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嫁が初物ってのは悪くない。
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
自分(佐和紀)と組長2人だけの「こおろぎ組」
その組長も病気で倒れ、組の存続が危ぶまれたが何もできない。
そんな時、元「こおろぎ組」構成員で
今は大滝組若頭となった岡崎から1つの提案をされた。
大滝組若頭補佐(周平)の嫁になること…
その嫁になってからのストーリーなんですが
この佐和紀が何とも言えないくらい可愛いのです。
狂犬という異名が付くほどの凶暴な青年なんですが
実は凄く純なんですよ。
なのに今まで組のお金の為にしてきたことと言えば
岡崎を含め大滝組の幹部におさわりさせてお金をもらう。
でも本当にそれ以外何もなくキレイなままの身体。
身体だけじゃなく心も純情なので、周平のセリフで傷ついたりするのが可哀想で…
周平もさぁ佐和紀が素直になれないのは解ってるんだから
もうちょっと扱いを考えれば済むことなのに…と、ちょっとムカついた(笑)
でもちゃんと佐和紀を迎えに行って自分の本心を告白したから良しとしよう!!
(すぐに追いかけなかったのはいただけないけど)
それですぐに素直になるとは思わないけど
その辺はちゃんとフォローして欲しいよね。
やっぱりまだウブなんだからvv
ヤクザもので、人身御供の花嫁もの。腐歴も長くなると、似たような設定の作品は結構な数読んでるし、男の白無垢もいささか食傷気味なんだよな…と思いつつ手に取ったのですが、見事に裏をかかれました。ちゃちな先入観なんぞ一瞬で吹き飛ばすディープインパクト。これまでに読んだどの花嫁ものとも全く似ていない鮮烈な読後感。それはひとえに、本作の花嫁佐和紀のユニークすぎるキャラによるものでした。
新条佐和紀25歳。今はすっかり落ちぶれて組長とふたりきりになってしまったが、もともと土木を本業とする由緒正しい極道一家「こおろぎ組」の組員だ。天涯孤独の彼は、親とも慕う組長が病に倒れ、いよいよ存続の危機に瀕した組を救うため、上部団体大滝組の若頭補佐・岩下との縁談を受ける。白無垢に映える楚々とした美貌。でもその中身は「こおろぎ組の狂犬」のふたつ名で業界でも恐れられた凶暴なチンピラ。その名にたがわず、のっけからやらかしてくれます。初夜の床で新郎にご奉仕中、「冥土の土産にあのじいさんにもしてやれよ」と組長との関係を心ない言葉で揶揄されて逆上し、局部にかみつくという暴挙に出るのです。ふたりの新婚生活はいきなり大荒れの模様に――
その生い立ちからして、世間の常識からは懸け離れた存在だった佐和紀。高名な某政治家の愛人だった母親は、跡取りとして奪われるのを恐れて生まれた男児を女として届け出た。(だから男嫁だけどちゃんと岩下の籍に入ってる)でもそのふた親を早くに喪い、ろくに義務教育も受けぬまま、裏社会に足を踏み入れる。こおろぎ組の組長に拾われたけれど、時流に乗れなかった組は既に傾く一方。佐和紀は自らの美貌を利用することも躊躇しない。組を見捨てたかつての幹部連中相手に、身売りこそしないものの性的なサービスと引き換えに金銭の援助を受け、かろうじて組の体面を保ってきたのだ。恋も知らず、男とも女とも未経験だったが、それもいつか組のために必要とあらば、その身体を高く売るため。雨漏りのする六畳二間の長屋で老いた組長とふたりきり、究極の貧乏暮らし。それでもそこが、佐和紀が初めて得た大事な居場所だった。
傍目には過酷極まりない半生のようでも、佐和紀自身は微塵も自分を憐れんだりしていない。本能の赴くまま暴れまわり、淡々とおのが運命を受け入れてきた。岩下との縁談だって、その流れでうまくやりすごせるはずだった。
稀代の色事師として知られているくせに、跡目継承を避けるため、というなんだかよくわけのわからない理由で男嫁をもらおうとする岩下が、そもそも本当に男の自分を抱く気があるのか? あくまでお飾り? それとも珍しさから手を出したにせよすぐ飽きられて、「接待用の道具」として各方面に貸し出されるような末路をたどるのか? 佐和紀にはいまいち岩下の真意がつかめない。大組織の幹部に上り詰めた男らしく、非情で冷酷なばかりかと思えば、時折妙にこまやかな気遣いを見せたりもする。そしてその腕に抱きしめられてキスをされるだけで、佐和紀の鼓動も体温もあり得ないくらい跳ね上がってしまう。本当はとても飢えていたのだ。人肌のぬくもりに。全身全霊が「淋しい」と叫びだしそうなのに、当人だけがそれに気づいてなくて。よしんば気づいていたとして、あの気性なら意地でも「淋しい」なんて言い出せないだろうけど。
なぜかいつもふたりの行為は土壇場で寸止め。岩下は最後まで抱こうとはしない。自分から「抱いて」なんて可愛く甘えられる佐和紀でもない。そのあたりの描写、岩下の心の動きや秘めた葛藤は佐和紀のみならず読者にもわかりづらく、もう少し途中経過を丁寧に描いてほしかったという不満はありますが、ラスト近く、ついに思い余って婚家を飛び出した佐和紀を実家?のぼろ長屋に迎えに来た岩下の怒涛の告白シーンは見応えありました。
そしてやはり、本作の魅力は、色っぽさと凶暴さと可愛らしさがそれぞれなれ合わぬまま、いっしょくたに詰め込まれた佐和紀のキャラに尽きます。婚礼の白無垢以後も彼は基本和服で通してて、でもお行儀は悪いまんまだから平気で立て膝なんかしちゃうときわどい位置にあるキスマークなんかもろ見えで、お付きの若い衆にとってはさぞかし目の毒でしょうて。なのに時々、寒いからってその下にらくだの股引を穿いちゃってたり(しかも組長のお古!)鼻唄を歌えば「ラバウル小唄」だったりで(これも組長直伝)どこまでも破天荒。いくら岩下が手だれの色事師でも、こんな花嫁をもらってしまったら毎日が意外性の連続で、飽きる暇なんて一生ないと思うよ。
『答姐』で教えて頂き手にした作品です。
こちらはどうやら電子版でのシリーズの書籍化のようです。
今、書籍では三冊出ていますが、その後も続くと良いなあと思ってます。
絶対買っちゃうわあって。
この続き二冊も注文してしまいました!
