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あまり読まない時代遊郭もの
ですが、わりとスラスラ読めました。遊郭もの、時代もの共に、痛いイメージがあったのでちょっと避けていたのですが、この話はわりとサラッとしていました。
主人公の彰彦(受け)が、妙に冷めた性格だからかもしれません。遊郭育ちで、ある意味純粋培養なのか、好きな人の家で犯されてもあまり抵抗しない……(一応抵抗するのですが割とあっさり引きます)
超ネタバレになりますが、好きな人と離れてもあっさり諦めます。
どうにもつかみどころの無い受けでした。
これだけだと「中立」の評価なのですが、脇役の二人がなかなかいいキャラだったので「萌え」にしました。
まず、当て馬の竹原ですが、主人公の敦彦は竹原にとって昔裏切られた女の忘れ形見です。故に敦彦に執着します。そして、最後はこっぴどくフラれるにもかかわらず敦彦のことを助けちゃったりしますよ。 こういうあからさまな当て馬って好きです( ̄▽ ̄;)
そして、もう一人が敦彦と同じ郭で働いている、敦彦のことが嫌いな英人。この人も執着っぽい。そして見事な淫乱受け、しかもリバあり ←重要!!!
この二人は、はっきり言って主役よりも目立っていました。書き下ろしで竹原 × 英人 が少しだけあるのですが、こっちのほうがエロスもありよかったです。
ということで「萌え」です♪
男娼館で育った男娼と客と画家との、大河浪漫トライアングルラブストーリーです。それぞれ3人の想いが交差して、切なかったです。
お話は、男娼として生きる彰彦が画家に本当の恋をするけど、客は彰彦を手放さないし、画家の方はヘタレだし…で、なかなか上手くいかずにジレッタさがたまらない感じでした。
上手くいったと思っても、関東大震災に遭って離れ離れになるし、最後までハラハラしました。
いつもなら受けや攻めに感情移入するんだけど、今回は、何とか彰彦の心を手に入れようと必死だった客が一番気になりました。最後まで報われなかった彼も、幸せになってほしいです。