死者の魂を迎え入れる門には番人が二人。互いに想い合いながらも、決して触れ合うことのできないふたりだったが…?

死生獄門

shiseigokumon

死生獄門
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×213
  • 萌7
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
12
得点
100
評価数
27
平均
3.8 / 5
神率
18.5%
著者
琥狗ハヤテ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784796402033

あらすじ

ひとであれば、これを「恋」とよぶのだろうか。死者の魂を冥府へと迎え入れる扉――その名は『死生獄門』。門の表と裏には、番人がひとりずつ。黒の牛頭と白の馬頭。相見えることができるのは、門が開くごくわずかな時間のみ。――闇に染まりゆく牛頭に触れたい。――白く美しい馬頭を汚したくない。互いに想い合いながらも、決して触れることは許されないふたり。近くて……何よりも遠い。その想いの行きつく先は――。

収録作:死生獄門/ウィズ・プリンス/フェーン/夜の星の恩返し/描き下ろし

表題作死生獄門

死の国「死生獄門」の門番
死の国「死生獄門」の門番

同時収録作品ウィズ・プリンス

王子の教育係・45歳、騎士長
王子(領主の三男)・19歳

同時収録作品フェーン

日本縦断「山脈」
ユーラシアの風

同時収録作品夜の星の恩返し

庭師
ホスト

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数12

人外、騎士、擬人化、オヤジ

2012年発表の短編集。

「死生獄門」
表題作は、死んだ者が冥府に入る時に通る門の門番たちのお話です。
表の白い門は美しい白い馬・馬頭(めず)が。
裏の黒い門は黒き牛・牛頭(ごず)が。
それぞれ守っている。
1日に一回。白骨の馬車に乗ってやってくる魂たちを迎える時、門が開く。
そこで短く言葉を交わす2人だが…
…と、非常に幻想的な物語。
2人は一対で生まれ出た、いわば双子。しかし今は門の表裏に隔てられ触れることはできない、だが馬頭の想いは募り…
これは人外でもあり、「門」の哲学的にも思える擬人化のようでもあり。
ついに2人が抱き合った後、今度は…
そうか、2人はこれを永遠に繰り返しているのかも。

「ウィズ・プリンス」
中世北欧のある国で。
騎士・コンラッドは第3王子・ハルの剣の教育係を命じられるが…?
コンラッド(中年)は王子が可愛い、王子はコンラッドに憧れる、2人の過ごす時間にどこかキワどい空気が!
前半は描き方としてコンラッドのエロ妄想が入っていてちょっとコミカルなテイストで進みますが、後半は戦に怯えるハルにコンラッドが騎士らしく永遠の愛を誓う真面目展開に変化する感じ。

「フェーン」
これ…初めて読んだ時芯から驚きました…
というのは、本作の擬人化は、日本列島(の山脈)と、ユーラシアからの風のBLなのです。なんとスケールのデカい…!
山脈・ジャバルと風・リーフ。2人が日本列島上空でイチャついたら…
フェーン現象で下界はめっちゃアツいよ!というお話。
このスケールの大きさ最高!

「夜の星の恩返し」
オヤジの魅力BL。
オヤジ・蔵小路x若いホストのジュンヤ(本名・実)のカップリング。
蔵小路さんの包容力!
実がよろめいちゃうのは必然でしょうか?
蔵小路さんは娘もいるノンケのはずだけど…色々フリーダム。

表題の「死生獄門」、「フェーン」が素晴らしくて「萌x2」。

1

短編集

人外あるいは擬人化の短編集。
短編だけにストーリーはありがちですが、かわいいおじさんたちを楽しむ作品集。

表題作は、馬頭と牛頭で白と黒、汚れを知らぬものと汚れを吸い取るものの対比。生まれたときは同じだったが、それぞれに反対の役割を担うことになった二人。いつも門が開く短い間しか会うことが出来ない。しかしお互いを思う気持ちは強く、ついに門を超えて結ばれる。汚れは白の馬頭に移って、白と黒が逆に。しかしハッピーな二人。

その他、件の指南役である40のコンラッドと19のかわいい王子の話や、いつも動かない山と慌ただしく飛び回る風のカップルなど。

最後は普通の人間同士で、植木やのむっきむきおじさんとイケメンホストのかわいいお話。

ムキムキおじさんの魅力が詰まった短編集でした。

1

バラエティに富んだ1冊

4つのお話が入っています。
人外、外国、擬人化、現代と色んな琥狗ハヤテさんが読めて楽しい1冊です。
トーンも切ないものから笑っちゃうものまで色々入っています。
途中ちょいちょい腐女子なハヤテさんが顔を出してくる(キャラが妄想で暴走してたり、萌萌言ってたりする)のと、ストーリー展開の妙なBL感(お約束感)が気になって、読んでて気を削がれるので、そこを★1つマイナスしますが、萌度的には「萌×2」、分かりやすい萌えがバラエティ豊かに詰まってます!

