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iro kaneru
玄椿に引き続き、日本の文化を取り入れたお話です。
最近は続きものが多かったので、こうして新作を読めるのは嬉しい。
酒場で大和騒ぎをしている、同じ一門の名家で歌舞伎役者であほぼん兄弟子に注意したところ、突き飛ばされ気を失ってしまった緋世。
そんな彼を助けたのが諒一郎。
初め諒一郎は緋世のことを女の子だと思っていて・・・
手当して驚いた「男の子か!」という感じで話が始まっていきます。
舞台に穴をあけてしまったために破門されてしまった緋世は、助けてくれた諒一郎を伴って訪れたのが古巣の陰間茶屋で・・・
緋世がまだ初々しくというか、瑞々しい青い果実な雰囲気なのですね、花は咲いているが大輪ではない。
清楚で小さな花のような雰囲気。
大人の男ではない、けれど少年と言うには少し年齢が上がっている。
青年というにはお嬢さん過ぎて。
歌舞伎の女形、そして陰間茶屋出身という事も有り、初心そうだけど色ごとにも長けている。
なかなかどうして、ちょろそうなキャラに見えるのだけど、今後の展開次第でどうなることやら。
攻めと言っていいのかなぁ?情人とかパトロンとかという言い方の方がしっくりきますが、敢えて攻めと表現します・・・諒一郎は男らしい容姿に、がっしりした体形腕っ節も強く、加えて資産家の出です。
緋世を伴い名古屋に帰郷した諒一郎。
そこから緋世の快進撃が始まり出します。無双状態になるのか?と思いきや結構内向的?違うな・・・考えるよう利先に体が動くというタイプよりは考えて沈むタイプ?
自分の今後、踊りや歌舞伎の世界での自分。
住む世界が違い過ぎる諒一郎と自分の関係。
あくまで諒一郎はパトロンで本気になるな、と他者に言われてしまったことで深く考え込む恋情の気持ち。
寂しいという気持ちを素直に出し、好きな人に言われたことを一心に励む、健気な部分もありと庇護欲をそそられます。
しかし河惣さんの作品はそういう雰囲気の登場人物が花開く、もしくはハッとさせられるような毒を持ち始めると、結構厄介なキャラクターになっていく気がする。
そうなると、もう主人公が全ての上にたーつ!という風になるので、そういう展開だけにはならないでほしい。
それこそ『玄椿』の胡蝶のように、ならなければいいなぁと思うのでした。
そろそろ女性が主人公の大河ロマンス的なお話が読みたいです、先生!