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beautiful days
情緒が安定していない拗らせた攻めが斜め上の方向に飛んで拗れたことをやっているお話です。
ビューティフルライフ、今日明日昨日ともにBL要素がどうでもよくなるくらい「人間」そのものにフォーカスして読ませていただきました。
その上で私には受け止めることが難しい話でした。
前者は共依存で突っ走れればハピエンの可能性あり。
朝陽はとてもいい子なのでできればくず男から解放してあげたい。
後者は元凶がもうどうにもならない思考回路の人で、その元凶に思いを寄せる子の執着が呪いじみているのが怖いです。
身も蓋もなく言ってしまうと、この2人でくっついで傷なめ合えばいいんじゃない?という具合です。
ミサトもとてもいい子なので元凶から解放してあげたい。
唯一感情を揺さぶられたのは、朝陽が「おかあさん」と過去に支配されながら蹲るシーンですかね。
自分の地雷はこれだ!と主張できる要素が盛りだくさんで、これも一つのバイブルだと思いました。
朝陽君も棗さんも気の毒。
二人は多分、共依存症。お互いに必要だと思っている、病的に。
朝陽君も棗さんも、似た者同士、独りになれないトラウマを持っている。
読み進むにつれ、物凄く悲しくなってしまった。
二人が幸せになる続篇、描いてください。
朝陽君は、母親から育児放棄されて餓死寸前のところを、遠縁の棗さんが借金をして養育費を作り引き取った子。
育児放棄された時の恐怖を癒せないままの朝陽君は、取り残されて独りぼっちになると、パニックをおこしてしまう。
棗さんは、可愛そうな生物を見つけると、見ない振りが出来ない人。
見つける都度に拾ってくる。拾いものは動物だけじゃなく人間も。
・・・管理能力を超えた数を拾う過剰多頭飼育も、精神的な疾患の一つ。
心に癒せない傷を持つ二人の間に、誰も入り込む隙間が無い。
もう一つの話は、メイを取り合う3人のサトの話。
一番メイを欲しかったサトが、メイに選ばれなかった訳が切ない。
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*棗x朝陽
ビューティフルデイズ
ビューティフルサンデー
ビューティフライフ前後
アナザーライフ
*メイx三人のサト
今日あなたに別れを告げます
明日君に愛をささやく
昨日僕らは罪をだいて
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共依存:英語: Co-dependency)、共嗜癖(きょうしへき、Co-addiction)
依存症者に必要とされることに存在価値を見いだし、ともに依存を維持している周囲の人間の在り様。 「他人に必要とされる必要」
二作品、どちらも重くて痛くて苦しいです。
でも、その先にはきっと再生と癒しがあると思わされるので救われます。
人の心は複雑で、綺麗事だけではないと、
斑目さんの作品を読むと思います。
ただ辛いだけではなくて、
そこでもがいている人たちのリアルな感覚に、
読んでいる方も引きずられてしまうので、
ついつい一生懸命考えながら読んでしまいました。
でも、私ってこんなに必死に生きてないなぁとも……
私は基本、BLにはらぶらぶはっぴー❤️を求めているので、
こういう重くて痛いお話は読まないのですが、
斑目さんのはつい手にとっとてしまいました。
読みながら、必死で光を探している私……
光が見つからなければ封印なのてすが、
そうならなくてよかったです!
それでもやはり「萌える」かと問われれば……辛い。
しかし、アナザーライフは良かった!v
これに救われて「萌×1」で!
班目先生の作品で未読なのはこちらのみとなってしまい、なんだか尻込みしていたけど読んでみました。
「今日あなたに」シリーズから
「明日 君に愛をささやく」に特化してネタバレ含めて書きます。
何度も読み返しました。
読み手によって色々な感想を抱くと思いますが、私の感想を一言で言えば「現時点ではひたすらやるせないけど、希望の光が見える」です。
自分の中では消化しきれない気持ちも含めて、他の読者の方々と語り合いたい気分になる作品です。
ハッピーエンド命の私なので、なんとか希望の光が見えないかと何度か読みましたが
「明日 君に愛をささやく」はメイの中での美里に対する変化の兆しが見えたと思うんです。
メイは三人のサトに愛されたけど、その中で特別な「サト」はサトシでした。
かっこ付きの「サト」が特別な存在として表記されてます。
メイが自分に言い聞かせする途中がキーだと思うんです。
美里にとっての自分は、サトシに対する復讐心とプライドを守る幸せのために存在しており
自分はなぜ美里と一緒にいるかというと美里の役に立つ幸せと、サトシを選ばない事が自殺したサトミへの償いになるためだと考えるメイ。
それに自分のために誰かの気持ちを切り捨てる残酷さとその代償を知ったから、もう二度と誰かが犠牲になるようなことはあってはならない、
だからこれでいいんだ・・
なのに、なぜ、サト(美里)から向けられる愛は痛くて、苦しいのか?とメイは考えます。
それでも俺はサトを愛してる サトを愛していこうと思う。
俺にとって特別な子・・・傷ついた「サト」に小さな幸せをあげるために(→ここから「サト」になってます。)
僕を愛した寂しい眼をした「サト」
ここでメイは気付くんです。
「サト」はどんな顔だったか?
さっきの「サト」は一体どのサトのことを指しているんだ?
