視される目立つ生徒に懐かれ襲われ、彼に支配されることに快感を覚えるようになる。
奔放な彼に理想を見つける教師、そしてかれは生徒に黙って学校を退職して・・・
この生徒、ハルというのだが、恵ちゃんの友達?
不憫って、この場合は自分自身の生き方の事のような感じがした。
どの作品も粒揃いでかなりよかった。
きっとこの中から通常誌で続編掲載になる作品も出てくるかもしれないがその時はもう「不憫」じゃないねw
不憫BLって括り方、私としてはなかなか納得できて結構よかったです。
「カワイソウ だからこそ愛おしい。」
「一途さに心打たれる恋愛作品集。」
不憫はカワイソウで、でもカワイソウがそのまま不幸とは限らない。
一途に想っていてもままならない。
そんな、もののあわれをどう料理したのか。
泣けるBLって言われるよりは、方向性がわかりやすくて、これは、作者さん達としても、不憫の解釈の方向はそれぞれいろいろだけど、表現しやすかったんじゃないかな。
気になりつつも不憫…のさじ加減が気になり二の足を踏んでいましたが、雲田先生が読みたくて買いました。
気になっていた不憫加減ですが、私は最終的に救いがあったり何か明るさを感じられるような作品が好きなので、今回の不憫アンソロはとてもよかったです!!
雲田先生の猫っけシリーズの過去編はいうまでもなく素晴らしく;;
知らない作家さんもこのアンソロを通して出会えたのでこの値段には満足しています。
全体的に可愛らしいお話が多かったように感じます。
◆鈴木ツタさんに惹かれて購入。
不憫と言ったら虐待されているだとか、片思いを長年抱えているだとか、叶わない恋だとかそういうイメージを持っている私が読んでみました。
正直、不憫とは違う印象を抱いた作品ばかりでした。
でも普通にBLとして読めば読み応えのあるお話も多く、手堅い一冊となっているのではないかと思います。
以下、少し辛口ですが作品毎に感想を…。
『起きて最初にすることは』
突然弟として目の前に現れた夏央。
お兄ちゃんでいさせてと泣くお兄ちゃんがまさに不憫です。
義理の兄弟だから出会った二人だけれど、義理の兄弟であるからこそ結ばれることもないのかなとそう予感させる夏央くんの態度…。
一途な想いが素直に伝わってくる作品でした。
いっそ滑稽な程のお兄ちゃんの愛情表現に引いている弟、冷静さのある夏央の態度が辛口でいいアクセントになってます。
『パセラとトマト』
ごめんなさい絵柄もお話も苦手で…的確な感想として書けるか自信はないのですが、これは不憫というよりもほのぼのに見えますね…?
多分作者さんは二人ともたどり着くのは胃袋の中、ということを表現させたのかなと思います。
けれど絵柄と描写によってお野菜の擬人化なんだなという印象です。
『雪色待ちぼうけ』
忠犬のようなれいくんが懸命に一度自分のことを助けてくれた花房先生のことを待つ、というこのお話。
れいくんが花房先生に感じた恩義も、花房先生がその一途さに惹かれた理由もなんとなくわかります。
けれども、その過程がどことなく唐突だったようにも感じました。
わんこキャラは好きなのですが、れいくんの勢いの良さが想い人を待ち続けているという健気さを阻害してしまったようにも思えて少しもやっとしたのでした…。
ちょっと不憫を押し売りしているような設定に思えて勿体無かったかなと。
『2丁目の小さな魚』
真面目な先輩×先輩の為に女装する後輩。
女装受け好きなので大変好みのお話でした、先輩に好かれたい一心で女性の形を求める憲二が二人結ばれてからも臆病で可愛らしいです。
ページ数も他の作品と比べるとあって、そのせいか描写もしっかりとされています。
先輩に愛されたいだけなのに自分の姿は醜いと思ってしまう憲二を愛するようになった春信先輩も潔くて素敵。
最後に結ばれてよかった、コミックスか何かでゆっくり二人の恋模様を見てみたい気もしました。
『校舎裏の夏』
最後の夏、って感じで凄く切ないお話でした…!
