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futago no goshisokusama
この本の前半は時代物「華咲かせましょ」
分量的には、この作品が半分以上。
で、これを元ネタにした現代版が表題作。
なので、この本を最初から読み始めると、あらすじやカバー絵と全然違う物語が展開。
「華咲かせましょ」はちょっと切ない、シリアスなお家騒動話。
細かく隅々まで書き込まれた絵も、シリアスな展開に似合っている。
表題作はキャラクターの容姿や名前は「華咲かせましょ」と同じで時代は現代設定、お話の展開はちょっとギャグより。
やっぱり絵は、細かく隅々まで書き込まれている。
あまりにも、全身くまなく、きれいに書き込まれているので、表情がアップになったコマの印象が埋没しちゃって琉感じがちょっと残念。
「薔薇色エンペラー」でその描き込みの細かさに驚きつつ、エッチのない展開に新鮮さを覚えた作家さんの作品は、今回もエチなしで満足が得られる一冊でした。
白黒のコントラストのはっきりした絵は筆ペン使いらしいです(あとがきより)
表紙からは想像しにくいですが、とにかく美麗な絵なので、絵重視の方にはオススメしたいかな?
しかし、今回は双子もの!どっちがどっちなんだよ~とオロオロするほどに似ていて半ば判別は諦めましたwww
表題は、冒頭の時代モノのパラレル現代ものになっているので、その作品自体はしがらみや細かい設定云々はほとんど抜けています。
とにかく兄が、弟が、好きーーー!!というお話。
やんちゃな弟と、英才教育でアメリカへ行って滅多に会えない兄弟の、昔の約束が履行されるお話です。
ということで表題ではないですが、時代モノの『華咲かせましょ』が本編と思っていいかもです。
ある国の藩主である隻眼の泰柧にはその存在を秘密にして、爺の加藤と乳母の青梅しか知らない双子の弟の泰候がいる。
命を狙われる藩主の兄の影武者として、命を賭して守ろうとする弟の泰候。
しかし、兄も弟を守ろうとしており。
そんな深い深い兄弟愛が描かれるのです。
兄のほうが、どちらかというと、賢く思慮深く思いやり深く、
弟のほうがやんちゃで一途でちょっと子供っぽいかな?
しかし外見はそっくり!
二人ともが眼帯をしていると、ほんとう!どっちがどっちか見分けつかないー!!
兄が隻眼になった理由から互いが互いを守りたいと思いだした過去もあり、ちょっと暗く劇的な雰囲気をかもしているにも関わらず、ストーリーに流れる雰囲気は、基本明るく楽しく♪
爺の加藤とか乳母の青梅とか、お約束設定キャラですが、こういう人がいるから楽しいのよね。
そして忍の存在も登場少ないけど、愉快です(もっと彼等を知りたいよね♪)
主人公の双子、どちらが受け攻めか?それは読んだ人の想像に・・・w
すぐエッチになだれ込むのに飽き飽きしてる人には、却って新鮮で萌え心を刺激される作家さんだと思いますよ♪
ラスト1作は全くの現代の学園もの。
優等生の主人公は媚びてくる女子に辟易している。
そこで偶然出会ったケンカの強い金髪の女子(?)
ところが彼は学内で悪い噂が飛び交いつまはじき者にされている3年の先輩の男子だった!?
先輩の事情が少し切ないのだが、
主人公の優等生がこれまた臆病なガリ勉君じゃなくて、結構今どき風の男子高生。
先輩が罠にはめられていた事実を知って、相手に復讐をしてやるという、暴力でなく知的に解決するお話であるが、
この先輩が、ケンカする割に女子っぽいそのギャップが何だかかわいいぞ!
普通に戻った先輩と後輩のお付き合いを見てみたい気がするカプでした。