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nemuri no kimi to boku no bed
三つのお話が収録されてますがどれもそれぞれ違う趣があって、いずれもハズレなしで、どれも好きです。
なえ*淡路さんの短編集は3冊あるけど、他の2冊と比べてこの本が一番最後ということもあり進化&洗練されていらっしゃるのでこの本が一番好きです。
今はTL描かれてるみたいだけど、もうBL描かないのかなぁ…‥
【眠りの君と僕とベッド】
夢遊病にかかってしまった主人公。
夜毎、なぜか見知らぬ隣人の玄関前で寝てしまうのだけど、ある朝気づくと知らないベッドに寝ていて(やってないです)、ついに隣人の部屋の中に入ってしまったことに驚きます。
何故、無意識に左隣を訪問してしまうのか。
その理由が何とも切ないです。
同僚への叶わぬ想いに封をし心の底に沈めてきたと思ったものが、浮かび上がってきて無意識に彼を動かしている。
そしてその理由を知りつつも、あたたかく主人公を迎え入れる隣人の青年。
この隣人の青年が一途で誠実で健気な超良質ワンコなんです。そんなワンコが事情を明かしたうえで「お願いです 僕を選んで」と吐露するシーンが何とも切なキュン。
【etc・etc】
のっけから別れが漂う不穏な空気で始まります。
彼を構成する全てのあれこれが大好き。
そして、大好きで嫌われたくないからこそ言えずに飲み込んでしまうあれこれ…。
勇気を出して言ってみれば、なーんだ、年上のスマートな男だと思っていた彼も、自分に嫌われたくないからと、あれこれぐるぐるしてたんだ…!
すれ違いを経て一度はもういい!おわりにする!となりかけたカップルが、腹の底まで見せ合ったことで一層お互いを好きになっていくという過程を丁寧に描いていて、すんごく好き。
【西瓜とストローブ】
西瓜を齧る姿に興奮して思わず押し倒してしまい、これは恋なのか欲なのかぐるぐる悩む陽と、あっさり受け入れて抱かれちゃうくせにクールに突き放す航。
うだるような夏の暑さと、西瓜の青い香りと、高校生の抑えきれない性欲と汗がミックスされて出来たようなお話です。
エロいことには躊躇しなかった彼らが恋を自覚した途端、急にウブくなってキスにすら照れてしまうところが妙にかわいいんです。
かきおろしで、三つのカプのその後を描いた四コマ漫画が計10個もあるので(表題作から順に3つ、4つ、3つ)それも楽しめます。
表題作カプは誠実で心温まるおつきあいぶりを。
etc・etcカプはさらに親密になっておバカップルになりつつある様子を。
そして最後の高校生カプは大学生になった彼らのリビドー全開っぷりを見せつけてくれました。
評価は限りなく萌萌に近い神です。
どの短編もとても良く出来てて、どれも神と萌萌くらいの間なのでそれが三作品分の相乗効果ということで神にしました。
2作目はエッチ増量、3作目はエッチなし、今作はそれがうまいことMIXされた短編集。
4冊目の作家さんですが、この方見るたびに進化をしていて本当に注目の作家さんです!
今回も、ちょっぴり不器用な大人が2本、性春まっさかりな青い高校生モノが1本、とバラエティに富んでいます。
何か独特の雰囲気があって、とってもとっても好きなのです♪
【表題】同僚の甲田に片想いしてその気持ちを封印しているゲイの教師・坂斎。
もうすぐ甲田は結婚するのです。
実は坂斎、最近夢遊病になったようで、目が覚めるとアパートの左隣の青年・伊坂のベッドで目が覚めてということが続くのです。
そして、伊方の存在を意識しだした日から夢遊病が収まる。
切ない一方通行の片想いと、新しい恋の出会い。
伊坂は実は坂斎が教育実習で高校に来たときに一目惚れしており、アパートの住人として再会したのだという事情。
どうして左隣の伊坂の部屋へ?というのは、冒頭の坂斎と甲田シーンでわかりますね♪
本当は好きなのにじっと我慢して待ってる伊坂。
坂斎が気持ちを伝えたいと思い伊坂の元に出向いたとき、夢遊病と間違われ、それでもいいと身を任せようとしたときにタイミング悪く訪れる甲田が彼等を見て、ゲイと知ったときのひどい態度。
それは甲田のとまどいと裏切られたという思いもあったのかな?