話題の作者さんだけあって凄くまとまっているなと感じました。
二度目の失恋、絵という一つの媒体を通してセンチメンタルに描かれてます。
『せなか。』
恋した相手は親友、王道ですが本当は傍にいて欲しかったという最後の台詞からも解る通りに切ない仕上がりになってます。
自分で初体験の練習させるのがなんとも切ないようなもどかしいような…。
このまま親友の敬太は尚の気持ちに気づかずに進んでいくのかなあと思うと尚が不憫ですね。
『愛し逢えない恋ならば』
少女漫画のような絵柄が苦手だったのですが意表を突くラストシーンでした。
報われない、その理由がわかってもどこか感情移入出来なかったのは全体的に感情の揺れもあっさりしているなあと感じてしまったからで…。
こればかりは作風の好みの問題でしょうか。
『村を出たからくり』
死なない身体って凄く本人達からしてみれば辛いものなような気もしたのですが、生死観の問題でからくりである彼らからしてみれば互いに一緒に過ごせれば幸せなのかもしれません。
異端故に人間と共に歩めない苦悩、結局二人が選んだのは二人暮らす一生でしたが、泣いた赤鬼のオマージュということで追いかけたその先まで描かれてしまっているせいで切なさも半減していてちょっぴり残念でした…。
『STAKEOUT』
心に傷を負った刑事さん、ラストシーンの少し安心したような二人の表情がなんとも印象的ですがノルタルジーな糸井さんの作風には昭和が似合いますね。
不憫とかそういうレベルでなく、各々が背負う辛さがきちんと描かれていて短編ながら上手くまとまっているなと感じました。
二人ともこれから色んなことを乗り越え幸せになって欲しいです。
『Love in Motion』
まあ、ある意味これも不憫か~と納得してしまう真性ゲイの生徒にヤられてしまう先生。
ただ終始イチャイチャしているので可愛らしいお話という印象です。
一番不憫ではないかな?と思ったりもしましたが、ただ短編として読むなら癒し系なのかな。
『やさしいだけの』
ちょっと難しいBLですよね、最後に骨の欠片に血をかけるシーンがありますが人ではない彼との再会を望む永野。
その先のお話まで描かれていたならもっとBLらしいお話だったのだと思いますが、少しホラーチックというかシリアスな締めくくりなので不思議なお話です。
多分彼が永野の病気を治癒してくれたんだと思いますが、彼も何を想っていたのだろう…。
色んな解釈をすることが出来る怪奇的なBL。
ツタさん好きなので続きも読みたいな~。
◆不憫という日本語は実はとても難しくて、皆各々抱く印象が違うというのもあまり読後不憫なBLを読んだなという気持ちにならない要因だったのかなと…。
普通にアンソロジーとして読めば面白いので勿体ない…。
好きな作品もあれば、よ、読めない…という作品もあって振り幅のあるアンソロジーでした(笑)
自分の好みを把握する良いきっかけになりました。
総勢11名は豪華でしたが、少し人数を減らして話に重厚さを与えた方がよかったのかも…?
