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shitasaki no mahou
フード雑誌を手掛ける編集の受け様とショコラティェの攻め様が織りなす作品だからか
かなり詳細にフード関係の記述が多くて、さらに本気のフードコメントなので
思わず食欲をそそられるような内容になっています。
甘いものが筋金入りで嫌いでチョコの匂いすら拒絶している受け様と攻め様の出会いは
最悪と言っていいのですが、そこに攻め様がゲイで受け様がストライクゾーンであり、
受け様がフード雑誌の申し込みを攻め様にするのですが、流石の攻め様もチョコを
毛嫌いしている相手の取材を軽く受ける程プライドが無い訳でもなくて、
受け様がチョコを食べる事が出来て初めて取材を受けると話すが初対面での受け様は
無理だと一言で終わらせる気が強さで帰る事になります。
攻め様は恋人は煩わしいと数人のセフレと関係を持ってはいるが、基本は仕事中心。
そして受け様も綺麗な見た目とは違い仕事熱心で味に対しても的確な判断を下せる
舌を持っていて、初めはイジワルな気持ちもあった攻め様は次第に受け様と共にいる事に
いい刺激を受け始め、受け様が仕事で美味しいと認める食の世界に自分の作ったチョコを
美味しいと言わせたいと思わせるようになります。
若干の下心から始まった事が大きく変化していくようになるんです。
しかし、受け様の甘い匂いがダメだと頑なな拒絶の裏にはある秘密があるのです。
それも受け様自身が忘れて記憶を入れ替えてしまう程のトラウマ持ち。
受け様に対していつの間にか本気の思いを抱くようになっていた攻め様と攻め様に心を
許し始めた受け様にとっては最悪な出来事だったのです。
受け様が攻め様への取材中に甘い匂いで気を失い、その事がキッカケで受け様の過去も
何もかもが明らかになって行く中で、今まで軽い遊びしかしてこなかった攻め様の本気が
試される事になり、二人の関係が一気に進む事になります。
受け様の負った過去の傷を全て受け止め受け様も前に進む事で二人は素敵な関係になります。
プライベートでも仕事でも刺激しあえる理想的な関係で素敵な恋人の誕生でした。
先生が大好きで、追っ掛けしてます。
紙媒体が手に入らず嘆いておりましたが、今はウェブで手に入れちゃえるんですねぇ、ありがたい♡
これはなかなか珍しい『攻め』視点のお話しで、普段と逆のパターン。『受け』の気持ちが全くよめない展開でした。
『攻め』 世界で通用する一流のショコラティエ 全くのゲイです。そして自分の仕事に誇りを持ち、己の姿かたちのカッコ良さも知っています。
『受け』 雑誌の記者 とても確かな舌を持ち、やはり自分の仕事に誇りと責任を持っているが、過去のトラウマのせいで甘い匂いがダメ。もち『攻め』を一目惚れさせる美貌の持ち主。
物語は『攻め』を取材する『受け』が、お店を訪ねるところから展開して行くのですが・・・。
これは私史上初の「ヤな受けだなぁ…」から始まり、そりゃ容姿は『攻め』のどストライクかも知れないけど、人間的にも有り得なぁーい、とか思ってしまいました。
こんな『受け』の何処がえぇんや!って。
ちゃんと読み進められる?とかなり不安が(-_-;)
まぁ確かな舌を持ってるし、一生懸命な所は認めるけどぉ・・・。
過去の大きなトラウマが分かった所でやっと「そりゃしゃーない。ヤなヤツと思ってごめんよ」とは思いましたが、何がイケナイって、『受け』の双子の妹が出張り過ぎ!。確かにこの妹がキーパーソンな訳ですが、双子にする必要は無かったし、ましてや男女でソックリ、ってな設定が既におかしい(いや、二卵生でもソックリさんは居るでしょうが…)。
そこは先生、普通、ごく一般を目指して欲しかったなぁ……。
先生の作品でここまで『神』がないっておかしいですよね!
