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tooku ni iru hito
なんとも、この攻めの小田島はなんて傲慢な男なんだろうと思いましたよ。
でも、単なる傲慢ってよりは、そう言う環境にいたからなのかも知れませんね。同族企業で副工場長。
本社から工場へ来たけれど、やっぱりそりゃお金持ってて生活圏も違う人なんですよ。対して受けの佐倉は、見た目もイマイチ、高卒で塗装作業をずっとしていて、元カレに持ち逃げされたり、挙句の果てにはDV野郎に寮に軟禁されるとか。。。
幸薄すぎます。
そんな本来奈良交わらない二人が、小田島の想い人「三津」を通して近づき、そしてめがはなせない、好きな気持ちに変化していく様がうまく書かれていました。
早い段階で佐倉は小田島に好意を持ちますが、小田島の気持ちの変化が面白かったです。だからこそ二人は気持ちを推し量りつつも、信じられない。はっきり言葉にしないとわからない(小田島の場合は、言葉にしても嘘っぽくなるんですけど)。
最後はお互いの気持ちを共有できたんですが、なんとも両手を挙げては喜べない余韻が良かったです。続編を早く読みたい。
攻めが酷いんです。
いえ、一概に酷いとは言えないのですが、間違いなく人でなしの部類の人間です。
けれど、その人間らしさや傲慢さが、この作品のスパイスであって、話を展開していく中ですごく物語をもり立てていたと思います。
小田島の傲慢さや、不意の優しさは、自分に自信がある人特有といいますか。
だからこそ、優しさもスマートで、佐倉にとっても読み手にとってもいちいち言動にきゅんとさせられてしまうんですよね。
だからこそ、私は受けを溺愛するような作品ばかり読んでいるのに(笑)、文句を言いながらも読み進められずには居られませんでした。
価値観の違いや、性格の違いがきっと今後も沢山問題を起こして2人の間に立ち塞がることでしょう。
けれど逆にだからこそ続きをもっと読みたいなぁと思える作品1つになりました。
ひのもと先生の作品は初めて読みました。
こちらの本はデビュー作ということですが、治樹が不憫で苦しい恋をしていて、忘れかけていた私の性癖を刺激してくる内容でした。
BLにハマりかけた時にこういう作品を好んで読んでました。
辛くて苦しい恋をしている受けの感情に同調して、酷い攻めの態度や台詞に胸を痛めて浸り切るんです。
そして、その先に攻めを振り向かせたハッピーエンドが待っていたら極上の睡眠を得られてました。そこで思いっきし泣ければ神なんです。
こちらの作品はそんな好みに近かったんですが、泣くまでは行きませんでした。私が歳を取って薄汚れたからかも知れませんが…。
攻めの小田島が自分の感情が見えて無くて、焦ったくて焦ったくてしょうがありませんでした。そして治樹の健気なことよ…。
2人の噛み合わなさにジレジレしながら、ここまで拗れてどうくっ付くのと読んでて気になってしょうがありませんでした。小田島の無神経な言動にコイツは宇宙人だと思ったり、何も言えない治樹にもうハッキリ言ってよと、心の中で荒れながらも楽しめました。
これって続編あるみたいなので、これから読みたいと思います。楽しみ。
個人的な萌えに、「受けに遊びで手を出した鼻持ちならない攻めが、いつの間にか本気になってしまう」と言うのがあるんですけど。
こちら、そんな個人的萌えツボ直撃の作品でして。
攻めがビックリするほど酷いんですよね。
何が酷いって、自分が人として最低だと気付いてない所が一番酷い。
また、攻めだけでは無く、受けもこれまたダメな子でして。
えーと、何だろう・・・。
ダメ男ばかりに引っ掛かる、依存心が強いタイプと言いましょうか。
普段ならこの手の受けって、完全に好みでは無いんですよね。
どっちかと言うと、毛嫌いしちゃうタイプなんですよね。
それなのに、何故か今作は面白くて面白くて。
こんなダメな二人が散々拗らせまくって、それでも真剣に向かい合うー。
こう、生身の人間の弱さや寂しさに真摯に寄り添った、とても優しいお話でもあると思うんですよね。
すごく読み応えがあると思うんですよね。
ザックリした内容です。
地方の家具工場で働く主人公・治樹。
本社から移動して来た華やかで優しい上司・小田島に親密に扱われ、彼に恋をしてしまうんですね。
しかし、実は小田島の優しさや思いやり深い態度は上っ面。
意中の相手で部下の三津の気を引くため、彼の親友である治樹に気を持たせる態度を取っただけだと言う事を知ってしまいー・・・と言うものです。
こちらですね、攻めが相当ゲスいんですよ。
治樹はとても純朴で、すごく分かりやすいんですよね。
で、自分に好意を抱いている事に気づきつつ、優しく理想的な男を演じて夢中にさせる。
治樹から寄せられる純粋な思いを、楽しんでいると言いますか。
自分の意のままになる事に、優越感を覚えてるんですよね。
そして、その好意を利用する事に、カケラも罪悪感を覚えていないんですよね。
ついでに、平然と「見た目は微妙だよね」と居ない所で貶したりもする。
ええーっ!Σ( ̄□ ̄;)
何て嫌なヤツだ!