今まで彼の中の「サト」はサトシでしか有りえなかったから、こんな疑問を抱くことが異常だと思うんです。
そしてメイの視界にベンチにぽつんと座ってメイを待っているサト(美里)の姿が入ります。
メイは三人のサトはみんな少しずつずるくて愚かだと思っていたのだけど、美里はその中でも少しだけ違っていた事に気づくんです。
他の二人よりも少し優しくて、少し聡くて、少し前を向いていて、少し寂しい人だった・・・と思いながら、美里のいるほうへ向かうのですが、なぜか理由もなく気が焦って次第に歩幅を広げて息急き切って彼の元へと急ぎます。
そして呼びかけるんです。サト、と。(かっこ付きではない普通のサトです。)
振り返った美里をみて メイはなんて都合のいい夢を見てたんだろう・・って気付きます。
美里をすべての(サトシとサトミ)身代わりにしていた自分に気づいて、心が壊れた美里を前に「これが自分の犯した罪だ・・・」と気づきます。
そして美里へ「ごめん・・・」と言う。
ようやく初めてまともに美里と向き合ったんじゃないかなと思います。
心が死んでもはや抜け殻の美里。そこがメイのいう「少しだけ他の二人のサトとは違う」ところであり、サトシとの差なんだと思う。サトシは愛していないアキラの腕の中にいても心壊れない。
メイにとって身代わりでしかなかったこの恋は美里の心を殺してしまいました。
だからこそ足早に近づいたメイは彼に「ミサト」と呼びかけてあげて欲しかったんだけど、この呼びかけ時点ではまだ自分の罪を自覚していないので「サト」と呼びかけてしまったのではないかなと思います
今はまだ贖罪の意識で美里が許してくれる限りそばにいることを誓っているようですがそのうち「サト」に関わるものとは決別して、
「明日 君に愛をささやく」」のタイトル通り、明日=未来・これからは愛をささやいてくれて「ミサト」と名前を呼んで、美里の心が蘇るといいなぁと心の奥底から熱く熱く妄想しております。
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表題作 こちらもネタバレしてます。
冒頭からのほほん&博愛精神に富んだ攻めというイメージでずっと描かれていただけに
街中でのやり取りの際、感情を剥き出しに受けに執着する姿が格別際立って見えました。あそこの場面は劇的ですね。
愛されたいと思ってもいい、人を愛してもいい、ということがわかった受け、永遠に幸せになってほしいです。
肉欲が絡むと、情欲や愛憎がまじっていつか別れてしまう時がくるかもしれないから、一切それを省いた清らかな真綿でくるむような愛を与えて、家族でいれば別れることがないと考えてたなんてねぇ。泣けます。
だからって彼氏を家に住まわせたりしていいのか?そこはずーっと受けに対する思いを抱えたまま悶々として欲しかった・・とも思ったのですが
受けは性に関する知識が皆無で、彼氏がいるということが性的にどういう意味があるのか、全く理解していなかったようなのでまぁいいか・・となぜか思ってしまったり、どうしようもなく湧き上がる獣のような愛をなだめるために、代替え品として他の人と仕方ないか・・・聖人君子ではないし攻めも若いのでそりゃしたいだろうから仕方ないか・・・でもそこも我慢して欲しかった・・・などそこらへんが自分の中でグルグルします。
班目さんの出版されている本の中で最後まで読むか迷っていた作品です
なぜならみなさんの感想にちょっとビビっていたから
読んでみてとても良かったです
ビーティフルデイズ ツボでした 文句なしに好きです
今日あなたに〜 切ないです
やっぱりバットエンドだと思うなあ
恋に落ちれば必死で身勝手になるものだから、私は誰がどうのとは思いませんがどなたかが書かれていた通りメイのミサトへのサト呼びをやめてもらいたい
ほんとにやめてあげて
斑目さんの作品は全て読んだと思っていたんですが、これは読んでいなかった事に、大好きな、「悪魔…」シリーズを読んで気付きました。
この作品は、皆さんも言っている通り、痛く切ない、とても重い話です。
しかも、まるごと1冊。
私も、BLでこれ程泣くとは思わなかった。
この先はちょっとネタバレします。
朝陽が自分の気持ちに気付いた途端棗に拒否されてしまい、棗の気持ちを推し量れない朝陽は、過去のトラウマにより、また苦しみます。
それでも、朝陽は棗を一番に考えている健気な所が、私は痛かったです。
棗は棗で、精一杯の嘘をついた朝陽を引き止める所は、人間臭くて私は大好きです。
共依存の様な関係ですが、実は、愛情たっぷりの恋人兼親子…の温かい関係に思えました。
ホントは、棗も家事は完璧に出来たりして。
それを敢えて朝陽にやらせて、気兼ね無く一緒に生活出来る様にしてたりして…
等々、色々と考えました。
が、結局、その答えは分りませんでした。?
