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三浦しをん先生の激賞、北米発、男たちの恋物語。男たちのハーレクイン!!
fair game
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ミステリー+ロマンスのこの作品。
まず、ちゃんと、ロマンスが男同士であることに、
男同士だからこそ意味があるっていうところがよかったです。
かつて付き合っていた二人は、共にFBIの捜査官で、一人は職務中に銃撃されてFBIを離れ、一人はそのままFBIに残ります。
FBIを離れたエリオットは苦しいリハビリを経て、ようやく大学教授として日常生活を取り戻していますが、父親や大学内での対人関係に悩まされ、そして、FBIを離れるのと同時に別れた、FBIに残ったタッカーに対する思いにも苦しまされています。
まず、この設定だけでも、仕事に対しての男のプライドだの、ゲイとしての社会生活とか、父親との関係とか、いろいろ、主人公が男で、ゲイであることの意味が詰まっています。
その上で主人公は、ちゃんと事件に巻き込まれて、ちゃんと解決に導いて、
そして、いろいろな食い違いから一度は離れてしまった二人が、今度こそちゃんとターニング歩インドを見極めて、しっかりと結ばれる。
これだけしっかりしたお話なので、この大分量も納得の読みごたえ。
満足感たっぷりでした。
FBIでミステリーで再会ものという自分的にツボな設定盛り沢山の作品でした!
勤務中、膝に重傷を負わされFBI捜査官を退職したエリオット。現在大学で教鞭をとる彼が生徒の失踪について相談を受け、調査をしていくというお話。
かつての同僚で恋人でもあったFBI捜査官、タッカーとの再会。調査の過程で巻き起こる事件と謎。そして自らも命を狙われるエリオット。焦れったい恋模様とハラハラのミステリーに引き込まれて最後まで一気読みしてしまいました!
この作者さんの作品を読むのはニ度目ですが、本当に人物描写が秀逸で、洋画を観ているような感覚になります。ミステリー単体としても読み応えのある完成度の高い作品です。
ラブ要素については甘いやり取りこそ少ないですが、不器用でそっけない態度を取り合いながらも結局お互い大好き同士な二人に萌える!!というか、和解前から二人とも未練だだ漏れ(笑)
特にタッカーは、後遺症の残るエリオットの身体を気遣ったり、ピンチには絶妙のタイミングで現れたり、休日エリオットの住む島までこっそりヨットで来ちゃってたり(笑)
復縁して愛が深まった二人。次巻は糖度アップしたイチャイチャに期待です!
ちなみにBL小説では大変珍しいことに、巻末に解説が掲載されています。なんと筆者は三浦しをん先生!
海外作品の良さや日本のBLとの違いなど、腐女子モード全開で語って下さっております(笑)
フェア・ゲーム→フェア・プレイ→フェア・チャンス
シリーズ第1巻
◾️タッカー×エリオット
始まりの高揚感の後すこし落ち着き、後半からの再度の盛り上がりがすごい。何と言ってもヒーローの如く現れるタッカーと、タッカーが奥底にたたえる甘さがたまらない。エリオットは余計な首を突っ込みトラブルに巻き込まれるヒロイン(みたいなもの)でありつつ、揺るぎなく男であり、また最終的には己の力で勝利を得、己と冷静に向き合い、またタッカーも手に入れるという。うーんいい。やはりタフな男同士の作品というのはたまらなくいい。「いきり立った互いのペニスがはずんだ」の男らしさ!
