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shnsouban nobody knows
无人明了的爱
◆あらすじ◆
シリアスタッチの「Nobody Knows」・コメディタッチの「Everybody Knows」の二作と、それぞれの続編が収録された短編集。
「Nobody Knows」は、人形製造のテクノロジーが発達した時代が舞台。
人形=ダッチワイフのメンテナンス会社で、メンテナンス作業者として働くススムとモドルの物語です。
ダッチワイフがズラリと並んだ作業場で、日々二人だけで黙々と作業をこなしていくススムとモドル。前科があるモドルは、敢えてススムの素性に立ち入りませんが、ある日、いつもは寡黙なススムのほうから誘われて、恋人の関係に。
しかし、やがてモドルは、ススムもまた人形であることを知り――
人間と人形という超えることのできない壁に阻まれながらも、ゆっくりと愛情を育てていく二人の姿を、切なく描いた作品です。
「Everybody Knows」は、遊園地で着ぐるみバイトをするヒロと、焼き鳥屋「風来坊」の二代目・テルとの不思議な友情の物語。
続編では、テルに気がある客・樋野山が、ヒロに後押しされてテルにアプローチをかけるも連戦連敗…の日々が、コミカルに描かれています。
◆レビュー「Nobody Knows」およびその続編◆
近未来的なストーリーですが、描かれる街の雰囲気にはむしろどこか懐かしい時代の気配が。
そういえば、人形が、製作者である人間の意図を超えて図らずも人の心を持ってしまうというモチーフは、科学が万能と信じられていた昭和の時代からあったし、何故か昭和的な湿度が似合う物語のような気がします。
とにかくこの切なさと湿度が好きでたまりません。
個人的には、モドルがススムの正体を知るところで終わる表題作が好き。(モドルの肖像を描いた旧版の表紙絵は、この作品の雰囲気そのものですね)
ススムとモドルの関係性も切ないのですが、モドルのモノローグから漂ってくる彼の孤独が、この作品に独特の色合いを添えている気がします。ラストシーンのモノローグの重ね方も絶妙!モドルの中に溢れていく哀しみが胸に刺さります。
続編では、当て馬登場。しかも、クローン人間であるススムのコピー元の本人という、ススムにしたら絶対かなうはずのない相手。
そんな相手に敢えてモドルを引き会わせ、「(自分と同じDNAの人間だからきっとモドルを好きになる、俺がいなくなったら)ちゃんとした人間に好きになってもらえ」と伝えるススムの愛情が切なくて。
この究極の選択を突きつけるところが、この作品の凄さですね。
これだけ重い内容なのに、モドルの反応はいつもさりげなくて、読者の肩の力を抜いてくれます。
ススムが人形であるという事実は変わらないし、底辺にある哀しみは最後まで消えることはありませんが、徐々に垣根を超えていく二人の姿を描いた救いのあるラストになっています。
◆レビュー「Everybody Knows」およびその続編◆
続編の焼き鳥屋の二代目・テル(多分受け)と、店の客の樋野山(多分攻め)のほのぼのラブが実質メイン。でも、個人的には表題作のテルとヒロの関係が終始頭の隅にこびりついたままでした。
テルとヒロは、実はカラダの関係あり。ただし、恋人としてでもセフレとしてでもなく、ヒロが意中の相手と首尾よくSEXするための練習台としてテルに攻め役を頼んだ、という形でですが。
その後ヒロにはめでたく彼氏ができて、テルと樋野山のキューピット役に回り…
でも、ヒロはタチなのに彼氏がタチだからネコに転向、その彼氏もしょっちゅう変わってて・・・まだ運命の相手に巡り会ってはいないような?
お互いを知り抜いてるヒロとテルなのに、何故、恋愛対象としての選択肢には入らない?
お互いのことを一番知り合っているのに、何故か恋愛には発展しないこの二人の関係は、「ジンと猫は呼ぶと来ない」のジンとマリの関係とも共通している気がします。本人同士がすれ違っていくことを全く意識していないところも含めて。
私の深読みしすぎかもしれませんが、テルとヒロのSEXを描いている時点で、作者の意図としても、「結ばれた二人の陰の、結ばれなかった二人」の存在を感じさせたかったのかなという気がします。
「Everybody Knows」の底流にも、やはり「Nobody Knows」な世界があるのかなと。
笑いやエロや、表があって裏もある現実のリアリティーのようなものや…SHOOWAさんの世界のエッセンスがぎゅっと詰まった作品集。
個人的には「Nobody Knows」はSHOOWAさんの最高傑作のひとつだと思います。
読みたいな―とずっと思っていたのですが
旧版は新刊でもお目にかかることがなくて…。
先に『僕らの三ツ巴戦争』を読んだ為、
まるっきりトーンの違うこちらの作品に
かなりやられました!!!