広海のお話も、切ない中に救いの手があり、当て馬にされっぱなしじゃなく終わったのが良かったです。
もう1つの3部作品も痛く切ない話です。
1話ごと目線が変わります。
3人のサトとメイ、と、ちょこっとアキラ。
ホントは、誰が悪いか…という話ではありませんが、私としては、一番悪いのはアキラなんではないかと思います。
ちょこっとしか出ないクセに…(笑)
この5人のお話は、少し複雑で、何度か読み返してやっと理解出来ました。
でも、理解出来たからと言って、救われる事がない。
なのに、読まなければ良かったとは思わないんですよね。
ハッピーエンドではないけど、とても心に残るお話です。
ギャグは一切なく、斑目先生のコミックスの中で一番シリアスです。
とくに後半の「今日 あなたに別れを告げます」は心臓をつかまれるような痛みを感じる話でした。
「ビューティフル デイズ」
母親に幼児虐待された朝陽は、妖怪の餓鬼のように痛々しい。
朝陽を引き取った棗は、動物だけでなく人間も拾ってすぐ肉体関係に発展するようなだらしない男だけど、朝陽は棗がつくってくれた居場所をとても大事に思っている。
でも棗がヨリを戻した広海が二人の生活に入り込んでくると、朝陽は邪魔者は自分だと感じ、居場所を失くす恐怖にふるえながら二人から離れようとする。
物語中、棗がどう考えているか語られることはなかったけれど、最後の最後に棗も朝陽への想いを爆発させます。広海との別れがあったからそうしようとしたんだと納得できました。
最新刊「悪魔にキスを 1巻」に後日譚が収録されています。二人とも別人に見えますが、すれ違っていた二人の気持ちが重なって変わったんだろうなと心が軽くなりました。
「アナザーライフ」
棗の恋人だった広海の後日譚。本編では朝陽を邪魔に感じてる部分がクローズアップされていたけれど、棗だけでなく、朝陽のこともちゃんと考えていたんだ、広海良い奴じゃん!と見直しました。そして広海のグチを聞き、傷を自信に変える言葉をかけるバーのマスタは良い男です!新しい恋の予感は、この本のなかで一息つける瞬間です。
「今日 あなたに別れを告げます」シリーズ
※なにを書いてもネタバレになってしまいますが…
斑目先生の、心の闇をえぐり出す話が好きな方は、ネタバレは一切読まずに、斑目先生の絵と展開で、登場人物たちの絡みあった関係性と心の澱を感じて欲しいです。
「今日 あなたに別れを告げます」ミサトの視点
アキラ:大学にくる高校生・飯田君が好き。似ているミサトを身代わりにしていたが、飯田君に想いが通じてミサトを捨てる
飯田君:幼馴染の大学生・メイが好きだけど振り向いてもらえず、アキラを受け入れてしまう
ミサト:アキラを奪った飯田君への復讐のため、メイを騙して恋人におさまる
ミサト→アキラ→飯田君→メイ 誰もベクトルが向かい合ってない4人の複雑な関係性…心が想い人に向かいすぎるてる分、他の人に対して残酷です。
始まりは嘘と復讐でもメイに惹かれ、誠実であろうと別れを決心したミサトは、メイが口にした飯田君のフルネームでメイの本心に気づいてしまう。誰の想いも報われていない、心臓をつかまれるような痛みを感じる話です。
「明日 君に愛をささやく」メイの視点
飯田君と、飯田君の双子の妹と、メイの話。メイの想いと抱えている負い目が明らかになります。
「昨日 僕らは罪を抱いて」飯田君の視点
飯田君が犯した罪が明らかになります。飯田君とメイはある意味で共犯者なのに、罪の意識と負い目から素直になることは許されないと思っている。
複雑で、辛くて、重くて、心が痛い話でした。
ただ、凝り固まった想いが、隣に居る人の温もりで、少しずつ溶けていくこともあるかもしれない、そんな余白を感じさせる終わり方に救われました。
読後感は良くはありませんが、作り込まれた話なので、ページ数の10倍はある長編・名作を読んだような心地よい疲労感があります。
悪魔シリーズとは違い、ギャグ要素のない切ないお話でした。朝陽の暗すぎる過去と、痩せ細った体の描写が痛々しくて、ちょっと読むのに気合いを入れないといけない作品。
でも、ダメ男棗さんの生活能力のないところや子犬や子猫を拾ってくるやさしいエピソードなどが所々にあって、全体としては、じんわりと温かみも感じられます。
ただ、家族になれば離れないですむ、と言う話と朝陽に手を出せない分、他の子と付き合ってしまうと言う話は私の中では繋がりませんでした。
そこは溺愛して、悶々と過ごしてほしかった。
評価はずいぶん前につけたので神にしてますが、今レビューを書きながら再読すると中立くらいかも。
斑目ヒロさんは、「理想の〜」がツボで、悪魔シリーズを読んで、
レビュー等を見てこの作品を読みましたが、
とにかく、中に入っている二題ともに切ない…
始めは、表題作の「ビューティフルディズ」の方が面白いと思ったのですが、今は「今日あなたに〜」の方が読み進めて行くうちに何だか奥が深くて、一度読んだだけでは理解出来なくて、何度か読んでいるうちに全員の別方向へ向いたループの輪に自分もハマってしまう様な不思議な作品でした。
全員の少しずつ傲慢な感情が結果誰も幸せになる事がない。
付き合っているカップル二組が別れるバットエンドじゃあないのに
決してハッピーエンドじゃあない。
全員が、それぞれの事情を理解していながらも結局は都合のいい状態でいるしかなく、抜け出せない。
今日、明日、昨日、とずっとループしていくんだろうなと思われる作品でした。
