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夢色十夜シリーズ中、最もBL度が高いと密かに思っている第2巻。
BL度というと語弊があるかもしれませんが、本書に収録された『鵺』は倉さんの素敵さを堪能できる一作です。
鷹司くんのおねだり(笑)に負け共にやってきた因習渦巻く山村で鵺への生贄にされることとなった2人。鷹司の有する知識と機転で鵺の怒りは解け、何とか2人は助かり村人達も鵺の呪いから開放されるのですが、なんといっても本作の眼目は鵺と対峙する時の倉橋くんのナイトっぷりです。
鷹司くんを後ろに庇い祖父から譲り受けた刀を光らせる倉橋くん。相変わらず鷹司くんの気持ちにも自分の気持ちにも全く気付かない朴念仁の倉橋くんですが、この男前っぷりは反則以外のなんでもありません。そりゃ鷹司くんも惚れざるを得ないよなと納得です。
そして、助かったあとに「倉さんがかっこよくて惚れそうになった」と軽口をたたく鷹司君の強がりには口元が緩んで大変です。本当はデレデレのくせに、倉橋くんが鈍すぎるせいでツンデレにみえる鷹司くんは可愛すぎる。
・その他の収録作品
『人魚秘話』は、見世物小屋の人魚に恋した鷹司くんを倉橋くんが心配し、無意識に嫉妬するお話。切ないお話なのに萌えてしまい、人魚さんには申し訳ない。
『雛御前』は、鷹司くんの姉で倉橋くんの憧れの人、玲子さんの夢を倉橋くんが垣間見てしまうというお話。ちなみにこの夢の内容は次巻への伏線となっています。
以上、『鵺』は少々おどろおどろしいお話ですが、恐怖というほどではありません。『人魚秘話』と『雛御前』は切なく美しい作品です。
いわゆるBLではないので本シリーズは全て「萌」評価にしようと思っていたのですが、本巻だけは我慢できず「神」とさせていただきます!!
それくらい倉さんがかっこいい…!
あいかわらずニオイ系です。
でも確実に、主役の二人は二人とも、互いに相手に対して恋心を持っている。
周囲も本人たちですらもそれに気づいてないんだけど。
この「親友」という距離感に萌えれるか萌えれないかは、まさに趣味の分かれるところだと思います。
ストーリーも趣味が分かれるだろうな。
登場する色んな「あやかし」、前作よりは派手になりました。
空を飛ぶ不気味な鵺、美しい人魚、動く雛人形…、絵面を想像するとゴージャス。
でも、空気感がしっとりしてて地味なんですよね。地味って言い方は語弊があるか。地味というか幽玄というか…説明が難しい!怖くはない。ただただ不思議で、そして寂しい。