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α no sakebi
阿尔法的呐喊
嫌いじゃないんですけど…
え!?終わり!?って思っちゃいました。
全体的に安定して少し重い話だったんで、思いっきり重〜くなるか、思いっきりハッピーになるかを期待してしまいました。
設定面白いし、絵も綺麗なのに不完全燃焼…
あと、これをBLにする意味あったのかなぁと本末転倒なことも感じちゃいました。
恋愛要素を無くせば、もっと謎とか倫理とかガッツリ描けて面白くなったような気がします。
それかもっと設定を簡単にしてBL部分をガッツリ描くか。
上下巻しかなかったので両方がどっちつかずになっていたような気がしました。
本当に設定は好きだったのでもったいなく感じます。
大好きな九重先生のお話なんですが、しかも自分向きの設定なのに上巻ではなぜかあまり萌テンションが上がらず、なんでだろ~と思いながら読んだのでした。
主に自分が知らぬ間にものすごい勢いでSFハードルを上げていたことが原因ではあったんですが^^;;;
下巻はどうかしら~と思ったのですが、ようやく市柿が自分の心のうちを出し始め、
それに惑わされず(?)トビと由良は昔すれ違ってしまった恋の続きを始めて、
それぞれ動きがありつつの、普通に三角関係ものとして良い話に思えました。
そして、やがてトビと由良と市柿の三人の関係にも穏やかに終止符が打たれました。
市柿にとっては残酷な話ではありますが、
トビにとって市柿は恋愛対象ではない・・・けれど大切な人なんですね。
トビは市柿をとても信頼していて、自分を支えてきてくれたことに感謝している。
市柿は選ばれなかったけど、でもトビはちゃんと市柿も好きなんです。
そして市柿は病魔に犯されていて死ぬ運命。
トビは市柿の最期まで付き添うと言います。
そしてそれを市柿も望んでいる。
最後、良い話に終わって良かった。
もう一つの結末としてはトビのクローンをもう一体作るという手もありますがね。
そして市柿は科学の力を総結集して病気を治し不死鳥のごとく蘇り、トビ2をゲット。
・・・さすがにホラーマンガになってしまいますね^^;
やっぱり人は一度限りの生だからこそ美しいのかな。
クローントビと由良は昔の恋を奇跡的にやり直すことができましたが、
本来なら叶わない恋だったんですよね。
まぁ由良は徒にクローンを作ることには反対の人間でしたし、
私欲でトビをクローンにしたいという考えは持ってなかったことが人物として好きでした。
しかし市柿がトビのクローンを作るという行為は最低ですが、トビと由良に対する罪滅しと私欲であり、それはある意味では人間らしい愚かさでありました。そういう割り切れなさって、人間だからあって当たり前ではあるなぁ・・・とそこは共感できるところでした。クローンを作り出すという行為自体は共感できないですけどね^^;
SFとしては個人的趣向が影響して物足りなさを感じましたが、
人間のエゴと人間の暖かさとを同時に描き出しているヒューマンドラマとしては良い作品だったと思います。
最初下巻を読んだ時に 何だ?って思ったんです。
確か上巻では、トビと市柿が恋人だったのにトビが交通事故で死んでしまってクローンとして再生する。
トビを好きだった由等はそれでもトビが好きで、しかしトビは仕事以外の過去持っていた感情については思い出せなくて・・・
三角関係めいたお話の色々の伏線が落とされていて下巻で回収されるとは思っていたのですが、すぐにはピンと来なくて。
改めて上巻と続けて下巻を読むと話しが繋がります。
そこに見えたものは一言で表わしにくく、胸がバクバクしてしまうような、様々な解釈と感情とを残し、自分の中でまとめきれませんでした。
その位、色々なものが複雑にトビの中に存在しているようなのです。
恋愛面でいえば、市柿が嫉妬したことで本当は好きだった同士のトビと由等がくっつかなかった事実。
だからこそ、以前のトビでなくなってしまったトビを新たにやりなおさせようとした市柿の姿があり、トビは新しいトビとしても、元のトビの記憶が戻っても、由等に対する想いに変わりはなく、、、という
ただ、それだけを抜き出せば、それについてはわかりやすいものであったと思うのです。
しかし、市柿が切なすぎて切なすぎて。
冴木のクローンの生き方もまた考えさせられるもので、
思わず、ヒトって何だろう?まで思考がぶっ飛ぶ始末(汗)
深く考えさせられたのでした。
トビがこの研究をする上で踏み台になった過去もとても悲しいものがありましたが、結末の終わり方としては、暗くない明るいエンドにしているのがちょっと救いです。
いじられキャラの謙頭先生も、なごみの存在でした。(花舞史先生とデキているのかなw)
このお話、読み終わって後になるほどじわじわきます。
BLっぽくはなく、まるで男性しかいない世界みたいですが、人間の性別を超越してるのかもしれないです。
運命の出会いからの恋、やり直し、それがクローンという技術をバックボーンに据えたことで小難しく考えてしまったのかもしれないのですが、それでも人は恋におちる。
ヒトとして生きる。
何だかとても奥深い感じを得たのでした。