心を壊し、殺してしまった美里。その美里に対して略奪したくせに、「そんなだから誰にも愛されないんだ」と追い打ちをかける、さとし。自分の都合のいい事ばかり考えて、人には偉そうに詭弁だと言うメイ。美里を当て馬にさとしを手に入れるアキラ。
誰もまっとうな人がでてこない…
恋愛の表面には見え無い、複雑な心理の入り混じった
そしてこんがらがってしまい、でも抜け出す事も出来無い物語です。
やっぱりBLは、わかりやすいハッピーエンドが好きなので、
作品としては二題とも面白かったのですが、評価としては、神寄りの萌2で。
とにかく、メイは、美里とさとしのサト呼びを止めて下さいと言いたい。
画がキラッキラで美しい。お話は重めです。本作『ビューティフルデイズ』は二つの物語が収録されています。一つめは、叔父と甥(ホントは保護者と養子の関係)の愛情物語。二つめは、「サト」という名前を含む人物たちをキー・モチーフにした物語。どちらもキュンをはるかに超えてズキンとくるわ。
『ビューティフルデイズ』 サラリーマンの棗は大学生の時、ネグレクトされていた朝陽を引き取り育てて来た。朝陽が成長して高校生になったころ、棗は朝陽への愛情と劣情の間で葛藤する。保護者としての責任、という大義がかろうじて棗の救いでもあり、忌々しい枷でもある。棗、大人の自負があるよ。でも耐えられるのか…?ウルウル瞳の捨て犬や仔猫すら無視できない優しい、優しいヤツだよ?棗さんの「よろめき」加減が色っぽいなと思いました。
『今日 あなたに別れを告げます』 大学院生、メイを慕う男女の双子、サトシとサトミの三角関係と、アキラとミサトのカップル、両者の人物たちが交錯する物語。一つめの物語も切ないけど、この物語はえぐられる。みんないい人。なのに好きな人のことになると、分別を保てないほど自己本位で意地悪な人間になる。自分を責めすぎることが実は大事な人を傷つけているかもしれない。相手に自分の感情を直接ぶつけた方が、罪は少ないのかもしれない。優しさは罪なんて言い得て妙。メイさん、包容力ありすぎでしょ。大人すぎるでしょ。性根だけは乙女なんで、こんな人いたら恋しちまうわ。
好きな相手を傷つけようとして極端に酷い行動をとったとしても、なぜか読んでいて嫌な気持ちがしない。そうならざるを得ない事情がちゃんと盛り込まれていて納得できますし、なによりも物語のベースに他人の痛みに共感できる、心の温かさを感じさせてくれる作家さんです。もちろん、重い話ばかりではなく、コミカルな要素を含んだ作品も描いていらっしゃって、そちらも綺麗な画とのギャップありつつ、イタ面白く読ませてくれます。
何でも拾ってくるお人よしな義理の叔父さんと、叔父さんに拾われた高校生の、痛くて切ないラブストーリーです。
高校生の朝陽の、叔父さんへの想いや、自分の価値に対する戸惑いとかが切な過ぎて泣けます。
叔父さんも、朝陽が大事なくせに家族でいようとして、二人が同居する家で他の男とエッチするのが、朝陽の気持ちを思うと痛くて…。
お互いに、離れたら生きていけないのに、なかなか認めようとしない様子が、もどかしくてキュンキュンします。
攻めが一途なキャラが好きなので、受け以外の他の人を抱いてる叔父さんを見るのは辛かったです。
叔父さんの本気の告白を受けて、やっと結ばれた二人。そこで終わっちゃってるので、その後のイチャイチャする二人が見たかったです。
もう一つの短編は、双子を挟んだ三角関係のお話で、これも切なかったです。
話の内容としては、表題作の方が好きです。
「ビューティフルデイズ」は叔父と血の繋がらない甥のお話。
とにかく切ない。BLで泣くとは思いませんでした。
だらしない棗としっかり者の朝陽 叔父と甥として暮らしてきた。
でも棗が連れてきた元恋人の登場でバランスが崩れて。
親に捨てられた過去がある朝陽。棗に拾われて色々な感情を知って
棗を好きだと気付いて でも拒絶されて
また捨てられないために自分を偽って身をひこうとして そこに棗が表れて
棗が朝陽を引き留めるシーンは涙なしでは読めません。
家族ならずっと一緒に生きていける だから朝陽の気持ちを拒絶した。
朝陽を自由にしようとした。 でも 愛しているから 離したくない。
今 自分があるのは棗のおかげ そんな自分が棗と離れて生きてはいけない。
お互いの気持ちを知って そしてやっと結ばれる二人。
ラストシーンは抱き合って終わっているのですが
もう少し先が欲しかった。 もう少し幸せそうな二人で終わって欲しかった。
ぜひ続編を書いて欲しいお話です。
「アナザーライフ」
棗の元恋人のその後の話 良い人なの とても
自分のせいで朝陽を悲しませたことを悔やんで涙を流すほど良い人なの。
だから幸せになって欲しい。
忘れさせてみせるから そうなって欲しいです。
「今日あなたに別れを告げます」
3部作です。色んな解釈の仕方があるお話だと思います
私はハッピーエンドだと思っています。
違う人を想いながら恋人と生きていく。
ミサトは心が壊れてしまってもメイがずっとそばに居て
サトシにはすべてを受け止めてくれるアキラが居て。
いつか恋の芽が芽吹くと信じて
やっぱり終わり方が・・・もう少し幸せそうな感じで終わって欲しかった。
基本切ない系が苦手なので。 幸せそうに終わって欲しかった。
でもほかの方はバッドエンドとして読んでいるのかも。
切なかったです。
久しぶりに泣ける漫画に出会えました!