これ、治樹は治樹で、実は微妙なのです。
親友である三津から「小田島はやめとけ」と止められてるんですよ。
そうじゃなくとも、小田島の胡散臭さと言うのは、最初から透けて見えてる。
なのに、アッサリのぼせ上がる・・・。
また、小田島の本性を知ってしまうと、ひどいショックを受けて親友である三津まで恨む。
で、早く小田島を忘れようと、しょうもない男と付き合いだす。
いや、こういう「忘れなきゃ」で、新しい恋人を探すと言う発想自体がすごく微妙だと思うんですよね。
誰でもいいから、自分を愛してくれる相手が欲しいだけなんですよ。
心の隙間を埋めたいだけで焦って相手を探すから、当然ロクデナシを掴む。
で、部屋に居つかれてDVを受け、ぼろ雑巾みたくなる・・・。
とまぁ、こんな調子でして、主役二人が二人とも共感しづらいと思うんですよ。
正直、私もイライラしちゃったんですよ。
が、ここからが、すごい勢いでの巻き返しターン。
治樹から突然避けられ、最初は不思議に思うだけの小田島。
それがだんだん気になって仕方なくなり、更にイライラしだす。
で、いても立ってもおられず、治樹の元に駆け付ける・・・。
小田島は、これまで常に余裕綽々で、必死になってみっとも無い姿を見せるなんて無かったのです。
それが、殴られ犯されてぼろ雑巾のようになってる治樹を見て、交際相手にとてつもない怒りを感じる。
そして、優しくてスマートな大人の男の仮面をかなぐり捨て、治樹に苛立ちを露にする・・・。
これまで、互いに上っ面しか晒してこなかったんですよ。
この二人って。
それが、ここに来て、初めて本音で向き合うんですよね。
いや、ここがすごく読み応えがあるんですよ。
あと、人の気持ちって、白黒ハッキリつけられるものじゃ無いですよね。
自分で自分の気持ちが、掴みきれなかったりもする。
小田島にとって、治樹はやっぱり貧相で、全然好みでは無いのです。
それでも、こうして腕の中に細い身体を抱え込んでいると、何故か穏やかな気持ちになるー。
よく分からないけど、泣かせたくないと思う。
そんな小田島のとても優しいモノローグが、すごく印象的で。
いや、変われば変わるもんですな!と。
これ、最初からデキた男がこうなったからでは無く、ゲス男がここまで変化した事に萌えちゃうのです。
受けをマトモに相手にしてなかった攻めが、受けから避けられるようになった事で、初めて彼の素の姿に気付く所が最高なのです!
「こんなに細くて頼りなかっただろうか」とか驚いたりしてるのに、何故か分かんないけど気分爽快なのです!!
で、ここまでが前半。
前半で恋愛の入り口に立った二人が、本当の恋人になるまでー。
これが後半で語られます。
前半で治樹の信用をキレイに無くしてしまった小田島。
その為、後半でも一筋縄では行かないんですよね。
完全に自業自得でして、ちょい攻めザマァ的な楽しさも得られるんでうよね。
小田島は真っ直ぐ口説いてるのに、治樹は曲解しまくりみたいな。
そのせいで、拗らせまくりみたいな。
いや、しつこいけど、自業自得だから!
「なんこうなるんだ・・・」って、自分のこれまでの悪行のせいだから!!
