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natsujikan
著者の作品「箱庭」を読んだとき、とっても衝撃を受けて感動しました。
絵も、構成も、作り込みがとても丁寧な作家だと思います。
この作品、どれもが映画のような展開で情景が読みながら思い浮かび、その場の雰囲気や香など生活感が脳内で再現できるような、丁寧に描きこまれている作品です。
アンハッピーが多いので、内容についての評価は萌2
「夏時間」
読後、爽やかにはならなかった・・しんみりしてしまいました。
母の遺品から出てきた、事情があって投函できなかった手紙。他に好きな人が居たらしい母は、父と別れている。探していた本人といきなり、海で出会ってしまう。
「ハルミ」という名前に絡む、母とその人の秘密。
夏の一晩限りの恋。
感想:こんな出会い方と別れ方をしたら、一生きっと忘れる事は出来ないと思う。
「熱帯夜」
望x貴章
父の死後、相続した家で独り暮らしをする義兄・望に会いに行く貴章。
義母の死、恋人の死の理由、義父と望の秘密、長い間秘密にしていたことの告白を互いにした後、薬を飲む。目が醒めると、望は居なくなっていた。貴章は、独り取り残された望の気持ちを知ることになる。
感想:積年の想いを晴らすための望の知能プレイ。
「神様の言う通り」
野々宮泉x谷口テツヤ
同じアパートの住人とひょんなことで、とても深い仲になってしまった話。
「スイートリトルデビル」
野々宮泉x谷口テツヤ
可愛らしい泉のことを大好きな強面のテツヤを、美人のさやかさんが惚れてしまう。実は、二人をとりもとうと考えたさやかさんの一芝居だった。
感想:オチがギャグ。
「眠る男」
直紀x達也
直紀と埋めたタイムカプセルを掘るタツヤ。直紀はよく寝る子だった。達也は直紀の寝顔が大好き。タイムカプセルを掘り出した日、永遠の眠りについた直紀がタツヤに伝えたかったことを告げて消える。
感想:こんな思いを託されて遺されたら、やるせなくてやりきれないです。
2002年発表の「夏時間」と2004年発表の「ため息の温度」を合わせた新装版的な一冊。
「夏時間」
母親が事故で亡くなった後、出さなかった手紙を発見した16才の智(さとし)。
その手紙の宛先の男性を訪ねていくが…
…という話なのですが、これがなんともドラマで。いい意味で、です。
こういう展開か…とつくづく感嘆するというか。
男の呼ぶ女性の名前、忘れさせてほしい、忘れてやる…別れの後の苦い涙がいつまでも心に残る。
「神さまの言うとおり」
「Sweet Little Devil」
アパートの隣室の男・テツヤはものすごいコワモテ。だけど童顔色白華奢小柄な20才の泉は、怖いんだけど羨ましい。
だがある日、回覧板を持って行ったらテツヤがオ○ニーしていて…
…というツカミはなかなか強烈だけど、物語としてはコワモテなのに性格は乙女ちっくなテツヤのギャップを笑うというギャグ系。
続く「Sweet〜」ではさやかちゃんという美人女子大生がカラんできます。さやかはコワモテ好きで、実は…とこちらもギャグ。
そしてラストはいよいよHなんだけど、ここは予想通りテツヤも受け希望で、さあどうなる?