私は受けが傷つき、切ないストーリーが好きなのでこの作品は最高に泣けました。しかも、攻めがタラシみたいなところもあって最高でした。
幼い頃母親に虐待?されたり、
棗(攻)が恋人も一緒に住まわせると言って、自分がだんだん存在価値がないものと思い、苦しむ姿がなんとも言えない切なさでした。
最後には、棗の恋人の目の前で抱き合って終わったけど、その時の棗の恋人の心境も切なかったです。
3人の「サト」とメイのお話は、双子の弟の恋模様を描いた作品が1番切なかったです。
こちらは、バットエンドですし、受けの片思い歴が長いし、切ない過ぎていいかんじでした。o(^▽^)o
親の愛情に恵まれなかった朝陽と私生活が全くダメな棗。
朝陽の過去がじわりじわりと絡みついて気持ちの整理が難しい読後感です。
朝陽のアイデンティティの全てが棗の愛情で作り上げられているのに、朝陽の棗に向ける愛情はいらない。
そんな2人の間に広海が加わった生活が始まり、不安定な足元の脆さにどこにも行けない孤独感。
棗の望む朝陽で在ろうと健気に振舞う姿はどうしようもない程切なくて仕方ありません。
棗の大きな愛情と優しさに包まれて幸あれと願うばかりです。
今日・明日・昨日の3部作。続けて読んでも全く見劣りしません。
(でもひと呼吸おきましたが)
それぞれの恋人が絡んでもつれて、気づけば自己満足と嫉妬の毒でゆっくりと麻痺していく。
とてもドギツクテ、この関係を考えるほど思考の沼にハマっていく。
そんな怖さに眠れなくなりました。
痛い系の作品は、
読むまでに時間をかけるほうだ。
色んなレビューを見て、
本屋で手にとっては棚に戻し、
を繰り返し繰り返し、覚悟して読むかどうか決める。
これは11年度のアワードを見て
悩んだ末に読んだもの。
結果、痛すぎて受け入れが難しく、
鬱々としてしまいました。
特に
「今日 あなたに別れを告げます」
「明日 君に愛をささやく」
「昨日 僕らは罪を抱いて」
の3作は、気持ちを読み解くことはできるのだけれど、
受け入れることが難しかったのです。
復讐系のお話でも、最後がハッピーであれば
受け入れやすいのだと思うのですが、
分かりやすい救いどころは敢えて描かれなかったのでしょうね。
それが作品に壊れ物の美しさを与えていると思います。
だからこそ、忘れられない物語だと思う人が多いんだろうな。
バッドエンドの香り、
少し歪んだ愛情、
執着に似た気持ち、
罪深い狂愛。
これらの要素があっても、
気になって仕方がない方には背中を押しますが、
その重さと痛みゆえに、
万人にはおすすめしにくいなと思います。
心理描写が文学的かつ、
マンガですが読み説く力が必要に思います。
小説読みさんのほうが受け入れやすいのかもしれません。
自分の好み、苦手ジャンルを知ることが出来た作品でした。
≫ビューティフルデイズ
棗さんへの朝陽くんの感情は甘えたい・けど迷惑はかけちゃいけない・大切にしたい・独占したい、と言ったとても人間らしいもので、母親に愛されず育った彼がそんな風に棗さんを思っているところに感動し感情移入して読むことができました。
話の展開はなんだか急展開で、棗さんはなぜ今になって「いつか手放してしまうのが嫌だ」という理由で朝陽くんを突き放したのか、ユウくんはなぜ棗さんに朝陽くんの居場所を教えたのか、などなど読んでいて「??」でした。
けど、あっさりスルーしてあるところを自分なりに妄想して解釈することが楽しかったです
≫今日あなたに別れを告げますシリーズ(?)
この作品は本当に全部のキャラクターが複雑にすれ違っていて、一回読んだだけでは全く意味がわからずとまどいました。
こんなに何度も読み直して、キャラクターの表情をじっくり見たのは初めてです!
とにかくこれは読むというより読み解くという感じがしました。
読む人によって解釈が違う、とても面白い作品でした。
最初に読んだ時は、なんて重い作品だろう、なんて悲しい愛し方だろう…と。
あの時に評価していたら、多分、中立だったと思います。
でも、斑目先生のコメディや他の沢山の作家さんの作品に触れた後、ふと読み返してみました。
何度も何度も読み返しているうちに、いつの間にか、評価は神になりました。
※ここからは、かなりネタばれです。
ビューティフル…の方は、はじめどうしても棗の気持ちが理解できなくて。
途中まで読んでいて、朝陽を救いたいのか?本当はもう放棄したいのか?
最後の告白も、なかなか理解ができなくて。
そんならなんで、朝陽の居場所を脅かすような男を家に入れたのか?
どうしてまた、朝陽から居場所を取り上げるのか?
