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私を選べ―――生涯、共に生きる為に。
itoshiki kemono no sumeru tokoro
「月に桜の咲き添ひて」のスピンオフ作です。
時間軸は、「月に〜」第2巻の後、鹿島夏竜のバディ・伊部頼人が悪に取り込まれてしまった事件が解決したのちの話のようです。
「愛しき獣の棲めるところ」
表の仕事では探偵、裏では陰陽師として悪霊払いをしている鹿島闘吾は、荒っぽく悪霊を煽り本家筋の陰陽師を怪我させ謹慎処分になってしまう。闘吾のバディである香取有矢は、頼人が休養中で今1人の夏竜と組むように命令され…
元々兄の夏竜に対して劣等感を抱いている闘吾は、素直になれずヤケを起こしたり拗ねたりひがんだり。有矢は耐えるが、2人に別れの危機が…⁉︎
…と一瞬不穏な流れながら、陽明に諭された闘吾が自分が子供っぽかったことを認め、無事愛を確かめ合いハッピーエンド。
2人は裏の仕事を辞めるのか、本家筋の輝春(こうしゅん)はどんな当主になるのかには触れられずにここで終わります。
「わかったふりじゃ愛せない」
夏竜に想いが届かなかった頼人。わかってはいたけれど心は…
そこに現れるのは夏竜の共演者で人気若手俳優の倉橋。倉橋に良い「気」を感じ惹かれるけれど、悪に陵辱され自分が汚れていると感じている頼人は倉橋に近付こうとしない。
前作にてあまりにも切なく哀しい目にあった頼人が可哀想すぎて、ワンコで優しい倉橋に愛されて!と切実に思う。どうやら倉橋も賀茂家と何らかの関わりがありそうなニオイ…
「たとえば平凡な日常」
優月x陽明と息子・満帆(みつほ)のいつものケンカ風景。
息子に対して、父親を抱いていることを隠さない優月に萎える〜…満帆も賀茂の人間、浄化がどういうものなのか、どうなされるのか、ちゃんとわかっているんです。でもねぇ……
満帆、頑張れ!
やはり前作の「月に〜」から読んだ方がより面白いのではないかな、と思います。
各CPの恋愛感情に重点が置かれ「月に〜」のような「設定の尻切れ感」が少なかったので、私は楽しめました。「萌x2」で。
絵柄も綺麗です。
『月に桜の咲き添ひて』(全2巻)のスピンオフで、2組のCP話+『月に~』後日談収録。
登場人物達は、二人一組で陰陽師の仕事を行い、交わることでエネルギーを交換したり、気を浄化したりできる。普段は神社の神主、弁護士、芸能マネージャーなど、別の仕事をやりながら悪霊払いも行なっている・・・という設定。
交わることでエネルギー好感…なんていう面白そうな設定もあるのにあまり生かされず、
悪霊払いの話よりも普段の仕事やコンビ同士の恋愛がメインだったのが、物足りなく感じた原因かなと思います。
『月に~』は賀茂本家の陰陽師と、住み込み弟子の話で
子連れの四十路受け(絵的にはかなり若いですが・・・)。
本作の描き下ろしは、父親をとられて面白くない息子と親交を深めようとする攻めの話。
宙に浮いてるチビネコ達は何なんでしょう。本筋よりそっちが気になりました笑
◆表題作【愛しき獣の棲めるところ】
鹿島家次男の陰陽師(普段は探偵)×弁護士で、悪霊祓いのコンビで恋人同士の二人。
破天荒な次男が本家から謹慎をくらい、コンビ解消の危機に陥るのですが、
弁護士の包容力と本家の裁量で丸く収まり、二人のピロートークで終わるラブ甘なお話でした。
弁護士も陰陽師の家系なのかな?
次の【わかったふりじゃ愛せない】でも思いましたが、
普通の仕事メインの受け達がなぜ陰陽師のパートナーをやっているのか、よく分かりませんでした。
◆【わかったふりじゃ愛せない】
若手俳優×芸能マネージャー
鹿島家長男に片想いしていたマネージャー(長男の陰陽師パートナー)が、
無邪気でワンコな若手俳優と恋に落ちる話。
若手俳優も実は霊感らしきものがあることを匂わせつつ、二人の恋愛話に集約される、こちらも日常系の話でした。
前作未読でもストーリーは把握できましたが、全体的に薄味な印象でした。
すみません、前作読んだらもう少し物語の奥行きが伝わってきたのかもしれませんが、
これ単体では登場人物のバックグランドや抱えるもの、人間関係等、今ひとつ真に迫って来なかったのが残念です。
個人的にはメインカプ達より、脇でチラチラでてくる夏竜(鹿島家長男で俳優)の方が
気になる存在でした。
本家跡取りの輝春と恋仲?この二人の話は前作シリーズに入っていたのでしょうか。
輝春の少女のような外見は正直苦手ですが笑 イケメンで大人な夏竜には興味ありです。