条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
ピアスのコミックスだと、今イチ刺さってこなかった乙里作品。
せっかく絵はお上手なのに、エロのためのエロみたいな展開と絵のきれいさが、なんだかアンバランスで、ちょっと残念な感じ。
この本は、麗人初コミックス。
カバーデザインとかとっても雰囲気良くて、雑誌掲載時にも結構好印象だったので購入。
こうやって読んでみると、乙里さんの作品って、すごく麗人らしいっていうか、麗人レーベルっぽい作品。
オシャレすぎず地味すぎず、しっかりしたきれいな絵と、読み切りでちゃんとまとまっているお話。
それにエロいシーンも自然。
この路線の作品だったら、もっと読みたい。
表紙のカラーの絵を見て、純朴~な絵を描く作家さんなのかな?
と思って買ってみたら、中は少女漫画風でした~
そういう絵自体は別に嫌じゃないのです、読みやすいですし。
でも内容が、展開が早くて穏やかじゃないので、なんだかちょっとドギマギしちゃいました!
短編が7本+表題作の描き下ろし。
描き下ろし以外は、しっかりエッチなこと付き。
乙里さんの本を読むのは初なのですが、ピアスで結構本を出されている方なのですね。
短い話でもちゃ~んとエロが盛り込まれているのはそういうワケでかな?と思ったり。
あ、ひとつ注意点☆
彼女がいるのに、別れてないのにヤっちゃうの~?というお話があります、苦手な方はご注意を。
※ 掲載順
■「瞳はウソツキ」
同じ高校に通う、仲のよい双子の兄と妹。
その双子の妹の彼氏と、双子の兄の方がくっついてしまうお話。
友達だった佐々木から熱い視線を感じ、その訳を知りたいと思っていたら、妹と付き合いだした。
佐々木と妹は上手くやっているようなのに、まだ時々視線が絡む。
そんなある日、佐々木が泊まりに来て、寝ているところをキスされて・・・
■「逆転ちよこれいと」
腐れ縁の幼なじみの大学生ふたり、
彼女ができて嬉しかったけど、やっぱりアイツ一緒にいる方が・・・というお話。
苦手なホラー映画を我慢して見たり、支払いをジャンケンで決める姿がカワイイ。
■「三度目の痛み」(表題作)
超モテる男にダメ元で告白したら、見事に玉砕。
なのに「セックスくらいいいよ」と言われ、少し引いたけど記念に1回と思ってヤった。
その後、度々強引に誘われるようになるけれど・・・
■「かさぶたのあとに接吻を」
カフェのウェイターのゲイの男の子を、その小尻が好み~と繰り返し口説く軽めの年上の男。
その強引さにほだされかけていたところに、ゲイの子の元彼が現れて・・・
尻フェチだけあってお尻の割れ目に顔を埋めて~のエッチ、なかなかエロいw
■「小さな恋の転がる行方」
身体だけの関係がいいというゲイの受けと、心も欲しいという元ノンケの攻めのお話。
■「君は知らない」
元いじめられっ子と10年後に同窓会で再会。
虐められてる姿が妙にやらしく見えて、
子供心に受けのことが気になっていた・・・そんな昔を思い出しつつ仲良くなっていき・・・
■「アナザーワールド」
幼なじみが自分のことを好きなのに気付いて、でもその気持ちを話してもらえなくて・・・
映画「卒業」の男版?みたいな夢を見てね~という展開がカワイイ。
短いお話なのに、ちゃんと設定・個性・エロと色々詰め込まれてて、スゴイ。
読みにくくは全然ないし、読んだ後、満足感がある♪
でも、
もうちょっと掘り下げて描かれたお話もあり、短いのもあり、だといいのになぁ~~
乙里作品、絵は整った端正なラインで描かれとても丁寧なのですが、なんか今一つな気がしておりまして、いつもはジュネピアスからの単行本が、今回麗人からということで今までのピアスとちょっと違うのかな?と少し期待をして手に取りました。
・・・しばらく寝かせてみたんですがね、やっぱりうう~ん。
キャラ萌えとかシチュ萌えとか、やっぱり何か来るものがなくて、これってやはり相性なんでしょうかね?
しかし、この表題になった【三度目の痛み】は本当にちょっと胸が痛い感じの恋愛で、彼らのこれからがとても気になる作品でした。
バイトも大学も同じで女子にモテる市原にダメ元で告白した北沢だが見事玉砕。
だけど、何かにつけて呼び出されて一緒に飯を食ったりと、まだちょっと希望を持っている。
そんな市原と関係を持った後、彼の恋愛スタンスの発言を聞いてしまい自分も・・・ともう市原のことはすっかり諦めようと思う北沢。
だけど、傲慢で自分勝手だった市原は北沢は女子とは違うということをやっと意識して。
というところで終わっている。
この話、描き下ろし番外編があるのだが、もう少し市原が焦らされて自己を反省してとか、色々エピソードをつけて3話くらいにしたカプ成立にしてくれたらもっといい話になるのにと、残念に思う。
あとは幼馴染モノ、トモダチもの、リーマンもの、再会モノなどがあるのだが、インパクトは弱い感じが。
全体的に甘くてかわいいエロがあります。
絵も綺麗だし、ストーリーの展開も悪くはない。
今回のコミックスでピンとこないのは、表題作の「三度目の痛み」です。
表紙を飾っている二人。涙を流している受けとその涙を拭おうとしている攻め。
痛みを乗り越えて、二人にどんな絆が出来るのか…それが見えにくいです。
個人的に思うのですが、表題作に持ってくる話の重要さについて改めて考える作品です。
受け入れてもらえないのに身体を繋げてしまう、受けの辛さも傷も涙も、話からは見えてこない。痛みを喚起するのが表紙だけだったら、読む意味がないのです。
ストーリーのなかで、キャラクターが本当に涙を流すコマを絶対に描かなくてはならないという決まりはありません。彼がとても苦しいんでいる姿を想像できる「何か」があればいいのです。
「痛み」というものがストーリーの中心でないのなら、表題作のタイトル、表紙絵。そこから変えた方が良いと思います。
何故なら、読後の印象が下回る事は、作者さんにもレーベルにとっても決して良いとは言えないからです。特にこういう売り方は作品を作り、売る作者さんの今後にも繋がります。
この作者さんがかわいいエロしか今後も描かないというポリシーなら良いのですが、
人の心の痛みを表現したいと思うから、出来たタイトルだと想像します。
エロに実力があるというのは、とても強みなのですから、売り方などももっと工夫してほしいと思いました。
表題作の「三度目の痛み」は、なんだかスッキリしない終わりかたのような感じがします。せつない感じがしたので買ってみたのですが、ストーリーも表紙の絵のようにグッとくるようなせつないって思わなかった。でも絵は、綺麗だったので、乙里先生のファンになりました。「瞳のうそつき」は、BLでは、よくあるパターンだったので、こうなるだろうなって思いながら読んでたけど、おもしろかった。これからの乙里先生の作品に期待したいです。