どうして朝陽にあんなに冷たく出来たのか?と。
でも、棗側からの視点で見ると、なるほどなぁと、ストンと落ちてきました。
はじめは親代わりに。
でも、自分が注ぐ愛情が、どんどん深く濃いものに変化していって。
それを悟られまいと、色んな人と恋仲になって。
朝陽を綺麗なまま、永遠の存在のまま保とうとして。
でも雪の夜、自分の作った二人の中の秩序を、自分で壊してしまった。
棗は内心、錯乱状態だったんでしょうね。
もう、朝陽がどんなに悲しんでいても、その事に重きを置く事も出来ないほど。
あまりのパニックに、かつての恋人も、目の前の愛する人も、自分さえも深く傷つけてしまって。
朝陽をあのまま見付けられなかったら、別の傷で壊れてしまっていたかもしれない。
だから、その前に見つけて、本当の気持ちを吐き出せて良かった。
悲しいけれど、三人それぞれにアサヒが射して終わるので、ほっとしました。
今日あなたに…の方は。
実はこの作品、はじめ読んだ時はかなり苦手でした。
でも、読めば読むほど深く突き刺さってくる何かがありました。
今は、こちらの作品の方がより好きです。
三人の悲しいサトと、三人から愛され、愛に翻弄されたメイと。
それぞれの愛、それぞれの罪、それぞれの罰…。
永遠の別れを選んだサト、ピュアな心を自分で汚してしまったサト、自分の罪深さに心が死んでしまったサト。
三人のサトに愛されて、愛してしまったメイ。
アキラも含めて登場人物、全員好きです。
でもやはり、ミサトが一番好きかな?
一番傷つきやすくて、ズル賢くて、卑怯な自分に正直で。
新しい愛情に気付いたからこそ、別れを告げて。
でも、別のサトを愛していると告げるメイの手を、振りほどけなかった。
振りほどけないのに、抱き締められているのに、心は凍えて、死んでしまう。
ミサトがもっと本当の意味でズルければ。
サトシのように、傷ついても差しのべられる愛の中で別の誰かを愛せれば。
そうすれば、心が死んでしまう事など無かったのに。
皆それぞれに深く愛していて、間違っていて、傷ついていて。
ただ、ミサトは一番、脆い心だったんでしょうね。
メイを突き放すことも、永遠の別れを選ぶ事も、一人になる事も出来ない。
ただ、抜け殻になってそこにいる。
この話を書き下ろしまで一気に読めたからこそ、深く共鳴したんでしょうね。
そして、手放さずに時間を置いて読み返す事が出来たので。
今は、この本に出会えて良かったなぁ、と思います。
斑目先生、ありがとう。
注意しなければ同じシャツをそのまま着てしまうという棗と、彼の叔父である朝陽の話です。棗には、良くも悪くも、困っている人、動物を拾ってきてしまうという癖があるのです。朝陽はかつて虐待されていたところを棗に助けられ、今の同居生活があるわけですが、ある朝、いきなり紺野を連れてきてしまうから、朝陽も心穏やかではなりません。
唯一の場所だったのに、何だかその場所をとられてしまったような気持ちがかわいそうでした。棗はきっと優しすぎるほど優しい人間だと思うのですが、すべてに対して優しくあるのもどうなのかなと、ちょっとむっとしました。そして、とうとう朝陽は家をでてしまうではないですか!
あまりにも悲しすぎる設定が重荷でしたが、萌えを発見することが難しかったです。
こんなに心臓が痛くなった漫画は初めてだと思います。
何度も何度読んでも心臓が締め付けられます。
複数回読むうちにより深く物語の中に入ってしまう感覚で、読後は少しボーっとしてしまいます。
辛い悲しい僕なんてって、話はあまり好きではないはずなんですが読んだあとは、あぁこの作品に出会えて良かったなと思いました。
自分がレビュー書こうと思ったのも初めてですし。
良くも悪くも、ちょっと覚悟して読んだほうがいい作品だと思います。
それに心臓がイタイけど何回か繰り返し読んで欲しいなと思います。痛さと同じくらい優しさも溢れてます。
少し感情的ですが私の感想です。読もうか迷っておられる方はぜひ読んでください!と言いたいです(´;ω;`)
興味がありつつ皆様のレビューにびびり…やっと読んでみました。
一言。
…いたいです。切なすぎて。
表題作は、血のつながらない叔父と甥の話。
あらすじはもう皆様書かれているので省きますが、まずは甥の朝陽の生い立ちの過酷さに衝撃でした。…母親、あれ犯罪ですよね?
いつもはだらしない叔父の棗。
お互いに依存した関係なんですね。
棗の本心が見えにくいですが、朝陽が大事すぎて、手が出せない。
恋人ならいつか別れてしまうかもしれない。でも家族ならずっと一緒にいられる。
必死で朝陽と家族でいようとする反動が、拾ってきた子とすぐ関係を持つ…というのにつながってたのでしょう。
結局当て馬になってしまった元恋人の広海を家に連れてきたのも、朝陽への気持ちが押さえきれなくなりそうだったからじゃないのかな。
どうしようもなく求め合う二人がせつなかったです。
続いて広海の短編。
棗に失恋したのをバーでバーテンダーに話す。最初は慰めるんだけど、いやそいつ(棗)は悪いやつだ!そんな奴は忘れてしまえ!と。
「…忘れさせてみせるから」
バーテンダーさんが言ってた友人はもしかして自分の事で、ずっと広海を見てたのかもしれないですね。
広海にもいい出会いがある…かも!と思わせてくれてよかった!