「眠る男」
10年前、21世紀に変わる瞬間に開けにこよう、と学校の裏山に埋めたタイムカプセル。
直紀はベンチで眠っていた。達也は直紀がいる事に驚いたが、学生時代を思い出しながら目印の木の下を掘り始める。達也は実は直紀が好きなのだが…
達也が掘る横で呑気に眠る直紀。達也は思わず唇を寄せてしまう。直紀が目を開けて話し出す…本当はちゃんと去年に会えればよかったけど、これでもう思い残すことはない…
死ネタの一種で、切なくってさびしいんだけど、会いに来た直紀の笑顔はふんわりと優しくて。
「ため息の温度」「BLIND」「DISTANCE」「BORDER」「呪」の5編は、短編集「ため息の温度」でレビュー済みです。
やはり表題作の「夏時間」がいい。
全体に切な系が多めだけど、「Sweet〜」のテツヤのどアップ顔に吹き飛ばされそうです。
全部で9作ある、盛りだくさんな作品集です。
私の感じたところでは、シリアス七つ、コメディが二作でしょうか。シリアスではじんわりしたり、コメディは気合いが感じられて、国枝先生ワールドが堪能できました。
このレビューでは、私が特に好きだと思ったシリアス二つを中心に書いてみます。
「夏時間」 表題作です。これは年の差ものになるのでしょう。
母親を事故で亡くした高校生の智が、母親の同級生だった高木を訪ねて、海辺の町にやってきます。
智は賢そうで小綺麗な感じの男子、高木はガサツなおっさんです。
年の差が親子ほどあり、性質がまるで違ってても、一線を越えてしまうんですね。
淡々としていて、智の複雑なときめきが分かる、切ない話でした。
ワイルドな高木がGを掌でバチッと叩き潰す場面が、何気にインパクト強かったです。
次に気に入りましたのは、5番めに収録されています、「眠る男」。
同級生男子二人の物語。2000年から2001年に変わる瞬間にタイムカプセルを二人で開ける約束をしてます。
前半はコメディみたいな感じがあり、これはどんな結末になるかと思ったら、切なかったですね。
男子の一人は現実にはそこにいないのです。
こういう死がある話はダメな方もいらっしゃるでしょうが、私は好きなんですね。
萌えました。
他にも、シリアスに数えたけれど、さりげない笑いがあったり、コメディ作にもハラハラする萌えがあったり、素敵な作品集でした。
夏がく~れば思い出す~
夏といえば夏時間!
というわけで久しぶりに引っ張り出してみました。
国枝先生といえばコメディ~シリアスそして強烈なブサイクまで色々描いておられますが、
私はどうもバンブーコミックスさんの国枝先生の作品に好きなものが多いです。
現在も麗人さんでシリアスなお話を描いておられますが、
真面目な路線か振り切って完全コメディのほうが楽しめているような気がします。
表題作の『夏時間』はシリアスなお話なのですが、
私はこの表題作、けっこう気に入っています。
たった一夏の情景を切り取っているから余計にいいんだろうと思います。
落としどころがはっきりとしないものが苦手な人には受け付けないお話だろうと思います。
『ため息の温度』
年下攻め&年上美人受けのお話。
攻めと受けは生徒と家庭教師の関係なのですが、
ある時、受けが攻めの兄を好きな気持ちを利用して、攻めが体の関係を強要します。
本当はお互い好き合っていたのに誤解をしてすれ違ったまま、
体だけの関係が続き…というようなお話。
『神さまの言うとおり』
コメディです。この作品集の中では一番コメディ度が高かったです。
SM女王キャラの女の子が出てきて笑いましたw
『眠る男』
シリアスです。亡き人のお話。
死ネタと言ってもいいかもしれません。
『BLIND』
硬派攻め×ビッチ受けのお話です。
この作品集の中で一番ページ数が多い作品です。
攻めが受けの心をなかなか捕まえることができず、
受けさんに逃げらてばかりでした。
あまりに真面目な攻めの恋愛観に受けがついて行けず別れます。
おそらく受けは相手が真面目だから自分なんかと付き合わせるのは悪いと思った部分もあったのでしょう。
しかし、攻めはあきらめず。
そして別れたあと、再び再開する二人ですが…。
国枝先生はやっぱりビッチ受け・電波系受けがお上手だと思います。
攻めは標準~ちょっとブサイクよりor若干チョイ悪るオヤジが多いですかね。
たまにはイケメン攻めも見てみたいなと思うのでしたw
「夏時間」
