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shinjitsu no kimi wo tsukamaetai
作者さんの初単行本。
表紙のカラーページは手書き風で素朴な感じが。
中扉のカラーはデジタル風のあっさりした感じ。
そして、本編の白黒ページは・・・実に見にくい!
セリフは多いし、コマは小さいし、その分活字は小さいし、登場人物の描き分けがわかりづらく、しかも誰が話しているのかよくわからない。
鈴森が、最初裸で登場するのですが、「女の子と思ったでしょ?」というわりに、がっつりでっぷり体格に描かれたそのギャップ。
だけどですね~じっくりと腰をおちつけて、時間をかけて読みこむと味わいがあるんですよ!
ちょっとセリフが多いのと、その言い方が実に回りくどいものいいで、小説?みたいに感じる展開ではあるのですが、その荒削りさが初々しいです。
すごく練って考えて考えて、ちょっと欲張ってあれもこれも詰め込みすぎちゃったかな、という感じをうけるものの、お話はいい話だったので、こなれてきて、もっとそぎ落とされてくるといいものを見せる作家さんになるような気がします。
無愛想で一人で孤立しているような宮下に、突然全裸で彼に迫る鈴森。
いつも一人でいて無愛想だけど、僕は本当の君を知っているんだ。もっとそんな顔の君が見たい。
鈴森の登場が唐突でありすぎるのですが、それはそれで理由があるのです。
宮下が、一人で無愛想でいる理由。
そんな彼にまとわりつく鈴森の理由。
ただ、宮下が一人でいる理由はあまり説得力があるものではなく、彼のその後の変化を見ると、その必要はあったのか?多少不思議に思わなくもない。
むしろ、鈴森が不思議な魅力を醸し出し引きこまれるのだが、唐突にトラウマが発生して、彼が宮下を否定し出すあたりは、多分二人の関係の変化を望む姿なんだと自分勝手に解釈したのだが、あっているのだろうか?
この宮下と鈴森の話の中に登場する似てない双子の千歳と千紘の禁断の不思議関係物語と、宮下の元父親である保健医と彼に恋する不良の話があるのだが、こちらは1本で治めているだけに宮下達の話に比べれば非常にわかりやすくほっとする。
学生より、オヤジである保健医が魅力的だったv
萌えがあるのか?と言われれば申し訳ないがそれはない。
ただ荒削りであるがゆえに、もっとスマートになった時に化けるんじゃないかという期待感があるのは確かだと思う(偉そうにすみません!)
9年前の作品ですが、表紙の雰囲気が好みだったので購入。
初読の作家さんです。
ページを開いてちょっと後悔。
表紙の雰囲気と本編の作画が全然違いました。
いきなり教室で全裸待機してるDKにも驚きですが、そのDKの全裸の後ろ姿が完全に中年の太ったおっさん…。
開始早々、学生紛争時代の大学生のような口調で会話をポンポン繰り広げるDKたち。
名札をつけてほしい…と思いつつ、登場人物を何とか整理してみると、
宮下…強面だけど実は優しい猫好き、黒髪
鈴森…成績トップだけど変わってる、女顔で全裸待機
とせ(千歳)+ヒロ(千尋)…似てない訳あり双子、短髪黒髪がとせ(クール)
辻堂…猫好きの不良、保健室によくいる
保健室の先生(篠田)…性別問わず恋愛方面でだらしない
前半から飛ばしてくるので、この6人を先に頭に入れて読むと多少入り込みやすくなるかと思います。
前半は宮下と鈴森、後半は双子の話と、辻堂と篠田の話でした。
宮下も鈴森も複雑な家庭の事情を抱えていて…という前半パートは、いきなり最後に爆弾がぶち込まれますが、そこはあっさりスルー。
会話がとにかく仰々しくて、保健室の先生の言葉が不自然だし、鈴森が言われたキーワードを見せ場でさっそく使うのも違和感。
双子パートは、ヒロが提案した彼氏彼女ごっこをするうちに、お互いの気持ちを誤魔化しきれず…という話ですが、「似てない」=「実は血の繋がりがない」という匂わせは回収されませんでした。
辻堂と篠田パートは、宮下×鈴森の最後にぶち込まれた爆弾が「周知の事実」っぽく出てきます。扱いが軽い。
篠田の過去の回想を交えて進むものの、いろいろ消化不良なので、篠田を主役に1冊にした方が良かった気がします。
辻堂×篠田がメインで、同時収録でスピンオフ的に宮下×鈴森。
その方が情報も分散しなくて読みやすかったんじゃないかと思いました。
オムニバスで3CPを絡めたいのは分かるのですが、絡めたことによる相乗効果がイマイチ効いていなかった気がします。
双子パートの冒頭で「鈴森」が「鈴木」になってます(校正チェックしっかり!)。
一瞬「鈴木?見落とした?」となりますが、おそらく誤植。
描き下ろしの宮下×鈴森は良かったので、情報の見せ方をもう少し分かりやすくしてあったら、もっと萌えたのかなあ。
本編は中立、描き下ろしが萌でした。