好きな作家さんが結構多く描いておられるので買ってみましたが、
ズドーンとくる暗いお話は得意じゃないので、ドキドキしながら読みました。
バッドエンドなお話もありましたが、
意外とそういうお話は少なかったですし、
個人的には、打ちのめされた感はそんなに強くはなかったです。
求めるカタチは違っても、愛情はふたりの間に確かにあった…そう思えたからかな。
一番読めてよかったーと思ったのは、なんと言ってもコレ↓。
■雲田はる子さんの「Love in motion」
いとしの猫っ毛に出てくる脇CP、ハルくんとキタハラさんのお話です。
わたしは、最後にやっとこのふたりだと分かって、えーー!?となりました(^^;)
キタハラさんがかなり違います、別人ですw
冴えない高校教師(受)と、帰国子女で横暴な高校生(攻)、年齢差10歳。
先生が生徒ハルへ抱いていた密かな好意を見抜かれて、
ハルに学校内で襲われて、卒業するまで「俺の犬!」と宣言され、
まるで性欲の奴隷のような扱いを受けることになる。
傍から見るとヒドイ扱いでも、先生にとってはハルは理想そのもの。
なのに、先生は突然にハルの前から姿を消してしまう…
再会した時の、ハルが気持ちを吐き出すようにぶつける様子がいい。
お互いの愛情と執着具合がよく表れた、切ないけれど温かなお話でした。
どうして、冴えない外見の先生がずいぶんと変化して、
猫っ毛に出てくるキタハラさんになるのかも分ります♪
変わった後の先生(キタハラさん)も最後にチョロっと出てきますよ~~
猫っ毛コミックの登場人物紹介に年齢が書いてあったので、計算してみましたら、
最初の出会いは、先生が26歳、ハルくんが16歳くらいなんですよね。
いくら冴えないといっても、とても26には見えなかったなw
恋は本当に人を人生を大きく変えるものですね…
このふたりは出会えてよかったんだな…と、しみじみ。
■河井英槻さんの「2丁目の小さな魚」
女装もする受けが、攻めのことが好きすぎてそのあまりに切実な様子が不憫。
それを包んでくれる攻めの言葉や態度がサラリとしてて格好よかったー
■すごく印象的だっのは、きよみず光さんの「愛し逢えない恋ならば」
年下の方が体が大きいとか、仲良し具合とか、とにかく関係性の見せ方が巧み。
報われるはずがない…と最初から語られていた理由が、最後にグワッと分かって鳥肌!
不憫というワードがずっと頭にありながら読んだので、
途中勝手に先走って「死んじゃったの?」と思ったりもして、
ほんとにドキドキさせられました…
作品ひとつひとつは上記以外もステキなものが多かったと感じましたが、
不憫要素に身構えちゃって正直、よかったのに萌えにくかったです…。
買っておいてなんですが、
不憫とか切ないという要素は、明るいHAPPYな話に紛れている方が好きみたい。
自分の好みを再認識させられたアンソロでした…(;^ω^)
最初に好きな作品の感想を。
◆志村貴子【起きて最初にすることは】
ゲイの主人公の片思いを美化せず、どこか滑稽に突き放すように描いている点が興味深い。
不毛な片思いは、される側(弟)も迷惑を被るし不憫なのだとでも言うような冷静な視点が良いです。
一途さを持て囃すだけでない視野の広さが好みの作風でした。
◆河井英槻【2丁目の小さな魚】
これは素直に「不憫萌え!!」と思えるお話でした☆
女装しニューハーフパブで働く後輩。
長身イケメンで荒っぽい性格なのに(『~っス』口調がツボ!)、ノンケの先輩のため生き方から何から変えてしまうひたむきさが不憫かつ可愛い!
先輩がすごく男前で、後輩の欲しい言葉をサラッとくれる人だから、それにいちいち感動してる後輩の不憫さが際立つのです(涙)
初Hも見たかったけど「不憫BL」だからカットで正解かなw
そのほか面白いと思えたのは
◆津田ユキ【せなか。】
オーソドックスに報われない片思い系。
◆きよみず光【愛し逢えない恋ならば】
少女漫画ちっくな絵がやや苦手ですが、意表をつく展開と切ないラストは良かったです。
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他の作品は全然不憫とは思えず物足りなかったです。
全部バッドエンドにしろとは言いませんが、不憫blというからにはもっとこう好きだけじゃどうにもならないシビアな現実に切り込んでほしかったですね。
◆雨季野【パセリとミニトマト】
正直「不憫『bl』」にこの話を載せる意味が分かりません。一般でやればいいんじゃないかな~
◆桜日梯子【校舎裏の夏】
随分と爽やかなラストで…うーん不憫?BL?
◆糸井のぞ【STAKEOUT】
「不憫」とか湿っぽい言葉は似合わないタフな話だと感じました。
◆鈴木ツタ【やさしいだけの】
ホラー風味で面白いけど、不憫ともBLとも違うかな。
◆御影椿【雪色待ちぼうけ】
不幸の押し売りのような設定・展開にやや辟易;
先生が少年の押しの強さに負けただけ(+同情とか罪悪感)に見え、イイ話とは思えませんでした。
◆懐十歩【村を出たからくり】
「泣いた赤鬼」の焼き直し?