『死生獄門』
死者が通る門扉を「表」と「裏」で護る「白」と「黒」の門番のお話。
これはもう世界観がまず好き!
そして私が大好きな、文字通り「表裏一体」を描いたお話。
それ故にお約束的なBL展開であっさり終わってしまうのが勿体なさ過ぎます(T_T)
これで1冊描いて欲しかった〜〜〜!

門の表側を護る白い馬の〔馬頭(めず)〕は真っ白で汚れなき美しい姿。
対して、裏側を護る黒い牛の〔牛頭(ごず)〕は、死者が落としていく魂の汚れに染まり真っ黒。
牛頭の汚れは一瞬でも触ると移ってしまうので、2人は触れ合うことすら出来ません。
設定からして切なさ漂うお話なのですが、そこはBL、ちゃんとハッピーエンドです。

『ウィズ・プリンス』
王子の教育係を任された剣士(おっさん)の話。
琥狗ハヤテさんの絵でこのストーリーは反則です!
破廉恥な妄想で暴走するおっさんがアホかわい過ぎて…w
ストーリーも何もありませんので、頭を空っぽにして読むが吉。
ラストは綺麗にまとまりました。

『フェーン』
山と風の擬人化です。フェーン現象です!
萌えました。
フェーン現象…そうか…それで起こるのか…(笑)

『夜の星の恩返し』
日本が舞台で、尚且つハヤテさんの作品ではあまり見ない現代モノです。
ホストと植木職人のお話。
この植木職人が、女子もゲイもみんな惚れちゃう感じの職人気質な男前を絵にしたような色男で!
いいよね、職人さん。
ホスト君が萌え萌え言っちゃうのもまぁしょうがない。
愛を囁くのが仕事のホストすらをも殺す殺し文句を臆面もなくすらすら言っちゃう、ホスト殺しの素敵ダンディに萌でした。

2

魅力的なオヤジ

作家買いしている、琥狗ハヤテさん。
琥狗さんの描かれるモフモフやファンタジーが好きなんですが、今回は現代ものが一番好きです。

『夜の星の恩返し』
蔵小路の大人の魅力にやられます。1日ホストの時なんて、私も一緒にキュンキュンしました。ホント、ホストの素質は、バッチリだと思います。そして、ホストなのにそんな蔵小路にキュンキュンさせられてる実が可愛いんです。エッチシーンはないけど、キスシーンだけでも萌えます。

 
『フェーン』も面白かったです。風と山の擬人化に萌えました。フェーン現象が、二人のイチャイチャしたせいだと思ったら、ニヤニヤしそうです(笑)

4

馬と角と異国衣装。

ともかく絵が好きな作家さん。
毎回、ザ・創作!!というオリジナリティの強いキャラクターが大変魅力的です!!
ストーリー展開は割りと単純で、最近はエロスも少なめですが、独特のファンタジーっぷりと、卓越した画力で楽しませてくれるお方です。

「今回の衣装もオシャレだ~~!」とか、「馬の鬣が美しい…!!」とか、「褐色の肌にこの筋肉……オスの匂いがするイイ男がいっぱいじゃ~~!」とか…画集を眺めるように見入っておりました。

和物ファンタジー、洋物ファンタジー、擬人化ファンタジーにラスト現代モノ、というバラエティパックの4本立てです。

■死生獄門
表題作。
けして交わることの表裏の関係での恋愛物といえば、あじあ先生の『百いろどうぐばこ』を思い出しますが、コチラはもう少し甘めのお話でした。
ファンタジーを楽しむコツは深く考えないこと。
どういうカラクリなのか理屈で考えるなんて無粋なまねはしないことです。
魂で感じろ!もしくは雰囲気で悟れ!
……ってことですよね!きっと。
何はともあれ、ふたりが納得できる結末でよかった。

■ウィズ・プリンス
剣の指南役(おっさん)×王子の洋物ファンタジー。
歳の差萌~~~vv
おもに、王子の剣の教育係を頼まれたおっさんが意外に積極的な王子とイチャコラする妄想をする話。
ページの大部分が妄想っていう斬新な構成。
ま、実際の王子もまんざらじゃないんだけどね。
最終的に、初陣を果たしたものの戦場の惨さに心を痛める王子を慰め、心も身体もつながるので、妄想だけのコメディでは終わらない。

