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seiyaku
この作家さんの作品を立て続けに読んでみたのですが、3冊読んで分かったことがあります。
えろす>人物描写なのです。
完全にえろすに特化した作品であれば人物描写や詳しい状況説明は必要ないのかもしれません。
最初のページで主人公の名前、社会的地位、軽く今の現状が説明されて怒涛のえろす!という短編は多いですし、そういう場合は設定はとにかくシンプルにというのが読者フレンドリーなやり方だと思うのです。
ただこの作家さんは違います。
ふつうであれば2、3巻必要なストーリーを3話に詰め込む。
ストーリーが複雑であればあるほど、読者にとってキャラクターへの思い入れが大事になってくると思うのですが、そこにコマは割かない。
人物描写は台詞の中で一言二言入れておしまいで、その分のページをえろすに費やすというタイプ。
なので何話分だろうと人物に魅力を感じることなく、何かすごい事件に巻き込まれてるけどえろす!という感想しか持てなくなってしまう無念さ。
ストーリーの方も風呂敷を広げまくっているので、収拾がつかないまま終わるものが多いのですが、それよりもえろすにコマを、ページを割くという作品が多い気がしました。
というわけでこの作品。
こちらは一応収拾はついてます。
ついているのだけれどやはりキャラクターの魅力を感じないまま事件が進むので、監禁陵辱されていても何とも思えない。
キャラクターに引き込まれていたら「あああ、ひどい!何てことを!!」となって直視できないようなシーンもさらっとページをめくれてしまう。
メインCPの絆も弱い。
夜の会社のどこにベッドがあるんだろう、と冷静に考えてしまう。
そんなわけでストーリー重視派には向かないかも。
かと言ってえろす重視派の期待に応えるかと言ったらそこも疑問です。
ページ数を割いている割にえろすシーンが青年向けえろす漫画っぽくて色っぽさや艶っぽさが感じられません。
辛辣なレビューになってしまいましたが、何と言っても昔の作品。
出版当時頃、漫画を読んでこなかったので何とも言えませんが、こういう作風が流行った時代があったのかな。