からくり設定を生かすでもなく、BL要素を足すでもなく…これなら半端に元ネタをいじるより、まんまでやれば良かったのに。
元ネタはあの結末だから青鬼の想いや赤鬼の未来が想像されて良いのであって、その先は蛇足に感じました;
◆雲田はるこ【Love in Mortion】
支配されることを望む先生の生き方はなるほど不憫ですが…
何ですか紆余曲折って?
最後、フツーにイチャつく二人にモヤッとしちゃいました。不憫どこいった?
それと、珍しくくもはるさんの完全独立の短編が読めるかと思いきやおなじみのシリーズ関連作で、折角のアンソロなのにすごく勿体無いと思いました。
どれだけ不憫なのだろう!
バッドエンド全開だったらどうしよう!と思いつつ
志村貴子さんと鈴木ツタさんのお名前に負けて(?)購入してしまいました。
確かに各話、あっさりハピエンとまではいかないのですが
どこかに救いがあるような、結ばれなくてもきっとその先
幸せになれるんじゃないかなという希望が垣間見れて
そんなに悲しい想いにはならなかったです。
しかし、好みの作品と否の温度差が結構あったもので
ビッグネームに釣られてしまって「私らしいかもな…」と
思わず負け惜しみを吐きましたw
志村貴子さん『起きて最初にすることは』
義兄弟の兄がゲイで、ノンケの弟に敵わぬ恋を続けているという
そりゃ不憫だわな…というお話。
弟が部屋で彼女とヤッてて、壁を叩かれるシーンにかなり既視感が…
と思ったら、それこそ11年前と言われるコミックスであったような!!
段ボールをごそごそ漁って見つけた、こちら↓
『どうにかなる日々』太田出版 F×comix
2003年発行
こちらの『ハッピーなエンド』(2001年)と『先生のくせに』(2002年)、
『起きて最初にすることは』とは全く別物のお話で
一卵性の双子(兄はツメエリ、弟はブレザー)がそれぞれの恋を展開してくれます。
麗人に掲載されていたんですって!!志村さんが麗人て意外!!!
『ハッピーなエンド』には少しHもあるので
興味を持たれた方は一読なさってはいかがでしょうか☆
(この双子、兄はゲイで恋人ができ、弟は家庭教師に言い寄られるノンケw
短編集でNLもあるので苦手な方はご注意を;)
勿論絵柄は多少変化がありますが作風はそのままな気がします。
淡々としつつも志村貴子さんならではのゆるい世界観が楽しめます。
報われなくても好きな気持ちは変えられない。
どうにもならなくたって、傍にいたい。不憫……。
鈴木ツタさん『やさしいだけの』
私にとって「ツタさん久々ー!!!」でしたが
かほりが“この世異聞”……がっくし。
いや、人外ものもだいぶ大丈夫になってきたのですが
ツタさんのリーマンものが読みたい私としては悲しかったのです;;
とは言え、この攻めにきゅん!
不幸が立て続けに起こり、弱っている時に彼女からの別れという
最悪な状況の永野さん、
声を張り上げて涙をこぼすシーンが好きでして…。
いえ、幸せになって欲しいんですけども!
関わりあったらいけないと頭でわかっていつつ、
あまりのヒマさと好奇心に勝てないとかも可愛らしかったです。
色んな謎を残しながらも永野さんが退院してくれて良かった!!
そして人ではない“彼”の言葉を信じて
骨のような欠片に血をかけようと試みる…。
その時の「スケベって生きることの源だからさ」に
だよね!!!やっぱりね!!!と過度に同意してしまいましたww
また“彼”に会えたらいいのになー…。
糸井のぞさん『STAKEOUT』も昭和の雰囲気が出ていて
当時は同性愛はひたすら隠さなければならない時代だったろうと
切なくなりました。
癒えない傷を持つ刑事二人、分かり合えるわけでもないけれど
仕事で大きな結果を出せた事で未来が途端に明るくなる。
二人で幸せになって欲しいな。
本当にバッドエンドがお好きな方には物足りなさがあるかもしれません☆
それでもやっぱり気になっていたので、私は読めて良かったです。