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utsukushiikoto
木原音瀬先生の作品はほんっとに良いですね!!!
大好きです!!!!
私がBLに求めているのはとにかく男同士の心の傷つけあいです。深く抉りあい苦しみあっているのを見るのが好きです。
これはそんな私には最高の作品でした。まさに傷つけ傷つきずっと苦しんでいるふたり。中途半端な優しさの残酷さの描き方が素晴らしく本当に苦しくて息をするのも忘れるほど、呻き声を上げながら一気読みしました。
嘘から始まるBLは傷つけ合うことが多くて好きでしたが、ここまで完璧なものを見させられると今まで好きだった他のBLはなんだったのかと…全部捨てるか?とすら思いました。凄すぎて恐ろしいです。
念願の「愛しいこと」電子配信、その前にこちらを再読しました。
初めて読んだ時同様、読み終えると万感の思いで言葉が出て来ず寝ながら少々泣きました。
私にとって木原作品の2つ目で、旅行先で「箱の中」を読み終えた直後本屋に駆け込んだのが思い出深いです。
見た目と内面、恋愛の弱者の交代、愛憎、色んなことを考えさせられ、恋する者の眩しさと辛さにぐるぐる翻弄されます。好きな人とそうでない人への気持ちの温度差が残酷で、でも実際そうだから読んでて辛い。こんなに共感して辛くてでも面白い恋愛小説(そもそも恋愛小説を余り読まない)に出会えたとこに感動します。
寛末は確かに鈍感でどうしようもない男です。でも葉子と付き合ってその先、結婚や家庭のことまで夢見ていた訳だから、江藤葉子が存在せず男だったと言われても、男同士でやりとりしていると分かっている松岡と違い、簡単には片付けられないだろうと同情しました。相手が好きという気持ちだけではない付随した願望や欲があっただろうに。
木原先生は平凡キャラを辛辣に描きつつ愛おしく感じさせるから好きです。
松岡の心情描写もとにかく丁寧で分かりやすい。彼の起点のきく頭の良さと、寛末ののんびり鈍感な(読んでいて結構耳が痛い)ミスマッチで空回りな感じが先を全く予想させません。
そしてマッハで読み切らせる読みやすさと面白さ。
講談社文庫のこの終わり方は賛否両論ありますが、私は初読時「なんだよォ〜〜〜」とは思ったものの余韻があって好きです。うまく行かないけどもしかしたら行くかもね、くらいの希望があって、現実からの離れ具合が好き。
でも松岡には幸せになってほしいからすぐ続きを読む!
友人に勧められ、コミカライズ版から読ませていただきました。
私自身小説のBLは読んだことがなく、初めて読みました。一般的な小説のように堅苦しい感じのように想像していましたが、読みやすい言葉運びでとてもスムーズに読むことができました。
コミカライズ版と大方の流れは同じでしたが、文庫版の方が少し詳しく載っていました。
個人的に同僚の福田が好きではなかったので、その彼女があまりいい女性ではなかったというのが載っており少し嬉しかったです。
この作品を読み思った感想は、リアルだな、ということでした。
私が今まで読んできた作品は、松岡が男と打ち明けられたとしても受け入れてもらえるようなフィクション味が強いもので、それはそれで面白いのですが、現実離れしすぎているので、現実なら寛末のように受け入れることができないんだろうなと思いました。
松岡は女装していたという嘘をついていましたが、嘘だと打ち明け自分とまた一から関係を築いていって欲しいという願いに、寛末さんが受け入れることができなかったのも理解できます。
実際、私自身がストレートなので、偏見は無いですが、同性の方を受け入れるとなると自信はないからです。
そのため、その部分では寛末さんの気持ちは理解できますが、再会して、彼女もいるのに、松岡のことが気になると言って彼女をそっちのけで行動しているのをみると、本当に30代半ばなのかと感じました。本能で動きすぎだとも感じました
だからその後の松岡の
お願いだから 俺が寛末さんを好きだってことを、逆手に取らないで
にとても締め付けられました
どれだけ振り回されても、松岡は寛末が好きなんだと強く思わされる反面、寛末はそうしてまで松岡を引き止めたかったというのが伝わりました
物語が進まないと言われれば終わりですが、別れは最悪で、再会すれば自分が深く傷ついていた間に彼女ができており、忘れようとしても気になるからと近づいてくる寛末に苛立ちを覚えました
相手の気持ちになって考えることはできないのかと
寛末に嫌悪感を抱きながら、健気な松岡の幸せが少しでもいいからみたくなり、愛しいことを読みました
今までは絶版になり、手に入れることはできませんでしたが、電子で愛しいこと、愛することが配信されると決まったので、ぜひ美しいことを読んだ人全員に読んでもらいたいです。