■フェーン
いままでなかったパターンの擬人化。
山×風。
ついに自然が擬人化されました!
ユーラシア大陸からくる風が山にぶつかって山の西側で雨が降り、東側で気温が上がり乾燥するというフェーン現象を、まさか擬人化する人が現れようとは…誰が想像したでしょう!笑
こんなことができるのも、こんなことを楽しめるのおそらく日本人だけでしょう!!
日本人の感性ってすごい!
日本のオタク文化ってすごい!
ただ、台風は南の海で発生する熱帯低気圧によるので、たぶんフェーンくんには作れないけど…と細かいツッコミをしつつ、擬人化に選んだ対象の斬新さと、擬人化された『山』が角あり和装ありで非常にカッコイイためなかなかツボだった作品。

■夜の星の恩返し
琥狗さんには珍しい現代モノでした。エロなし。
肉体派の庭師のおっさん×田舎出のホスト(一応トップ成績)
おっさんの天然タラシっぷりがめっちゃカッコイイ。
故あっておっさんが一日だけホストをする際に、女子に混じって受が「はわわわぁぁ…!」ってめろんめろんになってるのがちょーかわいいですvv(+´ェ`+)
見た目チャラいけど誠実で健気な受ってすき。
続きがきになるふたりでした。

全体的にストーリーはシンプルです。
変に意地の悪いキャラとか性格にクセがあるキャラが出てこないので、キャラの言動もある程度読めるし、想定内の流れで進むため、じゃっかん物足りなさがるのは事実。
ただ、琥狗さん独特の世界観とかイラストが十分魅力的なので個人的には楽しめました(*´▽`o)o゛♪

《個人的 好感度》
★★★・・ :ストーリー
★・・・・ :エロス
★★★・・ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

4

フェ~ン現象

萌えた。
頭が瞬間湯沸かし器ですよ。
ポーーーーッとなりました。
これはすごい擬人化だった。
フェーン現象でまさかのまさかですよ!
山脈と風。
ぶつかりあった場所でSEX!!
シビレルわぁ~。
こんなん台風くるたびに 妄想の嵐ですよっ!
汗ばむわあ・・・・・。
もうオヤジと美人が絡み合うって!
ぎゃああああああああああああああ!!
私 発狂しています。
短編でこんなに萌えれるなんて!
なんて素晴らしい。
天気まで妄想・・・。
絶対してしまう! 私 大丈夫かなあ。

5

白と黒、裏と表

この手の話を書かせた右に出るものは居ないんじゃないかと
ちょっと思ってしまう(*´∀`*)
面白かったです。なんだかんだで、琥狗さん、ハズサナイよね。
表題作「死生獄門」
表裏一体というやつですね。
裏と表、同じものなのに決して交わることがない。
お互いが好きあっているのに、会えるのは門が開いた少しの時間のみ
触れあえば侵食される。
汚したくないが故に触れられないもどかしさ。
ギュっと凝縮された作りに思わず感嘆の息がもれました。
こらえきれず触れた二人。結局のところどうなの?
その後~・・・・何か通じるものを得た顔に見えた故に
胸の中はスッキリはするのだけれど、なんだか凄く考えてしまう作品でした。

他短編。
どれも面白い作品でした。
巻末の、ホストと~な話。これもまたね。
一番のスケコマシは無意識な=なオチがまた面白かった。
や、うん。好きだよw好きだよ。好きなんだよw
お父さんエロイです(ノ)ェ(ヾ)ギュム

2

角に萌える

琥狗さんのこのご本は、擬人化、中世、現代物と、バラエティに富んだ詰めあわせ。
表題作の「死生獄門」意外は、どの作品にもガッシリしたおじさんが登場。

おじさんのおっぱい、いいよね。

琥狗さんの描かれる、厚みのしっかりした肉体は、思わずすりすりしたくなっちゃう。
それも、これ見よがしに、むき出しにしてないで、豪奢なコスチュームに包まれているところが、特に燃える!
布の下に手を入れて、あとはちょっとの擬音だけなのに、めちゃエロいよ!
一応、一番露出しているのは、馬頭ちゃんの尻尾の付け根をむき出しにしての一人ハァハァだけど、それも修整が必要になるような物は描いていないのに、とってもエロい。

それにしても、琥狗さんのキャラって、角があるのがナチュラルで、角無しの人間だと物足りなくなるの、
おでこ、狭いからかな?

この本でも、後書きやカバーの折り返し、カバー下の裏表紙などにちびっ子化した登場キャラが描かれています。
このSDキャラの完成度が、また、素晴らしい。
このままガチャポンのマスコットにできそう。

2

やっぱりファンタジー!

