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tsumasaki ni kourozu
素晴らしく細密で繊細に描かれる絵に参りました。
拡がる菌糸の世界。雑木林の中、倒木の茸たち、木の葉の上の幼虫、雨の滴。(爪先に光路図)
電車の中、居眠りする人たちのまわりで揺らめく熱帯魚。(さかなの体温)
ふさふさの尻尾と耳。(八月、夏の底)
どの作品もうつくしかったですが、特に最後の「八月、夏の底」。
自分内でここしばらく続いた、ケモ耳ファンタジー強化週間の最後を飾るにふさわしい。
リアル動物としては、狸より狐の方が、それも子狐の可愛さは抜群ですが、この作品に登場するコウの寝姿といったら、もう、実にかわいい。
全編通じて、性的な描写は皆無ですが、この絵で、このストーリーなら、キスだけで充分。
寧ろ、それ以上はして欲しくない。
絵が、本当に隅々まで美しかったので「神」で。
正直最初は表紙に惹かれて購入ですが…
大当たりです、久々にお気に入りの作家さん登場vv
3作品入ってましたが、どのお話もゆったりと流れるような
2人の雰囲気が良いvv
エロは一切無いんですが、それがまたマル○vv
本編の後日談もそれぞれ入ってるんだけど
相変わらずゆっくりとお互いを深めていってるだろう
雰囲気がお気に入りvv
漫画を読んでるんだけどイラストを見てる感じも好きだな~vv
葉書サイズのイラスト集みたいなの出してくれると
(そのまま葉書としても使えるヤツ)即買いしそう!!。
誰かに送りたくなる。そして自分も保存用に購入する。
まず目を奪われたのは背景の書き込みの丁寧さです。
芸術的とも思える菌糸や動植物の描き方が素晴らしいです。
また、黒と白の使い方が大変私好みでした。
丁寧に細かく描かれたビジュアルアートの世界を堪能できます。
絵だけですでに神評価です。
表題作の内容は実に地味な内容で、全ての地味BL好きに贈りたい作品です。
大学の先生と助手の、二人の交流を丁寧に描いていらっしゃいました。
私自身はこういう地味なものも非常に好きなのでグっとくるものがありました。
例えば菌糸の話などは自分の好きなお話でもあります。
キノコに関する文庫本を持っているくらいなので(笑)
また、他の作品もファンタジックなお話で、非常に好きなお話ばかりでした。
こちらの作品はビジュアル面の完成度が高いので、このような書き込みの細かい絵がお好きな人にはお勧めの一冊です。
また、内容も地味でファンタジックなものがお好きなかたには向いていると思いました。
性描写は一切ないので、そうした描写を好むかたには残念ながら楽しめない内容かと思います。
はじめまして、こんにちは♪
井上佐藤さんの絵が好きとおっしゃる咲人さんが、
素晴らしい絵とおっしゃるこちらの本、
しかも最初のレビューに選ばれた一冊、すごく興味が出てます!
どれくらい地味なのかも気になるところw
探して読んでみようと思います、ありがとうございましたm(_ _)m
美しい自然の表現の数々に、感嘆のため息をこぼし。
短文のような、会話と、空間描写。
読み終わったあとに、1ページを見下ろすと出てくる、幻想陰影。
(白黒具合が、モノクロ写真のソレを言い表しているような)
零された、受け止めるには儚い想いの数々。
もし、あなたが、国立科学博物館がお好きなら、
わたしは、この作品を、おおいに薦めます。
表題作はキノコ好きにはたまらない作品で、
「さかなの温度」は幻想好きな大人が見がちな夢世界です。
「八月、夏の底」は
ものすごく、亡くなった人に想う感情が救われた物語でした。
物語の合間に描かれている、切手がまた、幻想的で美しいです。
ノンブルのとなりにちょこんと描かれているものや、
カバー下の標本、ものすごくいい味で素敵です。
美しい表紙だと思ってはいたのだが、初めて手に取ってページをめくり
口絵を見た途端に、心奪われた。
岩井は、大学の教授に紹介されて、
アルバイトでとある研究者の助手を務めることになる。
田舎の研究所で研究に没頭する、変わった研究者・室田。
最初はとっつきにくく感じていた室田に惹かれて行く岩井。
山でのフィールドワーク、自然の中、
ほぼ二人だけの世界がゆるやかに進んでいく。
自然は美しく、妖しく、そして魅惑的だ。
それらは人の世界のメタファー、
恋も愛も自然の中では細密画の一部だ。
地中不覚菌糸をはびこらせながら、ほんの僅かしか地表に現れない茸、
それは心の中深くいつの間にか取り去りがたく根を張った、岩井の想いだ。
表題作の他、ファンタジックな短編が2編。
いずれも生き物が出て来るが、可愛い明るいイメージではなく
生き物の持つ仄暗さや不思議さが感じられる作風。
「さかなの体温」は、高校生同士のピュアな恋物語だが
眠っている間に人の中から抜け出す魚という象徴が興味深く、
独特の浮遊感を醸し出す作品。
人を中心としたストーリーはある意味ありきたり。
生々しい感動を求めると肩すかしを喰うが、
もっと遠くから眺めるような、あるいはもっと微細な世界を覗くような
そんな不思議な面白さと美しさに満ちた一冊でした。
*光路図とは? ←知らなかったので、調べてみた!