あらすじも読まなかったので
久しぶりにすごく新鮮な気持ちで読んだ事もあり
尚更だったかもしれません。
私は人外ものは…だったんですけど、
山中ヒコさんの『500年の営み』といい、
アンドロイド、人形相手だからこそが切ないんじゃないか!!と。
好きなものが増えるのは良いことなんですけどねw
自分の絵が「きもちわるい」とあとがきでおっしゃっているSHOOWAさんですが
そんなに変化されていないような気がしましたよー。
ご謙遜されてるのかしら。
若干今よりもシャープな感じかな、という程度かも。
シモ込みの、人間そっくりな女性人形のメンテナンスで
黙々と作業をこなすススムとモドル。
モドルには前科があり自分が詮索されたくない為
ススムにも何も聞かない。
接点が仕事以外なく、会話もそんなにしませんが
持ち主が急死した人形を「オレがめんどうを見ます」とススムが言い出して
意外にもロマンチストな一面に驚きます。
ロッカールームで「生身の人間とやってみたい」と急に誘われて
動揺しながら「人形みてーにやさしくしてくれんなら」と了承し
初めて男に抱かれるのに、予想外に強い快感を得て戸惑います。
その後変化のない関係が続きますが
ご飯に誘われても会話も弾まず、更にその後もそのまま…。
ある日、立ち聞きで知ってしまったススムの秘密に
私もかなり驚きました!!
後に涙を流すモドルにシンクロして、じわーっとしてしまいました。
自分が壊れた時の為に、携帯の待ち受けをメッセージにしていたり
自分の元となったDNAの持ち主にモドルを道ですれ違わせて
「ちゃんとした人間に好きになってもらえ」と伝えたり。
こんな愛が…と胸が痛みました。
でもモドルにはもうススムじゃなければ意味が無い。
「もう会えなくなるなんてイヤだ!!」と叫ぶモドル…。
思い出すだけでも切なくなるほど。
シリアスなお話だったのですが、その後のショートがまた面白い!!
元のDNAを持つ男性に3Pを持ちかけられ
即答で断ったススムンですがw
モドルはちょっと間を置いてしまったわけで。
そりゃね、好きな人と同じ顔だったら、
二人のススムに…って、絶対気持ち良いでしょう!!w
ススムの妄想シーンだけでも良かったけど、(本当にどんなAVを…)
実現しちゃダメっすかね。ダメか。
いつものSHOOWAさんのテンションに戻って
何故だかホッとしてしまった私ですw
『There's always light』
必ず光はある、というこのタイトルも素敵!!
大切な人に色んな想いを込めて触れる事ができると
教えられた過去を思い出し、
ロッカールームでいとおしそうにモドルに触れるススム…。
最後邪魔が入りましたけどw
本当にずっと二人でそうやっていてほしい。
『Everybody Knows』『樋野山修一の教育実習』
こちらも、いつものアホエロっぽさが素直に楽しめました♪
好きな人の為に初体験を幼馴染とっていうのがすんごいなー…w
最初、こちらの幼馴染・テルと付き合うのかと思ってたので
うお、変化球!という感想ですw
でも、この主人公・ヒロの前向きさには頭が下がりました。
全部は無理でも、自分で努力出来る分はするべきだと。
これ、肝に命じさせていただきます!!
確かに結果が怖くて逃げだしたい事は大人になってからでもあるし
恋愛なんて尚更、相手がいる事だから
うまくいくなんて何%の確率かもわからない。
それでも、ぶつかってみなきゃ!なんですよね。
同性の恋愛はとにかく難しそうですが、
そこはね、BLだからねw
落ちそうでなかなか落ちないテルも良かった~!