最初のキスシーンもセカンドキスシーンも草間先生の挿絵と相まって最高!!!まさに"刹那…!"ですよ。
多分リバなんだろうな〜と思いつつタッカーが優しい攻めでたまらない。「……今でも、手遅れか?」の優しさ…落ちないわけない。
ヨリを戻した2人が新聞を分け合って目が合うたびに照れるなんて、もっと!もっとください!2人の日常らしき描写が沢山見たかったところですが、続刊が出ている安心感に任せよう。
ゴーディのPCが開けられるシーンで震える…罪深いほどに大量のポルノ…うん
電子で読んだけど、まぁまぁ誤字脱字があるのが気になる。
ジョシュ・ラニヨンさんの別シリーズが面白かったのでこちらも。
膝に傷を持つ(比喩でなく)元FBI捜査官エリオットが事件に巻き込まれ、現役捜査官の元恋人と解決していくお話。簡単に言うと再会復縁もの。
エリオットの人生を大きく変えた怪我をきっかけに、ろくに話し合うことも無く強引に離れた二人には、まだ大きなわだかまりが残っている、というかまだ好き合っているのが分かる。こんな状態で、不本意ながら辞めざるを得なかった仕事にも元恋人・タッカーにも関わっていく。仕事に対してもタッカーに対してもエリオットの心理描写がとても丁寧で良かった。
エリオットはタッカーと再会した瞬間からずっとドキドキしていて、読んでいてこちらまでソワソワしてくる。ぶつかり合っている二人は、落ち着いて話し合えば誤解が解けそうな雰囲気があり、もどかしくも先が楽しみだった。
登場の瞬間はイマイチな印象だったタッカーも、内面が見えてくるにつれて魅力的に思えてきた。意外にも大人で、未熟だった過去の自分をしっかり反省し、エリオットへの譲歩と優しさが見える。何より圧倒的な頼り甲斐を感じさせてくれるところが好き。それでいて家まで行って声をかけられない弱気なところもあったり。好き。
事件は思いの外大きなものへ。エリオットのピンチに駆けつけるタッカーが最高にカッコイイ。もちろんエリオットの活躍シーンも面白く、緊迫感があってテンションが上がった。
ラストは甘々なハッピーエンド。再会から事件を追いながら絡まっていく二人の様子がたまらなく好きで、こういう設定に弱い。そこに命の危険まで伴うとなれば痺れる。
シリーズものだがこれ一冊でも綺麗に終わってくれていた。各所に深掘りする余地は残されており、今後の楽しみもある。それでいて恋愛面で一段落しており、十分な満足感を得られる。
読みやすく、M/Mの一冊目にもおすすめかもしれない。
気になったのは、ジョシュ・ラニヨンさんを男性と言い、はしゃいでいる解説。既婚女性と公表された後に読むとなんとも……。テンション高めに萌えを叫ぶ腐女子的解説は、作品の心地よい余韻をさっぱりと消し去ってくれた。読後時間を置いて読めば良かった。
2013年刊。
FBI捜査官時代に膝を撃ち抜かれた主人公・エリオットは、今は大学の歴史講師として暮らしている。
だが、父親が友人夫婦の息子の失踪についての相談を持ち込んだ事から事件だと直感し、もう一人の大学生の失踪との共通点を探るうちに自らが狙われるようになっていく。
途中、かつての同僚で元恋人でもあったタッカーとの再会は後味悪い別れ方だったせいもあってか、冷ややかなものだった。
最初のうちに
・そもそもこの二人、何故別れたの?
・一人目の大学生の行方不明事件の結末は周囲にどう影響を及ぼすの?
・更にもう一人行方不明になって、どこに共通する点があるの?
…といった疑問が出てくる訳だが、これらはエリオットの眼を通して見えてくる。
既にFBIを辞めて大学の講師に過ぎないエリオットの見解にあまり聞く耳を持たず、捜査に億劫な様子を隠そうともしないタッカーとは意見が食い違うばかりだ。
可能性を模索したいエリオットと手っ取り早く決めつけてしまいたいタッカーの対立。
その背景にある、別れた相手への不服と断ち切れない未練も入り混じっている辺りの感情の織り交ぜ具合が上手いなと感じた。
反発しているはずの二人なのに、いざキス以上の絡みになるとスイッチが入ったように情熱的に相手を求める描写がこれまた良い。
ミステリー主体でも充分読み応えある一冊だが、やっぱBL好きとしては大人の男同志のラブシーンも堪能できるとなれば嬉しいに決待っている(笑)
事件の正体も、エリオットが深みにはまっていくうちに、恐らく全米を騒がせる位の殺人事件だったという輪郭がはっきりしてくる。
そこからクライマックスへと一気に加速する展開もドラマティックだった。
ふと気が付いたが、モノクローム文庫ってジョシュ・ラニヨンの著作が多いんだね。
海外ものでも事件の行く末を追っていくといったミステリー物は好きジャンルなので、地道に頑張って読んでいきたいな。
<モノクローム・ロマンス文庫>と銘打って出た翻訳モノの同時発売のうちの一冊。
こちらのほうが断然によかったです!
