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gangunoyouni boku wa
犹如玩具般的我
カバー下の表1と表4に印刷された原稿用紙の罫線。
そしてその表4に落とされたインクの染み。
とても象徴的な表紙かと思われます。
この一冊に収められている短編にはいずれにも
その気持ちの必然性が静かに花開く様に記されています。
行き着く所はいずれも甘いのですが、それぞれの
過程には何かしらスパイスが加味されています。
それをどう味わうかも楽しみの一つでしょう。
詳細表記同時収録作の一作目は表題作番外編。
そして二作目はカバー裏に登場している二人の物語です。
この作家さん、こんなにグサっとくる作品描かれていましたっけ?
表題、背筋がゾクソクします。
「愛」って執着ゆえのものであるとは思うのだけど、「愛」を「執着」と表現することでどこかいびつさを持った深さを感じるような気がします。
そんな色々なカタチがつまった短編集。
特に表題は、被虐に憧れながら恐れた主人公が、そのきっかけとなった後輩と、編集と作家として再会したことで、その世界を互いに手に入れる話だったような気がします。
どこかイビツで歪んだ執着を思わせながら、その実当人同士の望む形でそれが成し遂げられていく様は、まさにSとMの世界の醍醐味で、
一見ドロドロしたものを見せながら、その実はとても甘美でとろけるような世界なのです。
ともすれば耽美系ではないかと思うようなストーリーは、自分を惹きつけてやみません!
特に、被虐の先輩の黒髪・メガネ。冴えない男の彼が怯えながら実はそこに喜びを見出している表情がたまりません。
この作品だけの評価なら「神」をつけます!!
【弟じゃあるまいし】
隣家の10歳年上の友人の兄が好きな大学生の主人公は、大学合格に何が欲しいと言われて彼を欲しいといったことから、一応お付き合いしている関係。
しかし、弟のようなスタンスをとるのは、そのほうがずっと一緒にいられると思ったから。
想いのスレ違いに、彼等の関係が一歩進展する話。
【カキ氷のカレ】
テキヤの父親について一緒にいた子供がテキヤを継いで、主人公のいる町に戻ってきた。
年下の密かに熱くくすぶった執着愛の物語の年の差モノ
【砂糖菓子のカレ】
製菓学校でも有望な学生が、推薦を蹴って勤めているのはかつて流行った落ち目のパティスリー。
ヘタレて前進できないおあーなーパティシエと、健気で一途に執着愛を見せる年下の組み合わせは、この本の中では比較的ポジティブなのでは?
【臆病者の恋】
会社のアパートの往復だけをする代わり映えのない生活をする会社員に話しかけてきたのは隣人の学生。
気がつけば彼と過ごす時間が楽しくかんじられるように。
過去にとらわれて前向きになれない会社員と、不器用ながら誠実な大学生のちょっと胸の痛みを伴った恋愛成就。
【妄想カフェイン】
愛想のないカフェの店長を好きで通う常連とのお話。
こうやってこの本を振り返ってみると、表題に特に痛さを感じながらも、どれも「愛」の話で痛みと切なさを伴いながら、どれも甘さを感じるのでした。
かなり秀逸な1冊なんではないでしょうか?
攻めるのが好き?
どの作品も、多分、自分では片思いだと思っている年上を、年下君がご奉仕したり攻略したりする話。
だと思う。
実際には、はっきりエチシーンが描かれていないけど、たぶん年下攻めで間違ってはいないと思う。
そんな中で、表題作は、受け攻めわかる所まではっきり描いてある。
高校時代、文芸部で後輩と先輩だった、官能小説家と編集者の話。
小説を書いて貰う交換条件として、編集者は小説家のどんな命令も受け入れることに。
「官能小説」なので、必然的に命令は性的なこと。
小説家の命令は段々エスカレートしていきますが、それは、、、。
臆病なおじさんって、可愛いし、そそるよね、って事でしょう。