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そして、最初の数ページを読んでもやっぱりBLには見えない。
さすが「男の娘に定評のある」宮下キツネさんです。
でもこの本はいろいろと「変なストーリー」が多いのです。
「殿下の家電」
タイトルが微妙に回文じゃない。
家電を愛する余り家電が全て男の子(男の娘?)に見えるようになった家電芸人に友人から「蔵の中で埃をかぶっている謎の家電」を紹介される。
そもそも何に使うのかすら不明なその家電は自称「新時代の最新式万能家電」と名乗るのだが・・・
で、やはり見所は家電たち。明らかに男の子だと分かるようなルックスだったり、胸の平たさでしか男と分からないほど女性っぽかったりといろいろですが、さすが家電に愛のある家電芸人が見る家電。みんないい魅力があります。
「携帯電話君に電話がかかる」→「携帯電話君を抱っこして会話する」
とか。確かにそうなのですが、斬新な表現です。
結局万能家電君はご主人を押し倒して快楽を与えて後輩たちに道を示すのですが、この次の来るべきゴールは花びら大回転なのか?なのか?
「お前のために俺はやる!」
BLの不文律
「受けは攻めにどういう愛され方をしようが感じて最終的にはイク」
に真っ向からけんかを売る作品。
どこでもかしこでも犯したい性欲のカタマリの攻め君が女子の読んでいたBLから「感じてるのが当たり前」ということを教えられて「自分はちゃんと出来てない」と思うようになり、そこから引くようになってしまう・・・と。
受けのチンコについてここまで神経質に観察する攻めは珍しいのですが、
でも、実際はさぁ・・・起つほうが少数派だと思うんよー?
「二人の恋はミステリー」
小説好き、特に井上奏樹の好きな大学生、統は知人の頼みで中学生の家庭教師をはじめた。
だが、勉強は出来るは愛想はないわで実に面白くない。
しかしその家で統は弟と思われるかわい子「たいちゃん」と出会う。
じつはその「たいちゃん」とは弟ではなくて・・・
実はびっくりするような親子もの。年の差もの、ショタ受けと見せかけて実はオヤジ受けという普通に考えるとすっごいきわもの。
まぁ「たいちゃん」は中学生の子持ちの小説家にはとても見えませんが。
「♂はみんな俺のもの」
見る男全てをとりこにしてしまうフェロモンの持ち主、大谷は
それに対して唯一なびかない少年、吉次のことが実に好き。
なんとか手に入れようとあらゆる手を使って物にしようとするが・・・
はい、個人地雷の「フェロモン」キタコレorz
その上「自分を好きな奴を利用して自分の好きな奴を落とす」とか「最終的には多重姦」とかもう、このストーリーは淫乱系の地雷が埋まりすぎ。
「にゅるにゅるにしてやんよ」
これはあれか、某有名ボカロ曲のパクリか?パクリか?
本当は岳流が好きで押し倒したいのに出来ず、その欲望をエロ漫画にぶつける漫画家の一路。常に主人公の名前は「タケル」。
でもそんな作品がついにばれてしまった・・・
幸い好意があって、結ばれてよかったねぇ・・・うーむ。
「純愛路線希望」
相模先輩に声をかけられたのをきっかけに先輩たちに輪姦されることを日常とした生活を送ってる宗明。
でも学園であった生徒会長、五郎と出会い話をするうちに好きになっていき・・・
すでに前提に多くの人の地雷が埋まってるなー。
相模は宗明に「愛してる」といっておきながら宗明に好きな人が出来たと知ると「ゆるされねぇ」と強姦した挙句、次女の子捕まえようぜとか・・・
確かに現実的にはありそうな気がするけど、ひでー話です。
総じて、なかなか難しい本ですね。
BLに対して期待されてるものとはどんどんずれて行ってる気がする。
表題作はBL好きだけでなく腐男子になる可能性のある男の娘はめるのに使えそうだけど、それ以外が余りにも救いがなかったりマニアックだったりとか・・・
とりあえず、棒の数は多い(へんな言い方だ・・・)本なのでエロという意味では点数の高い本です。
なんかいろんな意味で「レビューしがたい」本とは思いますが。