それから、……本格的な凌辱が始まった。

鬼畜

kichiku

鬼畜
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神58
  • 萌×222
  • 萌34
  • 中立24
  • しゅみじゃない30

--

レビュー数
55
得点
504
評価数
168
平均
3.3 / 5
神率
34.5%
著者
吉田珠姫 

作家さんの新作発表
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イラスト
相葉キョウコ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784576120072

あらすじ

家の中に悪魔がいる――。大学生の風間文人は育ての祖父母の死をきっかけに実家へ戻ることに。二つ年下の弟・達也は文人を歓迎するが、その異常なほどのはしゃぎように薄ら寒いものを覚える。成績優秀で見た目もよく、友だちも多いという達也。しかし文人への執着を露わにした達也は家という密室の中、逃げるすべを失った文人を風呂場でやすやすと犯す。実の弟に犯された屈辱に打ちひしがれる文人。しかし兄を精神的支配下に置いた達也の行為はエスカレートし……。

表題作鬼畜

東京に父母と住む弟,高校3年生
北陸に住む兄,大学2年生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数55

これは怖い。ただひたすら怖い。

こちらでのレビューや、某通販サイト、個人サイト様たちの感想を巡り歩いて、前々から読んでみたいとか思って思い切って読んだのですが...。
怖い。その一言です。
弟の幼児言葉が無理だった~という感想も見かけたことがあって、その時はそれぐらい恐怖を沸きたてる演出だと思えばどうということはない、と完全になめくさっていました。
で、読んでみた結果...気持ち悪かったです。幼児言葉もですが、もう最初から最後まで。弟は本当に頭のいい人間ですね。無邪気を装って(兄貴は若干気味悪がってますけど)、両親を上手く使って兄貴を追い込んでいく、サイコパスの鑑です。
兄貴が祖父母が事故死(実は事故死ではなく...真相を知ったときは震えました)したことによって弟の住む家に戻ってきたとき、何時間も前から兄貴が来るのを待っていた、という序盤のシーンからもうかっと飛ばしてくれちゃってます。汗だくになって兄貴の帰りを楽しみに待つ弟(18歳)。兄弟の何気ない一コマといえばそれまでですが...すでにここから微笑ましいを通り越した何かを感じました。
H系雑誌に兄貴の顔写真を貼りつけて部屋に置いてある、って、しかも親父もそれ見て守ってくれるとか言っといて実は兄貴のこと性的な目で見てて最後らへんでは一緒にやっちゃうし。もう最高です。カオスすぎて笑いました。笑うしかない。そうでもしないと最後まで読めません。

兄弟もの、無理やりが好きな私でもこれはマジモンだ...と思いました。
弟はもう鬼畜とかじゃないです。人として持っているはずのものを持たない、人の皮を被った化け物といっても間違いないです。
ガチすぎて引くレベルで、正直しゅみじゃないをつけたかったところですが、そのレベルが最後まで突き抜けていて、中途半端に甘々・イチャイチャ・ハッピーエンドになることなく、主軸である弟は狂ったままで、希望も救いもへったくれもないエンディングまで完走しきったことに敬意を表して神評価です。
初級者にはまず向かない作品だと思いますが、本物のサイコパスが見れる、マジキチ的な意味で突き抜けた数少ない作品の一つなのでそういう意味では読んで絶対損はしないと思います。

32

噂通りの“怪作”

最初、弟の子供じみた言葉遣いにどうしても慣れられなくて、「表と裏を使い分けて、本性あらわした後は普通の言葉遣いになってくれたらいいのに」と思っていましたが、だんだんそんなことどうでもよくなった。
なぜなら本作の問題の根幹はそんなところにはないからです。“弟が装っていた仮面の言葉遣いに慣れられない”など、瑣末な問題に過ぎない。

電車の中でのイチャイチャ強制、ウエディングドレスを着せての試着室セックス強制、そして幼児語強制……という怒涛のプレイ展開こそが本作の大きな問題なのですが。
すべてが、最初は嫌悪感なんてものではなく生理的拒否反応が起きる。
なのに、何故だろう……プレイレベルが上がっていくうちに、「前プレイの方がましだった」→「いやむしろ前プレイは萌える」という風に感じ方に変化が起きていくのは……。

