龍と焔

ryu to homura

龍と焔
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×22
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
43
評価数
11
平均
3.9 / 5
神率
36.4%
著者
火崎勇 

作家さんの新作発表
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イラスト
いさき李果 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784199007026

あらすじ

「組を潰されたくないなら、俺の側で償え」ヤクザの若頭・森谷(もりや)に突然下った、上部組織・水月(みなづき)会への出向命令。ところが組長として待っていたのは、昔一度だけ抱いた男・堂園(どうぞの)だった!! 平凡な大学生だった彼が、なぜ極道の世界に――。驚く森谷に堂園は「俺は何一つ忘れていない」と艶めいた笑みで囁いてきて!? 予期せぬ再会は復讐の始まりか、愛執の果てか――極道同士のハードLOVE!!

表題作龍と焔

水月会へ出向になった博徒の若頭
水月会の新しい組長

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

幸せになるべき二人

何年も前のお話で、今更感は否めないのですが、私の中で神でしかなかったのでどうしても言いたい感想だけ書かせて頂きます。
あらすじは他のレビュー様でご確認下さい。

このお話の魅力を伝えたいのに何を書いてもネタバレになってしまうのが本当に困ります。
表紙の殺伐シリアス系からは思いもしない、切なくも美しい愛の物語でした。
視点は終始攻め様です。

攻め様は硬派、忠実、誠実、男前、そして優しい男です。お兄ちゃんにもお父さんにも旦那様にもしたいとにかく魅力的な包容力のある男性です。
受け様は……これが一番のネタバレになってしまうので一つだけ、ツンデレです。どの種類のツンデレかは読んでからのお楽しみ。可愛くて可愛くて堪りません。

二人とも苦悩の日々を過ごしたので、最後の最後に黒幕(元凶)と対するシーン、そして真相を受け様が明かし思いを交わすシーン、ここは涙なしには見られませんでした。何度読んでも泣いてしまいます。またこの時の挿絵が本当に切なくて……本来の二人を映し、全てを語っているのです。

あとがきで火崎先生お馴染みのその後の二人、が語られますが、これがもう最高です。こんなにも続きを熱望したことはありませんでした。本当に幸せになってほしい二人です。

あと一応、火崎先生の作品を読んだことがある方にはお分かりだと思いますが、改行がとても多いです。良く言えば余計な言い回しや表現がないので短時間ですらすら読める。悪く言えば読み応えが薄い。私も読み始めから気にはなりましたが、それ以上に内容が素晴らしいので今となっては問題なしです。

5

なんと激しいツンデレ受け様

シリアス復讐ものだと思って読めばなんと一途な可愛いツンデレさんがラストで出てくる。
ヤクザ社会が舞台だけど、ヤクザの抗争的なものではなく、妾腹の受け様が次期組長を
巡るトラブルに意思とは無関係に巻き込まれ、その片棒を攻め様が苦渋で受入れ、
被害者と加害者の二人が後の再会で若き組長とその下部組織、博徒系列で小さな組の
若頭として再びめぐり合うが、それは組長である受け様の復讐の始まりに否応なく
なってしまう展開のストーリー。

受け様は跡目争いで義兄とその舎弟の策略で見知らぬ相手に強姦される。
受け様には自分の父親がヤクザと知らず母子家庭で過ごし、自分が与り知らぬ場所で
跡目にと父に請われていて、それを知った義兄たちが組長として敷居をまたげないように
攻め様を使い襲わせる、そして攻め様も自分の組を守る為、それと引き換えに受け様を
強姦してしまうが、理由も定かでないが普通の子供に見える受け様を無理やり抱き、
泣き叫ぶ受け様にすまないと思いながらも劣情を持ってしまった自身に嫌悪する。
その事件から数年後、上部組織の組長に人出が欲しいと言う理由から攻め様は
水月会の組長の元へ行くが、そこで見た若き組長は自分が襲った相手で、
攻め様はその再会が仕組まれていると知るが、過去の出来事に心を痛めていた攻め様は
受け様からの復讐を粛々と受け入れる。

一見するとドロドロなお話かと思ったら、読み進めると受け様の悲しすぎるくらいな
一途な思いとツンデレと、嫉妬が見え隠れする内容なんです。
強姦から始まった関係なんだけど、実は甘々な二人なのではと思える作品でした。

6

復讐と欲望と憐憫と愛

攻めの一人称で進む、いつもの火崎さんらしい作品。
ヤクザが主人公で任侠の世界が舞台ですが、比較的軽く穏やかな組ですので、展開もシンプルに主人公達の関係性に絞って進んでいくので非常に読みやすいです。
好きや嫌いや好みの差や展開のパターン化はあるものの、いつもそこそこの一定水準を保つこの作家さんはすごいなーと思うのですよ。

博徒が発祥の家族的な白竜組の若頭・森谷は、その庇護下に入った上部団体・水月会に呼ばれ出向することになります。
そこへ出向くと新しく水月会の組長になった堂園焔は、以前水月会と杯を交わす前にそこの幹部・室田に頼まれて不本意ながらやらされた強姦の相手だったのです。
自分の苦しみをお前にも味あわせてやると森谷を側に置き、自慰をさせらたりしたり、加害者と被害者という立場のもと、欲望と憐憫の感情を堂園に抱く森谷。

この被害者と加害者の立場というのが、一番のネックです。
焔は前組長の妾腹で、組とは全く関係なく暮らしておったのですが、正妻の子があまりに無能だったために優秀だった焔に跡継ぎの白羽の矢が。
強姦の理由もそこにあったのです。

いつものように、攻め視点の為に森谷の考えること、気持ちはよくわかり、彼と接する焔の言動で森谷と同じように焔の気持ちを推測するのみ。
一体彼は何をかんがえているのだろう?
復讐にしては優しさも見せる。
彼が森谷を引っかけたのは、それは嫉妬?だとするとつじつまの合う彼の告白に繋がりますし、森谷の推測も多分に間違ってはいないのでしょう。
しかし、まさかよもや・・・だったとは!(そこは秘密)
この最後のネタ明かしが一番の楽しみですね。

焔ってツンデレなのかな?クーデレ?
森谷はワンコ時々狼かな?
そんな点ではキャラクターはあとになってみるとさほど複雑ではなさそうです。

あといさき李果さんがイラストなのですが、最近少し絵が変わったなとおもったのですが、リンクスの剛作品のイラストと攻め受けの外見が似ていて・・・ちょっとかな。って思います。

5

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