まぁそんな感じの、個人的ツボ作品でした。
ところで、私は受け史上主義です。
受けが酷い目に遭ってるのって、辛くて辛くて見てられないのです。
が、一定数の酷い目に遭ってるのに萌えちゃう受けと言うのが存在しまして。
えーと、殴られて鼻血を出してるのが似合いそうな受けと言いますか。
妙に嗜虐心をそそる受けと言いますか。
治樹がまさに、このタイプ。
気の毒ながら、交際相手から酷い目に遭ってるのに萌えちゃいました。
見た目に自信がないゲイの治樹が、副工場長としてやってきた小田島に心惹かれるのですが、実は彼が狙っていたのは幼なじみの三津。自分は、三津の話を聞くためだけの存在だったことを知り。。。
小田島が治樹に優しくして、食事を誘ったり一緒に出掛けたりしていた時が本当に幸せで、こんな風に付き合えて治樹が幸せになる話なんだなぁと思っていたら、一気に落とされました。治樹からしたらひどい仕打ちです。あの落胆は、可哀相過ぎて凹みます。
傲慢な小田島は、治樹が知ったことに気付かず、治樹に避けられ気になり出します。
ここから互いの思っていることが噛み合わなくなり、正直に自分の気持ちを言える状態でもなけれは、自分の気持ちに気付ける性格でもないので、もどかしく、そして引き込まれます。
このもどかしさが、この作品の見所ですね!
小田島のお膳立てにホイホイ行かないのも、もどかしいのですが、ここで行かないからこそ、後に2人が心から結ばれるようになるのかなぁ。
途中、自業自得だけどひどい目にあい、つらい場面もありますが、不憫で仕方がない主人公が幸せになれる物語は、読んでいても幸せになれますね!!
表紙がまた2人の関係性をしっかりと掴んだいい感じです。
ひのもとうみさん、多分この作品が初読みです。
三人称で、攻め受けの視点切り替え。
これはね〜、攻めのタイプがタイプなので好みの分かれそうな作品です(苦笑
恵まれすぎてニブチンとなった男性×自己評価が恐ろしく低い青年。
なんというか、夢やら希望のキラキラBLとは真逆の作品となっています。
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家具会社の製造部で働く26歳の治樹が受け。
地味で目立たなく、自分にコンプレックスを持つゲイの青年。
攻めは、経営一族で副工場長の小田島。
華やかで目立つ容姿の遊び人で、治樹の憧れの人です。
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とにかく寂しがりやで、ダメ男であっても誰かと触れ合っていたい治樹は男運がとことん悪く、それを自覚しながらも改善できない流されタイプ。
この治樹、雑誌掲載のページ数的都合があるのかもしれませんが、とにかくすぐに小田島へ溺れてしまう(片想いですが)のがあまりに性急すぎて残念。
まだ読み手側も、そこまで小田島へのめり込めてないので。(ただページを重ねてもこの小田島というキャラは嫌な方は嫌であろうと思う)
そのせいでよけいに治樹がなんというか、だらしなく感じてしまいました。
これをどう受け止めるかは読み手次第だと思いますが、ただこれが筆者さんの狙いだとしたらすごいかな。
わたしはもともと受けへ入れ込まない読者なのですが、今回の治樹はかなり苦手でした。
うじうじ受けというのはBLでも良くおりますが、またそれとはちょっと毛色が違うかな?
自分は男性ではないので想像の範囲になってしまいますが、こういう治樹のような思考は男性的でなく女性的ではないかなあと思ってしまうんです。
だからといって攻めが素敵かというと、これまた微妙なんですよね(苦笑
ただこういう、黙っても人が寄ってくるようなモテ男は、相手の気持ちに鈍感なのに無自覚ってあるだろうなあと思います。
攻めがいつだって一番好きなわたしでも、小田島は好きか嫌いかというと本当に難しい!
