Krovopizza
nureochiru koufuku no naka de
掘り出し物が見つかるかなーという淡い期待のもと手をつけ始めた電子書籍で、このたび「これは!」と思う作品に巡り会えたのでレビューさせて頂きます。
といっても、ホラーとかイヤミス(後味の悪いミステリ)としての面白さなのですが…w
主人公は、引っ越したばかりのアパートで風呂が使えず、近所の銭湯へ。
番台は同い年くらいの寡黙な青年で、聞けば同性の恋人を火事で亡くしたばかりだと言う。
主人公は青年の寂しげな佇まいに惹かれ、自分が彼の孤独を癒したいと思い、青年も主人公の気持ちを受け入れる。
恋人と言える関係になった二人だが、青年の心にはまだ亡くなった恋人がいるようで…。
オチに「え?」となって読み返してみて、
なるほどアレが伏線だったのかーと
分かった時のゾクゾク感!
口は災いの元、人を見たら泥棒と思え…色んな教訓が脳裏をよぎります。身近に起こりうる恐怖なだけに、かなり怖い話でした;
怖いだけではなく、ラスト直前まで描かれてきた一途な恋心を思うと、何とも言えない切なさもこみ上げてきます。
真相自体はそう捻ったものでもないのですが
blでこれをやっちゃうんだ!という意外性の勝利かと。
読後感としては、最近出たアンソロ『病みBL』に近いかも。ハッピーではないけど、珍しいモノ読んだなーという満足感でなぜかスッキリ。
最初から構えて読むと肩透かしかもしれませんが、何の気なしに読んでみた私にはかなり衝撃でした。
200円で読めるホラーblとしては、上々の出来だと思いますv
はじめて読んだ時に思った事ですが、こんな後味の悪い終わりだとは思いませんでした。
いや、でも表紙を見ると仄暗いラストを思わせるような感じはあるんですよね•••しめじ先生の作品だったのでパッとあらすじだけを読んで話のラストなんて想像もせずに購入しまして。
ハッピーエンドが好きなのですが、物語の終わりには少々衝撃を受けました。
攻めと受けの繋がり
火事がおきなければ
消防隊が遅れなければ
偶然が重なってしまった為に起きてしまった悲しい出来事。攻めが最後に浮かべた笑みは、やり切った感だったのでしょうか。
受けが浮かばれない•••
ただ何も知らされなかった事だけを、読み返す度に願う作品でした。