ノベルズなのに二冊とも新刊で…ちょっと月末には清水でしたが(苦笑
だって、不覚にもホロリとしてしまったんですよー。
受けの佐和紀は滅多にいないと言われるほどの美形でありながら、狂犬と呼ばれるこおろぎ組最後の構成員で25歳。
攻めは横浜をとり仕切る大滝組の若頭補佐、周平。
時期組長と名の高い男で、雑多が面倒で男を嫁にすると言い出した変わり者。
佐和紀は決して大人しいわけではありません。
狂犬ですしね。(アレ噛んだしね)
でも、身寄りがなく父親同然のこおろぎ組組長の松浦が倒れ、組の存続が厳しくなったことで、松浦のために人身御供として周平へ嫁ぐことに躊躇はありませんでした。
松浦のために、今までも組の活動費捻出に佐和紀がしてきたことも関係しています。
あー、もう、すごい尽くし系(松浦へ)ですよ。
ファザコンだわ!というか、ジジコン?
松浦とした、極道としては本当に小さい小さい約束、もう、じんわりきて鼻をすすっちゃいました。
ところどころにほのぼのしたやりとりがあります。
周平の手下三人と佐和紀とのやりとりとか、その三人の前で周平が佐和紀にベタ甘なところとかね。
ただ、佐和紀としては始めてキスして胸がざわついて恋心なんて初体験なものを抱えて、しかも周平が自分をどうやって扱うのか(幹部へ体を使わせるのかとか)も不明瞭で、とても素直にはなれないんですが、そこがすごく微笑ましいです。
基本ふたりが性格的に超ハードで、やりとりの言葉遣いなんかかなり凄いのです。
花嫁物でも丸ヤ物でも、こんな二人の濡れ場なんて読んだことなかったなあ。
良くある花嫁物とは完全に一線を画しています。
ちょっと甘め評価ですが、絶対また読み返しそうなので『神』にしました。
読みはじめは人身御供にされたけど、全てを諦め受け入れた受け様が傲慢な攻め様に
虐げられながらもいつしかラブになるお話なのかと思ったのですが、
プロローグ的な序盤の角隠しの花嫁姿で婚儀をするところまではシリアス風。
しかし、次第に虐げられる花嫁って感じでは無くなり、強気で狂犬と言われるだけあって
とても下部組織から自分の組の組長に孝行したいなんて健気な気持ちで嫁入りしたとは
思えないくらい強気だったりします。
この受け様の背景はかなり複雑みたいで、男なのに戸籍が女だったりして、学校も
ろくに通った事が無い半端ものなのですよ。
そんな受け様を拾ってくれたのがこおろぎ組組長なのですが、その組も組長と受け様の
二人しかいない名前ばかりの極道なのです。
そんな時に組長が倒れ、組長を助けたいと言う思いから、元は同じ組の兄貴分だった
上部組織の若頭に攻め様への嫁入りをしたら組の再興と組長の世話を見ると言われ、
受け様は二つ返事で攻め様へ嫁ぐ事になるのです。
攻め様はかなりヤクザとしては有能で、将来は組長に請われる優秀さなのですが、
跡目争いをしないと証明する為に男と結婚をする事を決める。
なんともこの辺がとんちんかんな気がしてしまうのですが、あっさり流しました(笑)
受け様はかなりの美貌の持ち主で、上部組織の幹部達と元の組を維持するお金を得る為
おさわり程度の関係を持っていたりするのですが、それもかなり変な話で相互自慰を
する程度でお金を貰っていたらしく、エッチさせないで幹部たちを手玉に取るなんて
さぞや床上手かと思えばエッチは男女問わず未経験の童貞さんだったりします。
どんな無理やり設定だと突っ込みどころ満載なのですが、あえて流して読みましたね。
誰も好きにならないと思っていた受け様が攻め様と初夜にキスした事で相手が気になり
相手の関心を惹きたくてツンツンしてる。
それでも無自覚で恋してたのですが自分の気持ちに気が付いてからは、好みの顔じゃないと
抱こうともしない攻め様に片思いしてるような素直になれない子供みたいな受け様で
読みはじめのクールな印象とはがらりと変わります。
周りの思惑などで結婚した二人が本気の思いを抱いてからすれ違う内容で、
後半になると受け様の恋する意地っ張り具合が妙に可愛く見えるお話でしたね。
ツッコみたい気持ちは流してさらりと楽しんで欲しいと思ったお話でした。