絶対にこの『双子の妹』のせいだと思います。
それに最初の『受け』の態度が余りに非常識過ぎるし、途中兄に替わってと妹が出て来るのもやはり社会的に見ておかしいでしょ!と。
きっと読み手がこの双子に惚れていたなら多少の事でも目をつぶれるんだけど、全く可愛くないからねー。
で、すいません、本題それちゃってる。
頑張って最後まで読もうと(心の中では笑うけど史上初の『中立or趣味じゃない』)読み進む内に、遂に『受け』のとんでもない《トラウマ》の原因にぶち当たり、あ~~~そりゃしょうがないか、と☆が1つ灯り、ラストの『受け』目線からの《セイム・スイート》を読んで、又☆が1つともったー。でした。
実は『受け』が黒髪ってのも苦手だったのですが、これは選んだ私が悪いよなーー。
これを『受け』は大きなトラウマを抱えてるけど、それを見せない様にしてむしろおチャラけたヤツにし、我慢に我慢を重ねて発作をおこし、『攻め』が真実を知り余計に愛おしくなった、てな・・・私が編集なら先生にそうお願いしちゃう!(って大きなお世話だよね)
エロは少なめです。
しかしそれを上回って惹きつけられるものがありました。
ストーリーとしてしっかりしている上に、チョコの知識がつきました。
菓子の専門用語も多々出てくるのですが、永人が説明してくれているので大丈夫。
自分にも、作るショコラにも自信満々な永人。
甘いを拒否するライター、楓。
楓がなぜ、「甘い匂い」を拒否するのか。
楓の過去のトラウマや、プレイボーイとして通る永人の初恋。
2人が絶妙に絡み合って「素敵な物語=ショコラ」が出来上がります。
「エラーブル」という名のショコラを作るとは、粋な永人でした。
最後まで読めば桜の強さが分かるのですが、まんまとつられて桜、邪魔すんなヨと
反感を抱いてしまった自分… ごめん桜。
火崎さんの小説、いつもは受けの一人称「俺」に少し違和感があるのですが、
今回は唯我独尊系の攻めが主人公なせいか、「俺」語りがすごくピッタリだなと思いました。そんな「俺」が初恋に落ち、天然でミステリアスな受けに色々振り回されているところが美味しい作品ですv
海外から帰国後、チョコレート専門店のオーナー兼ショコラティエとして大活躍する小笠原(攻め)。
恋人より何より仕事優先な遊び人のゲイですが、自分の店に取材に来た記者・玉木楓(受け)にどんどんハマっていきます。
グルメ本の依頼のため、双子の妹・桜とともに小笠原の店を訪ねた楓。
その外見は小笠原の好みド真ん中ですが、甘いものが嫌いで一刻も早く店から立ち去りたい様子。小笠原にはそれが気に入らず、自分のチョコを食べることを取材の条件にします。
このへんの小笠原は、自分の考えを押しつけてるところが独善的にも思えますが、
楓に美味いと言わせようとあれこれチョコ作りを工夫している様子は可愛くてなにか憎めない感じです。
自分の部屋にある厨房をアトリエと呼び誇らしげに作業にいそしんだり、
外見は好みな相手でも仕事では甘い顔はしなかったりと、自分の仕事に誇りを持ってるところは好ましいです。
仕事大好きな小笠原ですが、最初は生意気に思っていた楓と話すうちに、その素直な性格や、グルメ記者としての確かな舌・分析力を好ましく思い始める。
仕事抜きで、初めて自分から他人のために何かしてやりたいと思うようになり、初恋を自覚します。
下心がありながらも、楓はノンケなので関係を壊さないようタイミングを見計らっているところが何か初々しいです。
楓に色んなチョコを食べさせるうちに、楓が甘いものが苦手な理由は味ではなく、匂いにあると判明。
過呼吸になるほど苦手な理由は、ある辛い過去にあると知り、初恋に浮かれてる場合ではなくなる小笠原。
楓に迫るも逃げられたり、兄を心配する妹・桜に、楓に近づかないよう釘を刺されたりと散々です。
しかし、面倒な過去ごと自分が引き受けて、記憶を上書きしてやろうと、強引ながらも真摯に楓に告白し、めでたく恋人に。
絡みは、楓のトラウマがあるため押し倒さず上に乗せてやってます。初々しい楓と、下から見上げるエロオヤジな小笠原v
小笠原視点のため、楓のトラウマについての描写が薄い点が物足りないかも。
小笠原の初恋がテーマとは言え、楓が小笠原と会ってどう変わったのか、もう少し説明がほしかったです。
とは言え、くっついた二人のラブラブ具合には充足感いっぱい。
俺のミューズを手に入れた、と言う小笠原の新作ショコラ「エラーブル」は、フランス語で「楓」。
最後の楓視点のエピからも幸せそうな様子が伝わってくる、甘い読後感の作品でした。
あと、挿絵では可愛めの印象だった楓が、あとがきイラストではマネキンみたいな美人さんでしたv
などというおバカなタイトルをつけてしましましたが、なかなかにショコラや食べ物の味の表現が自分の頭の中と口の中で再現されそうなほどのモノを感じまして、こうなったわけです。
出版社勤務で今回ショコラティエの小笠原を取材して彼の本を出そうという編集・玉木楓が甘いもの嫌いのチョコ嫌いという設定。
生粋ゲイの小笠原は今まで恋愛というものをせずにセフレ関係ばかりをしてきた男だったのだが、この楓は好みドンピシャで何とか彼を堕としたいという、そして彼に自分の作るショコラをおいしいと言わせたいという欲求があいまり、頑張る攻め視点のお話。
