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tabun ai darou
久々に読み返して、レビューを残したくなりました。
化粧品会社で企画をしている菊池は商品開発主任の神谷が苦手。
男が好き、でもそれが実際にどういうことなのかよく分からないという状態でずっとくすぶっている菊池にとって、会社の飲み会であっけらかんと「好き」と言った神谷の神経が理解できないからなのですが、神谷がじわじわ出してくるスパダリ感がたまりません。
落ち込んだ様子の菊池が気になって仕方ない神谷が社食で1日ごとに距離を詰めてくるシーンが大好きです。
あの3コマが見たいがために何度も読み返しているくらいツボ。
菊池の方は「女性とはうまく付き合えない」→「男の方が好き」までは自分の中で受け入れたものの、実際に誰かと付き合ったことはなくて、学生時代に告白されてフったものの親友でいてくれている俊晴がバーテンをするバーによなよな通っています。
ここの関係がもう。
俊晴からしたら菊池は一度フラれたものの、友人でいることで関係を繋げていきたい相手。
ふつうであれば顔を見るのもつらいであろう立ち位置なのにすごく健気に思えます。
そんな俊晴にもバーのマスターという気になる相手ができて、菊池はその恋を応援しているものの、次第に自分の気持ちにはっきり気付いてしまう。
一度はフった相手がその後もいつもそばにいてくれて、切っても切れない間柄になっていたら、気持ちも変わってくるわけで。
ただ時間と共に相手の気持ちも変わっていくから人間関係って難しい。
大人になると学生時代のような気兼ねのない友人ってなかなかできにくいし、それだけに余計に甘酸っぱくも苦くもあった青春の日々を共に過ごした友人はかけがえのない存在になるわけで、菊池が自覚した気持ちと俊晴が抱えてきた思いと神谷が菊池に感じている気持ちは全部別物なんですよね。
大切な存在だからまるごと欲しくなる気持ち。
ずっとそばにいて、ずっと好きだったから、その「好き」が情に変わってほぼ習慣のようになっている気持ち。
ただ「好き。一緒にいたい」という気持ち。
「好き」にもいろいろあるなと。
そんなわけでこの作品、菊池を「愛おしい」と思えるかどうかで評価が変わってくると思います。
一度フった相手に別の好きな人ができたら「やっぱり好き」って言い出す。
こういう人って実社会でもよくいるけれど、なんだろう、そういう「わたしのことを好きになった人はずーっとわたしを好きでいてくれなきゃイヤ!」っていうお姫様タイプじゃないんです。
簡単に言うと「タイミングが合わなかっただけ」。
俊晴が好きになって告白したときには気付けなかった気持ちに気付くのが遅かったというよりは、単純に告白後の俊晴を好きになったんだろうな、と。
でも「人を好きになる」こと自体がよく分かっていないがために自分でもよく分かっていないし、そのせいで相手のことを考えていないような行動に出てしまったりする。
不器用というか無自覚な稚拙さというか。
菊池のそういう拙い部分が愛おしく思えたので結構萌えました。
長々と書き連ねましたが、萌2評価の大部分は神谷なんですけどね。
綺麗系イケメン神谷の扱いが完全にコメディで、こういういじり方、好きです。
社食の神谷を見てほしいので、古い作品ですが、機会があったらぜひ読んでみてください。
読み終わってこの本に付いた山田ユギ氏の推薦帯を見ると、「そんな無体なー!」と大爆笑してしまうに違いない♪
しかしながら、内容のほうは結構シリアス切なめに ”男を好きになる” ということがよくわからないためにで翻弄し、翻弄される三角関係が描かれていました。
実はルカさんの作品は「パパの恋人」以来見るのは2冊目なのですが、その時短編はもったいない、もう少し連作で読んでみたいと書いた希望はかなったわけです。
・・・で、どうだったかというと。
まるで小説のコミカライズを想像させる作りになってました。
きっと細かくプロットをたてて設定がされて、そして漫画に落とし込んでいるのかな?
そんな印象を受けます。
漫画で表現される心情とセリフに全てがダイレクトでわかるのではなくて、その前後だったり、途中で挿入されるエピソードだったり、それらをつなぎ合わせて、その時の感情を読み解くという作業が多少自分の中で必要になったので、小説っぽさを感じたのだと思います。
お話としては、化粧品会社の企画室に勤める菊池が、社内飲み会の席で開発の神谷に「好きやわー」と言われて苦手に思ってるという会社内での人間関係が発端。
そしてプライベートでは、大学時代の親友・俊晴に自分がゲイであることを認識させられ、告白されたのだが振ってしまい、それでも良い友人関係を築いてきていたはずなのに、神谷の事があり、自分が一体誰が好きで、「好きになる」ということがどういうことかよくわからなくなって、神谷と俊晴の二人が翻弄されながら、菊池が本当の恋愛を見つけるといったお話になっておりました。
菊池の心の決めてに、これ、といった大きなわかりやすいものがあるわけでなく、二人の男に揺れ動きながら決まっていくという展開に思えたので、中々難しい展開の路を選んだなーと思わずw
俊晴と菊池は、過去があった分、結びつきが強くなにげに依存というか執着があったのかな?と思われます。
だからこそ、恋愛がわかりづらい。
自分の事を誰よりも知っている人が傍にいる、しかも自分がゲイの傾向がある(といっても女性とエッチができないというくらいではないのか?とも思うのだが)と認識しているので、ましてや以前辛い思いをさせてしまったことが多少なりとも負い目みたいに思う部分もあるでしょうから、結構複雑なのかも?
対して神谷ですが、彼も最初は「好き」というのは挨拶だったというのです。
これって菊池が意識しすぎたんですね(笑)
でも、そんな勘違いがわかって、仕事を一緒にやって成功して、その中で徐々に菊池のかわいいところが見えてきて、本気になっていく。
この神谷が、普段京都弁(?)で一見天然風な雰囲気を見せているのが、いざとなるときちんと男前だったりするところのギャップがちょっといい感じです。
結局のところ、神谷×菊池で落ち着いたのですが、俊晴には彼を見守り続けてくれていたバーのマスターの存在が。。。
Lapse.Time Lapseで、これからが見えるような気がしますが、マスターなんとなく俊晴に対しては攻めにみえるんだよねwww
一体?
そして、描き下ろしのモニターで、実験台にされたマスター、、、見せてくれよ!きっとドラァグクイーンみたいになったんだと思うんだけど(爆!)
同時収録の『瞳の先に』は大学の弓道部の同期のお話でした。
これ、すごく絵がユギさんの絵ににてるんですよ♪ひょっとしてユギ氏どこかで描いてないか?と思ったくらいw
多分菊池の性格設定が好き嫌いの分かれ目かな?という気がします。
萌え萌えには一歩及ばず。
表題作シリーズの他に短編が1作品収録されています。
表題作は4話から成っていて、あとがきによるとこのくらいの長さの作品を描かれるのは初めてで苦労もあったという事ですが、読み手としてはそういう事は全く感じませんでした。
揺れ動くあゆむと俊晴のおかげでなかなか良い三角関係(四角関係?)のお話になっていると思います。
実は個人的にはあゆむのような自分の気持ちが分からなくてフラフラするタイプはあまり好きでないのですが、最終的にはきっちり答えを出したし、良かったと思います。
京都弁で普段も天然っぽい神谷さんが、大事な所でとても男前で、この作品中一番カッコよかったです(笑)。
切ない中にもコミカルなところが随所にあって、思わずクスッと笑いも出てしまう作品です。
同時収録は大学生が主人公で弓道部が舞台です。
爽やかな印象を残す作品でした。