最近、読み応えが云々といった要望もある中これは見事にそれに答えています。
シリーズにロマンスとついていると、何げに甘い恋愛をイメージするのですが、「恋愛」の英語表現がロマンスで、もちろんこの中でその展開もあるのですが、それと同時に同じくらい、もしくはそれ以上に読ませるミステリーを構成する事件と謎解きもあり、本の厚さもきにならないくらい熱中させるものがあります。
レビューを書こうと思ったら、あとがきの三浦しをんさんが言いたい事全部書いちゃっていて、あら、どうしましょう(汗)
膝を砕く怪我をしたFBI捜査員のエリオットが辛いリハビリを終え、現役復帰は不可能とした段階で選んだ職業は大学で歴史の教鞭を取る仕事。
その彼の勤務する大学を舞台に、父親の友人の息子が失踪したために前FBIであった前歴を買われて捜査協力を以来され、元恋人だったFBIの男タッカーとその件で顔を合わせるハメになる。
その事件は更にもう1人の行方不明者を出しながら、エリオットにも魔の手が迫り更に連続殺人犯の可能性も出てきて、、
というかなり事件性も興味深い推理モノとなっています。
しをん氏の解説とかぶって情けないのですが、注目すべき点は主人公の人柄、性格、その他色々なモノを見せるのに、家族であったり同僚であったり生徒であったり、そうした主人公たち以外の人間との関係において、彼の人となりが見える点です。
BLでは、主人公と恋人の二人でその関係性が語られることが多く、進展も二人だけで成立するものがほとんどですが、それを他者によってみせる。
特に注目したのは、エリオットと父親の関係です。
父親は昔ヒッピーなるものをしていたリベラル派な人間でポニーテールなんかしてます。
かたや、そのリベラルの反対にいる保守である権力の象徴であるFBIなどに息子が入るのですから、険悪かと思えば非常によい親子関係を築いている。
そのエリオットの外見表現に着ている服が”ポールスチュアート”と書かれていることから、その服装だけでこの人物の性格や性質がわかるようです(まま欧米ではブランドで階級や性格を表す表現が多々見受けられる)しかし乗っている車がニッサン350Z(フェアレディZ)ということからガチガチの保守でないことはわかる。
この着るものと乗るものの趣味で、彼の性格が何となく見て取れるという部分が、へぇ~なかなかやるじゃん♪なのです。
さておき、主人公はゲイです。
恋愛の部分において、出会いがどうでどうなって、気持ちがどうなって、逐一の詳しい説明はありません。
最初はフィーリング、寝てみたら相性がよかった。
結構これで納得してしまう部分があります。
まだたった数ヶ月の身体が優先した付き合いで起きたエリオットの事故。
二人の思いこみとスレ違いで、17ヶ月後の再会となったわけですが、これまたまさに痴話喧嘩に類する、もうっ!意地っ張りで不器用で二人ともツンデレなんだから♪と何故かかわいらしい(背景はシリアスですけど)
数少ない甘いシーンの二人のやり取りの会話がイケてます!
そして、受けちゃんが「あんあん」喘がなくても、攻めが「ここがいいのか」なんてお約束会話しなくても十分に、臨床感あるエロさを感じられるのです。
そうそう!こういうエッチが好きだーーー!