ずっと恋から逃げていた坂斎が、伊坂の誠実さとまっすぐさに自分も前向きにならなくちゃ、っていうお話は切なさもありながら、ノスタルジックな雰囲気もまた良く、なんだか胸をキュンとさせるものがあるのです。
【etc・etc】
これもちょっぴり切ない恋のお話。
会社の行事で出会った礼央とバーのマスターの友康。
互いが同類ということがわかり、見た目もタイプだったため始まった関係。
だけど3日前、ちょっとした言葉からそして彼から送り返されてきた自分の着替えから、この関係が終わったと落ち込んでいる礼央。
二人の出会いから、どんなやりとりがあってという回想をはさんで現在へとつながっていく展開は、ちょっと時間軸がわかりにくい部分があるものの、その内容はよくわかる。
いっぱい健気でしたってる様子を見せる礼央に対して、ひょっとして友康はカッコつけなのかな?
上手く言葉が出なくて自分はそうだって思い込んで、恋愛に関して案外人任せな部分があって。
それが今回のスレ違いを生んだようです。
礼央がそんな彼を理解して近づかないと彼の本音がなかなか見えないって、ちょっとひどい男だな~と思えなくもないんですが、
ラストの本音漏らしで、このぉ~!ブキッチョめwww
そして以外にこの人は本気だしたら結構執着してメロメロになるタイプだな、なんて思うとかわいい男に見えてくるのでした。
【西瓜とストローブ】
幼馴染で親友で高校三年の受験を控えた陽と航。
一緒に勉強しているときに食べた航の口元に興奮した陽は、航を押し倒すのだが、そのはじまりは二人でするカキっこ。それはセックスに発展するのだが。
そこから航が好きなのかもしれない、に進展しても、航はドライな態度。
実は航が意地っ張りでクーデレだった。
陽のワンコ押しが航の本音を引き出すという話なのだが、航は本当は西瓜が嫌いなのに、陽がもってくるから食べていたという、なんとも可愛らしい愛情がそこにありました。
ビックリしたのは、リードしてそうな航が自ら受けの準備をして入れられる方になったこと♪
陽のワンコ受けも良かった気もするので、自分の心の中ではリバってますよw
書き下ろしで各々の後日談が4コマ漫画展開されているのですが、表題の二人はやっぱりエッチなしで大人なのにかわいい雰囲気。
真ん中のカプはリア充で(笑)
若者カップルはケダモノでした(爆)
一作ごとに進化していく作家さん、今度はどんな作品をみせてくるんだろう?
とっても期待します☆☆
リブレ出版さんのコミックスフェアに合わせて
ほしいと思っていた今作をようやく購入したのですが
なえ*淡路さん、絵も作風もすごく好みの作家さんでした。
こちらは3つの物語が収録されている短編集です。
○眠りの君と僕とベッド
同僚教師に名前のない特別な感情を抱く坂斎先生と
大学院生・伊方くんの、夢遊病から始まる恋の話。
まず、夢遊病というエッセンスが効いていて面白い!
人物設定やプロットもすごくしっかりしていて
短編ながら、ぐいぐい引き込まれていきました。
先生の心の動きに唐突さを感じさせないところも良かったし、
『お願いです 僕を選んで』という伊方くんの一途さには
何度もきゅんきゅんさせられました。
○etc・etc
バーの店長友康さん(攻め)と、会社員礼央くん(受け)の
すれ違いラブストーリー。
7つ年上の友康さんに好きになってもらうため、
努力と称し本音が言えない礼央くんは、相手の言動が不安になり
離れることを選ぶのだけど、離れてみて初めて気づく、
眼差し、言葉、熱、ちゃんと想われていたことの証。
最後、わがままを言い合う二人が可愛かった!
○西瓜とストローブ
同級生の航ちゃんに興奮するという難問を抱える陽くん(攻め)と
清々しいほどあっさりしている航ちゃん(受け)の、欲望と恋の話。
定番の同級生モノにとどまらず、欲望と恋の波間に揺れながら
『恋でよかった』と
ふたりが思えるラストへの運び方が素敵でした。
私的萌えポイントは『西瓜とストローブ』から。
既に体を重ねたふたりが、ようやく気持ちを確かめ合い
キスをする段階で、真っ赤になって照れてしまうシーン。
こういう時に初々しいなんて、高校生ってずるいっ!可愛いっ!きゅん!
本編も描き下ろしも大満足で、次回作が楽しみ!と思いきや、
今作以降、新刊を出していらっしゃらないようで...
