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切なく甘い、センシティブ・ラブストーリー!
tsuki to uma
月亮和马
LOVERS+の短編を読んで、ちょっと興味を持っていたところ
たまたま出会ったので、本編を読んでみた。
絵が乙女チックで、繊細だけれどポップで、雰囲気がある。
話は、一緒に喫茶店を営む義理の兄弟が
肉体関係もあって、お互い思い合っているのに、
過去のこだわりからなかなか関係に確信が持てない……というもの。
資産家の三男の一馬(三男なのに一なのね?)の家に引き取られた幼い光太朗。
当主の愛人の子(しかも当主の子に非ず)という、居心地の悪い立場に
唯一暖かな手を差し伸べた一馬に、いつしか光太朗は恋心を抱く。
一度結ばれ、でも家を出て行方不明になっていた光太朗を見つけ出し
一緒に喫茶店を営むことにした一馬……
JKコスプレ大学生(♂)夢子ちゃん、いつもお侍の格好の役者の松村さんやら、
バイトの山下くん、渋い昔なじみの喫茶店のマスター‥‥
と言った脇役が、面白い。
後半の一馬の母によって引き裂かれる話といい、
古典的な少女マンガのテイストと、今風なテイストがブレンドされている。
絵も然り。
そのブレンド加減が、もう一つ熟れていない感じはなくはないのだが
今後が楽しみな作家さんかも。
期待点込みで、評価は「萌×2」で。
幼い光太朗の漢字のエピソードと、それに由来して「月と馬」店名を変える下りが好き。
それがタイトルになっている。
ふぉー!作者さんの初商業BL単行本かな。
乙女小説の挿絵とか、エロ系で存じあげてはいたのですが、いやはや☆おまけの描き下ろしの本編にないがっつりエッチシーンのエロいこと♪
雰囲気がトロトロの感じが、描き下ろしあってよかった!って感じでございます。
1冊を通して、資産家の息子で喫茶店のマスター・一馬と一馬の父親の愛人の連れ子の光太朗という二人の物語なのですが、シンプルな話なのに間延び感も途中のテンション落ちもなく、いい具合にゆったりと展開して程良さを感じます。
主人公達については、「過去のこだわり」というものがあるものの、面倒くさい奴らだな(笑)というのが見えて、切なげに展開見せながら、読者の自分を世話焼きおばちゃんのようにさせながら、やれやれ~と思わせる。でも全然イラっとしないのです。
そして彼等を取り巻くモブキャラが実にゆるい!
男の娘の夢子ちゃん、何故かいつも武士の格好(爆笑)をしている俳優の松村さん、さらっと毒舌の突っ込み担当バイトの久下くんが、読者の代表の役割をして主人公達を盛り上げてくれる♪
とりあえずまとまった前半と、後半は一馬の母親という障害につきあたりそれを解決していく話になるのだが、
彼女が実に冷たい人ではあったが、憎み切れないさびしい人なのがわかり、性善説の下、物語が進行されているような気がする。
フレンチトーストがつないだ人の絆。
それはいつの間にか父親から一馬に、一馬から光太朗に、そして光太朗から店の客や一馬の母親へと、優しい気持ちが染みわたっていく様子を描いたものでもあるのかな?
なんて、ちょっと乙女チックに考えてみた。
雰囲気の乗せ方が大変に上手く、引きこまれていってしまう。
それは絵の見せる魅力でもあるのかもしれません。
今後も期待したいです☆
作者さん、初BLコミックスだそうで、
初出も2012年から2013年の再近作。
多分、この絵が、最新流行っていうのかな、
フルデジっぽい繊細で軽やかで均質な描線とか、
結構ガッツリエチシーンを描いているようでも、形そのものを単純化してボカシを最小限にしているところとかがね。
ストーリーそのものは、腹違い兄弟のすれ違い愛物。
本妻の子の兄の方が言葉足りないばかりに、
愛人の子の弟が、勝手に引け目を感じて逃げ腰になって、
ようやく再会してしも、お互いに怖じ気づいて、はっきりと言葉にだせないまま、
せめてもって感じで言葉のないままセックスして、結局離れられなくて、
本妻の邪魔が入ったりもして、
ぐずぐずぐず
最終的には、誰も悪人がいないハッピーエンドで、めでたしめでたしだし、絵もかわいいので、今風のきれいな絵の作品をお捜しの初心者さんにおすすめ。
同じ家で育った二人でお店を経営している、というお話。
絵がとっても綺麗です。
この二人はおそらく両思いという空気を醸し出しているにもかかわらず、身分差があります。
現代版・身分差物語のような内容なのですが、その身分差というのが、ヨーロッパの貴族ものならまだしも現代日本ものにおいて個人的にはやや不自然に感じました。光太朗は愛人の子供で、一馬は資産家の息子です。
光太朗は一馬の母親に「あなたは愛人の息子で、一馬は資産家の息子なのよ!」みたいなことをずっと言われて育つので自分なんかが一馬に釣り合うはずないと思い込んでいるいじらしいキャラなのですが、それにしてもこのお母様・・・。
愛人の息子と資産家の息子がつりあうはずないという考えがなんだか私にはおかしく感じました^^;
時代物で、王子と召使いならともかく、現代もので二人とも子供でなくもう働いてるのにそれってそんなに大きな障害なのか??という気分。
これならまだ男同志だということだけに障害を置いたお話のほうがしっくりくるような・・・。
とにかく光太朗にそう言い続ける、一馬の母親の口調が何だかお芝居の台詞のようなのですよね。
個人的にはちょっとすんなり入りにくいお話だなあと思いました。
しかし、萌評価にしたのは脇キャラが非常に明るく、個性的で面白かったからです。特に常連の夢子ちゃんは楽しかった。
この子が恋に頑張るお話があれば是非!読んでみたいと思いました。