犬井ナオ先生のコミカライズ版を読んで、小説も読みたいなと購入しました。
木原音瀬先生の小説を初めて読みましたが、非常に読みやすい上、やはり内容をほとんど覚えていたのであっという間に読了。
コミックはかなり忠実にコミカライズされてるなぁと感じました。
とは言え細かい部分に省略はあるし、松岡の気持ちの細やかな動きも描き切れてない部分もあったと思うので、原作を読んで良かったと思います。
切なさは小説の方が増し増しです。
やっぱり葉子が自分だと打ち明けた後の寛末の態度と、松岡の気持ちがすれ違ってしまうのが辛いです。
コミックの方では寛末が優柔不断で、本当に食えない男だと感じたのですが、小説で読んだ方が寛末の気持ちも少し理解できるような気がしました。
寛末の逡巡が小説のほうが伝わってきたせいだと思います。
ノベルズ版にある『愛しいこと』が収録されていないのは残念だなぁ。
2人の行く末は姐さまがたのレビューを読んで想像しようと思います。
コミックの下巻にSSが収録されているのを思い出して、読了後に読んでみました。
素敵な誕生日のお祝いが出来たんだろうか…。
やっぱり続編でも続続編でもいいから読みたいなぁ。
一般向けレーベルで文学っぽく仕上がった一冊。
【【講談社版】美しいこと 】を読みました。
今本屋で手に入るのはこれしか無い。
木原音瀬さんの「箱の中」に続く講談社文庫版です。
文章に無駄がない、賢い著者の名作が、BL以外のレーベルで出版されたことは、嬉しいことなのですが
・・?? 中身に疑問を感じました。参考にしたレビューと中身が違うから。
▶ 【蒼竜社 美しいこと(上) (Holly NOVELS) 上下】
中古本を取り寄せて、旧BL版と比較して読みました。
値が張ってます。ナルホド。BL通が、中古本を求めるからでしょう。
▶一般向けとBLのボーダーラインが、分かる仕上がり。
出版界にもジェンダーレスへの意識改革が必要と思う作品でした。出版社には、「偏見」の大きな壁があるみたい。編集側の線引き所が認識できます。
旧BL版のストーリー展開を読んだ人なら、分かる
→→最後の章【愛しいこと】と【愛すること】が収録されていない。
電子版は、添削を隠したいのか、目次がない(情けない)
付記;(本作は蒼竜社ノベルス『美しいこと・上』と『美しいこと・下』より本編「美しいこと」で構成いたしました)の意味は、そういうことだった。
凪良先生も、一般レーベルで出版されていますが、なんかパンチ不足というか物足りない。
著者が書きたい事を制限して仕上がった本=本当に著者が書きたかった内容と異なる形に仕上げた本が、著者の芸術作品と言えるのか?過去の同名の作者の作品と言えるのか疑問です。
こんなつまらない「普通に捕らわれた偏見」に満ちたことばかりしているから、本が売れなくなるのでは? 「ペンは剣なり」で書物で思想革命した時代の名言は出版業界ではもう死語なんですね。マイノリティに目線を向けるものが多いBL作品に、偏見をもたせるような扱いを出版社は改善するべきだと思います。そもそも、普通って誰がきめているの?
異性間であろうと、同性間であろうと、人と人の恋愛には違い無いです。差別は必要ないのでは?
極東アジアには儒教思想が土台にあって、契兄弟は知識人の嗜みとして許容されていたのに、西洋化とキリスト教の布教と共に蔑みの対象になってしまったのが残念です。
★愚痴レビューを読んでイイネしてもらえると思っていなかったので(*_*; ありがとうございます★
なんだこの胸のざわつき……
モヤモヤムカムカして、髪をかき乱したい気分です。
BLはファンタジーなどと言ったのは誰だろうか?
この作品はファンタジーなどではないです。
どこまでもリアルで、どこまでも残酷だと思います……
女装していた松岡を好きになった寛末と、どこまでも優しくてどこまでも純粋な寛末を好きになった松岡。
寛末よ、女装した松岡に、お婆ちゃんだったとしても子どもだったとしても変わらず好きだって言ったじゃない!
それなのに、男だと分かった途端にあからさまな拒絶。
どんなに傷つけても構わないというほどの酷い扱い。
私は寛末という男の本質が最後まで分かりませんでした。
本当の寛末ってどんな人なの?
人の意見に絆されちゃう人?
二重人格なの?
本当に分からなかった……
憤ったし、ムカついた。
松岡は最後の最後までよく頑張ったと思います。
絶対に弱みを見せない、つけ込ませない。
最後まで男だった。
そんな強い男が、寛末の事をどうしても忘れられないなんて……
女々しく期待しては裏切られ、ひとり一喜一憂している姿は滑稽でしょうか?
でも、私はとても共感できました。
もう、嫌ってほど松岡に自己投影した。
たから、本当に悔しくて辛かった。
寛末の気持ちは本当に寛末のものなの?