物体上の1点から出た光がレンズ系を通過していく様子を表した図。
この図によって各レンズの働きを知ることができます。
気に入った本は何度も読む方ですが、一番多いのはこちらかもしれません。
何度読んでも飽きないし、絵を見ているだけでも心が落ち着きます。
雑貨屋さんに何時間でもいられる感覚に近いかも。
以下ネタバレまじりの感想です。
「爪先に光路図」
前中後編なので読み応えあります。
素直な岩井くんと寡黙で不器用な室田さんの組み合わせがとても良くて、お互いが恋愛感情を抱く過程も自然です。軽いキスまでなんですけど絵が美しい為十分満たされました。
また、森の植物や自然の精緻な描写にはただただ感動…詩的な岩井くんのモノローグとも合っていて神秘的です。
『残灯』という描き下ろしは女子目線。これは短いけどいい女子BLでした。岩井くんにほのかな恋心を抱いていた女性の目線です。
「さかなの体温」
人が眠りにつくと体から出てきて宙を泳ぐさかな…
さかなが宙を泳ぐシーンがとても美しくこれまた神秘的です。電車内で寄り添って寝てる子供達はさかな同士も仲良し、とか午後の授業中は居眠り者続出で沢山のさかなが泳いでいる、などの設定も面白い。
内容も恋心とさかなをうまく絡ませていて素敵な話です。
描き下ろしは数年後の2人。
「八月、夏の底」
タイトルがホラー風ですが、神様が出てくる話です。
こちらは動物のモフモフ好きには堪らなかったです。
中々のモフモフ尻尾でした。
人間の姿の時の髪の毛のボリューム感も意識されたのか凄くいいです。
おじいさんとの出会いはまるで昔話の様でしんみりホッコリ。
描き下ろしも少し打ち解けたコウが可愛くて、変身シーンも良かった。
なんだか神以外付けられませんでした。
これが「ボーイズラブ」なのかと問われれば
世に言う腐的なイメージとは外れると思います。
1ページごとにドキドキして
読み進めた文学作品の様な印象。
暑い夏の日、火照りとともに
綯い交ぜになってしまった恋心のような…
何とも不思議な胸の高揚を感じました。
一般的なBLに見られるように、
岩井は自分の恋心に気付いて悩み、
自己完結しようとするのだけれど、
BL鉄板エピソードである
「夢でその人を見る」というシーンでさえ、
まるで絵画作品のようで。
感想を断言できない、
どう表現していいかわからない、
とにかく静かな衝撃を感じてしまった。
そして、私は表題作【爪先に光路図】の
スピンオフ的ショート【残灯】が
とても印象に残りました。
BLにおける女性の存在は好ましくない
という方も多いとは思うのだけれど、
これはこの先輩の視点からだったからこそ
映えると言うか、美しく思えた。
たった7Pの中の大部分をしめる
室田と岩井のラブシーンは、
台詞など無いのにまるで映画の1シーンのように
幸せで鮮やかで。
そして切なさまで孕んでいるようでした。
ただ、女性視点ゆえ、地雷な人もいるかも。
他2作はファンタジー。
私は実はファンタジー設定が苦手な方なのですが、
ここまで既に世界観が出来ていると
もう苦手とか飛び越えます。
実際、映画でもファンタジーモノは
避けてるんですが、
ハリー○ッターだけは大丈夫だった私。
多分、違和感を感じさせないほどの
出来上がった空気があればそういう苦手意識って
飛び越えちゃうんだと思う。
(ハ○ーもあんだけ作り込まれた世界が
あったからかと←余談)
表題作と同じくらい、
【さかなの体温】も好みでした。
多くを語らず、謎を解き明かす気が無いのが
この作品の雰囲気を構築しているようで
とてもいい。
しかしレビューはしにくい。
行間を、絵間を読むような作品だから。
時が来ることがあれば読んでほしいというか。
文学作品を読むのが好きな方、
幼いころ、童話や神話の全集を
好んで読んでいた方、
一般的な様々なものにおいて
「丁寧な仕事」に魅かれてしまう方、
きっと蔵書に加えたくなると思います。
カバーや中扉のカラーは勿論なのですが、
カバー下の動植物や菌類の静物画は
ため息が出るほど美しい。
ページ番号の隣の小さなキー絵のひとつも
丁寧さを感じてため息が出る。
この方にしか描けない世界観なんだろう。
装丁・デザインも含めて、ここまでのブレなさが
清々しいほどに素晴らしい。
繊細な絵とお話を描かれる作家さんです。
多分好きなものが自分と近いので、毎回モチーフのどれもが素敵で。
ステラリウムと一緒に購入しましたが、どうもBLでファンタジーが苦手のようでこちらの方が好みでした。
緻密に描かれた植物がたまらないです。
多分、鉱石もお好きじゃないかと思っていたら、Cannaで連載していらっしゃるお話が鉱石絡みのようで、矢張り!と思ってしまいました。
描かれた二人の関係も、穏やかでこういうBLもいいものですね。
少年趣味とも違うのですが、初期の長野まゆみの雰囲気が好きな方はお好きな作家さんではないでしょうか。
木造校舎の夜の理科室なイメージです。
相変わらず、綺麗な命を描く方ですね。惚れ惚れします。
5つのお話が収録されています。
大きく分けて3篇。あと2つは「爪先に光路図」と「さかなの体温」の
違う目線から見た、短編になっています。
いやーもう個人的に最後の「八月、夏の底」がたまらなくて。
けもみみ、それ以前に狐さんが出てくるのが…やばい。
狐であることを「こう」も気づかれまいとしていたけど
おじいさんは知ってて「こう」と名づけたとことか。
心が温まる1作です。
涙ものでしたよ。