智は、亡くなった母のメモを頼りに、高木という男の元に向かいます。高木の家は元民宿で、智はしばらくそこで世話になります。母だけが、昔高木と何があったかを知るわけですが、高木との奇妙な同居生活の中で、なかなか話そうとはしないのです。
かつて高木とそして智の母は逢瀬を繰り返し、その最中、高木の子どもである春海が亡くなったとの知らせを受けます。一度でも寝てしまえば忘れるという高木ですが、個人的に、生々しいところを嫌と言うほど見れば本当に忘れられるのかは考えるものがありました。
すぐに忘れられると言っていた高木ですが、智にとってこの日のことはずっと忘れられない思い出として残り、夏が来る度、何かの拍子に思い出すのだと思うと、これは切ないです。
「眠る男」
昔から寝てばかりでなかなか起きない直樹は、年越しの瞬間、タイプカプセルを開ける直前でさえ寝たままなのです。直樹の眠り癖は今に始まったことではありませんが、まさかずっと寝たままなんて、あまりにも呑気すぎるような気がするのです。(笑)
ところが、このお話には「昨年」というもう一つの過去のお話があります。タイムカプセルを埋めてある場所まで行く途中、直樹は事故に巻き込まれ、帰らぬ人となり、永遠に眠ったままなのです。ふたりで約束したことを果たすことができないまま、達也だけの気持ちが取り残されてしまうのです。
お話全体に萌えを感じることはできなかったけれど、確かにこの本には「切ない」がいっぱい詰まっているのです。生々しくもあり、悲しいところあり、胸にぐさりとくる1冊でした。
作者の幅の広さに驚かされる一冊。
ギャグからシリアスまで、どれもクオリティが高い。
私は、やるせないシリアスな作品の方が好きでですが、弾けたギャグも悪くない。
ということで、表題作。
母の遺品から出てきた投函されなかった手紙の相手に会う為に、
海辺の街にやってきた智は、海辺でだらしない酔っ払いを助ける。
それが実は手紙の宛先である高木竜悟だった。
まるでラブレターのようなその手紙の意味していたものは…
再会できて幸せに、という図はないだろうところがすごくいい。
巻き戻せない時間、割り切れない現実、生きて行くのにつきまとう切なさや悲しさ、
シリアスでもギャグでも、そういうものが緩やかに漂っている。
ただ、そういう共通項がありながら、作品ごとにテンションが違うので
振り回されて、結構読むのには気力体力がいります(~_~)
国枝作品は どれも名作ぞろいでございます。
この なんとも癒えない儚さがあるのですよ。開いた途端 パッと見のダーク加減がとても素晴らしいです。1冊にまとまるなんて 感激。(他の作品も素敵。また まとめて出版お願いします。)
「夏時間」これは いい!!
国枝先生の描く世界 アンハッピーエンドがなかせるぜ。最後のキスシーン・・・
ヤラレタ~~ 私 心臓 突き抜けました。
この攻めのおっさんの顔・身体がどんぴしゃりなり。エロいです。
受けちゃんも ごっつかわいいです。
自分の中の、シリアス・ブラックギャグの第一人者が国枝先生でして❤
初期作品を久し振りに読み返す事ができる本作に、あ~やっぱりクニエダだー♪と、うふふ~とほくそ笑み堪能してました♪
【夏時間】【呪】
主人公の智16才、まっさらな強さを持ってしても、グータレで傲慢な大人の高木の弱さに引き攣られていく。
有りていなら、母親と同級生の高木が、自分の亡くした子と同齢の智の要求を諭したり自分を抑えたりするじゃないですか?悩むのは大人側で。
だけど、国枝先生の大人はそうじゃない。
智の揺らめきに便乗し、毒を注入するんだ。
まるでネズミ講に嵌った様に抜け出せなくなった智。(→呪)
別れの電車のシーンに、読み手が受ける印象はそれぞれで良いと思う。
誰が良いか悪いかじゃなくて、どうすれば最善かじゃないんです。
【BLIND】【DIATANCE】【BORDER】
国枝先生の受け攻めと言ったらの、美人で複雑な秋本と生真面目でぶきっちょな慎也。
受けが「伴侶は貴方だけ」なんて簡単に言わないカップルの持久戦は、もう作者も審判員でも神でも無くなっているんだろうな。
国枝先生らしい作品だと思います。
【ため息の温度】
兄に想いを寄せる優しい美人家庭教師に恋慕するやんちゃ弟。
マイノリティに自分を追いやる受けも攻めも、弱いとこ見せて我を通して話は進む。
こちらも、国枝先生らしいカップルと痛みが。
受けの一重まぶたがホント色っぽい!