強制的に萌えが引き起こされるのです。
どんどんハードな展開になっていくのを読み進めているうちに、読んでいるこっちの許容範囲(萌え範囲)もどんどん広がっていくのです。
なんだか萌え調教をされている気分でした。

ラストの、父との一件に萌えられた(萌えてしまった)時は、「完全に新しい扉を開けてしまったな」という、諦念のような、よくわからない達成感がありました。

他に類を見ない怪作。
色々思うところはあるのですが、特に一点「うーん、なるほど……」と思ったのは弟の執着に愛があまり見えなかったこと。
個人的に、鬼畜行為の背景にはやっぱり「好きで好きで仕方がないから、愛しているから貶めるんだ」という感情が欲しいなと思うのですが。
もちろん本作の弟も、受けである兄が好きだ好きだとは言う。けれど、そう発言する時はいつも兄を煙に巻いている時なので、いまいち本気度が見えない。
むしろラストの父との3P中の「ふーちゃん(受け)が僕たちを狂わせるんだよ。僕たちは被害者なんだ」「ふーちゃんは悪い子だから、素直に脚を開くいい子にしてあげるんだ」という発言の方が本音なのかな、と感じました。
けれど、幼少期から兄に執着していた弟の感情と考えるには、それもまた後付けの理由(口先だけの理由)で本音ではないように感じるので、やっぱり愛が見えづらいな……という印象。理性を失わせて快楽の虜囚にしたいのだということだけは、よくわかるんだけど。

そんなこんなで結局、最後まで弟は何を考えているのかいまいち読めないままだった。
「好かれているから、愛されているから執着されて酷いことをされているのだろうけれど、決定的な言葉がないので、攻めの本音が見えない」という不気味さは、たぶん本作中で受けが感じている恐怖と同じで。
奥底が見えない不安感を読者にも味合わせる。さすが吉田先生だなと思いました。

18

個人的な気持ちは「しゅみじゃない」

「攻めが受けを好きすぎて監禁」という設定のお話が最近好きなので、ずっと前から気になっていた吉田珠姫先生の「鬼畜」を購入しました。皆様の評価が様々なので読む前から覚悟をしていましたが、「弟攻め」「年下攻め」も好きなので、きっと萌えられるかも~!なんて安易に考えていました。

が…。

これは凄いです…。もう正に「鬼畜」そのものでした…。
鳥肌が立つし読んでいて吐き気も起こるほど。それぐらいに達也の文人に対する執着の仕方が異常でした。

嫁姑問題から父方の祖父母に引き取られ、幼い頃から家族と離れて田舎で暮らしてきた兄である文人。物語は、二十歳になった文人が東京で暮らすことになったところから始まります。祖父母が亡くなり、東京にやってきた文人を出迎えたのは、弟である達也で…。

始まりから達也の言動には鳥肌が立ちました。一人称も「僕」で、話し方は「○○だったんだよぉ~?」「○○しようねっ」等、18歳の青年には見えない話し方です。それがまた恐怖を煽るというか、なんとも言えない気味悪さを覚えます。

いやぁ…こんなに後味が悪い作品は初めてかもしれません。逃げ道は全て奪い、文人を追い詰めていく達也。今まで沢山の攻めキャラを見てきましたが、ここまで徹底しているというか、狂っている攻めキャラは初めてでした。
好き嫌い分かれる作品だろうな~。私はちょっともう読めない…。後味が悪いというか、精神的ダメージを受けるというか。夜に読んだのですが、夜中のお手洗いがちょっと怖かったぐらいです。笑

近親相姦、無理矢理、3P…なかなかエグい内容ですが、そういうお話が好きな方にはオススメかもしれません。ただ、最後のほうで実の父も絡んで文人を…な展開や、物語の中には殺人(殺人シーンは出ません)も出てきますので、そういった内容も大丈夫な方のほうが宜しいかと思います。
狂いすぎて最後は「あぁ…これはこれでハピエンなのかもしれない…」と思いましたがモヤモヤも残る…。
本当に評価が分かれる内容かと思いますが、一度読んでいただきたいとも思う作品です。

読了後に思ったことは「これはもう読めない…無理…」だったので個人的な気持ちで言うと「しゅみじゃない」なのですが、でも逆にこんな作品を書けるなんて本当に凄いと思ったので「神」評価にさせていただきました。
18歳とは思えない達也の幼児口調は本当に鳥肌もの…!うおおぉ…

