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完全版で読むと物語の展開が実に早いですね!
1巻で毛人と皇子の出会いがあって、その周囲の人々との思惑など関係性などが色々と綴られていたのですが、この2巻でもう拝仏派と神道派との、蘇我と物部の戦いまで行ってしまうのですよ。
この展開のテンポの良さが、作品に引き込ませる魅力の一つでもあります。
穴穂部の王子が神道派の物部につき、時期王となる可能性を匂わせた時、仏教を広めたい厩戸が箸にも棒にもかからない、凡人のむしろ俗人くさい初珀瀬部の王子を立てて傀儡にすればいいという発想をもって物部に対抗したい蘇我を取り込もうとくるところ。
たった10代の厩戸が実に末恐ろしい、そして残忍でもある人であることが見てとれます。
女装して穴穂部を暗殺しようとする厩戸はそれがばれて失敗しそうになるのですが、なんとサイコキネシス(!?)で成功してしまう!
それを発端にして、とうとう事実上の物部と蘇我の戦が始まるのです。
そこで見せる厩戸の常人でない、仏を操る力!
同じ波調を持ち、皇子に近い毛人は皇子の心を垣間見てとがめたり、恐れたり、
しかし、それによって傷付く皇子もいるのです。
厩戸の毛人への執着愛、ヤンデレめいたツンデレが発動されるのが、かわいらしいというよりとても痛痛しい。
そして、終盤、物部の血を引くことから家から遠ざけられていた毛人の妹刀自古が帰宅して、、これが後に愛憎の波瀾を呼ぶのです!
今回も見どころは、雑誌掲載当時のままのカラーページの再現。
皇子が瞑想にふける前を観音の列が通りすぎるシーンが再現されております。
皇子に心酔する淡水が帰国して、忍者のような働きで皇子を守ろうとするところ(もう、後の展開を知ってる身には萌え萌え!)
戦のあまたのシーンで見せる皇子の戦の神を呼び寄せようとするところ、
戦慄の、樹から逆さにぶら下がって、まるで呪い殺すかのように樹の上に隠れている守屋の前に現れるシーン!
今回の本の帯は萩尾望都氏。
毎回大絶賛の、各方面の著名人に与えた影響がいかに大きかったか思い起こさせる帯の文句も必見です。