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sangatsubiujitsu kuma wo hirotta
大好きな高緒拾先生の2011年発表作品。
「麗人」なんだけどエロは抑えられて、かなりこじれた青春の忘れ物のような。
舞台は美術系の予備校の寮。
そこに住む講師が拾ってしまうワケありの男。
そのワケを知れば随分とおセンチないきさつな訳だけど、川瀬のクールさが穂積との関係性をエモく見せて、ATGの映画みたい。つまり文芸っぽい。
後半、いわゆる「ハルナツ」シリーズになります。
こちらはまた…
芸術系若者の何ともエキセントリックな。
トンがってる、っていうのとは違うんだけど、人とは違うものを見て追い求める…そういう子が恋をしたら…という物語。
そしてそれはちっとも甘くもなく楽しくもなく、「芸術」だけを見る無垢だったり、選ばれしものの持つ苦痛だったり、表現への貪欲さだったり。
溢れ出る「何か」を持ち、憑かれたようにしか表現しきれないナツ。
ナツが焦がれるハル。
ハルの先輩で、川瀬のセフレでもあるモク。
そしてナツが囚われている「ヘンゲンさん」…
そして物語はナツの過去にあった事件へ。
非常に不思議な味のある物語で引き込まれる。冒頭のヒゲぼーぼーのクマ男の話からこんな所に進むなんてね。
先に「七月の交差点」の感想をかいてしまったので。
こちらも書きたくなりました。
川瀬先生が拾ったこのクマは、人です(笑)
ほっつー(クマ)には好きだったキューちゃんがいて。
目の前に現れたキューヤ(川瀬先生)に彼を重ね合わせて懐いてくる。
キューちゃんとの悲恋というかトラウマを、川瀬キューちゃんが、なんとも独特なやり方で拭いさってくれます。
川瀬先生のツンデレ具合、かなり萌えます!
この後、この本の後半三分の二は「ハル&ナツ」シリーズになります。
川瀬先生、こちらでも活躍してくれていて。
ハル&ナツと同じ寮に住んでいる先生です。
良い具合にツンデレでエロで、結局すごく良い人です。
先に読んだ「七月…」の謎が、最近買えた「三月…」でやっと色々わかって府に落ちて。
読んでいてオオ~ッと唸っていました。
ナツのヘンゲンさんの絵の話なんですが。
かなり重要キーワードのネタバレごめんね。
以前ある人に、この絵を盗作されてしまいます。
しかも、それが評価されてしまう。
周囲には、ナツの方が盗作していると思われてしまう。
その事で以前も新しい予備校でも、色々尾ひれが付いて噂になり、絵が描けなくなる事があります。
このキーワードを読んでいて思い出したのが、ロダンとカミーユの関係です。
まあ、ナツの相手は恋人ではないのですが。
ロダン(考える人、で有名な彫刻家)はスランプの時、弟子で恋人のカミーユの作品を自分の作品として発表した。
そういうエピソードがありましたよね。
有名な方に自分の作品を盗まれたら、有名ではない方はどうしたらいいんでしょうね?
ツラい…。
私の出た学校には美男美女カップルがいまして、女の子が独特の絵を描く子で。
卒業してから、雑誌表紙や文庫本の表紙に彼女の絵にそっくりなものが。
イラストレーターは彼氏の方の名前でした。
学生時代一緒に過ごした私達は、その絵の描き方が誰のものか知っているけれど…。
その男は美男イラストレーターとして、雑誌にも写真付きで載りました。
盗作が独り歩きした時、もともと描いていた方はどうしているんでしょう?
ツラすぎる…。
芸術家とか学者の卵たちは、こうして才能とか盗まれてしまうんですね。
(医学生の友人にも教授に裏で論文書かされていた人いましたし)
悔しいなぁ。
これを読んでいて、とにかく「ナツ、がんばれ!」と思いました。
この漫画、BLという枠には全然収まりそうにないな。
完結したら「神」評価になりそうですもん。
それから、高緒拾先生の画力の高さに圧倒されます。
表情、体つき、ポーズ、画面構図、うますぎる。
わかりやすいのが同じポーズの同じシーン、もう一度描いたとは思えないくらい同じでしたし!
そんな画力だけでも脱帽です。
チェックから漏れてました。
というか、今回は高緒さん、ピンなんですね~
なんか、話の印象もいつもと違うのでちょっとビックリ。
嫌いじゃないのですが、髭オヤジを期待してめくったページに
オヤジが居なかった(*ノД`*)・゚・。
お話
目が覚めると、髭もじゃの熊みたいな男が裸で寝ている。
もちろん自分も裸。
あぁ、やってしまったのか。
不可抗力、しかし、自分を「キューちゃん」と呼び懐いてくる男。
すきでもない、可愛くも無い男。
しかしその男、過去に縛られふらふらと~・・・
いつしかそれが放っておけなくなり~な展開からのお話ですね。
最後の終わり方を見る限りまだまだ続くのかなという印象。
始まりといえば始まり、まだ始まっているのかいないのかというところでもあり。
過去、自分を好きだといった男が死んでしまう。
あのとき自分が・・・・~であれば・・・
次回作
これが出たときに、まとめてもういちど読みたい作品。
忘れないように見えるところにおいておかねば・・ですね。
個人的にはハッピーエンドで読みたい。
過去のしがらみとか、含めて笑て抱き合うふたりが見たいものです。
単行本ではお久しぶりの高緒さんv
麗人で時々連載を見た時、なんだか???とワケアリな主人公達の秘密がよくわからなくて、単行本になるのを楽しみに待っていたんですが、やっぱり???
彼等の事がもっと知りたいーー!!
予備校講師・川瀬の”やっかいなモノを拾う癖”とか節操無く、頂けるものはなんでも頂いちゃう、でもって、それが似あってしかも許せちゃう、彼の魅力の出所は一体どこ?
川瀬が拾ったクマ男こと穂積は超超ヘタレ。
過去の亡くなった親友の気持ちを伝えることも出来ないまま親友との別れを迎えてしまった為の後悔を15年も持ち続けているなんて。
川瀬はそこからの脱出を穂積にさせることができたわけだけど、、、何か川瀬って除霊するお祓い師みたいだった(儀式はセックスw)
予備校生・ナツのトラウマはわかったけど、ハルに寄せる想いの出所と最初の出会いは一体?
ヘンゲンサンって一体何者?
他予備校講師のモクさんも何だか怪しいw
彼等の全容はまだカーテンの向こう側。
今回のこの単行本は、メンバー紹介といったところか?
いつもだと、神室さんのストーリーがつくのに今回は高緒さんの単発もの。
帯に「あなたは大切な人に大切な想いをちゃんと伝えてますか?」
まさにそれがテーマだと思います。
だから全体がゆるいのかな?
激しい萌えやトキメキはないものの、一体何が?一体どうして?そんな期待でページをめくる手が進みます。
一つ難を言うならば、ヒゲを剃った穂積とナツが似ている!!
物語の展開の中で時間が少し後退して回想などが入ったりするのだが、その境目がはっきりしなくて、おや?ということが度々。
タイムトラベラーになった気分にw
高緒さんというと、エロエロのイメージだったのが払しょくされた一冊になりました。
期待、次巻!