樋野山さんに恋愛指南の時のヒロがテンション高すぎで笑うしかないw
(そこだけじゃないけど☆)
そして樋野山さんはヒゲを剃るとたいそうな男前なのですね。
テルが見惚れるのもわかる。
樋野山さん、是非テルを“ぐちょドロ”でお願いします!w
『Nobody~』がリンクしてるのもgood。
新装版の『NON Tea Room』もとても楽しみですし、
既刊のSHOOWAさん作品を改めて読みかえそうと思いました。
シリアス且つアホエロ&元気がもらえるこのコミックス、
私は神評価です!!
これが初期の作品集だというのですから驚きです。
最初の作品というのは、もっとこう、初期衝動的な勢いで描くものではないのでしょうか?
いきなりこんな深いところから踏み込んでいかれるとは天晴れです。
本作と、新装版として出ているもう一冊の「新装版 NON Tea Room」では、お話的な繋がりこそは特にないものの、愛することや愛されることの本質が丁寧に描かれています。
これから手にされる方はぜひ2冊揃えて読まれてみてください!
全部で3つのお話が入っていて、テルちゃんの実家の焼き鳥屋さんを通して、群像劇っぽい感じになっています。
『Nobody Knows』/『Wipe it』(全2話)
ススムとモドルの本編。
人工知能を埋め込まれた人形を開発する研究所でメンテナンス(人形の清掃)のバイトとして働く訳アリ男二人のお話。
言葉少なく絵で雄弁に綴られるSHOOWAさんの漫画は「漫画読んだなぁ!」という満足感があります。
『Nobody Knows』に関しては、モノローグにやられました。
「人工知能にはホントの意味での悲しい気持ちなんてわからない」
「しょせん人間はとなりにぬくもりがあればいい生き物」
「お互いのことは詮索しない」
作中に繰り返し出てくるこの3つのモノローグが、同じ字面でもって徐々に意味を変え、本質へと導いてくれます。
読み終わった途端ぐわァァァっときて泣いてしまった…
本当は内容についてもっと突っ込んで書きたいんですけど、核心部分をネタバレしないと書けなくて、でもその部分はバラさないほうが実際に読まれる時に楽しめると思ったので、なんだかモヤッとしたレビューしか書けませんが、凄く良いです。
何度も何度も繰り返し読んでしまいました。
トーンこそ切ないですが、読み終わった後はじわりと胸があたたかくなります。
『Dead Smiling』/『ススムの魂100まで』/『Wipe it 超番外編』/『君の名は』/『There's always light』/『2人のスペルはSとM』
ススムとモドルの番外編ショート。
シリアストーンの本編の間に閑話休題的に挟まれているのですが、くすっと笑ってしまうものもあればエロエロなのもあったり。
『Everybody Knows』
テルちゃんとヒロの友情(not恋愛)ストーリー。
ヒロが一目惚れした男の為にテルちゃんに手伝ってもらいながら穴開発する話。…なんて書くとアホエロっぽく聞こえますが、こちら意外と深イイお話なのです。
ヒロの漢気に惚れました。
『桧野山修一の教育実習』(全2話)
桧野山さんとテルちゃんの本編。
テルちゃんに惚れた桧野山さんにヒロが恋愛指南するお話。
桧野山さんはゲイだけど、テルちゃんはノンケなので二人の距離はなかなか縮まりません。
こちらでもヒロの漢気に惚れました。
『翼を下さい。』
桧野山さんとテルちゃんの番外編ショート。
この二人エッチ出来る日は来るのかなw
『焼き鳥屋の日々』
みんな勢ぞろいのショートストーリー。ほのぼの。
(NON Tea Room勢も友情出演)
ススム:無口。愛想もないが、ロマンチスト。クローン人間。
モドル:前科がある。バイセクシャル。
ススムは完全無欠、といった感じではなくとても自然。ほぼ人間です。
2人は同じ職場で働いていて、一度体の関係を持ったことから惹かれていきます。
このカップルが凄く良かったです。shoowaさんの作品の中で一番好き。
モドルの言葉が場面場面の感情を表すのにぴったりすぎて切なかったけど、
ススムがだんだん人間らしい感情を持つようになって、二人がじわ~と幸せになる感じにきゅんとしました!