14

プロットを引き受けたシャレード文庫さんはもはや神

シャレード文庫以外の版元ではプロットを断られたという、いわく付きでございます。このいわく付きはプレミアですね。
挿絵の相葉先生のコメントで「まさかと思いながら読み進めました」とありました。
普段は無邪気な明るい態度でヤンデレ攻めをする弟が、いざ兄の好きな人を紹介されたとき「あのブス…」と年齢相応の素の言葉遣いで囁いたときはゾッとしました。
母が家に帰らなくなった途端に、弟を拒絶する兄がものすごい喘ぎ声でスケべな本性を弟に晒す場面が印象的でした。
電車に乗車しているときに、ジロジロ見てくる女子高生がホモホモとヒソヒソ笑いながらからかうのですが、からかっていた女子高生軍団でさえも弟の病みようにドン引きする凄みも印象的です。

13

男性向けエロ小説のよう。

恐ろしい話でした!
作品名通りでした。THE鬼畜!
面白すぎてほんの3時間でさくっと読めました。
まずは、ストーリーの持っていき方も上手でまとまっていましたし、
余計な設定も無く、文章も読みやすく、絵も綺麗でした。

読んでる途中では「何が鬼畜なんだろ、ただのSなだけじゃん」
と思っていたのですが!
最後残り10ページぐらいのところから、
壊れましたw

まさか、そんな展開があったのかと!
つい私も攻めの演技に騙され、涙していたところを!
裏を読まれていました。。。
怖い、鳥肌ものですよ。
BLというより一人のサイコパスについて描いた
大人向けの作品のようでした。

名作です。見る価値大有り!


11

最高!!

鬼畜攻めが好きな私には最高の小説でした!!!
最初は達也(攻)の一方通行なのが、最後は文人(受)が恐怖で堕ちるまでの鬼畜さがたまらなかったです!!
文人を手に入れるために親までも始末しようと考えながらズッコズッコはめる達也にニヤケが止まらない!!
恐怖を煽る話し方に気持ち悪さを感じました!そこがいい!
エロ本を全て達也と文人の顔に変えていたことを教えてくれた父も、最後はふたりに混ざり文人のためにお金を稼ぐ!とまで言ってしまい、鬼畜なのは達也だけではないところに思わず震えました!

ただひとつ、1度この本を読むと他の鬼畜攻めが物足りなく感じてしまいます…(申し訳ないです)。
ただただ鬼畜なだけでなく、ストーリーに抜け目がなくてシリアスなのは初めてでした!
読んでて楽しかったです!!

8

うわわわわ、なんだこれ!

…という感想です。
評価としては、神にするか、しゅみじゃないにするか、相当迷ったのですが、この作品を世に送り出した出版社さんと、何より作家さんの勇気と手腕を買って“神”を付けます。

賛否が真っ二つに分かれそうな作品です。
何を書いてもネタバレになってしまいそうなのですが、「鬼畜って…、そういう鬼畜?」という、すさまじいビックリ感がありました。
常識が覆される衝撃と、信じていたものがなすすべもなく崩壊して行く様子。
あらゆる衝撃が一気に襲って来る問題作です。

突っ込みどころは多々あるのですが、
とにかく何も考えず、勢いで一気読みすることをお勧めします。
あっという間に読めてしまいますよ。

自分的に残念だったのは、主人公二人のキャラクターです。
文人(受け)はいい子なんだか天然なんだかで、攻めに何度おかしな対応を受けても「気のせい」や「自分が悪い」などとすんなり納得してしまうことが多く、これはもう少し、驚愕や葛藤、迷いの感情を掘り下げてくれた方がリアルで面白かったかも。
また、文人は実の息子ながら、特に大きな理由もなく母親からすさまじい勢いで憎まれていて、その点も違和感がありました。
むしろ連れ子設定の方が納得出来ましたね。

一方達也(攻め)の喋り方は最後までなじめませんでした。
気味の悪さを表現するために、あえてこういうテンションの高いおバカな喋りなのでしょうが、母親を「ママちゃぁ~ん」と呼んだり、「○○なんだよぉ~」みたいな語尾を伸ばすセリフが多すぎて、相葉キョウコさんの描く美しい攻め君の絵としっくりはまらなかったです。

