かえっちょ
ningyomori
人間の血をひく人魚の一部は、寒い冬の海から陸に上がって人魚守の家で過ごすという。
都会で暮らす倫大が、ひと冬を人魚と二人きりで正月を過ごすことになるお話です。
主人公である倫大の性格が紺野キタさんとしてはわりと珍しめのような。
自由奔放さがある30男で意地っ張り。
そして人魚は昔は青年、今はオヤジ設定です。
倫大は自分では気づかないうちに人魚に惹かれているのだけど、頭から否定してるから寧ろ苦手になってしまって逃げてばかり。
でも二人きりで会えば、自然と人魚に惹かれていたことを自覚しなければならなくて…。
そんな倫大の心の葛藤と人魚全般に対する思いとが流れるように描かれていて、
やはり紺野キタさんは短編の名手であるなと感じ入りました。
ラスト近くの倫大の焦りを反映させるスピード感、そして海のなかでのドラマチックなシーンも素敵。
誰もが願うであろう、自分の居場所が欲しいと思う気持ち。
孤独な人魚と倫大がやっと手に入れた、帰る場所の温かみを感じることができる作品です。
H無しなのでどっちがどっちなのかはっきりしませんが、
作者本人曰く「元々主人公攻めのつもりが人魚攻めのようになりそう。でも人魚攻めは冬のみかも」とのことなので、リバなのか?そこんとこ、どうなの?!と気になるところです(笑)
ラストの小ネタがまた紺野キタさんらしくなく、ちょっとエッチ臭いんですよーー!
笑わせていただきましたw
そして私としては倫大が大好きキャラで、もっと見ていたかったです!
北陸の海を思わせる静謐さのなかにある、人魚と人間の穏やかで暖かな交流。
エッチはないけれどキスシーンで酔えます。
そして、「先生と温泉」
『先生のとなり』番外シリーズの1篇です。
先生ってばいいお尻なんですかw
嫉妬するわ、風邪ひくわで、直也氏がひたすら可愛いお話でした。