また、モドルが泣くとススムなだめるようにが優しく涙を拭いたり、キスしたりと、2人の間に漂う雰囲気が素敵です。
「向日性の扉」のような、ぐっとくる切ない作品が好きな人にオススメします。
BL再突入した際、大人買いしたコミックの中にこの本がありましたが、何故か手放してしまい(汗)
新装版出てよかったー!と喜んでいる人ですw
デビュー当時の作品ということで、この本は今まで出ているSHOOWAさんの作品のイロイロな要素が点在している作品集だったんだな~と、後発の作品から改めてこの本を読んで思いました。
シリアス、切なさ、どこかやりきれない雰囲気、そしてはじけたコメディな部分。
旧版にない描き下ろしが【焼き鳥の日々】【2人のスペルはSとM】【翼をください】だと思うのですが、多少絵の変化は線が増えたくらいのもので、全体的な絵の雰囲気は変わってない。
手描き感があふれる線が魅力なんですね。
バンドでやっていくのに挫折して、そしてヤクの売人にさせられてしまった前科持ちの主人公が得た仕事は、金持ち相手の人工知能を仕込んだ人形のメンテナンスの仕事、
そこで与えられた名前は”モドル”
研修で一緒になって仕事をともにするようになった相手はススム。
黙々と仕事をする二人にあまり会話はない。
しかしあるとき、主人が亡くなった人形の処分についてススムが口を挟む。
モドルが抱いたススムの印象は寡黙で愛想がないがロマンチスト。
ある日、ススムがモドルを抱きたいという。
そして、モドルはススムの正体を知る。
人工知能を入れたクローンと人間の恋。
ほかの人形とススムはどう違うのか?
淡々と、激しい波もないなかで進む二人の関係だが、確かにそこに熱い思いが存在している気がする。
モドルによって、ススムは人間になるのかな?
ラストの「お前の代わりはいない」っていうのが、愛じゃないか~♪ってちょっとキュンときました。
合間合間に挟まれる番外のような短編はコメディ風味で、本編の彼等の日常を抜き出して、特にススムのちょっと人と違う感覚がお笑いになってしまう(けど本人は真剣)モドル目線がほっとさせます。
表題と対照的な題名なのが【Everybode Knows】みんな知ってるw
一生懸命一途なのはいいけど、ちょっとおバカなヒロがエロカワイイ?や、エロくない?
のおバカな話。
着ぐるみの仕事で入ってきた新人に一目惚れしたヒロが告白すると「男にはキョーミないけど、オレがやる方なら少し考えてもいいよ」の一言に、ネコ修行を行きつけ焼き鳥屋のテルちゃん相手に練習する話。
なんの色気もなく、全裸で尻を向けるヒロに爆笑するしかない。
そして、面白いのが、それにテルちゃんはほだされないということ!
一応やることやったんだけど(必死)あくまでノンケのようだwww
しかし、そんなテルちゃんに恋をして、おせっかいで和気あいあいの常連達の後押しで(?)彼氏ができる話が【樋野山修一の教育実習】
常連さんが連れてきた樋野山さんがテルちゃんに惚れちゃった♪
なんでもおおっぴらにするヒロくんが、店の常連さん達居る前で大声でそれを告げてしまうから、、、
ヒロくんがちょっと奥手な樋野山さんをリードして、アドバイスして、、、
何だか面白いのは、樋野山さんマイペースなんですよね。
本当は後押しいらなかったんだじゃないかなww
G(ゴキブリ)退治で男前見せたのが決定打!?
あたふたしながらも、当人たちがマイペースで進むのがいい感じ。
予測を裏切るというと、
ハッピーエンドに見せかけて、アンハッピー……を連想させてしまうかしら?