続く「今日あなたに別れを告げます」「明日君に愛をささやく」「昨日僕らは罪を抱いて」は4人の男性のすれ違う気持ちが重い作品でした。
それぞれが相手を見つけたようで、諦めとどうしようもない思いとの上に成り立つ幸せ。誰一人として手放しでよかったねーと言えない…なんともいえない余韻の残るお話しでした。
一冊まるまる甘さの全くない話でしたが、心には良くも悪くも残る。私は良作と思いました。
カバー下が面白かったのが救い(笑)
棗が拾ってきた犬、猫は結局朝陽が面倒みてるので皆朝陽が
大好き!!
そんな朝陽を泣かせる棗は許せないのだ!と、天罰を与えるのでした(笑)
かわいい悪魔で斑目ヒロさんにハマり、ビューティフルデイズ、というより「明日君に愛をささやく」に衝撃を受けました。
こんなに泣きながら読んだせつない話は初めてです。
一人ベンチに座ってメイを待つ美里の後ろ姿を見た時、切なくて痛々しくて愛おしくて涙が止まりませんでした。
メイも最後は、しっかり美里と向き合っていたので嬉しかった。
是非続編で美里がメイに愛されて幸せになるところが読みたい!是非!
メイのそばに居ながらも一人絶望の中にいる美里にヤキモキしながらどんどん嵌っていくメイを見たい。久しぶりに心に深く残る作品に出会いました。
「かわいい悪魔」が面白かったため、購入しました。
「かわいい悪魔」を読んだときと同じテンションで読み、後悔しました。
こちらの作品は、2シリーズともかなり重いお話です。
表題作は、拾いグセのある叔父としっかり者の高校生のお話です。
何といっても、攻めの叔父の自分勝手さには腹が立ちました。
アテ馬の広海さんには腹が立つどころか、同情すらしてしまったのに・・・
同時収録作品は、みなが片思いをしているカップルのお話です。
どの人も少しずつ自己中心的で残酷でしたが、その中でも美里が一番不憫でした。
復讐で近づいたとはいえ、本当の意味では誰からも愛されていなかったので。
もし続きがあるのなら、美里をぜひ幸せにしてほしいと思います。
良くも悪くも、印象に残る作品であることに間違いはないです。
人によって好きか嫌いかが極端にわかれそうな作品です。
斑目さん作品は「かわいい悪魔」のようなはっちゃけコメディ路線と、「scarlet」のようなダークシリアス路線の両極端な印象を持っているのですが、この作品はダークシリアス路線の極みというか。
この作品に限りませんが、斑目さんの作品はすごくモノローグ部分が多くてポエムな印象を受けます。
大きくわけて2つの話が入っているのですが、どちらも暗くて重くて退廃的で切なくて痛いです。
表題作の親に捨てられた子ども時代の受のイラストや攻の下半身のだらしなさにも衝撃を受けましたが、同時収録作の身代わりループっぷりはかなりショッキングでした…。
どちらも余韻のある終わり方なので、読者の想像の余地を残しているのかなと思いつつ、
個人的には、もうちょっと救いがほしいというか、もう少し後日談もほしいところかなぁと。
どのカップリングも、これから…な状態で終わるのでちょっと消化不良な印象を受けました。
登場人物みんな辛い想いをしているので、少しでも救われる後日談が今後続編としてでればよいのになぁと思います。
血の繋がりが無い叔父と甥、叔父はだらしが無いダメダメ大人。
受け様はしっかりした高校生、犬でも猫でも人でもなんでも拾ってくる癖がある、
そんな攻め様には自分が側にいなければダメだと・・・思い込むことで居場所を作る。
無意識で過去に親に捨てられたトラウマから健気にもいい子であろうとする。
そして叔父は寂しがり屋でダメ人間、拾って来る人間といつも恋人みたいない関係に。
でもいつもフラれる・・・それは何故なのか?