色ものというと失礼なのか?現代劇よりもファンタジー要素のあるお話を描かれている琥狗さんの作品が大好きです。
絵柄?それとも今まで発表された話のイメージがなのかな?

表題作『死生獄門』では死者を迎える門番牛頭と馬頭の話。
門の外と内、表と裏、白と黒、相反するふたりは元々一対の存在として生まれ。けれど、門の内側にいる牛頭は黒く染まり、門の外側にいる馬頭は白いままで。
門が開くわずかな時間だけ会えるふたりが切ない。気持ちを明かさず飲みこんでいるふたりが切ない。
ある時お互いの指先が触れてしまい、真っ白な馬頭の指先が黒く染まってしまい・・・それがきっかけで押さえていた感情が一気に噴き出し、お互いがお互いを抱きしめ合う。絡み合うふたりがなんとも言えません。
最後はお互いの黒と白が入れ替わっている場面で終わっている。
抱き合う度に入れ替わるのか?そうであれば∞に続くのだろうな。表裏一体、表は裏にもなり裏は表にもなるというお話なんでしょうか。

『ウィズ・プリンス』強面な騎士と弱ちょろそうな王子の主従愛。
これも面白可笑しかったです。なんというか最初から最後まで数話の間で繰り広げられる緩急が物凄い落差。騎士の王子をカッコ良く押し倒してあれやこれや~というシーンが実は妄想で、現実と妄想が行ったり来たり。コミカルな部分を前面に押し出していくのかと思えば、まさかのシリアスエンド!そう来たかーと思いました。
ついでに、弱ちょろ王子は実は騎士のお尻を狙っていましたとさ!と。さてどうなることやら?ですね。

『フェーン』これが堪らなく可笑しかった。
動くことが出来ない山脈×大陸を渡るユーラシアの風 なんという擬人化!
面白かった。
山脈がおおらかで風がツンデレとか、発想が面白い。
動けない山脈に、風がドーンと体当たりしたのが出会い。風は山脈の緑の良い香りに無意識にくんくん・すりすり・・・で我に返ってまたツン!とそっぽを向いたり。
ツンデレな風をおおらかに受け止める山脈の包容力が素敵。
そして・・・ふたり(?)がいちゃつくとフェーン現象がおこるとか!?
ちょっと迷惑、でもそう妄想すれば暑さもちょっとは和らぐ気がする?
いや、そんなことはない!むしろいちゃいちゃしやがってってイラっとするかもしれない。

珍しくファンタジー要素皆無の『夜の星の恩返し』は無意識に包容力抜群のオヤジ×ホストの話です。
こちらはドラで読みました。そうかコミックに収録されたって事は続編は期待できないかーとちょっと残念。
豪快というか、何事にも揺るがなさそうなオヤジがカッコよくて眩しい。結構な売れっ子なのに、オヤジに対してはすぐにきゅーんとしちゃったりおぶおぶしているホスト受けが可愛いです。

4

計算された感性の作品に思える

ファンタジー系で大好物のケモノ耳をよく書いてくださる作者様の新作は
牛さんと馬さんの「死生獄門」を護るお話なのですが・・・スンゴイです!!
ことごとく予想を裏切る斬新な発想と言うか、感性と言うか!
どんだけお買い得なコミックスなんだろうと思える作品で満足度満点でした。

表題のストーリーは対で生まれたもので、門の表と裏、そうです表裏一対を体現した
作品で、かなり惹きこまれるし、不思議な感動と温かい思いが溢れる作品でしたよ!

ウィズ・プリンス が、1番連続した物語性のある作品ですが、攻め様役の
騎士長と第三王子のお話ですが、騎士長のコミカル妄想がさく裂したかと思えば
王子から貞操を狙われる危機感を抱くオチがあったり、そうかと思えばシリアスに
守れる約束が真摯に語られていたりと、人間の多様な感情の一片を堪能できる話で
この作者の幅広い感性を堪能出来る。

フェーン は・・・なんとそっかっ!!なんてニンマリしちゃう展開で
擬人化もここまで来ると神業だと思えるんですよね。
夜の星の恩返し は、
シブイ職人の親父とホストの話なんですが、このオヤジがなんとも素敵なんです。
天然タラシでホストなんて目じゃないですよ~~
親父に萌えをあまり感じない私でも萌え萌えでどっぷりハマらせて頂きました♪
最高至高のお気に入りの1冊になりました。
書いてくれたありがとう!ってファンレター書きたいくらいです!!

3

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