いえいえ、そんなことはないので、安心して読んで頂ければと思います。
せつなさもシリアスな面もあって、そんなシーンがとっても印象的なのですが、
でも読み終わって辛くなるような、そんな本ではないです。
自分には珍しく、この本は感動の1冊でした。
あ、1冊ではないかな、正確に言うと感動は途中までなのでw
感動あり
予想外の展開あり
くだらない笑いあり
微笑ましさあり
もちろんエロもあり
(量はそんなでもないけれど。いや、普通か? そういえば妄想3Pもあった)
とっても盛りだくさんで、得した気分な本でした♪
個人的にはかなり好きです。
※展開を上手に隠せそうもないので、具体的なことは書きませんが、
それにしてもアバウト過ぎてすみません…
旧版は読んでません。
お店で見かけたら買おう~と思っていたのですが(ネットではあまり買わないので)、
結局巡り合わないまま、こちらの新装版を手にすることに☆
見つからなくてよかったかも。
描き下ろしも楽しかったし(計8P)
・味覚 → 唾液の味についての話。
・ぐちょドロしたい!な話。
ああ~早く「新装版 NON Tea Room」も読みたいっ☆
旧版は未読です。
こちら、表題作はかなり切ない系です。
そして他の収録作品はお笑い系。
一冊で、二度美味しい。
近未来が舞台ですが、人形(人工知能チップが埋め込まれ、言葉を話す)に関してだけそれを感じるだけで、あとはほぼ普通です。
表題作の受けは前科持ちのモドル。
バンドマンを目指して上京してみたものの、解散→運び屋→逮捕という身を持ち崩系で、今は人形を掃除するメンテナンスの仕事をしています。
攻めは寡黙なススム。
モドルの同僚で、人形に優しく接する男。
生身の人間としてみたいという希望があり、モドルに迫ります。
モドルはほだされススムと関係を結ぶのですが、なんかヤバイと感じています。
なにがヤバイのか。
それは寡黙でありながら徐々におのれをさらけ出してきたススムに、モドルは惹かれ始めていたから。
しかし、ススムの秘密に触れ動揺してしまう。
嘘だろ?という驚き、なんで?という疑問、それらをススムへ問いただせないまま最悪の事態に。
この時のススムの携帯待ち受けがズコン!!ときます。
悲しい結末ではないですが、ススムの自分を諦めているさまがひじょうに切ないです。
受け攻め、ふたりとも大好きな作品でした。
ちなみにススムとモドルの名前は仕事場でつけられている仮名です。
収録作のお笑い系は、『三つ巴〜』のようなノリです。
登場人物はみな、憎めないキャラで笑えます。
SHOOWAさんのギャグ系がお好きな方にはオススメですよ。
SFチックなお話から日常系ラブコメまで、なかなかバラエティに富んだ作品集。
特に爆笑があったり、オチが冴えていたり…ということはないのですが、独特のほのぼのシュールな世界観に何とも言えない魅力があります。
■表題作
人工知能を持つ人形のメンテナンス(清掃)の仕事をするススムとモドル。
ススムの正体は実は…という展開自体はありがちですが、静かな世界観に何とも言えない哀愁があり、独特の余韻が残るお話。
「清掃」される人形たちの姿、幾度となく出てくるモノローグなど、描写が淡々としている分も余計にグッと来るものがあります。
一見無機質で冷たいようで、どこか温かみも感じられる、とてもSHOOWAさんらしいお話だと思います。
■「Everybody Knows」
焼き鳥屋の息子・テルちゃん(攻め)が、友人のヒロ(受け)に頼まれ、彼のアナル開発に協力することに…というラブコメ。
身体の関係は持つ二人ですが、ヒロの本命は一目惚れした別の男で、テルちゃんにとってもヒロはあくまで友達。
コミカルなストーリー展開ですが、ラブストーリー的には全然ハッピーエンドじゃなく、ほんのり切なさも。
くっつきそうでくっつかない二人の友人関係に温かな感動とペーソスとがあり、なかなかに深い余韻が残ります。
■「桧野山修一の教育実習」
↑のテルちゃんに、焼き鳥屋の客・桧野山が恋をして…という話。
テルちゃんがノンケな上、二人ともヘタレ気味なので、なかなか恋愛に発展せず。
じれったい二人の恋を応援するヒロが良い味出してます。
全体として、プロットや絵の魅せ方にSHOOWAさんならではの持ち味があり、初期作品集から独自の作風を確立されていたんだなぁと感じます。
SHOOWAさんの他の作品同様、完成度の高い一冊です。
ススム、人形なのっ?!
と、びっくりしたのと同時に
切なさがこみあげてきました。
人はいつか死んでしまうし、
永遠ではない。
むしろ壊れなければ
人形の方が永久を生きられるかもしれない。
生きられる長さの問題じゃなくて、
同じ感覚でというか同じ速さの中で
「生」を紡げないなんて。
一緒に老いていけないなんて。
人じゃないものとの恋愛。
せつねぇ!せつねぇーよ!
と思いました。
でも二人は一緒にいることにまっすぐで。
それでも相手を愛するという姿が
胸にグッときました。
表情で物を言うキャラを描かれるのが
上手な作者様だなぁと思いました。
目は口ほどに物を言うって、
こういうことだなと。
(この作者様はこの作品が初見でした。)
ヒロは友達になりたいです。
テルちゃんのお店に飲みに行きたいです。
そこで樋野山さんが頑張る姿を眺めたい。