renachi
kimi log boku log
「キミログ」でハピエンを迎えた中学生カップルのその後がたっぷり見られる番外編集。長い遠恋期から同棲社会人期まで、一切よそ見することもなくお互いを見つめ続ける二人。中学時代から変わらず、あまりにもまっすぐで泣けてしまった。
始まりは本編の裏話的なお話から。片思い時代の曽原のソファラ節は、正直ノリとか元ネタとかが全然分からない。スマホもない時代だけど、感じるのは懐かしさや古さとは違い、中二病の黒歴史って普遍的なものなのかも、という変な実感。
付き合い始めてからのお話は、本当に何気ない日常を切り取ったものが詰め込まれており、ずっと見ていたくなる内容だった。
高校生になってからは、アメリカと日本の遠距離恋愛。この時、Webカメラを贈ったのが高垣からってとこが良い。曽原と高垣の気持ちがゆっくり同じ重さになっていく過程を見ているようで、微笑ましかった。
十年の遠距離恋愛を終えた二人は社会人になり、同棲生活に。それなりにモテて誘われて、高校・大学時代も簡単には会えなかったのに、お互いしか見ないカップルなんて奇跡では。
ラストは中学卒業から二十年後。15歳の高垣に向けた手紙という形で、今も二人仲良く暮らす様子が綴られている。何があっても添い遂げるんだろうと思える安心感。
幸せしかない、癒やされる一冊だった。