結構、傲慢で俺様仕様な攻め設定なのかと思えば、確かに男関係はセフレしか持ってこなかったので私生活面として自分勝手かもしれないが、彼がショコラティエになった経緯や心構えや姿勢など、仕事に関しては人気に甘んじることのない真摯でまじめな人柄。
楓に関しても、彼を心遣い、ただ見目だけではなく、彼の仕事を見てより、、、という相手の全体をみてという堅実さも見えるのです。
展開としては、いつもの火崎流の、今回は楓がどうして甘い匂いがダメなのかというその原因がとけることにより~という後半で盛り上がる展開です。
小笠原のそんな意外な人柄とともに注目するのが、グルメムックやショコラティエという設定だけに食の描写が優れていました。
小笠原の素材の表現と、楓のショコラを口にしたときの表現が、実に脳内再生されるのです。
わたくし事ですが、実は甘いものが苦手、チョコは一般的に流通しているのは油脂がきつくて食べられないというヤツなので楓にちょっぴり同調しちゃってる部分もあるんですよね(汗)
しかい、後半女性雑誌の編集が試作品を試食して批評するその言葉は、楓のものと全く違いその差というのが歴然とでているあたり、お見事!と思うのです。
最初のほうで出てくるメンチの描写なんか食べたくなりますよ♪
ただ、楓のトラウマ設定の部分それってアリなのか?っていう酷い話だな、と思います。
桜という双子の妹が出てきますがどんだけ強いんだ!って怖いくらいすごいですね(笑)
恋愛的にそのトラウマ的なものがあるゆえに、うう~ん、、と感じなくもないのですが、小笠原のキャラがよかったので。
そういえば、イラストの湖水きよさんは他出版社さんの「チョコレート」という作品のイラストも担当されてましたよねw
縁があるのですね~♪
表題作と続編SSが収録されています。仕事第一で、恋愛は身体のつきあいオンリーだった小笠原(攻め)と、トラウマから恋愛のできない楓(受け)の話です。
「舌先の魔法」
小笠原の目線で語られます。取材を申し込みながら、甘いものは嫌いな楓に、小笠原は腹を立てながらも楓が「食べたい」と思うようなチョコを作ろうと思い…。楓の妹・桜が実は男前だったのが予想外で良かったです。
「セイム・スイート」
後日談17ページ。楓の目線です。楓が小笠原に完成した本を店へ持っていく話です。事情を知っているであろう手塚の警戒ぶりが面白かったです。
小笠原はオレ様っぽいのに、ちゃんと職人として社会常識がありキレず愛想もふるまえるのが、自分的に高ポイントでした。髪をくくった男前に弱い自分にとっては、菓子作り中のイラストはどんぴしゃりでした。
「エラーブル」を調べたら「楓」「紅葉」のフランス語とありました。結局は楓の型を使わず、スクエア型にしたというのがなんだか良かったです!作中に出てくるチョコもどれも美味しそうで垂涎ものでした。でも、実際作るとなったら山椒入りはかなりキツいかもしれませんが(笑)
仕事もの、チョコ好きの方にお勧めな作品です!
ショコラティエのお話ですが、
香りとかをイメージしてしまって、チョコを食べたくなります。
丁寧な作品となっており、意外とシリアスも入っています。
ショコラティエの小笠原は、自分の取材をしたいとやってきた
編集者玉木と出会う。ただ、玉木は、ショコラが苦手で、
食べることはできないという。
しかし、小笠原は、玉木の味覚の鋭さに気づき、
玉木に美味しいと思ってもらえるショコラを作りたいと
思うようになります。
そして、玉木がショコラを食べられない理由は、
玉木の過去に関係があることを知ります。
イラストはあまり好みでは無かったのですが、
結構雰囲気に合っていたように思います。
大人なお話で、面白かったのですが、
あまさももう少し欲しかったかな~と思いました。
カラーの扉絵が素敵でした。
ガッシュさんはデザインをリニューアルしてから扉絵なしの時があるので今度のはあるのかなとドキドキしながら開きます。
表紙の絵がいいなと思ったのでラッキーと思いました。
火崎勇さんは文章が読みやすくて引っかかるところがない心地よさで読ませる人だなといつも思います。
雑誌社のライターでショコラティエを取材することになった楓は実はチョコレートが大嫌い。そんな楓の『嫌い』が半端じゃなく仕事として請け負っても口に入れたくないからと試食用に双子の妹を連れてくるくらい。
有名ショコラティエの小笠原はそんな楓が気になって、食べてからじゃないと取材してほしくないと条件を付けてまでおいしく食べてほしいとせっせと試行錯誤するあたり、もうひとめ惚れなんじゃないですかーと思いました。
楓の食に対する感想や批評の言葉が具体的で美味しそうでしたし、小笠原の作るビター&スパイシーなショコラを食べてみたくなりました。
甘いものが嫌いになった理由が幼いころの性犯罪にかかわるトラウマなのですが、記憶を封印しなければならないほどでちょっと痛かったです。
はじめ妹の桜が高飛車で気が強くて感じ悪い女だなと思ったのですが、そうなってしまった理由がわかると頑張ってお姉さんというかお母さん的な役割になってしまうのも仕方がないし、これまでよく頑張ったねと言ってあげたくなりました。
小笠原が初っ端で別れたチョイ役のセフレと4年後に再会したらどうなるか見てみたいかも。
仕事でイタリアに行ったんですが、そこで恋もしたけれど帰ってきて実は小笠原を案外本気で好きだった…なんてことで邪魔しに来たら楓どうするかな?