かえっちょ
c・darwin 3 djnni winsert
大人になった風の魔道戦士・ガス、そして裏の風の魔道王・ウィンザードが麗しく、シリーズ中一番好きな表紙です。
常に苦労人な風の魔道戦士。多分一番いい男なのになかなか話に出てこなかったのですが、やっとガスのことが少しだけ語られます。
そして、ずいぶんと大人になった大地を見ることができますw
恋をすると子供のままでいられなくなるのですね。
いままで知らなくて良かった痛みに対し後ずさりするのではなく、まるごと抱きしめようとする大地の強さがラビを救っている。
ラビはどうしても心に弱さを抱えているので、相手を信じることが苦手。
特に心を許した大地の根底を揺るがす闇を見てしまっては、どうしても後ろ向きにならざるを得ないのです。
そんなラビを何度でも引き戻すのが大地なんですよね。
いわゆるヒーロー像というのは、明るくてひたすら前向きな元気キャラが定番だと思います。
大地も然りであり、愛されて育ったからこその揺るがない強さを持っています。
それでも簡単には立ち直れないほど傷つけられることもあるし、自分の中にある力に恐れてひるむこともある。
ではどうして前を向くのか、何故闘うのか、ということを語られていて、いわゆる勧善懲悪にならなかった原作のよさを更に引き出していると思います。
グローバルな視点でもミニマムな視点であっても、多少なりとも誰かを救えるであろう要素は「大切な人を守りたいから」という純粋な気持ちなのかもしれません。
"世界を救いたいから"、言い換えれば"世間に貢献したいから"という理由だけでは、どんな闘いにだって投じれないと思うのです。
そこを強調するには少年である必要があったのかな、と考えてしまいました。