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私に恋しなさい
下巻です。
下巻では先に出たコミックス時に収録されなかった最終話までの5話も。
雑誌掲載を見逃していた方で結末を知りたい方にはおすすめ。
ジェイのハーフとなった彼南。
そのことがきっかけでジェイの過去を知る神父に連れ去られ…。
自分の身とジェイへの気持ちとを選ばせられる彼南。
そんな目に遭わせてしまうことにジェイは自己嫌悪のようなものを感じながらも手放せるはずもなく。
そして、ハーフとなった者の行く末。
過去のジェイのハーフたちとのお話も。
ハーフとなることは生涯の愛を捧げることで。
それを裏切った時にはそれ相応の罰を受けることになっていて。
その罰が本当に裏切りゆえの結果なら、それはそれで仕方ないこととも思えるけれど。
乙羽とのことはそうではなくて。
乙羽の望みを叶えることでもあり、けれどそれはジェイ自身を傷つけることにもなって。
ジェイが見せる執着が不安の裏返しで怯えてるからで。
そういうのを感じとれるのは彼南もそういう想いをしてきているからで。
同じだから強く惹かれ強く求められる部分もあるんだろうなぁ。
…にしても、まさか最後に先生に見せつけるとは思わなかったのでビックリです。
いや、攻があて馬的な人物に見せつけるっていうのはそれなりにあると思うんです。
でも、そうじゃなくて。
受の方が僕はあなたは思ってるような人じゃないよって見せつけるの。
なかなかスゴイですよね。
あとがきの中でも書かれていましたが、物語としてはまだまだ第1部完といった感じで物語が完全に収束したとは言い難いんですよね。
ジェイと彼南がちゃんとくっついただけで、いろいろ謎が残っている部分も多くて。
それらが書けないのはこの作品が世間的に売れなかったというような背景もあるようなんですが…(だから、コミックスもなかなか完結編が出なかったみたい)
個人的に気になるのはユリアンと十夜。
ユリアンの過去も気になるし、ユリアンに対する十夜の感情も気になる。
うー、やっぱ脇キャラに目がいってしまいますね(笑)
上下巻まとめてのレビューにて。
血ではなく、相思相愛の人物の精液を糧にして生きてきた異端の血族ジェイ。
相手となる彼南も、つらい過去に自暴自棄だったところにジェイに惹かれ、連れ合いのダークハーフになる。
絵の面ではゴシック調テイストでヴィジュアルのこだわりが感じられる。
更にはエロシチュエーションまでも作者・天咲さんの萌えが目一杯詰め込まれたコミックス。
…それにしてもやたらとエロシーンが多かったのにはちょっと参った(笑)。
正直エロエロ好きなんだけどさ、ほとんど校内とか授業中じゃん(;´Д`)…
(おかげでたまに顔を出すオーウェン先生の登場にほっとする位)
しかし、下巻ではちゃんとジェイの心情や過去に触れられているのと、彼南もただ快楽に流されるだけじゃなく自分からジェイを選んだって主張が読めて満足。
旧版のコミックスのほうはこの肝心の部分の10話から14話が未収録とのことで、完全版できちんと読まないとエロ一辺倒って誤解をするところだった。
こちらの巻ではジェイの前のハーフ乙羽(運命の人)とのお話が悲しかったですね。てっきりうまく言ってたのに死んでしまったとか裏切られたとか言う話かと思ったら、そーんな悲しい話が。しかも乙羽はすべてを知っていてそれでもあの人を好きなんて!!切なすぎるっ!
それにしても、彼南を拉致暴行までして、逃げてしまった正教会の人たちはその後納得して幸せになれたのでしょうか?それと、同族のオーウェン先生は他人事みたいにしてるけど運命の人はいるのかしら?
しかし、これを二巻まで買っていて、三巻を心待にしていた人はお気の毒ですね。私も連載がストップしていて待っている作品が何個かあるのでお気持ちはわかりますが、このような形でも完結して本当に良かったですね。