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時は平安、都人達の風雅の裏には
様々な思惑が入り乱れ、
深い夜の闇にあってもげに恐ろしきは人なりけり。
年若き陰陽師と宮中の闇を巡り静かに事が動き始めます。
幼い頃は父をも凌ぐ力を持っていた陰陽師、
賀茂依享(よりみち)は今はその力と記憶を無くし、
宮中の古狸の使い走りとなっています。
かつて内裏にて凶行に及び流罪となった
惟喬(これたか)親王の元へ赴く事になり、
その出会いは彼を大きく変える予感を伴います。
狂人との噂を疑う親王の聡明さに惹かれていく依享ですが、
親王の抱える闇は深い哀しみと共にあるようです。
折しも傾国の前兆といわれる神の使いが現れ、
孤高の親王の復権を望む声も上がります。
物語の軸は、宮中の権力争いと京の闇に潜む
異形との対峙という点にあり、
派手な呪術や式神合戦などはありませんが、
主人公の心情を丁寧に追っているのが好印象です。
各人物の台詞には芯があり時代用語もしっかりしています。
親王をあれ程慕っているのに、何故か仲の良くない
取り巻きたちの諍いがちょっぴりユーモラス。
夏乃さんのすっきりした絵は、ともすると地味な印象ですが、
今回平安時代を描くにあっては、白と黒とその中間色それだけで
充分引き立っています。省き加減が上手い。
そして、目元涼やかな美丈夫の親王には、
人のみならず物の怪も慕う魅力がありますね。
実物ではご遠慮願いたいですが、どうしてだか
依享のお伴ガマの無白が大変可愛く見えてしまいます。
躊躇う依享を叱咤し時に小言をこぼすも、
家族のいない依享の心強いパートナーです。
非BL作品ですが、賢君である親王と彼の元に集う
好い男たちがこれからどんな活躍をみせるのか
楽しみなシリーズです。