もう二度と松岡を傷付けないでほしい。
男だったとしても関係ない、君自身が好きなんだーーという、
ありきたりなハッピーエンドはこの作品には存在しません。
切なくて何度も涙させられたし、本気でムカついた。
でも、悔しいけど素晴らしいとしか言いようがないーー…
いつものことながらあらすじの情報のみで読みました。
受けの松岡は女装趣味ということでどんな人物かと思いましたが、中身は清々しいほどに男性。
そんな彼が何度もこれで終わらせようと思いつつも女装姿で攻めの寛末と会う。
真実を知らない寛末は女装姿の松岡に恋をする。
どこか冴えない寛末だが彼なりのまっすぐな恋心をひたすらに向けられ装った姿など関係なく松岡自身も寛末を好きになる。
どんな自分でも愛せると断言した寛末自身から勇気をもらい松岡は女装姿ではなく男である本当の自分を曝け出す…。
普通のBL小説ならここで男同士だって関係ないだとか好きな気持ちは変わらないだとか例えお互いゲイでなかったとしてもその事実を受け入れまるでこうなることが運命だったかのように結ばれハピエン…なんて多々あるのですが、木原先生は違うんですよね。
そんな物語のようなご都合ハピエンで締めくくったりしない。
魅力的なところですよね。
カミングアウトした松岡だけど彼の思っていたような未来にはならなかった。
最初はとにかく戸惑っていた寛末だけど男だった松岡に女装姿の時と同じ気持ちは抱けなかったんですよね。
それどころか天と地あるほどの対応の差に松岡は敏感に気付き傷付きつつも彼の姿で変わらず寛末を愛した。
だって女装時もほぼ素のままに触れ合ってきたし寛末が受け入れられるか何度も確認してバラしたんですもん、大丈夫だ、今は混乱しているだけって。
同じ境遇になったことなんてないのに松岡にとても感情移入できるんですよね。
惚れ込んでしまった彼が一生懸命行動している様はずっと苦しくてつらくて…眉間に皺よせてました。
そううまくいくはずがない、って生々しい部分をしっかり描写してくれる。
私が読みたかった部分が全て詰まっていて感動しました。
そして最後はそっと光が見える…胸糞悪くもやたらと幸せでもなく…ふわっと受け入れこれで良かったと思えるラストに繋げてくれる…最初から最後まで満足いくお話でした。
腐女子であるなし関係なく読める、読んでみてほしい一冊だと私は思います。
とても惹かれる作品でした
読み始めると止まらない
続きが気になって仕方ない
そんな作品でした
ストーリーの展開は、目新しいものではないですが、描写が秀逸でした
攻めの人間性について、前半と後半でこうも違うかと思ったのですがそれすらリアルで受けの健気さが痛いくらい胸に刺さります
受けが可哀想な人にならないように、したたかにあろうとする姿がとても印象的で幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした
BLはあまり深く考えず、読後の良い作品を流し読みしてきましたが、この作品は読みたいけど終わるのがもったいないと、葛藤しながら読みました
木原先生初読みがこの作品でした。
好き嫌いが別れる作品なのかなと思います。
私は、残念ながらあまり好きになれませんでした。
松岡が、一般人にはない人の良さを持ち、女装した偽りの自分に対してですが、素直に好意を示してきた寛末に惹かれる気持ちはわかります。
でも、寛末の松岡に対する気持ちは、結局のところ、女装した松岡の美しさによる部分がかなりの割合を占めてたのかなと思うと、終盤で一気に気持ちが冷めてしまいました。
寛末の反応は、かなり現実的な反応だと思います。なので、現実路線で最後までいくのなら、寛末が未練を残さない方がしっくりくるし、理想論を求めるなら、最後はハッピーエンドにしてほしかったなと思います。その結論が出なかったからラストを濁してあるのだと思いますが、もやもやするだけであまりいい余韻ではなかったです。
終末金曜日の夜だけ女装することで日常を忘れてストレスを発散していたサラリーマン・松岡。
その日はストレス発散に失敗し、カバンも財布も失くし女装姿のまま裸足で雨の降る街角にしゃがみこんでいた。
そんな松岡に傘を差しかけ、靴を貸し、金まで渡してタクシーに乗せてくれた同じ会社に勤める冴えない男・寛末。
松岡は自分の正体を明かせないまま女装姿で女として寛末と会ううちに、寛末から好きだと告げられる。
自身も寛末に惹かれてることに気付いていた松岡だったが、自分を女だと信じ疑っていない寛末に、本当は男だと打ち明けることが出来ず・・・
この話、本当に大好きで大好きで!
何度も読み返してます。そして、その度に泣いてしまう。
松岡に感情移入しすぎるのでしょうね。
前半は恋に落ちていく気持ちに浮つきつつも寛末が恋しているのは偽者の自分だと悩み、本当のことを告げたいのに言ったら今の二人の関係全て失うと迷い悩む松岡の気持ちが切なくて泣いて。後半は忘れたくても忘れられない松岡の痛みに、私の心全部持ってかれて毎回大号泣。
本当、この本ヤバイ。(語彙力無くて伝えられず悔しい。)
私は、『美しいこと』は文庫版が初読みでした。(現在はノベルスも既読です。)
なので、この話はここで終わっているものとばかり思っていました。この先は・・・読んだことを後悔はしていないけれど、ここで終わるのも一つの選択肢だと思います。ふわっと、この先二人は幸せに・・・と思える終わり方をしている(この先は、幸せにはなるのだけれど、その過程でまた読みながら号泣する羽目になる)ので。
内容もエロ控えめだし、BLを読んだことのない人にもオススメしやすい形体です。
腐女子じゃない方にも読んでいただきたい一冊です。