【神様の言う通り】【Sweet Little Devil】
ギャグ。受け×受け。
ドジでオトメでゴツイ男・テツヤがミソ。
これほどゴツク描ける作者に脱帽です!(どおくまんかよ)
すね毛良いねぇ・・・眉毛も繋がりそう鼻毛の成長も早そうだ・・・体臭もキツ・・・
(-_-)←フラット顔
お相手の泉はハムスターのような可愛い天使。
そんな泉ちゃんの加虐心を煽るテツヤはBL至上最高のM受けになれるでしょう!
あ~、SM女王さやかちゃんが男だったらなぁ~!
【眠る男】
亡者との待ち合わせ(悲)。
思うように時間が止まったら良いのにな・・・
登場人物達、年下はわがままに突っ走り年上はズルさでかわす。
ソレを基本に裏や斜めや裏っ返しがある。
BL特有の、キレイや可愛いやキュンなんて何のその!
キャラ達の弱いところを暴いてナンボの国枝作品は、極上なイジワルクール目線です♪
Hシーン、熱や重さをズーンと感じます!マジ色っぽい❤
売り文句ばかりですね!はい、自分は私営クニエダ宣伝部・ヒラです!
先生へ。あとがきのご自身、もっと若く美しく描いて良いんですよーぅ♪
旧版単行本の『夏時間』と『ため息の温度』が収録された作品集。
持っているけど、どうなの?という方には大変気になる描き下ろしは、残念ながらあとがきのみでありました。
国枝作品が初めてという方には、とっつきやすい構成になっていたのではないでしょうか?
国枝作品って、ブラック国枝とホワイト国枝があって、時々グレー国枝もある。
そう言った意味で、それらが網羅された大変にバラエティ度の高い一冊になったと思います。
これでカプリングが『いつか~』だとブラック国枝が濃くなってとっつきにくかったかも?なので(それはそれでいいのでけどね♪)
表題『夏時間』はどちらかというとブラックな国枝作品のほう
亡くなった母親が持っていた未投函の手紙の宛先を尋ねる主人公。
そこにいた宛名の男性と母親の関係を知りたいと願う主人公はひょっとして本当の父親ではないかという気持ちを少しでも持ってはいなかっただろうか?
忘れる為に関係を持つ、売り言葉に買い言葉なたった一度の交わりは、一生忘れられない記憶となるのです。
そして『呪』において主人公のその後の一場面が・・・
これと真逆の吃驚ユーモアな作品が麗人初登場作品の『神さまの言うとおり』
これはその次の『Sweet Little Devil』に続くのですが、あのブ漫画「めぐりあいコスモ」の世界に近いお笑い系なんだと思いますwww
ここで、実はさやかちゃんに全部おいしいとこ持ってかれたと思うのです(笑)
背が小さくてモテないのがコンプレックスの大学生と、心は乙女なのにいかついのがコンプレックスの大学生のお話です♪
国枝作品によくある受け子ちゃんの特徴が出てるのが『ため息の温度』と『BLIND』からの3連作。
ちょっと美人でつんとして、気持ちを隠す意地っ張り。
攻めがその度合いに差はあれど、ワンコな気質の組み合わせ。
『ため息~』のほうが切なさ度合いは大きいが、めげない年下ワンコが頑張るもう一方はユーモアもあって、ホワイト国枝の典型みたいな展開かもしれませんね。
『眠る男』は切ないホラーといいますか、でも全然怖くない
感動系のお話です。
実は、昔大量大人買いをした中にこの国枝作品がありまして、まだ良さが全くわかってない頃だったので、『いつか冷たい雨が』と一緒にさよならしてしまい、後になって後悔した本でしたので、新装版で、若干1作品掲載がないのでそれがさみしいですが、それでも再び手にできたことが嬉しい一冊となりました。