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hakuyou ayakashigatari
アヤカシと大正のロマンとモダニズムを兼ね備えた時代を設定にしたことで、実にその不思議が色香と切なさを持ってぴったりくる味わいがありました。
よくこういうしっとりシリアステイストにほのぼのとした笑いが取り込まれる時、キャラをチビキャラにするのを見ますが、この本ではチビキャラにならないのが個人的に好感が持てました。
主人公が狼の魔物という設定で耳尻尾が出たワンコになるという絵で見せるのがかわいらしかったです。
それと、何と!本編中にエチはないんですよ!!
それは番外編で、、みたいな作りにも物語の設定上あってよさそうなものがないというも新鮮でしたね。
物語は、山奥で魔の者といわれる狼の一族が村を構成しているのですが、そこで唯一白毛の為に仲間から忌み嫌われて迫害されている白狼が、餌となる精気を求めて村を出て人間の住む地へ降りてきたことから始まります。
その白狼には名前がなく、彼のあまりに何も知らない疎さと、その外見の珍しさから新聞記者魂の興味で彼を自分の元へ連れてくる秋澤との生活で成り立っています。
白狼は親に捨てられ、仲間からもノケモノにされていたため名前がない。
ましてや、白いということで忌み嫌われていたのに秋澤はそれをキレイと言ってくれて名前まで白耀とつけてくれる。
嬉しくて嬉しくて、でも、彼の食事は精気。
それを吸うと人は倒れてしまうという事に気がついて秋澤を襲うこともできないし、自分の正体を明かすことができない白耀の悩み苦しみ。
一方、事件を追うことに必死だった秋澤は純真無垢な白耀によって、自分の本来の新聞記者の姿を見直すという
互いが互いに影響しあって、それが愛情になっていく、手放し難い存在になっていくというお話。
実にシンプルで複雑さもなく、上手く設定を生かした作品になっていたと思います。
ところどころ、突っ込みどころや、?みたいな部分もありはするのですが、スルーしても大丈夫でしょう。
とにかく、白耀がかわいいんです!!
あの純真さはまさにイヌ。かわいい仔犬な感じがとってもよかったのですv
何だか、秋澤も「おー、よしよしよし」なんてムツゴローさん化してるんじゃないか?ってそんな想像もさせてくれて、とてもいいお話だったと思います。
一城さんの作品は割と読んでいるのですが、この作品はまず表紙に惹かれました。
銀髪で着物をはだけた白耀がとても美しくて。
あとがきによると大正ロマンと妖の題材が昔から大好きだったと仰っていて、最後まで楽しんで描かれたそうなんですが、読んでいる私もとても楽しんで読めました。
白耀が妖なのですが、白い色をしているということで妖の間ででも仲間外れにされていて、少しネガティブで控えめな所があるので、怖い妖ではありません。
またこの白耀が健気で可愛かったです。
今まで読んできた一城さんの他の作品と比べるとHシーンは控えめだと思いました。それがこの作品の雰囲気に合ってると思いました。
着物と獣モノが堪能できました。