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『夜の館』
封印された山に霧とともに現れる謎の館——迷い込んだ重夫(攻)と秀城(受)は、「修羅」と名乗る美しい少年のもと、一宿の恩を受ける。しかしその館は、朝日とともに消え、迷い人を塵と化す運命を背負っていた。
この地域に伝わる若鬼伝説によると、江戸時代、この館には病に冒された暴君が住んでいた。やがて館へ連れてこられた美少年と恋に落ちるも、少年は不慮の事故で転落死。その事実を知らぬ暴君は戻らぬ少年に怨みを募らせ、死後も怨霊となり、この地に留まり続けたという。
そして「修羅」とは、かつて玉城という名の少年だった。彼は秀城の曾祖父・直城と恋仲だったが、駆け落ちに失敗し、この館に囚われてしまった。それ以来、満月のたびに館とともに現世に現れていたのだ。
修羅(玉城)は秀城たちを逃がそうとするが、重夫の機転により館は炎上。その瞬間、秀城に直城の生霊が宿り、ついに玉城と直城は再会を果たす。永遠の愛を確かめ合ったのち、玉城は成仏し、二日後、直城もこの世を去った。
封印の館は消え去り、長きに渡る哀しき恋の物語は、ようやく幕を閉じたのだった。
『緋の廃園』
秀城と重夫のもとに、後輩の山村が訪れ、「故郷の幽霊屋敷に来てほしい」と頼む。気乗りしない二人だったが、直後に山村が行方不明になったため、仕方なく屋敷へ向かう。そこに現れたのは、失踪していた山村だった。
屋敷で発見した日記は、かつての屋敷の主人芳彦の主治医恭介のものだった。その日記によると、芳彦は絶世の美少年だったが、15歳で病(おそらく梅毒)を患い、屋敷に隠遁。次第に狂気に蝕まれ、村人を手にかけるようになったが、ついに罪が露呈し、怒りに燃えた村人たちによって惨殺された。
そんな芳彦に魅了された山村は、芳彦の魂を蘇らせるため、重夫を生贄にしようとふたりを誘い出したのだった。
そこへ突如、牧野という初老の男が現れ、山村を刺殺。牧野の証言によると、彼はかつて芳彦の身代わりとしてこの屋敷に監禁されていたが、村人の襲撃時に恭介と共に命からがら逃げ延びたのだという。しかし、芳彦を失った絶望から、恭介は自ら命を絶った。
屋敷を出た三人だったが、突如蘇った山村が現れる。すると、人面鴉が群をなし、山村と牧野を惨殺。さらにそこへ芳彦の亡霊が現れ、重夫を恭介と勘違いして連れ去ろうとするが、秀城の呼びかけで正気を取り戻し、静かに消えていく。
車で帰途につく秀城と重夫。そこで重夫は、今回の事件について推理を語る。
「牧野は芳彦の腹違いの兄であり、財産を奪うために芳彦になりすまそうとしていたのではないか? だが、華族制度の廃止により、その計画は頓挫。しかしながら、屋敷には財宝があり、芳彦たちの死後も牧野はここを頻繁に訪れ、それらを漁っていた可能性が高い。さらに、日記も恭介のものではなく、牧野が芳彦に罪をなすりつけるために書いたものではないか?」
芳彦が本当に狂っていたのか、それとも牧野が事実を歪めたのか――。
だが、それを確かめる術はもうない。
朝が近づく山道を、二人は静かに車で走り去るのだった――。
うまくまとめられなかったのでChatGPTにお願いしたら非常に読みやすくなった。いい時代になったものだ(力こそが正義って言ったシンの言葉深い)。しかし、同級生とヤッてる間にひいじいさんが障子あけて乗り込んでくる話ってこの本が最初で最後じゃない???そして青姦に夢中になってて周りがいつの間にか霧に囲まれてたのに気付かない主人公たち…どんな展開だよ。そしていくら受でも男のキャア!って悲鳴はものすごく萎えるからやめてほしい。そんな悲鳴あげるやついる?あと攻が度入りとはいえ屋内でもサングラスかけてんの腹立つ。普通の眼鏡買えよ。もしくは紫外線に反応して色が変わるやつ。
とりあえずこの二人要らんし激うざい。100歩譲ってこいつら恋人じゃなくていい、親友同士にして欲しい。特にニ話目の秀城の語りが調子こいててうざい(どうにか克服するために思考変換して二次創作の同人誌を読んでいるつもりで、こいつを某カードゲーム漫画の主人公の表の方に置き換えたら急に読めるようになった。個人的に彼は攻なんだけど…少なくともボクとか言ったりする口調はそっくり。重夫はやむを得ず主人公の親友にした。城◯内はオカルト苦手だから変だけど…)。この文章だとスラスラ書けるのはわかるんだけど、BLには合わないな。
最後数ページで“語り”での憶測による事件の真相解明シーンは作品として非常におざなりである。どこかで見た手法だなと思ったら思い出した。『コードギ◯ス・復活のル◯ーシュ』だわ。時間切れで仕方なしに全部セリフで解決ってやつ。いらんモブ(直城と重夫)のイチャイチャゴミエピソード削ってこっちちゃんと書いて欲しかった。
約30年前の作品かぁ…昭和ギャグの寒さも感じつつ、物語としては良かったから、普通の怪奇小説として読みたかったなぁ。いらんモブ(2回目)のせいで安っぽさが出てしまった事が残念でならないが、読み応えはありました。
第一話 夜の館
恋人同士の紀重夫と鈴織秀城は、帰郷の折に禁忌の山に登り道に迷ってしまう。深い霧の中、笛の音に導かれて出会ったのは、人食いの屋敷にとらわれた一人の美少年だった。二人はその屋敷の秘密を解き明かそうとするのだが・・・。
第二話 緋の廃園
不治の病に侵された華族の子息の芳彦は、隔離のために建てられた豪奢な屋敷で主治医の恭介と下男の黒夫と3人で暮らしていた。しかし病の進行と共に狂気にかられ青年を攫ってきては残虐に切り刻む毎日を送っている。そんな芳彦を愛する恭介は身代わりとして芳彦にそっくりな晶一を攫ってくる。それから40年後、幽霊屋敷の調査を依頼された紀重夫と鈴織秀城は廃墟となったその屋敷に訪れたのだが・・・。
重夫とヒデのシリーズの1冊目にあたりますが、今読むと主人公二人のノリが非常にウザイ(笑)。この二人が出てくると雰囲気ぶち壊しなんですが、それ以外のパートは秀逸です。特に緋の廃園の過去パートの退廃的な雰囲気や惨殺死体の前の血の海でセックスするシーンは鮮烈でした。もう15年も前のものですから古本屋の100円棚で簡単に手に入ります。BL黎明期の耽美ものもたまにはいかがしょうか。ただし昭和のノリと猟奇系が無理な方は避けてください。