非常に残念ですが、新作を熱望しながら気長に待ちたいと思います。
深層まで抑えていたような恋心が眠りとともに浮上して、思わぬ事態を引き起こす、
どこかシュールなんだけど、切なくて恋する気持ちが溢れてるお話でした。
高校教師の坂齋先生は同僚の教師で友人に密かな思いを抱いているが、心の奥底に閉じ込め
何食わぬ顔で接していたが、同僚の結婚が決まった日から、何故か目覚めるとアパートの
隣人のベットの上と言う事態に見まわれるようになってしまう。
その隣人は学校の卒業生で、敷地内の院に通う院生だった。
何故か毎日迷惑をかけているのに、嫌な顔をせずに面倒を見てくれる院生。
その院生に同僚への思いを知られる事態になり、それをネタに脅されるのかなんて
思っていたが、実は院生もゲイで、坂齋の気持ちをわかっている上の同情だと感じる。
院生のベッドで目覚める日が続く中で次第に坂齋の心に変化が訪れ、いつしか隣室に
いく事がない日が来るが、何故か坂齋はそれを寂しいと感じてしまい、
ある日院生の部屋を素面状態でノックしてしまい、寝ぼけていると思っている坂齋への
院生の思いを知り、目覚めていると知った院生は思いを告げる。
しかしそのタイミングで、同僚が訪ねてきて、二人の仲を疑い、ゲイに対する嫌悪を
見せるのだか、それを見た院生は坂齋の為に身を犠牲にするような行動を起こす。
なかなか惹かれるお話で、何故、坂齋が隣室の院生の部屋にいくようになったのかが
読み始めて直ぐに解るような感じなのですが、ある意味切なく苦しい思い。
クールに見せかけている坂齋の強い思いの表れなんです。
それを知った院生の思いもまた、切ないけれど、一途な思いが坂齋を振り向かせる事に。
同時収録の、リーマンとBARの店長とのお話も恋する臆病さや焦れったさが溢れてて
心に伝わってくるようなお話で素敵でした。
2013年発表、3作品収録の短編集。
「眠りの君と僕とベッド」
このページ数でこの内容!
プロットの妙と主人公の心の動くさまが十分に描かれてる。凄いなぁ…
主人公の坂斎は高校の古文の先生。
同僚で明るい甲田先生に叶わぬ想いを抱いている。
甲田先生は結婚が決まっている。式場選びなど楽しくこなしていて、坂斎は心の中に諦めと苦しみを抱いている…
そんな時、ある朝目覚めると隣人の玄関前で。翌日は隣人のベッドの中で。また翌日も隣人のベッドの中で。
坂斎は夢遊病になってしまったのです。
そんな物語。
驚きつつも受け入れてくれる隣人は実は…とストーリーは進み、心を閉ざしていた坂斎が変わっていく。
隣人の伊方くんの描写も良い。
また言っちゃうけど、このページ数でここまでまとめるのすごい。
「etc・etc」
年上のバーの店長とお付き合いし始めた会社員くんのすれ違いラブ。
会社員の礼央は、生活時間が違う友康さんに気兼ねしてる。そして自分ばかりが恋に浮かれてるような気分。そんな時ケンカしてしまい…
でも臆病になって本心をぶつけないのは友康さんも同じなんだよ…というお話。
これからいっぱい言葉にして、あれもこれもetc、etc…知っていけばいい。
「西瓜とストローブ」
高校生同士。
陽は、男なのに航ちゃんにだけムラムラする。
航ちゃんは、なんでもないことのように手で抜き合いっこをしてくれる。それどころか、ある日後ろに挿れていいと…
陽は航ちゃんへの想いは「恋」だと航ちゃんに伝えるけど、航ちゃんの答えは…
航ちゃん、そうだったのか。切なかったね、でも良かったね。
陽が楽天的な性格なので航ちゃんも気が楽になったのではないでしょうか。
「4コママンガ」
それぞれのCPの幸せほのぼの後日談4コマ。
伊方x坂斎CP
①2人で眠れる大きなベッドを買うけれど…
②スーパーでお買い物、どうせ全部シェアするからいっそ一緒に暮らそうか…
③遂に同居開始〜。
友康x礼央CP
①クールに見える友康さんだけど、普段はポ〜っとしている。
②礼央はマル秘ノートに友康さんの好みのものをメモってる。ドン引きの森田。
③Hなお店でお嬢を待機している森田さんと、ラブラブでリア充の友康x礼央との対比。
④遂に友康さんにノートを見られた!
陽x航CP
①大学入学と共にルームシェアした2人だけど、結局いつもHしちゃう。
②大学の友人が部屋に遊びに来るので色々隠す2人だけど、畳んだ布団で寝室が一緒なのがバレてる。
③陽が家を出て独りになったおばあちゃん。広くなった部屋でダンシング!