書きたいことテンコ盛です。
一番注目なのは筆者が男性ということでしょう。
草間さかえ氏のイラストも雰囲気を壊さずに控えめながらいい味をだしていました。
BLとの違いを感じながら、何となく自分が求めている男×男の小説に非常に近いこの路線は大変にお気に入りの一冊となったのでした。
密かにタッカーが007のダニエルグレイグで変換されていたのは・・・
ミステリー小説とロマンス小説の美味しいとこどりの作品で、同時刊行されてる
もう1作以上にその傾向は強くて1冊で2度おいしいストーリーですね。
極端な話男女で描いても違和感はないかも知れないが同性同士のロマンスを取り入れた事で、
単なるロマンスがBL向けの萌えミステリーになっている感じです。
内容は元FBI捜査官の受け様が事件で怪我をして前線離脱、捜査官をやむなく辞めて
大学で教鞭を取るようになるが、ある学生の失踪事件で元同僚で過去に3か月程
付き合っていた相手と再会し、互いに過去だと思いながらも自分たちの
現在進行形で続くこだわりや過去の二人の誤解がもたらした擦れ違いを引きずりながらも
大学内で起きた失踪事件をきっかけに二人で捜査をしていく過程で再びすれ違いや
思い込みから解き放たれて、本当の意味での恋人同士になるまでを骨太な事件を
背景に描かれたミステリーロマンス作品。
学生の行方不明が思わぬ展開になっていき、更に学生がもう一人行方不明になる。
成り行きで事件に巻き込まれた受け様ですが、初めの生徒の行くへ不明が本人の自殺と
言う展開で幕を閉じる事になるが、二人の関係は再会と共に近づくかと思われたが、
その生徒が自殺とだと仄めかされ、更にその学生の両親とのトラブルで再び近づいたと
思った距離が再び遠くなる、簡単にくっ付かないこの焦れ焦れ感が二人の関係に
更に読者を惹きこむ感じで、ストーリーの先を先をと言う欲求を増幅させてますね。
そして最初の学生が自殺だと攻め様に言われた事が何故か納得出来ず、
行くへ不明のもう一人の学生も事件に巻き込まれているのではないかと言う思いが
受け様の心に強まる中、差出人不明のメールが入り、ゲームの始まりだと思わせる
内容に受け様はその背後にうごめく犯罪の糸を見出してしまう。
複雑に入り組んだ事件と過去に出来ない思いを抱いている主人公二人。
登場人物の微細な心理なども手を抜いていない、読ませるストーリーで
読み進めるごとにどんどん惹きこまれていく感じで本当に2度美味しいかも知れないと
実感できる作品でしたね、BL文庫としてはかなり厚さのある作品でじっくり読み込めば
読み込むほど作品の良さが解る様な気がしました。
それに、草間さかえ先生のイラストもミステリー作品にマッチしていて良かった。
純粋に読み物としても最高に楽しめる1冊でした。
海外小説でゲイ・ミステリと言えば、1980年代から90年代くらいにかけて日本語に訳されていたイメージがあり。海外物に興味はあったのですが、できればもっと最近の小説の翻訳版が出ないかなと思っていたので、今回【モノクローム・ロマンス文庫】として英語圏から二冊bl翻訳小説が出たことは嬉しい限りです。
元FBIで現在は大学教員のエリオットが、学生失踪事件の依頼を受け、
元恋人でFBI捜査官のタッカーと再会。気が進まないながらも捜査協力することになる。
この二人の焦れったい関係も気になるところですが、
ヒッピー世代など時代やアメリカ社会を想起させる描写や、人種問題や同性愛者への差別意識などマイノリティについての描写もうるさくない程度に描かれていて読み応えありです。また、皮肉屋のエリオットを筆頭に登場人物の会話が皆ウィットに富んでいて、悪態をついていてもどこか斜め上から切り込んでくるところが面白いです。
事件については、犯人かなどある程度予想がつくところもありましたが、
終盤の対決はスリリングでアクション性もあり、最後の最後まで目が話せない展開でした。
事件の渦中で、エリオットとタッカーがどうよりを戻していくのかは、ぜひ本編を読んで焦れ焦れしていただきたいですが。
特筆すべきは、一緒にベッドに入って再び目覚めてからのシーン。会話や触れ合いが映画のひとコマのように浮かんでくるリアルさで、控えめな描写ながら良いエロです。
エリオットの膝(捜査官時代に負傷)を労わって、横向きに向かい合っての体勢で…ってのもいいし、抱き合っての翌朝、痛む膝を抱えながら年寄りと罵り合ってるシーンもまた中年萌えには堪らないしで、恋愛面でも満足度の高い一冊でした。