色々な意味で問題作でした。
何度も読みたいと思える作品ではないのですが、おそらく忘れられない作品になりそうなので、ちょっと甘い評価ですが神とします。

7

気が狂っている

実兄弟ものが好きなら読んでくださいと周りの方々からおすすめされて読んだのですが、こんなのおすすめしてくるとか正気の沙汰ではないなと思いました。おそらく私なら大丈夫だろうという信頼の上でのおすすめだと思うのですが(実際に私は好きでした)達也が気持ち悪くて気持ち悪くて。
達也のセリフ読んでたら「こいつ何歳なの……」という感じの話し方してるんですけど、文人を見る目つきの表現は子どもの目ではないので気持ち悪いって感じますし、表紙や挿絵見ると普通にイケメンなので脳がバグります。
あと、実親子ものも好きだったらいいですよ。ともおすすめされてて……すごくすごくおいしいのですが、文人と文人に深くかかわった人たち可哀そうすぎて気が狂いそうでした。
「ビンビンおちんちん達也号ふーちゃんの(以下略)」このセリフがあまりにもインパクト強くて頭から離れないので助けてほしいです。
読むことをおすすめはしません。でも好きです。

7

鬼、悪魔、達也

とんでもない衝撃作です…
色々な方のレビューを読み、「そんなにヤバい内容なら一度読んでみたい笑」という怖いもの見たさの好奇心を抱いたのが全ての間違いでした。

これはホラー小説です。

私はあまりオカルトを信じない人間なのですが、この本からは何やら瘴気のようなものが漂っている気がして、読んだ後目につく場所に置いておくのも躊躇われました。今は扉付きの本棚に保管しています。(吉田先生ごめんなさい…)

内容については今更すぎるので詳細を省きますが、狂人の弟のせいで兄は人権を失い、家庭は崩壊するという救いの余地が微塵もない奇跡の鬱ストーリーです。当たり前のように人が死にます。

最初は弟・達也の鬼畜行為を笑っていられる余裕がありました。というのも余りに達也という人間がぶっ飛びすぎているので、その異常性に対し恐怖というよりもむしろ「おかしみ」を先に感じてしまったからです。

しかし、その「おかしみ」もすぐに感じられなくなりました。ページをめくるごとに達也の行為がありえない勢いでエスカレートしていき、もはや笑って済まされる状況ではなくなった時、ようやく私はこの本を読み始めたことを後悔しました。

達也は執着攻めとしてカテゴライズされるのでしょうが、そんじょそこらの執着攻めでは束になっても勝てる相手ではありません。彼はモンスターです。

特に、達也が風呂場で初めて文人を犯すシーンは恐ろしさのあまり身震いをしました。作中屈指の恐怖エピソードではないでしょうか。

吉田先生の文章は非常に読みやすいので、想像したくもないようなおぞましい場面もありありと目に浮かび、恐怖感を一層強めてくれます。文が上手いのも困りものですね。

長々と感想を書いてきましたが、まだまだ語りたいことは沢山あります。ですがこれ以上は際限がなくなりそうなのでやめにしようと思います。

最後に、私がこの本を初めて読んだのは実は1年ほど前のことです。最近になって無性にまた読みたくなり、本棚から取り出してきました。
一度読んだ後もう二度と読むまいと心に固く誓ったのに…
もしかしたら私もまた達也の虜になっているのかもと思い、ゾッとしました。

6

ベストオブ鬼畜

鬼畜攻めに目覚めてしまった私。
ものすごい究極の鬼畜を求めて、本作品を購入しました。
これぞ、ベストオブ鬼畜!
私のなかで、一番の鬼畜作品です。
ここまで、つき進むことが出来たなぁと、感動すらしました。
途中、ひぇーーーっと、なんども叫びそうになりました。
そこまで、するの?
本当に?
うげぇーーー
そんな内容です。
この作品を越える鬼畜作品は、なかなかでないのではないでしょうか……。
攻めの達也の口調が、なんとも言えない不気味さを引き出していてよかった。
これも言葉責めってヤツでしょうか……。
鬼畜を求めている方には、自信をもってオススメします。

5

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