互いに本当の気持ちを隠して、穏やかに家族として暮らす幸せの日々。
それが、酔いつぶれて理性が切れたほんの隙間にしたキス。
そこから二人の関係が崩れていく。
攻め様はヘタレなんて言葉では言い表せないくらいダメ大人でした。
そして、これ以上ないくらい受け様が健気で、あのまま攻め様がヘタレだったら
きっと受け様は壊れていたかも知れないなんて感じる程切なかった。
攻め様の学生時代の恋人で、雪の日に再会して、元鞘に治まるかと思われた彼も
切ない思いをしたけれど、辛いことの後には幸せが待ってる、そんな風に思わせる
内容でこちらも良かった。
まぁ、やっぱりダメダメは結局攻め様一人なんだと感じるお話。
同時収録のもう一遍も複雑に絡み合った人間関係が苦しくて切ないストーリー。
好き合っていても、本当に求めあっていても手に入れる事が出来ない現実。
それでも、ほんの少しずつの幸せを見出してる、人の心の複雑さを感じさせる一遍。
しっとり読みたい人に向いてる作品かもしれませんね。
これからの秋の季節にはピッタリかもなんて思った作品です。
斑目さんの作品は以前から読みたいなあと思っていて、BLアワードでもおすすめされていたので購入してみました。
表題作の「ビューティフル デイズ」は生活感ゼロで、捨てられた生き物を放っておけないほどのお人よしダメリーマン・棗(攻)と、親に捨てられ引き取り手がないところを棗によって拾われた少年・朝陽(受)のお話です。
朝陽は毎日棗と一緒に生きていける幸せを噛みしめながら生きています。しかしただ一つ心をかき乱す存在が朝陽が拾ってきた人間たち。多くが棗と体の関係を持ちそれをあからさまに見せられる。嫉妬を抱きますが朝陽は自分の想いを押し殺し、ふとした瞬間に棗が自分を必要としてくれている言葉を胸に良好な関係を築いていっています。
しかし棗が新しく連れてきた棗の元恋人である広海が生活に加わることによって2人の関係が大きく揺れ動きます。棗の不器用な言動。その言動により朝陽はくるしみます。その擦れ違いの過程がとにかく切なくて切なくて何回読み返しても涙が滲んできます。
結局2人は互いに唯一無二の存在なんですよ。棗は朝陽がいないと絶対日常生活を送れないだろうし、こんなダメ男を世話できるのは朝陽だけ。朝陽は棗が命の恩人でありただ一人の家族。互いが互いを生かしている関係。それがこの作品の醍醐味なんじゃないかと思います。
いやぁ、BL漫画でこんな涙腺ゆるゆる状態が続く作品はあまり出会ったことないです。とにかくお勧めです!!
ただ1つだけ不満を言うとどうせなら丸ごと1冊この2人のお話でもよかったんじゃないかなと思いました。もっとじっくり2人の恋の行方を見ていたかったです。
しかしながらほかに収録されている作品も非常に切なくて読み応え充分です。特に表題作で当て馬だった広海のその後が描かれている「アナザーライフ」はなんだか救われました。この人ホントにいい人なんですよ。そしてものすごく寂しい人なんです。きっと支える人間がいないと生きていけないんじゃないだろうかと心配してたんですが、これを読んで広海の未来に光が見えた気がしました。
明るい斑目作品もいいけれど、ドワっと一冊まるごと切なさが押し寄せてくるこんな斑目作品は、また別格にイイ!
この1冊の中には2シリーズと、それぞれのあて馬になった人物のエピソードが入っている。
そのどれもが切なくて、苦しくて、思わず涙腺を刺激されてしまった!
泣けたからいい作品、っていうわけじゃないけど、どうにもこういう作品に弱いのでもあるが、斑目絵にそれがまたよく合うのです。
その切なさを倍増させる涙の絵に効果があるんです。
親に捨てられ、引き取り手のなかった朝陽を引き取ってくれたのは、知の繋がらない叔父の棗。
棗はイキモノ(犬猫から人間まで!?)を見捨てておけず、つい拾ってしまう心は優しいが、生活的に朝陽がなにもかも面倒みてあげないといけないような、ダメ男。
いつも、拾った相手が朝陽に棗との肉体関係を匂わせても何とも思わなかったのに、ある日棗が連れてきた元恋人だったという広海が来た時から朝陽に不安が押し寄せる。
朝陽が健気でイイ子で、ほんとうに彼には棗しかいない。
多分に広海が来た時に、きっと優しさからこのままではいけないと、突き放すような事をしてしまったのだとはおもうのだが、
そうでなければ、ラストの支離滅裂な朝陽への告白はありえないんですよね!
方法を間違えただけだよね、
とにかく、朝陽の心情にはいりこんでしまって、広海に気持ちを吐露するシーン、棗の為にあきらめようと虚勢を張るシーンに心が痛かったのです。
その結局振られた形になった広海が、バーのマスター相手に心情を打ち明けます。
そこには棗が朝陽を引き取ったエピソードも入り、本編を肉付けるのに役立っています。
決して広海も悪い人ではなかったので、アテ馬とはいえ救済される予感にほっとするのですw
もうひとシリーズも苦しいです!
嫉妬と復讐がグルリと回ってそれぞれの主人公を別のサヤに収まらせてしまった、ちょっと複雑な関係。
恋人だと思っていた男に捨てられた主人公・美里は、恋人を奪った飯田くんに復讐するために、飯田くんがほんとうは見ていたメイに既成事実を偽造して恋人になったという復讐の為の偽りの恋人なのです。
でも、里見はメイを好きになっていて。
飯田くん(さと)は、実は双子の妹がいたのだが、その妹はメイが好きで、メイは妹が好きで、さともメイが好きで、妹にそれがバレたことで妹が亡くなってしまってというトラウマを抱える人々。
メイもまた好きな人を亡くした事で、里見とさとを利用していたという。
それぞれが、ずるく、互いを利用し、でもそれによって心を癒されるという、イタイ恋愛はとても心が苦しい。
そして、飯田くん(さと)にも里見の元恋人だったアキラという救いがあるのです。
確かにハッピーエンドを迎えるは迎えるのだけど、それに至るまでが胸が押しつぶされそうな苦しみを味わうのです。
それがどうにも切なくて、苦しくて。
表紙絵も雪の絵ですが、何だか今の季節にぴったりな切ない一冊は大変によかったです。