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miminari no koibito
最近、ふゅーじょんぷろだくとは、web発表の漫画家さんを拾い上げてきてはそれを商業本にして売り出しをしている。
この作家さんと、この作品もそうです。
お初のお目にかかる作品と作家さんなので、webとの比較はできませんので、素直に単行本だけを見た評価を。。。
すごくしっとりゆっくりじんわりな作品でした。
むしろ、焦れったく空気のような存在感に、これという決め手はなく、”なんとなく”という流れのストーリー展開。
生まれ持って手の力を持つ二太と、耳の力を持つ豊。
彼等は一つ違いのいとこ同士で、一対の存在のようにいつも一緒にいました。
高校を卒業するときに、豊が二太に告白をしていますが、断られいます。
そして二太は調理師専門学校へ、豊は大学へ、
上京した二人は一緒に暮らしているのですが、豊には二太へのかなわない想いを埋める為に付き合い始めた社会人の恋人がいます。
まだ二太への想いをあきらめきれない豊の耳の力は不安定になり、実際の音と耳鳴りと判別できなくなる様子を見せ、そしてとうとう何も音が全く聞こえなくなってしまいます。
すると、二太の手の力も不安定になり・・・
彼等のその力が具体的に何なのか、詳しい描写はあまりありません。
強いてあげれば、豊には雨の音が聞こえて、翌日の天気がわかるというくらい。
むしろ、手の力のほうが何かあるような感じでした。
この物語において、その「力」という存在が、主人公たちの気持ちのゆらぎを表現するモノとして描かれていますので、
ファンタジックな超能力モノとは全く違う物語です。
手と耳、一対のようでいて、何かあいまい。
ただ豊が二太を好きで、振ったのに一緒にいるのは、豊を不快に思ってないから。
二太が鈍感なのかと思えば、どうもそれは違うような?
二太が豊を受け入れる決め手もどうもはっきりしません。
突然にそれは訪れるので吃驚!
しかし、多分ストーリー的展開から、不安定になった豊を見て、二太が豊を見つめ直すという物語でもあったのかとも思われ、
そのあいまいさが、雰囲気で流してしまえばすんなり入ってくるものの、
けだるいダラダラさを感じてしまう、危うい紙一重部分でもあると思われます。
豊の恋人がとてもイイ人で、何かもったいない気がします。
それでも二太がいいなんて、、、
雰囲気はいいのですが、何かインパクトとか心に残る、という部分では弱い感じがします。
しかし、こうした1冊でじっくり作家さんの作品を読めるというのは、作家さんの力がわかって、短編ばかりつまっているものよりもいいのかも?
と最近感じるのです。