もし今後も出版されるようなら個人的に大ハマリしそうな予感の翻訳bl。とりあえず同時出版された『恋のしっぽをつかまえて』と、こちらのサイトで気になったゴードン・メリック辺りに手を出してみようかなと思います。
あやちゅけさま
コメントありがとうございます♪
大丈夫ですよ~考えずに感じるんですよ!(って無責任なアドバイスですみません;)
たぶん読んでいくうちに段々頭に入ってくると思うんですが、ページ数もお値段もそれなりなので気軽には挑戦しにくいですよね。
いつかお時間に余裕のあるときに、機会があればどうぞ(^^)
あ、この作品のエロシーンは海外物としてはかなり読みやすい方だと思いますよ☆
Krovopizzaさま
以前、Krovopizzaさまからリコメントを頂いた際に
オススメいただいたこの「フェア・ゲーム」。
購入するのに「うーむ、うーむ」とずっと頭を悩ませております。
というのが、難しそうで私の頭でついていけるのか…。
あと、海外のエロシーンが
私の頭でついていけるのか…と、心配になっております><
挑戦するには、もうちょっと勇気が必要……かも?です。
かつて、男性同士の「関係」を主題にした翻訳小説が
続けざまに刊行された時代がありました。
今から20年少々前、1990年代前半の頃。ボーイズラブと
言う言葉がJUNEと同じ様に汎用語になりつつあった、
そう言う時代の事です。
でもその波は色々な条件が合わさった結果定着する事無く、
そして静かに退いて行きました。
もしその頃に本書が刊行されていたら、また何か時代が
変わったのかも知れません。本書の熱に時代が追い付けて
いたら、の仮定ですが。
さて、本書はロマンスでありますが同時に推理小説です。
この物語の続刊があるとしたら、それはまた新たな事件が
幕を開けてしまうと言う事でしょう。
そう言う巡り会わせの男と男。
まさにモノクローム・ロマンスと呼ぶに相応しい気も
致します。
コミカライズは敢えて望みません。脳内残像で補完した方が
より鮮明になる物語であるとの手応えですので。
分厚いですし1ページの文字数は多いですが、ページいっぱいに行を広げることで行間が適度に空いていて、読みにくさはありません。
冬斗さんの翻訳ももう慣れていますし。
わたしは最初から彼女の翻訳にあまり違和感がなかったので、問題ありませんでした。
イラストは草間さかえさん。
個人的にはあまり好みの作家さんではないのですが、シンプルで翻訳物(BLというよりMM)にはあっているのではと思います。
ただあまりにMMちっくな挿絵で、ちょっと受けに夢は持てないですね。
表紙の受けさんもイマイチ受けっぽくないもので。
********************
受けは膝を撃たれ退職した元FBI捜査官で、現在は大学で教鞭をとるエリオット。
細身の長身で、37歳。
家族にはゲイであることはカミングアウト済み。
攻めのタッカーはエリオットの元同僚であり元恋人。
エリオットに言わせると、体の関係にはあったものの恋人と呼べるかは微妙なライン。
現在もFBI捜査官として在職。
********************
エリオットは辞職時のこと、タッカーとのこと、悪くなった膝のことと色々なモヤモヤした感情を常に抱えています。
それらの葛藤やジレンマはエリオット視点なのでこちらにもわかりますが、タッカーの方はこちらから探る形となります。
わたしはこれか結構面白かったんですよね。
やっぱり意見は両方から聞かないと偏ってしまうよね!という良い証拠です(苦笑
ふたりの別れについてもかなり相違があるようですし。
ラブよりもどちらかと言えば事件中心の本作。
ただ、直接的なもの(キスやえっち)は極々少なくとも、ふたりの感情や行動だけでも充分でした。
暴走しちゃう時はしちゃう感じで。
夢見るようなBL作品とは真逆で、ふたりの心情や何かもリアル世界と変わりませんのでその手のお話が苦手な方には楽しめないかなとは思いますが、一般物やミステリーがお好きな方にはお勧めしたいです。
ただ個人的には、同作者の『アドリアンシリーズ』の方が好きですね。
中盤までちょっと退屈になることもありますが、半分過ぎくらいからはハラハラさせられて面白いです。
出来れば投げ出さずその辺りまで読んで頂きたいかな。
余談ですがこの作品、とっても美味しそうな料理を作るシーンがあります。
夜の空腹時やアルコール抜きの時には読みたくないわあ。
何か食べたくなって危険です!(笑