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どうか、僕の恋よ、起きないでくれ……。
ayame mo shirazu
栗本薫さんの『六道ケ辻』シリーズをお好きな方におすすめ
著者が、栗本さんの愛したそのあたりの作品群や、江戸川乱歩、横溝正史などをお好きなのではと感じた作品ですが、それらよりドロドロは薄めです
そう感じるのは夏乃あゆみさんのイラストの影響かもしれない
これほど主人公が台詞で叫んでいるのに、なぜかさわやかです
いえ、やはり終章の青空のせいかもしれない
文体や台詞でちょこちょこ、思うところもありはしますが、雰囲気を楽しみつつ読みました。懐かしむみたいに。序章からおや、とひきこまれます
何より映像の描写がよくて、舞台を見ているようにそれぞれの場面がうかびます
あらすじより、コピーで手にとってほしい作品です
答姐トピでご紹介いただいて読みました。新人賞受賞作品ということですが、きちんと練られたシナリオも然ることながら、完成度の高い筆致に序盤から惹き込まれました。
主人公は、母の名代で櫃井家の葬儀に参列するために神戸までやって来た大学生・雪也。そこで出会った尊大な態度の高校生・青爾に何故か気に入られ、雪也は夏休みを櫃井家で過ごすことになります。そこで二人はそれぞれの祖父――貴臣と久弥にまつわる哀しくも情熱的な絆に触れることになるのですが……というお話。
「エロ度」が「なし」になっている通り、非BLカテゴリでもいいかなと思うほどソノ手のシーンはありません。その代わり、時を超えて成就される二人の青年の狂おしいほどの想いがひしひしと伝わってきました。余談ですが、こういう二つの時代を交互に描くような作品を読むと、平和な時代に生まれて良かったなぁと改めて思います。
微かに「犬●家の一族」的な雰囲気も少々ありつつ、今の時代を明るく生きていくであろう雪也と青爾のひたむきさに清々しい気持ちになりました。エンディングの数ページが本当に色彩豊かで、映像で見てみたいと思いました。
この小説は夏乃さんの挿絵に惹かれて手に取ったのがきっかけで、良作に巡り逢えた嬉しさを味わえた。
とある夏の日に、厳格な旧家の体裁を保つ櫃井(ひつい)家当主の葬儀に代理で訪れた雪也。
跡取り息子・青爾との前世を彷彿とさせるような出逢いから、梔子(くちなし)
の香りをキーワードにして封印されたかのような過去が明るみに出てくる。
内容のほうは、現在と過去の出来事、孫の青爾と雪也、祖父の貴臣と久弥の禁忌を破った関係の織り交ぜが見事だと思った。
『鬼の棲みか』とか『心の中の蛇が蠢く』とかの古風な言い回しもさらりと読めて、しっとりとした話の雰囲気にも合っている。
登場人物の描写も見事で、何も知らないよそ者の雪也が騒動に巻き込まれる戸惑いから、若さ故に上手く折り合いが付けられずに衝突して途方に暮れる青爾と雪也の心情がきちんと感じ取れた。
特に、既に亡き彼らの祖父達の秘めた恋が浮き彫りになるにつれ、孫の二人だけでなく彼らを取り巻く他の櫃井家の家族も皆孤独だな…と気が付いた時には切なさが沸いてきた。
しかし、単に切なかった~ってだけで終わる事はなく、同性愛が認められなかった時代を生きた祖父達とは違う。
今の青爾と雪也にはいくつかの未来の選択肢が広がっているんだよなと読み手が感じ取れるラストにも静かにじ~んとくるものがある。
主人公の記憶と彼の祖父の記憶がリンクし、二つの物語が一冊に集約されている…そんな印象を受けました。
付き合っていた二人の孫が運命的な出会いを…という話の展開展開はよくありがちなものですが、話全体に散りばめられた謎を解き明かすのが楽しみでサクサク読むことができました。
特に感動したのは、クライマックス。
短歌に込められた征爾の答えに気づき、彼のもとにとんでいく雪也の姿は涙を誘います。
また、夏祭り、宿題、 離れ(←夏なのか?!) など、夏らしいシチュエーションが出てくるのもうれしいところです。
色々と思う所はありますが、読んでいて「続きはどうなってしまうのだろう」と思わせる作品でした。
ありがちな感じはありましたが、サスペンスが混じったオカルトチックなお話で、何処かしっとりとした雰囲気で私の好みでした。
サスペンスの部分や過去(夢)の内容が出過ぎた感があり、攻め様の心情が最後まで出てこなかった事が残念でした。直接的なBL描写は過去の方々が濃いです。犯人の言い訳も呆れてしまい、ほか描写でリアリティが欠けた感じも否めません。
匂い系にしては濃く、BLにしては少々薄い作品かもしれません。このもどかしい感じも私は好きですが……。
色々と書いてしまいましたが、軽く読む読み物としては良いかと思います。