身内にいたら絶対蹴り飛ばしたくなるだろうし、付き合うのなんか激しく面倒臭そう。
ただ遊びだというなら良い相手でしょうねえ。
あれやこれやとマメで、褒めてくれ気分良くさせてくれて。
ああ実際いるよな、いたらモテるよなと妙に納得させられるリアルさがありました。
そのリアルさを読み物として面白いと感じられれば大好きになるでしょうし、理想の攻めとはどうにも真逆をいく小田島を受け入れられなければこの作品自体を読み終えるのは苦行となるのではないかと思います。
なにせ最後の最後まで同じ調子なのでね(苦笑
個人的好みで治樹には魅力を感じられないもののお話としては面白く読めたのは、ひとえに治樹の幼なじみの三津のおかげかもしれません。
美形で少女めいているのに口が悪いというのは最高なんですが、彼のスピンオフとかないのでしょうか…
この作品続編が確か出てますね。
わたし自身は小田島のあまりの我が道を行く感覚が、本当にどうしよーもないな、こいつは!と最終的には笑えてきております。
あ、それからちなみに攻めの一人称は『僕』です。(一箇所俺もあったんですが)
そういうのがお好きな方は、ぜひこの小田島の宇宙人ぶりを経験されてみてはいかがでしょうか。
話自体は面白いけど治樹に魅力を感じず、萌×2と萌の間でひじょうに悩みました。
この作品は、攻めをひどくする代わりに切ない展開を書いています。ちょっと精神的に痛いなというシーンがいくつかありましたが、だからこそ、感動しました。攻めに傷つけられた受けは、ますますネガティブになります。自分を傷つけるような思考回路が悲しいです。ネガティブ受けは、好き嫌いがわかれると思いますが、これはかなり重症なネガティブです。そんな思考を読みたい人におすすめです。ここまで、痛い作品は、なかなかないと思います。切ない物語、痛い心理描写が見たい人におすすめです。
読んでいて、「酷い攻めだな~」と思いました。でも、そこが良いんです。
そんな攻め様が、受けの治樹を好きになっていくところが良いんです。
治樹の友人の美人(男)に近づきたいがために、攻めは治樹に近づきました。そのことを、治樹は気付いてしまいます。
好きな人に裏切られる辛い展開に、胸が痛くなりました。この胸が締め付けられる感覚が、堪らないです。
治樹に酷いことをしておいて、だんだん治樹を好きになっていく攻め。だけど、治樹は攻めに一度裏切られたこともあり、なかなか攻めを信じることができません。攻めは罪深い男ですね……
受けが好きな人に裏切られたり、傷つけられたりする展開は、個人的に大好きです。なので、この作品を神評価にしました。
ひな鳥に餌を与えて育てていたら横取りされそうになって大慌てみたいな?
ゲイで内気で体にもコンプレックスがありネガティブで・・・・。自分を受け入れてくれるならかりそめのやさしさだって嬉しい。
新しくきた上司はかっこよくて自分にも優しくしてくれる浮かれないよう気をつけるけどどうしても幸せな気持ちになっちゃって・・・・でも幼馴染があの人はやめておけって・・・。
自分を兄弟のように大切にしてくれる容姿に恵まれた幼馴染と幼馴染に気があり自分を出しに使おうとする優しいくてひどい上司にはさまれ逃げたした治樹。
違う男でごまかそうとしてまた痛い目みて・・・・。もうやだよこの子・・・・。
バカな子ほど可愛いってゆうけど治樹のことかしら??と思うくらいほっとけません。
結局暴力男から救ってくれたのは暴力男へ逃げた原因のひどく優しくてひどく傲慢な男だったわけで。
Hシーンは萌えますた。小田島が治樹にぐっとくるのがよぉくわかる。
このシーンを覗けただけで長かったイライラストーリーも清算されます(笑)
この二人のすれ違い具合には私の心臓がどこまでもつのかとギュンギュンとわしずかみされて疲労困憊におちいりましたよ。
ここでのレビューみて購入をきめたんですけど買ってよかったです。
おもしろいですよ。イライラするくらい(笑)
家具工場に勤める、地味で控えめな治樹
経営者一族で、治樹の勤める工場の副工場長であり、
華やかで数多くの浮き名を流す小田島
地味な治樹は、華やかな小田島に憧れを抱き、そしてその想いは次第に恋心へと変わっていく。
表紙のふたりが全てを物語っている。
小田島の後姿を密かに見つめる治樹と、それにまったく気がつかない小田島。
治樹に優しく接する小田島は、実は治樹を利用しようとしていただけだった。
それに気づいた治樹は小田島と距離を置こうとする。
それで終わる関係のはずだった。
小田島は自分から離れていこうとする治樹を引き止める。
なぜか。
手駒として利用するため?
飼い犬に手を噛まれたようで不本意だから?
答えは、